
今朝、「カザフスタンがユーラシア経済連合を脱退する可能性は?」というのをお届けしたが、同じ記事の中で、ロシア側の専門家、CIS研究所中央アジア部長のA.グロジン氏もコメントしているので、そちらの要旨も以下のとおり紹介する。
ロシアにとってカザフスタンのユーラシア経済連合脱退といった事態はきわめて望ましくない。
第1に、広大な隣国への影響力を失う。両国の国境は7,500kmもある。もしもカザフがロシアの同盟国でなくなったら、両国間に通常の国境を設けなければならず、それには10年、国家予算の3~4年分を要し、その分、宇宙開発や福祉を諦めなければならない。欧州方面に加え、南方の国防も強化しなければならない。
第2に、ロシアはその他の中央アジア諸国に権益、軍事施設、合弁企業があり、ロシア市民が住んでいるわけだが、ロシアと同諸国がカザフによって隔絶されてしまう。ロシアは中央アジアの南の辺境を制御する可能性を失い、運輸面でのポテンシャルも脅威にさらされる。
また、カザフがそのような動きを見せれば、ロシアと中国のパートナーシップも難しくなり、露中の経済・運輸プロジェクトが困難になる。
さらに、カザフという販売市場を失うのも痛い。カザフに次ぐ存在としてウズベキスタンがあるにせよ、カザフは中央アジアでは世界経済により密接に統合され、経済・社会指標で他の中央アジア諸国の追随を許さない。カザフにはロシアから食料、機械、軍需など多くの商品が輸出されており、両国のエネルギーシステムは密接に繋がっている。
カザフ経済のロシアへの依存度の方が大きいが、両者の断絶はカザフにとって悲惨なものとなり、ロシアにとっても非常にまずいことは、両者とも分かっている。今、我々が目にしているのは、ロシア指導部がカザフスタン当局を正気に戻らせようとする穏便で慎重な試みである。今のところ、カスピパイプラインコンソーシアムに関する決定は発効しておらず、カザフの石油はロシア領を通過しているが、それが止まったりすると、まったく別の状況となる(注:結局本件はひとまず解決した)。
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