
ロシアTASS通信のこちらの記事は、ワシントンポストの報道を引用する形で、欧米企業がロシア産チタンの輸入をなかなか断ち切れていない現実を伝えている。元記事はおそらく有料で読めないので、以下TASS記事の要旨を整理しておく。
WPが、2022年2月以降、反ロシア制裁にもかかわらず、欧米企業がロシアで数億ドルのチタンを買い付けていることを伝えている。2022年から2023年にかけて、ロシアのVSMPO-AVISMA社はEUと米国の制裁対象とはなっていなかったため、同社は2年連続で年間3億ドル以上のチタンを西側諸国に輸出した。その大半は、英国、ドイツ、フランス、米国などのウクライナ支援国に輸出された。これらの購入は、モスクワとの経済関係を断ち切るという約束にもかかわらず、西側諸国が特定の商品をロシアに依存していることを物語っているとWPは論じている。
米国の専門家によれば、ロシアからのチタンの供給が途切れると、軍事および民間航空機産業を支える企業が、窮地に陥る可能性があるという。
ただ、2023年9月25日、米商務省はVSMPO-AVISMAを含むロシア、中国、フィンランド、ドイツ、オマーン、パキスタン、UAEの28社に対して、輸出制限を課すことを決定している。
VSMPO-AVISMAはロシア・チタン産業の独占企業であり、世界の航空産業用チタンの3分の1を生産している。2023年3月7日、米ボーイング社はロシア産チタンの購入を停止したと発表した。その1週間後、VSMPO-AVISMAとボーイングの合弁会社であるウラル・ボーイング・マニュファクチャリング社は、対ロシア制裁を受け、事業停止を発表した。
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