こちらのニュースによると、プーチン首相の支持団体である「全ロシア国民戦線」が、大統領選後、政党に改組され、現与党の「統一ロシア」のライバルになる可能性があるという。国民戦線の支援で下院に当選し、プーチン選対のメンバーとなっている議員たちが、『イズベスチヤ』紙に語った。

 その一人、V.ルィサコフは、次のように語った。これまで懐疑派は国民戦線を一時的なプロジェクトと見なしていたものの、今や本格的な勢力となり、統一ロシアよりも権威が高いとすら言われることもある。いずれにせよ、下院選の際に国民戦線の選対を指揮していたV.ヴォロジン大統領府第一副長官が、その課題をしかるべく解決するだろう。選挙が終われば、それに着手することが可能となる。別の議員、V.トラペズニコフは、次のように語る。国民戦線の政党への改組の作業が活発化するのは、おそらく秋だろう。形式的には、地域が音頭をとる形となる。今は選挙に集中しており、夏になると政治熱が冷め、秋になったらまた高まるので、その頃に統一ロシアよりも国民戦線の支部の方が強力な地域の活動家が、イニシアティブを示すだろう。

 もっとも、すでに将来の政党の綱領作りの作業が始まっており、社会・経済・政治研究所のN.フョードロフが中心になってまとめていると話す関係者もいる。この研究所は、統一ロシアの綱領も起草したが、採用されなかった経緯がある。また、綱領策定のために新しい専門家が招かれたという説もある。

 新政党がどのような状況に置かれるかは定かでないが、国民戦線が統一ロシアに取って代わるという可能性もあるという。2月初めには『イズベスチヤに』、国家指導部が政権党のブランドの再編を計画しているという情報が出ており、統一ロシアを解体して新しい諸勢力を形成するなど、いくつかの案が取り沙汰された。ただ、おそらくは、国民戦線が統一ロシアに次ぐ第2の政権党、つまりライバルになることが有力で、それは政治評論家たちの分析とも一致する。国民戦略研究所のS.ベルコフスキー所長は、様々な案が競合し、それらがともに実施される可能性が高い、統一ロシアはV.スルコフおよびB.グルィズロフといった古いチームのコンセプトで、行き詰っていて、そこにV.ヴォロジンの国民戦線というコンセプトが登場したわけで、プーチンが現在のお気に入りのヴォロジンに政党化の許しを与える可能性もある、と述べている。一方、政治情報センターのA.ムーヒン所長は、国民戦線と統一ロシアからなる二大政党制を形成するのがプーチンのビジョンで、それは充分に実施可能であると指摘した。