
このほど、ロシア税関が2023年のロシアの貿易概況を発表した。しかし、「ないよりはマシ」という程度の、甚だ不充分なものである。
2023年の途中から、ロシア税関が発表し始めたのは、①大陸別の輸出入額、②ごく大まかな分類の商品内訳、だけである。下に私が日本語にしたものを掲載するが、これが今のところロシア税関発表値のすべてである。
2023年のロシアの商品輸出額は4,251億ドル(前年比28.3%減)、輸入は2,851億ドル(11.7%増)、収支は1,400億ドルの黒字であった。輸出の大幅減、貿易黒字の縮小が目を引くが、資源高で輸出額が膨らんだ2022年がむしろ異常であり、2022年にはむしろ輸入したくでもできないことが問題だったわけで、輸出入額としては「割と普通の状態に戻った」という印象が強い。
とはいえ、貿易相手地域の変動は急激に進んでおり、それを示すため冒頭のグラフを作成した。欧州との貿易がほぼ半減し、その分アジアとの取引が増える構図である。ただ、アジアと言っても、アジア非友好国との取引は減っているわけで、現状では中国、インド、トルコといった一部のアジア新興大国との取引だけが増えているのが実情だろう。

*表の単位が間違っていたので、修正して再掲載。
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