こちらのニュースによると、ロシア最大の銀行ズベルバンクは2月15日、オーストリアの銀行グループ「Oesterreichische Volksbanken AG (OVAG)」の東欧子会社「フォルクスバンク(VBI)」の株式を100%取得する契約に調印した。1年にわたった交渉が実り、ズベルバンクは晴れて国外市場に進出することになった。ただし、ズベルバンクがロシア国内でリテールを手掛けているのに対し、VBIはその実績は乏しく、中小企業との取引を主力としている。もっとも、東欧にはロシア企業が進出しているので、それらへのサービスという方向性が考えられる。VBIは300の支店、60万の顧客を有し、中東欧諸国のほかウクライナでも営業しており、オーストリアでの事業免許もある。総資産は6月末時点で94億ユーロ。ソ連崩壊から20年の時を経て、ズベルバンクがベラルーシ、ウクライナ、カザフスタンの3子会社に加えて、東欧に強力なネットワークを有する銀行の買収に乗り出したのは興味深いと、この記事は結んでいる。

 なお、別の記事は、ズベルバンクは東欧新子会社につき、「フォルクスバンク」という名称を放棄し、「ズベルバンク」というブランドで事業を展開する意向である旨伝えている。