こちらのニュースによると、モルドバからの分離独立を唱えている沿ドニエストル共和国のシェフチューク新大統領はこのほど、同共和国はロシアから供給される天然ガスの決済ができていない旨認めた。15日、記者団に語ったもの。

 記事によると、大統領は以下のように語ったとのことである。すなわち、沿ドニエストルは現在きわめて厳しい経済状況にあり、ガスの決済は事実上行われていない。共和国内の経済を活性化し、マクロ経済状況を精査して、当座の支払を開始できるように条件を整えなければならない。ロシア側は、旧債務と当座の支払の2つに分けて、解決策を見出そうとする姿勢をとっており、それぞれに関する作業グループが設置されている。沿ドニエストル側も自分たちの提案を出しているが、市民や企業の所得を向上させない限り、向こう2年間で本件を好転させることは不可能である。

 一部情報によれば、沿ドニエストルはガスプロムに28億ドルの債務を負っているという。

 一方、2011年末にモルドバ本国のモルドヴァガス社は、ロシア・ガスプロムと、現行の供給・トランジット契約を2012年第1四半期一杯まで延長する契約を結んでいる。モルドヴァガスは1999年に創設され、持ち株比率はガスプロムが50%、モルドバ政府が35.3%、沿ドニエストル内閣が13.44%、少数株主が1.23%となっている。