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 ウクライナのGMKセンターというところは、同国の鉱山・冶金産業についての有益な情報源だが、比較的新しいこちらの記事が、ウクライナの製鉄所別の稼働状況というデータを掲載しており、興味深い。

 これによると、2023年時点で各製鉄所の稼働率(銑鉄・粗鋼につき)は、以下のとおりとなっているという。

  • ザポリジスターリ(65~75%):休止していた第2高炉を、2023年3月に再稼働。それ以来、4つの高炉のうち3つが稼働している。2023年には272万tの銑鉄(前年比35.3%増)、247万tの粗鋼(65.4%増)、205万tの鋼材(57.2%増)を生産した。
  • カメトスターリ(65~75%):3つの高炉のうち、2つが稼働している。2023年1~9月の銑鉄生産量は130万t(前年同期比11%増)、粗鋼150万t(17%増)だった。2023年第3四半期には第1高炉の停止により銑鉄生産が低下したが、これは定期修繕のためである。
  • インテルパイプ・スターリ(50~55%):2023年1~9月の粗鋼生産量は53.0万t(前年同期比14.5%増)だったが、これは秋・冬の停電の発生に備えて在庫を積み増した結果とされている。鋼管生産量は30.9万tでほとんど増減なしだった。
  • アルセロールミタル・クリヴィーリフ(20~30%):4つの高炉のうち1つしか稼働していない。2023年上半期の粗鋼生産量は39.0万tで、前年同期比56.2%減だった。
  • ドニプロ冶金工場(データなし):ここでは、粗鋼はカメトスターリから供給されており、圧延工程のみが行われている。2023年1~11月の鋼材生産は10.0万tだったが、本来の年間の生産能力は110万tなので、そこから稼働率を出すとすれば10%程度ということになる。

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