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 こちらの記事によると、ロシアが中国と新たなガスパイプライン「シベリアの力2」の建設で合意できていないのは、中国側が国際価格よりも低いロシア国内価格での供給を要求しているからだという。元記事はFTだが、そちらは有料なので、ロシアの引用記事で我慢。

 FTが情報筋から得た情報によると、ロシアがシベリアの力2で中国と合意できていないのは、中国側が実質的にロシア国内市場と同等の価格での供給を求めているからである。また、パイプラインのキャパシティが年間500億立米と想定されている中で、中国側はその一部しか購入義務を負おうとしていないこともネックとなっている。

 FTによると、プーチンの訪中にはガスプロムのミレル社長が同行しておらず、これは近い将来に本件調印が期待できないことを物語っている。中国と本件につき本格的に交渉するならば、ミレルの同席は不可欠のはずである。

 FT記事が出た後、中国外務省報道官は、合意が遅れているのではないかとの記者の質問に、「相互に有益な接点を見つけ、利益のすり合わせを深め、相互の成功を達成する。これが両首脳の間で合意されたコンセンサスだ。中国は、この重要な合意を実現するためにロシアと協力する用意がある」と答えた。

 FT紙によると、シベリアの力2の合意は、プーチン大統領が習近平国家主席に示した3つの主要な要請のひとつであり、両首脳は北京での会談で本件につき話し合った。残りの2つは、中国の銀行のロシアでの活動を活発化させることと、中国がスイスで開催されるウクライナ会議に出席しないことであった。

 FTの取材に応じた専門家は、ロシアにはガス輸出の陸路代替ルートがないため、ガスプロムは中国の要求に応じざるを得ないと考えている。最新データによると、2030年までに中国の輸入ガス需要は2,500億立米に達する可能性がある(2023年は約1,700億立米)。


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