ウクライナ穀物協会のフェイスブックページに、ウクライナの穀物・植物油輸出を、「黒海穀物イニシアティブ」と、それ以外の代替ルートに区分したグラフが毎月発表されることは、個人的に把握していて、以前も当ブログで紹介したことがあったかと思う。
そうしたところ、今般、さらに興味深いデータが出ているのに気付いた。代替ルートのうち、ドナウ川港湾からの船積分に限ったデータが出ていたのである。オタクデータとグラフ作りが趣味の当方としては、これに反応せざるをえず、早速上図のようなグラフにまとめてみた。
国連とトルコの仲介で成立した「黒海穀物イニシアティブ」が、昨年8月から動き出し、それにより港で滞貨していたウクライナの農産物がだいぶさばけたことは、良く知られているだろう。ただ、こうやって見ると、確かに同イニシアティブは主力の輸送路となっているが、代替ルートも引き続き重要であり、ざっくりいうと同イニシアティブが3、代替が2くらいの割合になっている。そして、代替ルートの半分ほどが、ドナウ川港湾での船積という図式だ。
正直言うと、個人的には、黒海穀物イニシアティブが稼働したことで、ドナウ川ルートは重要性を失い、もっと下火になっていたのかと思っていた。むしろ、グラフで見る赤の部分が大きくなり、これは陸路で近隣の中東欧諸国に流れているのが大部分だろうから、だからこそポーランド等の中東欧諸国でウクライナ産農産物のボイコットが起きているのだろうというのが、私の見立てだった。もっとも、ドナウ川経由の少なからぬ部分が、やはり中東欧のルーマニアやブルガリアに流入していたという可能性はあるだろう。
ドナウ川を青にしたこと、どれだけの人が気付いてくれるかな。
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