content_TASS_41400361__1_

 どうも、ロシアのナワリヌイの乱を読み解く上でも、TikTokが鍵を握っているらしい。当方、インスタは他人の投稿を眺めるだけ、TikTokはほとんど利用したこともなく、このままではロシア事情研究にも支障が生じそうである。

 そうした中、こちらの記事が、TikTok革命がロシアの政治、特に今般のナバリヌィ・デモにどのような影響を及ぼしているかを論じているので、以下のとおり骨子だけまとめておく。

 ロシアでは2,300万人がTikTokを活発に利用している。一般的なイメージに反し、未成年のユーザーは25%だけであり、75%が大人で、しかも55歳以上も12.5%に上っている。子供もいれば大人も高齢者もいるという、真に国民的なアプリなのである。

 割と最近まで、ロシアでTikTokは政治とは無縁であった。しかし、昨年改憲の動きが生じた際に、政治的コンテンツが顕著に増え、「#поправкивконституцию(改憲)」というハッシュタグの動画が数千に上り、現在までに1,000万回閲覧されている。S.ミハイロフのようなセレブたちがインスタで改憲をPRしていた頃、TikTokの使い手たちは、たとえば改憲がLGBTに及ぼす圧迫を問題提起したりしていたのである。ハバロフスクでフルガル知事逮捕に反対するデモが起きた時には、政治的な投稿がさらに増えた。

 今般のナワリヌイの乱に際しては、数百万の人々がナワリヌィの帰国表明以降の経緯を見ていたので、TikTokのアルゴリズムの判断により、1月23日のデモ参加を呼びかける投稿が、それらの人々により積極的にレコメンドされた。それに反応してユーザーが政治的な投稿をすると、それらも連鎖的にレコメンドされ、数十万人に閲覧されることとなった。

 当然、体制側も対抗措置をとり、「#запутина(プーチンに賛成)」、「#противнавального(ナワリヌイに反対)」といったハッシュタグの動画が多数投稿された。これらの多くは、フェイクアカウントからの投稿であったと見られる。また、体制側が実績のあるTikTokの使い手にカネを払い、体制支持の内容の投稿を依頼する現象も見られた。

 最終的に、TikTokを抑えきれないと判断した体制側は、得意の直接的な圧迫に乗り出した。ロシア連邦通信監督局は、TikTokに対し、抗議活動参加を呼びかける投稿を削除するよう要求し、その後、禁止された情報を遮断できなかったとして、400万ルーブルの罰金を科した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ