rugby

 先日、知人から、「なぜジョージア(旧グルジア)ではラグビーが盛んなのか?」と訊かれた。個人的に、ラグビーに関する知見はなく、昨年のワールドカップも一秒も観なかったので、正直言えば、ジョージアとラグビーを結び付けて考えたことなど、一切なかった。むしろ、最近でこそパッとしないが、ジョージア=伝統的なサッカー国というのが、私の抱いていたステレオタイプだったくらいだ。確認してみると、確かにジョージアの世界ランキングは現時点で14位とそこそこ高く(上図参照)、昨年のラグビー・ワールドカップにもジョージアは出場していたようである(私の所属団体の事業対象国としては唯一)。というわけで、気になったので、ジョージアにおけるラグビー人気について、ちょっと情報を探ってみた次第である。

 こちらの記事では、ロシア人記者がジョージアのトビリシを訪問し、現地の人々がテレビのサッカー中継など目もくれずに、ラグビーのワールドカップにかじりついている様子のルポルタージュが伝えられている。なるほど、かの地では、近年サッカーよりもラグビー熱の方が高いというのは、本当のようだ。

 で、なぜにジョージアでラグビー人気が高いのかという点に関しては、「Lelo burti」(ジョージア語でField Ballという意味)というジョージア伝統の原始的な球技とラグビーが似ているから、という有力な説があるらしい。下に見るのがその動画であるが、「お互いをリスペクトする」という以外には明確なルールはないらしく、以前NHKのBSで観たサッカーのルーツと言われるイングランドの田舎のお祭りに近いなと感じた。

 もう一つ、ジョージアの人々がラグビーに熱中する理由として、こちらこちらの記事を読んで、次のようなことを感じた。2008年にロシア・ジョージア間で戦争が起きて以降、サッカーではUEFAの配慮により、両国間の対戦が回避されている。ところが、ラグビーでは、中立地の開催ではあるが、最近も両国代表同士が激突している。実は、ジョージアがロシアに勝てるスポーツ種目は、ラグビーくらいである。両国のラグビーの優劣は明確であり、最後にロシア代表がジョージア代表に勝ったのは、もう20年以上前の、ただ一度きりである。というわけで、ジョージア国民がロシアへの敵愾心を発揮し、溜飲を下げることのできる唯一のスポーツ種目となっているのが、まさにラグビーのようなのである。


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