ユーラシアリサーチ 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心に旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

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 アラスカで米露首脳会談が行われた際に、ベーリング海峡にトンネルを掘ってロシア領と米アラスカを結ぶという構想が語られた。その後、米露関係は紆余曲折を経ており、元々荒唐無稽だったトンネル構想も進捗しているわけではないが、こちらの記事の中でロシア科学アカデミー極東支部長のYu.クリチンが本件についてコメントしているので、以下発言内容を整理しておく。

 クリチン支部長いわく、現代の技術により、ロシアからアラスカまでベーリング海峡の下にトンネルを建設することは可能だが、それを効果的に活用するためには、マガダンからチュクチ半島までを結ぶ幹線道路も整備し、トンネルをロシア国内の既存の道路インフラと接続する必要がある。1940年代、ソ連は本土からサハリンへのトンネル建設を計画し、実際に建設が始まった。スターリンの死がなければ、おそらくそれは実現していただろう。現在では、まったく異なる技術が用いられている。そして現代の技術では、アラスカへのトンネル建設はまったく問題ではない。英仏海峡にもトンネルがある。問題はその必要性であり、ヨーロッパからマガダンを経てチュクチ半島に至る正常な幹線道路がない場合には、微妙となってしまう。そこで、マガダンからさらに先へ進もう。そうすれば素晴らしいことになる。支部長はこのように述べた。

 まあ、トランプ政権への秋波の一環にすぎず、ロシア側としても本気というわけではないだろう。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、以前お伝えしたとおり、スプリームスは前作Nothing but Heartachesで連続No.1記録が途絶えていたのだが、この週、I Hear A Symphony - Supremesで見事、覇権を奪還した。アーリーソウルのテイストを残していた初期の作風から、より凝った曲調・アレンジに移行している。

その頃ソ連では
1965年11月15日:南ローデシア情勢に関連してソ連政府が声明発表。

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 誰も関心がないような、ごく個人的な研究分野の話で申し訳ない。私はロシアの北極域開発のことを研究テーマの一つにしているのだが、プーチン政権は北極域開発を進める上で「拠点都市」というものを指定し、そこを足掛かりに資源開発や国防の強化に繋げるという政策を打ち出している。2023年に16の拠点都市が指定され、プーチンは政府に対し、それらの都市の開発に向けたマスタープランを策定するよう指示していた。

 そして、こちらのページに見るように、10月27日付のロシア連邦政府指令により、拠点都市の「2035年までの総合社会発展計画」が採択された。ところが、その対象都市は、2023年に指定された16から、今回の決定では15に減っている。クラスノヤルスク地方のイガルカが対象から外れた模様である。また、前回のリストではチュクチ自治管区のアナディリが対象だったが、今回のリストではそれが消え、代わりにエグヴェキノトというだいぶ北に離れた集落が指定された(ただしエグヴェキノトのインフラ整備プロジェクトにはアナディリに向かう道路の建設なども含まれているので、アナディリが開発の対象外になったということではないと思う)。さらに、前回リストではペヴェクが指定されたが、今回のリストではペヴェク・ビリビノという形に変わっている。上掲の表では、指定から外れたところをカッコ付きで示し、新しく加わったところを赤色で表示してみた。


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 簡単なネタで恐縮だが、ロシア・エネルギー省報道官が国内燃料市場の安定を強調したということを、こちらの記事が伝えている。以下がその要旨。

 ロシア・エネルギー省の報道官がこのほど述べたところによると、ロシア国内の自動車用燃料の需要は供給で完全に満たされている。市場の状況は安定しており、これはロシア政府が以前に行った措置、特に非生産者に対する自動車用ガソリンとディーゼル燃料の輸出の一時的な制限などが寄与している。エネルギー省は、石油製品市場の状況を毎日監視し、国内経済と国民に燃料を安定供給するために、各地域と体系的な連携を行っている。報道官は以上のように述べた。


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 ロシア税関より、2025年1~9月期のロシアの輸出入データが発表されたので、早速表にまとめてお目にかけたい。ただし、現在ロシア当局が公表しているのは、輸出入の総額、その大陸別内訳、ごく大掴みな商品分類だけである。今回お目にかけるデータがすべてであり、踏み込んだ分析などは不可能となっている。

 まず、1~9月期の輸出・輸入額を、過去3年間で整理してみると、上表のようになる。今年に入り、輸出の落ち込みが目立っている。ただ、1~6月の輸出は前年同期比6.3%減だったので、1~9月の4.6%減は、やや持ち直してきたと言えるのかもしれない。

 次に、大陸別の輸出入動向が、下表のとおり。かつての得意先である欧州との取引減が相変わらず激しく、アジアへのシフトが進んでいる。ただし、今年に入りそのアジアとの輸出・輸入も微減となっている。その他の大陸は額がわずかなので、何とも言えない。

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 最後に、商品グループ別の輸出入動向が、下表のとおり。あまりにも粗い分類なので、詳しいことは分からないが、これを見ると、今年に入っての輸出不振は、もっぱら鉱物と農産物・食品の落ち込みに起因していることが分かる。鉱物は国際的な制裁網や燃料の輸出禁止措置などが効いているのだろう。農産物・食品は、作柄、制裁、国際市況などが複合的に作用して落ち込んでいるものと見られる。農業はロシアの成長産業の最たるものと位置付けられ、しばらく前に農産物・食品の純輸出国になったと胸を張っていたわけだが、2025年1~9月には再び純輸入国に転落している。

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 こちらの記事が、ウクライナで国際支援の遅れにより財政赤字補填の目途が立っていないという問題を伝えている。以下記事を抄訳しておく。

 2026~2027年のウクライナの国家予算の赤字のうち、まだ補填できていない額が約600億ドルに達する。これは、国家歳出の資金調達に深刻な課題を招き、追加的な国際支援の必要性を生じさせている。キーウ安全保障フォーラムのエネルギー・経済情勢に関する緊急会合で、O.カヴァ財務次官が明らかにした。次官によると、2026年の予算編成は2025年よりも難しくなる。なぜなら、赤字を補填する財源についてまだ完全に明確になっていないからだ。2025年の予算編成では、ウクライナは資金調達について明確な合意があったが、現在の状況は、国際的なパートナーが意思決定を遅らせた2024年に似ている。財務省は資金調達のために国際的なパートナーと積極的に交渉しており、良い結果を期待していると、次官は述べた。次官はまた、ウクライナが凍結されたロシア資産を財源とする新たな資金調達メカニズムの構築に取り組んでいることを指摘し、その一環として、こうした資金の大部分が凍結されているEU、特にベルギーとの交渉を進めていると述べた。次官は、米国がウクライナ支援に関する立場を変更したにもかかわらず、欧州のパートナー諸国およびG7諸国はウクライナを支援する姿勢を維持していると強調した。


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 ロシアにとっての命綱である中国との貿易が、今年に入ってから低迷している。こちらの記事を、以下のとおり抄訳しておく。

 露中貿易は、2024年には往復2,440億ドルと過去最高を記録した、2025年に入り第1~3四半期にかけて、3四半期連続で前年の水準を下回った。これは市場の状況と「ネガティブな外的要因」によるものだと、ロシアのD.マントゥロフ第一副首相が11月1日、北京で開催されたロシア・中国政府間委員会会議で述べた。これに先立ち、中国税関は、1~9月の露中貿易が3四半期連続で減少し、1~9月累計では前年同期比9.4%減少し、1,636.2億ドルとなったと発表した。中国からロシアへの輸出は11.3%減の735.7億ドル、ロシアから中国への輸出は7.7%減の900.5億ドルとなった。

 ロシアの主な輸出品は、金額ベースで石油、ガス、石炭であり、次いで銅、鉱石、木材、液体燃料、水産物が続く。中国はロシアに自動車、特殊機械、電子機器、設備、繊維製品を輸出している。中国側のデータによると、1~9月のロシアから中国へのエネルギー資源の供給額は590億ドル(18.9%減)だった。中国のロシアからの石油輸入量は8.1%減の7,404万t、金額ベースでは21%減少した。ブレント原油は9か月間で14%値下がりした。価格の下落と数量の減少が重なり、石油取引額が低下した。

 他方、ロシアの鉱石と金属の対中輸出は増加している。1~9月にニッケルの供給量は前年比2倍となり10億ドルに、銅は88%増で20億ドルに、金属鉱石とアルミニウムは1.5倍になり27億ドルに増加した。鉱石と金属の輸出増のうち、非鉄金属が半分、核燃料のスポット供給が4分の1、鉱石が10%を占めている。いくつかの品目における市況が追い風となっている。ロンドン金属取引所(LME)の銅先物は10月末に11,185ドル/tという過去最高値を記録し、アルミニウム先物は2022年以来初めて2,900ドル/tを超えた。

 中国からロシアへの輸出では、自動車と自動車部品が落ち込みの主要因となっている。前年同期が過去最高の190億ドルだったのに対し、2025年1~9月にその輸出額は85億ドルまで落ち込んだ。中国からの自動車および建設機械の輸入は、2024年の過剰購入と2025年の需要低迷により減少した。ロシアでは、1~9月に新車販売台数が22%減少している。ロシアにおけるトラック新車の販売も落ち込んだ。2024年の需要の高まりを過ぎ、KAMAZ社の推定によると、現在は在庫が約3万台が積み上がっている。

 専門家によると、11月初旬現在、ロシアと中国の自動車国境検問所での越境に問題は生じていない。例外はカザフスタン経由の輸送貨物で、このルートではロシアとカザフスタン双方による検査の増加により、9月以降、違法輸入品の移動を防ぐための大きな渋滞が発生しているという。

 10月初旬、祝日のため、中国側で数日間、いくつかの国境検問所が閉鎖された。ロシアと中国の国境にある綏芬河・ポグラーニチヌイと杜寧・ポルタフカは、10月1日から2日まで閉鎖されていた。中国とカザフスタン、モンゴルの国境では、一部の検問所が10月1日から3日まで閉鎖されていた。

 海上物流にも問題があり、運賃は低水準だった。CStar Line(UAE)とSTF Shipping(中国)といった海運会社の動きも悪影響を及ぼした。ロシアの契約相手との決済問題から、ロシア極東および黒海沿岸の港湾でのサービス提供が縮小しており、これが一時的な海上コンテナ輸送能力の不足を引き起こした。

 10月のロシアへの陸上輸送の需要は、9月と比べて2倍に増えた。コンテナ運賃は68%上昇し、1,200~1,300ドルから2,100ドル/TEUとなった。ウラジオストク~モスクワ間の鉄道輸送運賃が10%上昇し、236,500ルーブル/TEUとなることが発表された。中国からの鉄道輸送は10月から25%値上がりして1TEUあたり5,000ドル、上海~モスクワ間のトラック輸送は20tトラック1台あたり35%(15,000ドル)値上がりした。


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 ロシアのスヴェルドロフスク州ニジニタギル市に所在するウラルヴァゴンザヴォード(ウラル鉄道車両工場)と言えば、ロシア唯一の戦車生産工場として知られる。鉄道車両工場と名乗ってはいるが、実際には軍需の生産比率の方が高く、ウクライナ侵攻後にはますますそうなっていると見られる。

 この工場に関し、地元メディアのこちらの記事が、10%の人員削減を計画しているということを報じた。軍需工場に増産の号令がかかっていることを思えば、一見矛盾した動きにも思えるが、差し当たり以下で記事を抄訳してみる。

 ウラル鉄道車両工場の従業員が、今後の人員削減について警鐘を鳴らしている。本編集部は、この件に関する執行取締役の命令書を入手した。4ページにわたるこの文書は10月7日に署名された。「センター、サービス、管理部門、研究所、部門の従業員数を、平均名簿上の従業員数の10%まで最適化する」と命令書には記されている。文書には、誰が人員削減の対象となるかについての提案は、特別委員会が検討すると記されている。整理の対象となった者には、平均月収の最大3ヶ月が支払われることになっている。

 この命令は2026年2月までに実行されることになっている。この間、会社は新しい社員の採用も停止する予定だ。文書には「組織内の管理職、専門家、事務職の空席を抹消する」と書かれている。

 一方、従業員は、10%以上の従業員が削減の対象となりかねないことを懸念している。我々が得た情報によると、ほとんどの部門で人員削減は定員の最大50%に達している。その結果、能力のある高度な専門知識を持つ専門家たちが職を失っている」と、職員たちは明かしている。会社側は、社内の変更に関する情報を確認したが、人員削減の対象となる従業員の割合についてはコメントを控えた。

 編集部からの照会に対し、会社側は、「ウラル鉄道車両工場は、国家コーポレーション『ロステク』傘下のUVZグループの一員として、国防発注の遂行に向けて、高い集中力で安定的に業務を行っている。他の企業と同様、UVZも状況を踏まえた再編を進めており、その主な対象は管理費の最適化となる。すべての手続きは、現行の労働法の範囲内で厳格に行われている」と回答した。

 また、同社では新規従業員の募集と採用を継続しているとしている。特に高度な専門知識を持つ専門家や、不足している専門技能を持つ経験豊富な労働者を対象としていると述べた。

 10月初旬、ウラル鉄道車両工場では、従業員の一部の週4日勤務への移行を決定した。これは民需製品の需要の減少によるものとされた。同様の措置は、ウラルアスベスト工場とセロフ合金工場でも導入された。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、今週4位のYou’re The One - Voguesは、英国の女性歌手、ペトゥラ・クラークが前年に出したものがオリジナルである。当時、ペトゥラ・クラークはまだアメリカでは「Downtown」で注目され始めた頃だったので、ヴォーグスが「You’re The One」をアメリカ市場向けに取り上げたのは、非常にタイミングが良かったのだろう。個人的には両バージョンとも同じくらい好きである。

その頃ソ連では
1965年11月5日:レニングラードで、かつてスピリドノフの邸宅だった場所に、出生登録式場「マリュートカ」が開設される。

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 スラブ・ユーラシア研究センターでは11月29日(土)10:00-12:30に、生存戦略研究セミナー「蝕まれるロシア ―経済と財政の持久戦―」を開催します。服部に加え、日臺健雄、田畑伸一郎、横川和穂、溝端佐登史の各先生が登壇する豪華な内容です。かなりの勝負企画ですので、なるべく多くの皆さんにご参加いただけると幸いです。対面に加え、ZOOMミーティングによるリモートでの視聴も可能ですので、ご参加希望の方はこちらからお申込みください。


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 私は無類のグラフ好き(?)で、なおかつロシアの鉄鋼業を研究テーマの一つとしている。そんな私にとって見逃せない、ロシア鉄鋼業の現状と見通しについて論じたこちらの記事が目に留まった。9月16日掲載と、少々古くなってしまったが、グラフを上掲のとおり転載させていただくとともに、以下で記事を抄訳しておく。

 なお、グラフはロシアの鉄鋼生産量を示したもので、2025年以降はコンサル会社「B1」による予測となっている。凡例は、下から、赤:горячекатаный прокат:熱間圧延鋼材、オレンジ:сортовой прокат:形鋼、ベージュ:оцинкованная сталь:亜鉛めっき鋼、薄緑:холоднокатаный прокат:冷間圧延鋼材、緑:прокат с полимерным покрытием:ポリマー被覆鋼板、グレー:その他となっている。

 B1社によると、ロシアの鉄鋼生産は2026年から徐々に増加し、2035年には7,800万tに達し、2024年の生産量を8%上回ると予測されている。今年の鉄鋼生産量は11%減の6,400万tとなる見通しだ。

 2026年以降は生産は回復し、同年の生産量は7,000万t(2025年比+9%)に達する見込み。その後、成長はより緩やかになり、2027年には7,100万t(前年比+1%)、2028年には7,200万t(+1%)となり2024年の水準を回復、2029年には7,300万t(+1%)に増加する。2032年には生産量は2021年の過去最高値である7,600万tに達し、2033年にはそれを上回り7,700万tとなる見込み。

 成長の主な原動力は、国内需要の増加になる。B1の予測によると、2035年には国内の鉄鋼消費量は4,900万tとなり、2024年の4,500万tから9%増となる。建設部門、自動車生産、その他の機械製造、石油・ガス産業における金属消費の漸進的な増加によって可能となる。

 住宅建設は、政府支援と優遇住宅ローンのおかげで、2035年までには2024年の水準に戻る見込み。ロシアでは住宅供給量が、2023年は過去最高を記録したが、2024年には前年比2.7%減の1億700万平方メートル強だった。ロシア統計局のデータによると、2025年1~7月の住宅供給量は前年同期比4%減の5,960万平方メートル、7月単月では13.8%減の740万平方メートルとなった。

 さらに、LNG新工場へのガス供給、ガス化プログラムの実施、および石油輸送に関する新規プロジェクトの一環として、パイプラインが建設される予定である。機械製造分野では、車両生産の増加、造船における鉄鋼消費量の倍増、農業用、農業用、道路用機械の生産分野における輸入代替量の増加が見込まれている。自動車産業における鉄鋼需要の増加は、優遇融資プログラムの実施、ロシア製自動車の市場シェアの拡大、および海外企業の現地化に伴い、車体および自動車部品の生産稼働率の回復によって促進される見込み。

 2035年までの鉄鋼消費量の増加は、建設セクター70万t、自動車産業では80万t、その他の機械製造では80万t、石油・ガス産業では90万tと推定されている。その結果、2035年の建設部門における鉄鋼需要は3,570万t、石油・ガス部門では690万t、機械製造(自動車製造を除く)では360万t、自動車製造では170万tとなる。

 また、鉄鉱石と石炭の価格が落ち着いていることも、鉄鋼生産の増加に寄与するとされている。今年の世界市場における鉄鉱石価格は平均12%下落して97ドル/tとなり、2026年にはさらに7%下落して90ドル/tとなり、その後少なくとも2029年までこの水準で安定すると見込まれている。2025年の原料炭の平均価格は25%下落して183ドル/tとなり、その後2029年までは195~200ドル/tで推移する見通しだ。

 ロシアの鉄鋼の主な輸出市場は今後も、CIS諸国、中東、アジアとなる。ロシアの鉄鋼メーカーはCIS市場への製品輸出を拡大できる可能性がある。2025年には、CIS諸国における鉄鋼消費量は2022年比56%増の1,450万tに達するという。

 分析会社「チェルメト・コーポレーション」のデータによると、2025年1~8にロシアの鉄鋼生産量は5%減の4,560万tとなった。8月単月の生産量も5%減少し、550万tとなった。同社によると、昨年のロシアの鉄鋼生産量は7,070万tで、2023年より7%減少した。このデータは、世界鉄鋼協会の統計と一致している。

 セヴェルスターリ社の推定によると、2025年1~6月にロシアの鉄鋼需要は1,980万tで、前年同期比15%減少した。ロシアの鉄鋼需要は、政策金利の高さを背景に、建設業や機械製造業の活動が落ち込んだことで減少していると指摘されている。

 記事はまだ続くが、長くなってきたので、このへんで。


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 1890年11月4日に英ロンドンで世界初の地下鉄が開通してから、昨日で135年が経ったということである。ロシアのこちらの記事が、世界の地下鉄を様々なデータで比較しているので、それをちょっと眺めてみることにしよう。なお、旧ソ連圏では1935年にモスクワで地下鉄が開通したのが最初だったので、今年はモスクワ地下鉄誕生から90周年ということでもあるらしい。

 記事によると、今日世界には62ヵ国の208都市に地下鉄があり、路線は922、駅は15,892、総延長は23,500kmを数える。

 ロシアには、モスクワ、サンクトペテルブルグ、ニジニノヴゴロド、カザン、サマラ、エカテリンブルグ、ノヴォシビルスクと、7都市に地下鉄がある。

 世界的に見ると、世界の地下鉄総延長の実に50.54%が、中国に集中している。総延長の2位は米国、3位はインド、4位は日本で、ロシアは5位となっている(世界の総延長の3.28%)。

 モスクワ地下鉄の総延長は、世界の都市の中で7位となっている。上掲図に見るとおり、世界の都市別総延長ベスト10は中国に集中しており、モスクワは中国以外でベスト10入りしている唯一の都市となっている。モスクワの地下鉄には16の路線があり、この数は世界で8位。ただし、乗客数ではモスクワは世界のベスト10に入っていない。


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 多忙なので手抜きで申し訳ないが、Xで回ってきたメディアゾーナのこちらのポストが気になった。上掲のグラフは、ロシア中銀のデータに基づき、ロシア軍との従軍契約締結者およびその家族に適用された個人ローン支払猶予の件数を四半期ごとに示しているという。2025年7~9月期には6.9万件に及び、これまでで最高となった。開戦後の累計では65.8万件に達している。

 ロシアでは、「特別軍事作戦」開始後、志願兵・契約兵に、ローン返済の猶予・免除を認める法律が制定されたということである。ローン支払に困った人が、軍の窓口に駆け込むという流れがあるのだろう。高金利は経済を圧迫するが、プーチン・ロシアの場合にはローン難民が兵員補充の予備軍になっており、好都合ということか。


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 ひまわり油の貿易では、9月始まり・8月終わりの年度が用いられることが多い。ロシアやウクライナのひまわりは、8~9月頃に収穫され、それ以降に搾油・輸出が本格化するので、収穫期直後の9月を新年度の始まりとし、翌年の8月末を年度の終わりとするという慣習が定着しているということである。それで、こちらの記事によると、8月に終了した2024/25年度の結果、ロシアが世界最大のひまわり油輸出国となったということを伝えている。

 記事によると、8月に終了した2024/25年度の結果、ロシアはひまわり油の輸出国として世界でトップになったと、連邦センター「アグロエクスポート」のI.イリューシン所長が明らかにした。同氏の推計によると、ロシアは外国市場に約520万tのひまわり油を供給した。2024/25年シーズンの輸出国トップ3は、ロシア(520万t)、ウクライナ(470万t)、アルゼンチン(130万t)となった。「近年、ロシアは食用油の輸出を積極的に拡大しており、ひまわり油はその旗艦製品である。ロシア企業は、世界有数の輸入業者とのパートナーシップを計画的に拡大・深化させ、南アジア、東南アジア、中東、アフリカの市場で競争に勝ち抜き、新たな市場を開拓している」とイリューシン氏は強調した。


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「戦時下ロシア極東・シベリアの旅:ウランウデ編」です。よかったらご笑覧ください。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、ビートルズと双璧を成す英国勢のロックバンドとして、ローリングストーンズが完全に軌道に乗り、今週はGet Off Of My Cloud - The Rolling Stonesが1位に駆け上がった。前作 (I Can't Get No) Satisfactionの大ヒットを受け、当時レコード会社やマネージャーが「次のシングルをすぐに出してくれ」と急かしたため、ミック・ジャガーとキース・リチャーズは非常に短期間で本作を作り上げたという。キースは後年、「『Satisfaction』の後でプレッシャーがすごかった。『もういいよ、ほっといてくれ!』という気分をそのまま曲にした」と語っている。

その頃ソ連では
1965年11月5日:レニングラードでアレクサンドル・ネフスキー橋が竣工。当時は街で最も長大な橋だった。

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 米トランプ政権がロスネフチとルクオイルを制裁対象に加えたことで、ルクオイルはやむなく在外権益を売却する構えを見せていたが、こちらの記事によると、それが実際に動き出しそうだ。

 記事によると、ルクオイルは、国際的な企業であるガンヴォル(Gunvor)から、子会社であるLUKOIL International GmbHの買収提案を受けた。LUKOIL International GmbHは、ルクオイルの海外資産を取り仕切っている。ルクオイルのリリースで発表された。取引の主要条件は、すでに両当事者間で合意されている。ルクオイルは、他の潜在的な買い手とは交渉を行わないことを約束して、この提案を受け入れた。発表によると、取引成立にはいくつかの条件を満たす必要がある。その中には、ガンヴォル社が米国財務省外国資産管理局(OFAC)の許可を取得すること、また必要に応じて、他の国々で追加のライセンス、許可、合意を得ることも含まれている。両社は、OFACが発行した現行ライセンスの延長およびその他の必要な許可の取得を目指す。これは、取引完了まで国際資産の継続的な運営と銀行サービスを提供するために必要である。


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 ロシアの公式メディアは、「ロシアは重要市場なので、先進国の企業も本音ではロシアから撤退したくなく、水面下で復帰に向けた調整を進めている」という話をしばしば報じる。しかし、それはロシアにとって都合の良いストーリーを誇張して報じている場合が多いので、受け取る側は注意が必要だ。今回の話題も、あくまでもそのようなものと理解してほしい。

 タス通信のこちらの記事が、日本のトヨタはロシアでのビジネスを再開したがっており、ディーラーと秘密裏に接触していると報じている。私が聞いている限り、実際にはトヨタは並行輸入でロシアに自社製品が入ってしまっていることに迷惑しており、それにまつわるレピュテーションリスクに神経を尖らせているらしいので、記事を真に受ける必要はないが、「ロシアの国営通信がこのような報道をした」ということ自体が見逃せないファクトなので、以下記事を抄訳しておく。

 日本の自動車メーカー、トヨタはロシアの大手ディーラーの代表者と非公開の会談を行った。ロシア自動車ディーラー協会(ROAD)の元会長、オレグ・モセーエフ氏は、同社がロシアでの事業再開に関心を示していることを認めた。同氏によると、同社はすでに複数のディーラー会議を開催し、中国経由での自動車供給に向けた取り組みを進めているという。ロシアのトヨタ代理店は、Autonewsの問い合わせに対して、同社が実際にロシア市場のパートナーと会議や会議を開催していることを明らかにした。Autonewsのディーラーネットワークの情報筋によると、この会議は、ロシアのプーチン大統領と米国のトランプ大統領がアラスカで会談した後に行われたという。同情報筋によると、会議の参加者は秘密保持契約に署名し、主な焦点は日本ブランドとロシアのディーラー間の協力の可能性について議論することだった。交渉の詳細については、情報筋は明らかにすることを拒否した。トヨタモーター社は、自動車メーカーが定期的にディーラーとの作業会議や会議を開催し、トヨタおよびレクサスの顧客向けアフターサービスについて協議していると述べた。同社代表者は、現時点ではロシアへの新車輸入再開の計画はないと強調した。2022年9月、トヨタはサンクトペテルブルク工場での自動車生産を終了すると発表した。年間10万台の生産能力を持つこの工場は、2007年末に開設され、ロシア産業貿易省との特別投資契約に基づき、RAV4およびカムリを生産していた。


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 こちらの記事が、ロシア・日本間の直行航空便再開の可能性とロシア人の日本旅行につき報じており、何人かの関係者が見解を示している。以下要旨をまとめておく。

 ロシアのA.ルデンコ外務次官によると、ロシアと日本の航空会社は直行便の再開について話し合っている。各社間で協議が進められているが、すべては日本政府の立場次第だ。ロシアは日本企業のロシアへの就航を中止・禁止したわけではない。これは東京の決定であり、我々の決定ではない。彼らの準備が整い次第再開することに、我々は反対しないと、次官は述べた。

 ATOR副会長で、旅行会社Space Travelの最高経営責任者であるA.ムラジャン氏によると、現時点で直行便の再開は期待できない。日本には多くの外部制限があり、それが同国の決定を制限している。しかし、政治的意志があれば直行便の就航は可能だと同氏は述べた。

 ロシア科学アカデミー中国・現代アジア研究所日本研究センターの上級研究員、O.カザコフは、直行便の再開問題はロシアに対する制裁政策全体の文脈で考える必要があると考えている。ロシアとのあらゆる関係から切り離した単独の決定はありえない。直行便の再開は、関係修復の第一歩として良いアイデアだと思うが、ここでもまた制裁の問題が浮上する。残念ながら、直行便を再開しようと、それだけでやろうとしても上手く行かないだろうと、同氏はコメントした。

 しかしながら、東京の敵対的な政策は、ロシア人のこのアジアの国への関心に影響を与えていない。日本側のデータによると、2025年1~9月に約13万人のロシア国民が日本を訪れた。2024年通年では9.9万人、2023年は4.2万人に過ぎなかったが、増加している。また、航空券の価格も低下している。2023年の価格帯は約45,000~80,000ルーブル、2024年は50,000~60,000ルーブルであった。2025年には、キャンペーン期間中に乗り継ぎ便の航空券がわずか35,000~45,000ルーブルで購入できた。ただし、年末年始や桜の開花期といった観光のピーク時には、価格は9万~10万ルーブルに達した。旅行者数の増加は、日本の寛大なビザ政策と手頃な価格の航空運賃に大きく関係している。日本は観光大国の一つで、年間3,500万人の観光客が訪れている。もちろん、日本人が観光客を敬遠する傾向があるとはいえ、同国の観光産業は政治とは無縁。観光客のニーズに合わせて柔軟に対応し、あらゆる顧客と取引する用意があると、ムラジャンは指摘する。

 需要の高まりを受けて、日本はロシアにビザセンターを開設することを決めた。こうした施設の運営については、競争入札を実施し、民間業者を選定する予定だ。日本のメディアによると、東京は2026年までにモスクワとサンクトペテルブルグそれぞれ1カ所ずつセンターを開設する計画だ。ムラジャンは、これは観光客にとって前向きな動きだと考えている。ロシア人はビザ申請の機会が増えるが、こうしたセンターの開設は日本のビザ政策の自由化を示すものではく、日本はむしろビザ政策の厳格化に乗り出す可能性がある。ビザ政策のさらなる厳格化または簡素化の問題は、日本が自国の国家および経済的利益を、ロシアに対する国際的な制裁圧力よりも優先させる用意があるかどうかにかかっていると、ムラジャンは結論づけた。


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 9月のロシア旅行に関するエッセイの第二弾を発表しました。「〈ロシア極東・シベリアに行ってみて分かったこと〉80年前の戦争は絶賛、ウクライナ戦争には沈黙…1000万円の現ナマに訴える契約兵の募集も」です。無料でお読みになれますので、ぜひご利用ください。


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 こちらの記事によると、ロシアのS.ツィヴィリョフ・エネルギー相が、同省が取り組んでいる燃料危機対策に関し発言したということである。以下で記事を抄訳しておく。

 ロシアの製油所近代化プログラムにより、燃料危機が発生するリスクは、最小限に抑えられることになるだろう。ツィヴィリョフ・エネルギー相はこのように語った。「ガソリン生産量を400万~500万t増加させる製油所の近代化プログラムがまもなく完了することで、業界の耐性が強化され、将来的な燃料危機のリスクが最小限に抑えられると考えている」と同氏は述べた。

 同氏によると、現在、同省は燃料の安定供給を確保するため、生産者の活動を継続的に調整している。プロセスを加速するため、エネルギー省はロシア鉄道や石油会社と協力して輸送を最適化し、連邦反独占庁局、ロシア中央銀行および取引所は不正行為に対抗するための取引ルールを改善している。

 ツィヴィリョフ大臣は9月、国内燃料市場の状況を安定化させるため、エネルギー省とロシアの石油会社が製油所の改修スケジュールを調整したと述べた。同氏は、製油所の定期改修はガソリン需要のピーク期と重ならないよう延期されたと説明した。

 10月、石油会社の代表者は、A.ノヴァク副首相との会合で、物流の最適化、供給のバランス維持、ディーゼル燃料とガソリンの生産拡大に取り組んでいることを報告した。同月、エネルギー施設、交通機関、石油精製工場の保護に予備役兵を動員する計画があることが明らかになった。


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 ロシアの鉱工業生産統計は、現時点で公式発表されている統計としては、ロシア経済の動向を窺い知ることのできる貴重なデータなので、毎月発表されるたびに、グラフを更新してお目にかけている。今般9月までの数字が発表されたので、定番のグラフを更新してお届けする。

 9月のロシアの鉱工業生産は、前年同月比プラス0.3%増だった。1~9月の累計では、前年同期比0.7%増だった。うち、工業が2.1%減、製造業が2.9%増となっている。

 ただし、製造業がプラスと言っても、下図に見るとおり、ロシアを代表するような主要部門は、1~9月に軒並み減産となっている。

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 それでも、今のところ製造業トータルではプラスなのは、下図に見るとおり、軍需関連部門が基本的に伸びているからである。しかし、軍需関連部門にしても、宇宙・航空を除き、今年に入り明らかに伸びが鈍化している。

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 なお、注目される石油精製部門は、9月の生産が前月比5.0%減、前年同月比4.2%減だった。1~9月累計では、0.4%減であった。


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 Foresightに、「ロシア研究者の現地渡航は是か非か? 極東・シベリアで見た『戦争』の実態」と題するコラムを寄稿しました。途中までは無料で読めますが、全文閲覧には有料購読が必要となります。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、黒人ガールグループの佳曲、A Lover’s Concerto - Toysは、この週の2位がピークだった。この曲は、ペツォールトの「メヌエット」というクラッシック曲からメロディーをとり、アレンジ的には当時全盛だったモータウンサウンドを拝借するという、なかなか要領の良いものだった。個人的には、モータウンのエースであったスプリームスが、意趣返しとばかりに、この曲をカバーしているバージョンが、完成度が高く好きである。

その頃ソ連では
1965年11月3日:アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国民の連帯に関する第1回会議の開催を準備する委員会がソ連で設置される。

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 こちらのサイトによると、10月23日にプーチン・ロシア大統領がロシア地理学協会の第17回総会に出席し、演説を行った。その中で、以下のように述べたということである。

 2年後には、偉大な学者であり、ロシア地理学協会の指導者の一人であるピョートル・ペトロヴィチ・セミョーノフ=チャンシャンスキーの生誕200周年を迎える。この出来事は全国で祝われることになる。しかし、2027年にはこれ以外にも多くの重要な地理学的記念日が重なっている。その中には、協会の初代会長であるコンスタンティン大公の生誕200周年や、ロシアの開拓者たちによるカムチャツカ発見330周年も含まれる。

 我が国の地理学者たちが様々な時代に国家の強化へ果たしてきた貢献と、地理学という学問の極めて高い重要性を踏まえ、私は政府に対し、2027年を「地理の年」と宣言する可能性を検討するよう要請する。地理は、政治的な観点からも我々にとって重要である。この「地理の年」の主要な出来事は、ロシア連邦の地図、あるいは新しい地図の確定だけではなく、実用的な意味を持つ「地理博物館」の開設となるであろう。

 プーチンは以上のように発言した。「ロシアは併合を宣言しているウクライナ南東部の4地域全域の占領を、遅くとも2027年までに完了し、ロシア国家の新たな境界線を確定させ、それに基づいた新たな地図を作成し、それを『地理の年』の目玉にする」という宣言のように受け取れる。


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 こちらの記事が、ロシア当局によるテレグラム・WhatsApp規制の動きについて伝えているので、以下主要部分を抄訳しておく。

 10月22日、ロシア連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁は、外国のメッセンジャーアプリ「Telegram」と「WhatsApp」(後者はロシアで過激派と認定され禁止されているMetaが所有)の運用を部分的に制限する措置を講じると発表した。監督庁は、こうした措置の理由として「犯罪者に対抗する必要性」を挙げた。同庁によれば、これらのサービスは、ロシア人を詐欺、恐喝、破壊活動やテロ活動に巻き込むために利用される主要なチャネルである。また、同庁は、メッセンジャーの所有者が、コンテンツのモデレーションに関する要求を繰り返し無視してきたと指摘した。

 10月21日から、ロシア南部の住民は両メッセンジャーの障害について不満を述べていた。制限については、クラスノダル地方、アディゲ共和国、ロストフ州、アストラハン州、そしてスタヴロポリ地方の利用者から報告があった。さらに、10月20日にも障害が報告されていた。アクセス問題は、脅威に対抗するための技術的手段の設定における計画的な作業に関連している可能性があると考えられていた。

 TelegramとWhatsAppは、ロシアで最も人気のあるメッセンジャーアプリ。Google Playでは、「コミュニケーション」カテゴリのアプリの中で、それぞれ3位と5位を占めている。Mediascopeの2025年9月のデータによると、ロシアにおけるWhatsAppのユーザー数は9,650万人、Telegramは9,097万人となっている。

 ロシア国内でのTelergamとWhatsAppの完全禁止は予定されていないと、下院情報技術委員会のA.スヴィンツォフ副委員長が発表した。「完全禁止は今後もやらないと思う。何百万人もの市民が個人的な目的や仕事上の連絡でこれらを利用している」と彼は述べた。

 監督庁のO.テルリャコフ副長官は以前、WhatsAppとTelegramのメッセンジャーでの音声通話をブロックしたことで、1か月で詐欺電話が40%減ったと発表していた。ただ、今後は国内メッセンジャーMaxが詐欺に悪用されるリスクを防ぐことが大事だという。2025年3月、VK社は国内向けデジタルプラットフォーム「Max」を発表した。6月には、ロシアのプーチン大統領が、このメッセンジャーの開発を支援し、政府サービスや金融サービスを統合するよう指示した。同時に、プーチン大統領は、ロシア国内向けメッセンジャーの創設に関する法律に署名した。この文書では、新しいメッセンジャーでは、強化された電子署名で文書に署名したり、統一された識別・認証システムから自分の情報を送信したりできると記されていた。月末までに、Maxのユーザー数は100万人に達した。秋からは、販売前の新しい携帯電話にMaxをプリインストールすることが義務付けられた。

 国産メッセンジャー「Max」の開始後、下院は外国のメッセンジャーがロシアの法律を遵守しない場合の罰則強化を発表した。「WhatsAppやTelegramのような代替手段のないプラットフォームを罰することは、実際には、膨大な数の人々に特定の不便とコミュニケーション手段を失うリスクをもたらすことを、我々はよく理解していた」と、下院情報政策委員会S.ボヤルスキー委員長は述べた。

 2024年12月、ロシアのユーザーはメッセンジャー「Viber」へのアクセスが制限された。このアプリは日本企業「楽天」が所有し、TelegramとWhatsAppに次いで国内で3番目に人気があった。規制当局は、ブロックの理由として「テロや過激主義の目的でのメッセンジャーの利用、その実行のための市民の勧誘、麻薬の販売などの脅威を防ぐ必要性」や、メッセンジャーへの違法情報の掲載を挙げた。

 WhatsAppとTelegramの通話がブロックされた後、ロシアのユーザーはGoogle Meetのビデオ会議プラットフォームへの関心を高めた。このアプリは、ロシアのApp Storeにおけるコミュニケーション用無料アプリのダウンロード数ランキングで2位になった。しかし、間もなくユーザーはサービスの不具合について不満を述べ始めたが、監督庁はその動作を制限していないと発表した。


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 こちらの記事が、ロシアの中古車輸入拡大の動きを伝えている。リサイクル税計算ルールの変更を見越した駆け込み需要のようだ。以下、主要部分を抄訳しておく。

 リサイクル税とは、使用済み自動車のリサイクル処理のために、輸入業者、製造業者、または購入者に対して課される料金である。現在、産業・商業省が出している提案では、リサイクル料の基本税率は、エンジンの種類と排気量に基づいて設定されるようになる。また、エンジンの出力により、係数が累進方式で決まることになる。個人向けの優遇税率は、160馬力未満の自動車にのみ適用される。自動車の出力が高い場合は、数倍高いリサイクル税が課せられる。また、電気自動車やハイブリッド車も引き上げの対象となる。これらリサイクル税を計算する際には、パワートレインのエンジン総出力が考慮される。ロシアでは、2024年から段階的にリサイクル税がスライド式に引き上げられ、10月1日には70~85%の一括引き上げが行われた。2030年まで、この係数は毎年10~20%ずつ引き上げられる予定。

 こうしたことを背景に、ロシアには2025年9月に、過去2年間で最高の4万8,400台の中古車が輸入され、そのほぼすべてが個人輸入だった。中古車の輸入は主に日本から行われているが、総輸入量に占めるそのシェアは、6月の48%から9月には39%に減少した。一方、中国からの輸入割合は、同期間に14%から20%以上に増加した。韓国からの輸入割合は22%で横這いとなっている。

 中古車の輸入構造において最も人気のあるブランドはトヨタであり、9月のシェアは19%だった。2位はホンダ(15%)で、以下BMW、キア、フォルクスワーゲンが続く。具体的なモデルでは、9月の輸入台数上位はトヨタ・カローラとホンダ・フリードだった。

 記録的な輸入は、リサイクル税の計算方法の変更を背景としている。9月、産業・商業省は、個人向けの税率をエンジン出力に連動させることを提案した。それによると、優遇税率(新車は3,400ルーブル、3年落ちの中古車は5,200ルーブル)は、160馬力以下の自動車にのみ適用される。それ以上の馬力の自動車は業者税率の対象となる。

 業界関係者は、人気モデルの一部では支払額が数倍に増加すると指摘している。Kia Sorento(194馬力)は約190万ルーブル、Hyundai Palisadeは200万~220万ルーブル、BMW X5は270万ルーブル、Cadillac Escaladeは290万ルーブル近くになる可能性がある。これによりグレー輸入の価格優位性が失われ、6~9ヵ月中に輸入量が25~35%減少する可能性があるという。

 新ルールの導入は当初2025年11月1日を予定していたが、10月中旬にマントゥロフ第一副首相が経済団体「ビジネス・ロシア」の要請を受けて、産業・商業省に延期を検討するよう指示した。その後、新ルールは12月1日まで延期される可能性があることが明らかになった。また、リサイクル税の計算に関する新ルールの施行延期は、提案の全条項について検討されている。同省は、9月12日までに購入手続きを完了した人だけでなく、自動車の購入を決定したすべての市民が対象になると説明している。


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 私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2025年11月号のご案内。今号は「地政学的変動の中のユーラシアの物流」と題する特集となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。

 今回服部は、いずれも特集の枠外ですが、「正念場を迎えるロシア経済・財政」、「アラスカ会談後の米国・ロシア・ウクライナ関係」という短い連載記事を書きました。

 ただ、「アラスカ会談後の米国・ロシア・ウクライナ関係」は、脱稿後にまた動きが逆流しており、ちょっと古くなってしまいました。行ったり来たりの力学なので、いつの時点で区切るかで話が違ってしまい、難しいところです。


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 ロシアが支配するクリミアで、ガソリン不足が起きていることは、我が国などでも報じられている。こちらの記事が、クリミアにおけるガソリン販売の制限について報じている。

 記事によると、クリミアでは10月初頭、ガソリンスタンドにおいて1人に対して販売できるガソリンの量を20リットルに制限する決定が出されていた。そして今回、クリミア当局はその規制を30リットルにまで緩和する決定を下した。10月20日から適用される。クリミア内130箇所のガソリンスタンドで販売が行われ、具体的にどこのスタンドなのかは追って発表される。


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 トンデモ系の話題ではあるが、こちらの記事などが伝えるところによると、ベーリング海峡において、ロシアと米アラスカをトンネルで結ぶという構想があるということである。ベーリング海峡に100キロ以上のトンネルを建設するという構想は、10年以上前から議論されている。そして、今般トランプ米大統領がホワイトハウスでゼレンスキー・ウクライナ大統領と会談した際の記者とのやり取りで、ベーリング海峡にトンネルを建設し、鉄道でロシアと米国を結ぶプロジェクトは興味深いと述べた。

 そして、こちらの記事によると、本件に関しロシア側で対米関係を担当しているドミトリエフ特使がXに、「ロシアと米国の間のトンネルの議論が始まった」と書き込んだ。以前、ドミトリエフ氏は、このトンネルは8年以内に建設可能であり、その費用は80億ドルを超えないと述べていた。同氏によれば、鉄道と貨物輸送を通すこのトンネルは、資源の共同開発への道を開くという。ドミトリエフ氏は、ロシアと米国の共同プロジェクトは雇用を創出し、経済を刺激すると指摘した。


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