
ドイツのWELT紙が、興味深い調査報道を行ったということである。元の記事はこちらだが、有料だし当方はドイツ語が読めないので、英語で内容を要約しているこちらの記事や、ロシア語のこちらの記事を利用することにする。
ちなみに、当ブログでは以前、「ウクライナ軍はどうやって燃料を調達しているのか?」という疑問を呈したことがあったが、今回の記事でその謎がだいぶ解けた気がする。
WELTの報道によると、ブルガリア政府の表向きの姿勢に反して、同国は早くも昨年春の段階で、ウクライナに大量の弾薬およびディーゼル燃料を供給していた。時期によっては、ウクライナ軍の弾薬ニーズの3分の1程度をカバーした。それのみならず、ウクライナ軍の戦車・車両が使うディーゼル燃料の40%近くを秘密裏に輸出していた。それは4~8月のきわめて重要な時期に当たった。
ブルガリアはハンガリーと並んで、表向きは、EUの中では例外的にウクライナに武器・弾薬を提供していない国だった。4月末に当時のペトコフ首相がキーウを訪問したあと、武器の修理を申し出ただけで、ウクライナへの武器供与には反対するのが同国の公式的立場だった。ところが、実際には死活的な時期に、ペトコフ首相とヴァシレフ蔵相が直接かかわる形で、弾薬・燃料提供のオペレーションを手掛けていたことになる。
ここで注目されるのは、その時点でブルガリアの石油精製は、全面的にロシア産原油を用いて行われていたことであり、しかもその時点でロシア・ルクオイル社の所有だったブルガス石油化学コンビナートがそれを担っていた。
ブルガリアが急ピッチで生産した弾薬は、関与を非難されるのを避けるため、直接ではなく、英米が輸送費を支出する形で輸送された。ある時期の例を挙げると、弾薬を積んだ航空機が対ウクライナ国境に近いポーランドのジェシュフ空港に降り立った。
ブルガリアからの物資供給に関しては、ウクライナのD.クレバ外相が事実を認め、ブルガリアのペトコフ、ヴァシレフも否定していない。
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