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 ロシアの連邦財政の柱になっている石油税収に関連する最新の動きをまとめておく。総じて、石油税収は立て直される方向にあるようだ。

 おさらいしておくと、ロシアの主要油種であるウラル原油の指標が実態から乖離するようになったため、ロシアは石油に対する地下資源採掘税の基準としてウラル原油相場を利用するのを見直し、ブレント価格マイナス一定のディスカウント幅という制度に移行した。当該の措置は4月に発効し、4月にはブレントからマイナス34ドル、5月にはマイナス31ドル、6月にはマイナス28ドル、7月以降はマイナス25ドルと、ディスカウント幅は段階的に縮小していくことになっていた。ただし、ウラル原油価格が、これらよりも高かった場合には、ウラルが課税基準となることになっていた。

 そして、こちらによると、A.ノヴァク副首相はこのほど、現時点でウラル原油の相場はブレントからマイナス26~27ドルとなっており、これは法律で定められた4月のディスカウント幅34ドルを下回っているので、課税基準はウラル相場になると発言した。

 こうしたことから、こちらの記事によると、4月の石油の地下資源採掘税による課税額は、前月に比べて25%ほど増加する見通しとなった。課税の係数は、3月の9.8153から、4月の13.5461に高まる。そこから算出される1t当たりの課税額は(優遇措置が適用される鉱床は除く)、3月の16.259ルーブルから、4月の20.297ルーブルとなる。ウラル原油価格が20.5%上昇したこと、ルーブルが対ドルで6.1%減価することも、税収を押し上げる。生産量が現状維持だと仮定すると、石油採掘税の税収は、3月採掘分の4,900億ルーブルから4月採掘分の5,900億ルーブルへと、約20%高まる。4月分の税収は4月28日までに納入されることになる。

 一方、こちらによると、このほど成立した改正関税率法により、地下資源採掘税に続き、石油の輸出関税および追加収入税を算出する際にも、従来のウラル相場から、ブレントからマイナス一定のディスカウント幅という方式に移行することが正式に決まった。こちらによると、ノヴァク副首相は石油税制の一層の改善を進めていくと表明した。


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