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 私が注目し追っている統計に、ウクライナの個人送金(レミッタンス)受入額というものがある。このほどウクライナ中央銀行が2023年のデータを発表したので、上表を更新した。クリック・タップで拡大してご利用を。

 要するに、国内で良い働き口が乏しかったウクライナでは、多くの国民がEU圏などの外国に働きに出ており、そこから本国への仕送りが国民経済にとり重要な要素となってきたわけである。ウクライナにとり「影の基幹産業」だったと言っていい。

 ロシアのウクライナ侵攻は、当然レミッタンスにも小さからぬ影響を及ぼしているはずである。成人男性は基本的に出国を禁止されており、国外に避難している女性・子供・お年寄りでは現地の労働力ニーズにマッチするとは限らないからである。

 上表に見るとおり、個人送金の受入は、ここ数年はGDPの8%前後で推移していたが、2023年には5.3%に低下し、やはり若干下火になったことをうかがわせる。

 なお、隣国ポーランドをはじめとするEU諸国からの送金の比率が年々高まっており、2023年には69.6%に達した。


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