
モルドバに「再生」という中道左派政党がある。議会の101議席中、4議席を占めるだけの小政党ではあるが、どうもロシアがテコ入れを図っている節がある。こちらの記事によると、このほどモスクワで開催されたCIS諸国国際経済フォーラムに、同党のA.ネステロフスキー議員が出席し、対ロシア制裁参加への反対や、モルドバの食品輸出にとってのロシア市場の重要性などを訴えたということである。以下、記事を抄訳しておく。
ネステロフスキー議員は、次のように訴える。「モルドバは反ロシア制裁の約80%に参加したが、政府がこの決定で打撃を与えたのは、自国の生産者に他ならなかった。彼らは、商品の主な買い手であったロシア市場を失ったのだ。」
モルドバの農家が使用する肥料の90%はロシアとベラルーシから輸入されている。「現在、モルドバの農家はEUから肥料を買わざるを得ない。制裁と政府の反ロシア政策のせいで、石油製品、ガス、電力の価格が高騰している。これは生産者やすべての国民を直撃している。親欧米派のモルドバ政府は、ロシアとの接触を避け、これらの問題に対処していない」と同議員は述べる。
モルドバは主にリンゴをロシアに輸出しているが、プラム、ブドウ、チェリー、缶詰製品もロシアに輸出している。ここ数年、モルドバの農家は年間約20万tのリンゴをロシアに出荷している。他方、EUへのモルドバ産リンゴの供給は5万tの割当によって制限されており、欧州市場での品質要求はロシアよりも厳しい。今年、モルドバを支援するため、欧州議会はモルドバ産果実の割当量を倍増することを承認してはいるが。
2022年以来、モルドバでは農業生産者による大規模な抗議行動が起きている。昨年、農業関係者は数百台のトラクターで政府庁舎に押しかけ、今年は国境や道路を何度も封鎖した。
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