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 例のダム決壊で、水没した地域の救済は喫緊に必要だが、中長期的に懸念されるのは、あの貯水池から農業用水を引いているヘルソン州、ザポリージャ州、ドニプロペトロウシク州などの農業の行方である。

 そこで、ウクライナの地域別の主要農産物生産高を、上掲のとおりグラフにしてみることにした。拡大してご利用ください。対象は穀物、てんさい(砂糖ダイコン)、採油用作物のみであり、じゃがいもや野菜などは対象外にした。大豊作だった2021年のデータを使うことにした。以下、気付きの点を箇条書きで。

  • ウクライナについての素人言説の一つに、「東の重工業地帯、西の穀倉地帯」というのがあるが、改めてそれが大ウソだということが実感される。
  • 主要作物の生産高で見事1位になっているのは、ヴィンニツャ州。てんさいの生産が盛んなことは知っていたが、穀物もトップとは正直思わなかった。
  • 実は、個人的に勘違いしていたことに気付いた。大まかな傾向として、寒冷な北部は小麦、それよりは温暖な南部はとうもろこしとひまわり、といったようなすみ分けになっているのかと思っていたのだが、こうやって調べてみると、そうでもないことが分かった。大いに反省。
  • さすがに、ウクライナのひまわりについてはかなり有名になったところだろう。ただ、こうやって見ると、それ以外の採油作物、具体的には大豆、菜種も、かなり有力である。
  • ダム決壊の影響が懸念されるヘルソン州、ザポリージャ州、ドニプロペトロウシク州は、農業州としては中位くらいの存在。

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