
こちらに見るように、ロシア・インド首脳会談を総括する共同声明で、両国が2030年までに往復1,000億ドルの貿易額を達成するという目標が示された。では、現状どうなっているかというのを、上図のとおりグラフにしてみた。なお、これはインド側の統計にもとづくものであり、出所は国際貿易センターである。
まあ、確かに2023年の時点で657億ドルなので、2030年に1,000億ドル達成というのは、難しい目標ではないかもしれない。しかし、インド・ロシア貿易は2022年以降急増し、しかもインド側の輸入だけが激増するといういびつな形で進んでいる。これは言うまでもなく、ウクライナ戦争後にインドがロシア産石油の爆買いを始めたからである。
その結果、2023年の時点でロシアはインド第2の輸入相手国に躍り出た。だが、インドの輸出相手国としてロシアはあまりにショボい存在であり、2023年の時点でシェア0.9%、順位30位にすぎない。
石油相場が高騰でもすれば、来年にでも1,000億ドル突破は可能かもしれない(価格上限制は有名無実化する可能性がある)。ただ、それが両国がバランスのとれた経済関係を発展させていることを意味するかと言えば、答えは否であろう。
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