以前、「甚だ不完全ながら発表された2023年のロシア貿易統計」というエントリーをお届けした。要するに、2023年のロシアの貿易動向については、ごく大掴みな概況しか発表されていないわけである。貿易パートナーに関しては、国別のデータはなく、大陸別の数字が発表されたのみであった。
そうした中、国営ノーヴォスチ通信のこちらの記事が、ロシアの貿易相手国側の統計にもとづき、ロシアと各国との貿易額を列挙するという作業を試みている。国営通信社がそんなことをするくらいなら、税関または統計局が国別の貿易額くらい正式に発表したらどうかという気もするが、ともあれ興味深い試みではあるので、チェックしておくことにしよう。
2023年のロシアの輸出入総額が7,101億ドルであったことは明らかになっている。これはロシア自身の正式な発表値だ。それに対し、今回の記事によれば、相手国側のミラーデータを整理すると、中国:2,401億ドル、インド:649億ドル、トルコ:565億ドル、ベラルーシ:550億ドル、カザフスタン:260億ドルというのがベスト5だったということである。上位5ヵ国だけで60%を占める。
そんな具合に、主要国のミラーデーターを、ロシアの輸出入総額で割り、各国の順位とシェアを示したのが、私の作成した上表である。2022年まではロシアの公式統計、2023年はミラーデータという変則的なものだが、全体像はご理解いただけるのではないかと思う。
従来、ロシアの貿易相手国として上位に来ることはなかったUAEが、一気に8位にランク入りしており、しかも同国のみ1~9月の数字なので、通年ではおそらく6位か7位くらいになるだろう。ロシアの石油迂回輸出ルートになっているものと見られる。
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