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 毎度おなじみ、ロシアの政治評論家A.マカルキン氏(上掲写真)がこちらのサイトで、ベラルーシにおける独裁者ルカシェンコ誕生の教訓を、1996年のロシアと比較しつつ論評しているので、以下のとおり要旨を整理しておく。

 ベラルーシにおけるルカシェンコ大統領の軌跡は、1996年のロシア大統領選を想起させる。1996年のロシアでは、体制側があの手この手で強引にエリツィン再選を達成したわけだが、もしも共産党のジュガノフが大統領になっていたら、その後のロシアでは、選挙の公正さは完全に順守され、ロシアの民主主義は順調に発展したのではないかといった考え方がある。

 しかし、ベラルーシの事例は、こうした見方が危ういということを示している。1994年には在野候補のルカシェンコが公正な選挙で勝利したわけだが、当選後は、短期間で権威主義体制を構築し、野党を圧迫した。ロシア共産党も、いったん政権を握ったら、決してそれを手放さなかっただろう。当時のロシア共産党は、今のような穏健派ではなく、ソ連的な復讐を党是とし、政敵を尊重することなど一切なかった。ジュガノフ党首自身、ポーランドのクワシネフスキやハンガリーのホルンなどとはまったく様相が異なった(注:両者とも東欧革命後に政権に就いた元共産派)。また、モルドバでは、ヴォローニン率いる社会主義者党が政権を奪取した事例こそあるが、その当時にはルーマニアのEU加盟プロセスが始まっており、それがモルドバのエリートや庶民に大きな影響を与えていた。ロシアにも、ベラルーシにも、そうした要因はなかったのである。


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