
ベラルーシ情勢は、ほぼほぼ決着がつき、あとは窮鼠猫噛みが心配なのと、ロシアの出方が不透明なことくらいかと思う。
しかし、それはあくまでもルカシェンコ体制をアンインストールするというだけの観点であり、ルカシェンコなきあと国をどうしていくかというのは、まったく異なる難題である。
私個人は、ベラルーシの民衆に共感するのは当然のこととして、研究者としての専門上、今後この国を待ち受けるであろう経済的困難に、思いを致さざるをえない。生来のひねくれ者ゆえ、世の大勢に反し、「多々問題はあれど、ルカシェンコは経済的には頑張ってきた」という論陣を張ろうかと思っている(笑)。
周知のとおり、(バルト3国を除く)旧ソ連圏においては、エネルギー資源を持てる国が豊かで、持たざる国が貧しいというパターンがある。ただ、その例外として、ベラルーシはエネルギー資源を持たざる国なのに、所得水準がそんなに悪くないという国だった。上の図に見るとおり、ベラルーシのエネルギー自給率は15%とこの中では最低なのに、産油国に準ずる所得水準を達成していたのである。ルカシェンコがあの手この手でロシアと駆け引きして、ロシアの成長のおこぼれにしっかりとありついてきたからであろう。今後、この要因は失われる公算が大きい。
ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
