現在建設に向けた準備作業が進められているベラルーシ初の原発は、同国北部のオストロヴェツ地区に設置されることが決まっている。こちらのサイトによると、建設地は首都ミンスクからは134km離れているのに対し、対リトアニア国境は20kmと至近であり、リトアニアの首都ヴィルニュスとの直線距離も53kmにすぎない。
こうしたことから、リトアニアはベラルーシの原発計画に反対の声を上げてきたわけだが、このほど新たに注目すべき動きに出た。こちらのニュースによると、リトアニアは原発の建設地を変更することをベラルーシに要求するようユネスコに訴えたということである。ヴィルニュス旧市街はユネスコの世界文化遺産に登録されており、オストロヴェツ地区に原発が建設されればその環境および安全が脅かされることになるというロジックで、ユネスコにアピールをしたということである。リトアニアのユネスコ委員会のアピールには、「リトアニア社会には今に至るまで、計画されている原発が環境、100万以上の住民の生活、ヴィルニュスを流れるネリス川の生態系に及ぼしうる影響につき、充分な情報が提供されていない。また、利用される核燃料の保管にどんな方法が想定されているのか、核惨事が起きた時にヴィルニュスの住民の避難をどのような条件で行うかも、明らかでない。リトアニア社会も、両国の文化的発展も、ベラルーシ共和国の一方的な行動の囚人になるわけにはいかず、それは両国間の文化的協力関係に破局的な結果をもたらす」と指摘されている。
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