ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

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 簡単な話題で恐縮だが、こちらの記事が、2025年1~8月にロシア国内で利用の多かった国内航空便の路線は何だったかということを伝えている。その結果が以下のとおり。

  1. モスクワ~サンクトペテルブルグ(272.4万人)
  2. モスクワ~ソチ(271.5万人)
  3. モスクワ~カリーニングラード(実数不明)
  4. モスクワ~エカテリンブルグ(実数不明)
  5. モスクワ~ミネラリヌィエヴォディ(実数不明)

 2024年1~8月ではモスクワ~ソチの方がやや多かったのだが、今年に入りモスクワ~サンクトペテルブルグ便がわずかに上回ったということである。


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 以前も取り上げたことがあったかと思うが、メディアゾーナというところが、判明した限りの情報を基に、「特別軍事作戦」によるロシア側の戦没者数を集計しており、出身地別の内訳が出ており、有益である。そこで、10月8日時点の戦没者数を参照し、地域別の人口100万人当たりの戦没者数を算出し、多い地域20、少ない地域20を示した表を、上表のように作成してみた。

 これは、『ロシア極東・シベリアを知るための70章』で論じたことだが、人口当たりの戦没者が多い地域は、極東・シベリアの辺境地域が多い。上表で、グレーで示した地域が極東・シベリアであり、上位はかなりそれによって占められている。

 ただし、極東・シベリアの中でも、ハバロフスク地方のように、戦没者が少ないところもある。モスクワ市やサンクトペテルブルグ市が、巨大都市でありながら、戦没者をほとんど出していないという構図は、依然として変わっていない。興味深いのは、同じ辺境系でも、北カフカスの一連の民族共和国は、それほど多くの戦没者を出していないことである。


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 こちらの記事が、ロシアにおけるガソリン不足の問題が、周辺の石油化学工業にも影響を及ぼしつつあることを伝えている。以下、記事の要旨をまとめておく。

 燃料市場の厳しい状況を受けて、10月初めからロシアの製油所はガソリン製造においてトルエンなどの芳香族化合物の使用を増加させている。これにより高オクタン価燃料の生産量を増やすことができるが、市場におけるベンゼンの供給量の減少につながっている。

 生産の観点から、芳香族炭化水素は、その含有率が35%に制限されているため、むしろ留分から抽出されることが多いという。製油所は、芳香族化合物をどれだけ残し、どれだけ商品市場に放出するかを決める。

 ロシアのガソリン事情は、7月末に季節的な需要の高まりと製油所の予定外の修理で悪化した。それ以来、AI-92とAI-95の取引所価格は何度か過去最高を更新している。統計局のデータによると、2024年末から2025年9月29日までにガソリンの平均小売価格は9.2%上昇した。一方、一部の地域では燃料不足が発生。クリミアでは9月末に30日間のガソリン固定価格が導入され、1人当たりの販売量は30リットルに制限された。10月には、この制限は20リットルに引き下げられた。ノヴォシビルスクでは、製油所からの出荷停止に伴い、一部のガソリンスタンドでAI-92ガソリンの販売が中断された。

 こうした状況の中で、政府は国内燃料市場を支援するための追加措置を策定した。中国、韓国、シンガポールからのガソリン輸入の促進、ベラルーシからの供給増加に加え、2016年7月からロシアで禁止されているオクタン価を高める添加剤であるモノメチルアニリンの使用を一時的に許可することが提案された。

 一方、ガソリン製造における芳香族炭化水素の使用増加は、それら品目の国内市場での供給減少につながっている。製油所での緊急事態により、一部のメーカーはベンゾールの生産量を大幅に削減した。石炭系ベンゾールの供給不足が続き、石油系ベンゾールの需要が高まっている。供給不足により、価格の上昇が見込まれる。10月初旬、ロシア欧州地域におけるベンゼン卸売価格は、1t当たり32,000~33,000ルーブルと推定されている。製油所の修理や輸出供給が価格上昇に影響する可能性があるが、ルーブル高と中国港湾での相場下落により、輸出の収益性は再び低下しているという。

 10月には一部の大手スチレンメーカーが生産計画を15~20%調整する可能性がある。こうした状況の中で、9月25日から10月2日までのスチレンのスポット価格は、生産地によって2~13%上昇し、1t当たり10.1万~13.5万ルーブルとなった。

 ロシアではトルエンとキシレンの生産が安定して余剰状態にあるため、ガソリンへの混合比率の増加が市場に悪影響を与えることはないと、専門家は指摘する。一方、ベンゼン市場については、それほど余裕はないという。需要は、ナイロン製造に使用されるカプロラクタムメーカーなどによって形成されている。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 亡くなった渋谷陽一氏が、「人が言うほどオーティス・レディングでもない」というようなことを発言していて、実は私も似たような感じである。ディープソウルの歌手では、もっと好きな人が色々いる。でも、今週46位のRespect - Otis Reddingは、文句なく好きだ。

その頃ソ連では
1965年10月15日:ソ連とオーストラリアの長期通商協定が締結される。

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 ロシア・エクスペルトのサイトに、「『スカートをはいた安倍晋三』はロシアにとってどうなのか」という記事が掲載されており、ロシアの2人の専門家がコメントを寄せているので、以下で主要部分を整理しておく。まあ、参考程度。

 V.クジミンコフ(ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所アジア太平洋研究センター日本経済政治グループ主任研究員):過去5年間に交代した3人の日本の首相、菅義偉、岸田文雄、石破茂は、すべて米国の路線に従ってきた。高市氏の選出により、この時代は終わり、日本の国益を堅持することが期待される。そうした関心事の中には、ロシアとのビジネス関係の段階的な回復、あるいは少なくとも悪化させないことが含まれている。そのため、特に日本の外務省は9月にロシアへの渡航に関する勧告を緩和した。もはや渡航を完全に控えるよう呼びかけるのではなく、「やむを得ない必要性」がある場合、ビジネス目的を含め渡航を認めるようになった。実際、ほとんどの日本企業はロシアとの関係を断ち切っておらず、ロシア市場から撤退したのは、同市場で事業を展開していた日本企業の10%以下である。なお、高市氏は、米国からの反対にもかかわらず、日露関係が最も活発に発展した安倍晋三氏の側近の一人であった。ちなみに、先日、高市氏の提案により、自民党広報部長に鈴木貴子氏が就任した。鈴木氏は、40年のキャリアを持ち、北海道で幅広い支持を得て、エリツィン時代からロシアとの関係構築に取り組んできた有力政治家、鈴木宗男氏の娘である。

 V.ネリドフ(ロシア外務省モスクワ国際関係大学東洋学講座准教授):高市氏の登場によって、日本の政治に新たな、より急進的な時代が到来するという幻想を抱くべきではない。次の首相が誰になろうとも、特に何も変わることはないだろう。これが日本の政治文化の特性である。他の多くの国々よりも、個人のリーダーシップの役割が伝統的に小さいのだ。日本初の女性首相が選出された場合、前任者よりもトランプ氏との交渉が容易になる可能性がある。より正確には、米国の外交政策がトランプ氏の感情や個人的な好みに基づいていることを利用することができる。なぜなら、高市氏は安倍晋三氏の盟友であり、安倍氏はトランプ氏と個人的な友情で結ばれていたからだ。トランプ大統領が高市氏を称賛した発言から判断すると、この計算は正しかったようだ。日本が自らの利益を犠牲にして、あらゆる面で米国に従属しているという広く流布している見解は、必ずしも正確ではない。経済問題や特定の国々との関係において、日本人は非常に現実的である。例えば、日本はサハリンの石油・ガスプロジェクトへの参加を継続している。これは、同プロジェクトへの依存度が極めて高いことを反映している。もう一つの例としては、安倍晋三首相がG7諸国の首脳の中で唯一、クリミアのロシア編入にもかかわらず、ロシアとの接近政策を推進していたことが挙げられる。とはいえ、日本が国際関係に関する一般的な見解において、米国を基準としていることは事実である。したがって、高市氏の選出に伴う日露関係の急激な改善を期待すべきではない。彼女のロシアに関するレトリックは、欧米で形成された悪名高いコンセンサスの枠内に完全に収まっている。


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 ロシアとしては、石油・ガスにもはや多くを期待できない分、金属や化学産業が財政歳入を賄ってくれることを想定していた。しかし、こちらの記事によると、鉄鋼業界も厳しく、目論見通りには行かないようだ。以下記事を抄訳しておく。

 ロシアの鉄鋼業界団体 「ロシア鋼鉄」は、財務省と産業貿易省に対し、溶鋼に対する物品税と鉄鉱石に対する採掘税の納付期限を2025年12月30日まで延長するとともに、税金および保険料の納付期限を延期し、2026年前半に段階的に納付できるように要請した。さらに、8月1日時点で発生していた債務について、税法で規定されている税、徴収金、保険料の納付義務の履行方法を適用しないよう要請している。提案は、9月に同協会がA.シルアノフ蔵相とA.アリハノフ産業・商業相に送った書簡に記載されており、コメルサント紙が入手した。

 「ロシア鋼鉄」のアピールでは、一部の企業にとって、これらの支援策は、給与やその他の義務的な支払いの遅延を防ぐために極めて重要とされている。その他の企業にとっては、この措置により、融資の返済コストを削減し、その資金を、事業および投資の資金不足の補填に充てることができるとしている。2025年末までの溶鋼の物品税および鉄鉱石の採掘税の支払延期による、業界全体の借入金利の節約額は10.4億ルーブル、保険料の支払延期による節約額は11.9億ルーブルと見積もられている。

 政府は、鉄鋼メーカーに対して、溶鋼の物品税と鉄鉱石の採掘税について、2025年12月1日まで納税の猶予を与えることを決定したと、10月7日に財務省のA.サザノフ次官が発表した。この猶予は、9月から11月までの納付期限が対象となる。これにより、関係者は現状の状況を乗り切るための資金を確保できると、説明されている。

 「ロシア鋼鉄」は書簡の中で、2024年に鉄鋼関連製品の輸出が前年比7.9%、2021年比35%減の2,000万tに落ち込んだと指摘している。また、高い政策金利と大規模な住宅ローン優遇プログラムの終了により、国内の鉄鋼消費量は5.6%減少した。ロシアの圧延鋼材生産量は2024年、前年比6.4%、2021年比13%減少し、6,100万tとなった。2025年には、高金利の圧力、建設および機械製造の低迷、エネルギー分野におけるインフラプロジェクトの変調により、鉄鋼の国内需要は12%減少する可能性があると、「ロシア鉄鋼」は予測している。また、同声明では、鉄鋼会社が投資プロジェクトへの融資で困難に直面しており、一部のプロジェクトが凍結または中止されるリスクがあると指摘している。

 物品税と採掘税の延期は、重要ではあるが不十分な措置と見なされている。これは一時的な緩和策であり、EBITDAベースで2~5%の収益性を維持するものの、需要の落ち込み、高金利によるコスト増、海外メーカーとの激しい競争など、業界の構造的な問題には解決にならないと、格付け機関は指摘する。鉄鋼メーカーに保険料の支払猶予が認められた場合、業界全体の節約額は大手企業の収益の最大4%に達する可能性があり、これは物品税の支払猶予による効果と同等であるという。このような措置は運転資金を解放し、市場環境が厳しい時期の負担を軽減し、債務の返済を容易にし、企業が財務の安定を維持することを可能にするという。

 専門家は、鉄鋼業界に対する政府支援策の一つとして、鉄鉱石原料、コークス炭、輸送に対する減額係数の導入、あるいは輸送料金の物価スライドの一時停止が考えられるとしている。しかし、同氏によれば、建設業界への支援が鍵となる。業界の推定によると、ロシアの金属消費量の約70%は建設業界が占めている。「政府による積極的な発注や、住宅・インフラ建設支援プログラムがなければ、一部の鉄鋼メーカーは縮小する市場で生き残ることができないだろう」と、専門家は述べる。


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2262

 こちらの記事が、ロシアでマイニングが禁止された結果、シベリアの電力消費量が低下したということを伝えている。以下、要旨を整理しておく。

 ロシア政府は先に、2025年1月1日から2031年3月15日まで、仮想通貨のマイニングが禁止される地域のリストを制定した。制限は、ダゲスタン共和国、イングーシ共和国、カバルダ・バルカル共和国、カラチャイ・チェルケス共和国、北オセチア共和国、チェチェン共和国、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、ザポリージャ州、ヘルソン州で導入された。これに追加して、4月7日、政府はイルクーツク州南部でのマイニング活動を全面的に禁止する命令を出した。ブリヤート共和国とザバイカル地方の一部地域でも、電力消費のピーク時にマイニングが禁止された。

 この結果、2025年1~9月に、シベリア南東部におけるエネルギー消費量は9.2%減少した。全ロシア料金会議での講演の中で、システムオペレーター社のF.オパトチイ社長が明らかにした。

 マイニングの制限導入により、特にイルクーツクで電力消費量が減少した。地域によって動きが異なり、イルクーツクでは6%の減少となった一方、ブリヤート共和国とザバイカル地方では増加傾向にあるという。

 9月、システムオペレーター社は、シベリア南東部での仮想通貨マイニングの禁止により、320MWの余剰電力が確保できたと発表した。オパトチイ氏はそれ以前には、イルクーツク州における仮想通貨マイニングの制限により、将来的には約600MWの電力を節約できる可能性があると述べていた。


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2261

 こちらの記事で、調査会社「アフトスタット」の数字に基づき、2025年1~9月のロシアの乗用車(新車)販売動向が伝えられているので、要点を整理しておく。

 2025年1~9月のロシア乗用車販売台数は89万5,923台で、前年同期比22%減であった。ただ、上図に見るとおり、第3四半期には若干持ち直しており、これは金利の低下によるところが大きい。

 ロシア・ブランドのLadaが23.8万台を売り、前年同期比25%減ではあったが、26.5%の市場占有率を占めている。以下は中国ブランドが続き、Havalが11.0万台(20%減)、Geelyが6.2万台(45%減)などとなっている。

 先進国系のブランドが回復する現象もあり、実質的に韓国系であるSolarisが2.2万台とほぼ倍増、日系のトヨタは27%増の1.7万台だった。


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 なにげに忙しいので、ブログ手抜き策として、こちらのページに出ていた2026年のロシアの祝日・労働日のカレンダーを眺めてみる。白が労働日で年間243日、青が短縮労働日(祝日前の半ドン)で4日、オレンジが休日で104日、赤が祝日で14日となっている。

 多少意味合いが異なるが、日本の祝日は年間16日ということで、ロシアの14日とそれほど変わらないように思える。ただ、ロシアの場合は、年初と5月上旬に祝日が固まっており、それ以外はかなりまばらとなる。特に、7月から10月にかけては祝日が1日もなく、夏季休暇をとる人が多い時期とはいえ、祝日自体はだいぶ間が開く。毎月のように何だか良く分からない祝日のある日本とは、そのあたりが異なる。また、年末の12月も大晦日以外は労働日で、その代わり1月はなかなか仕事が始まらないというのが、ロシアの特徴だろう。


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 先日発表された2026年のロシア連邦予算案(2027年、2028年の見通しも含む)に関し、お馴染みのA.プロコペンコ氏がこちらで論評しているので、主な指摘を以下のとおりまとめておく。

 最大の予算支出項目である国防費は、ウクライナ侵攻後初めて、わずかに削減されたが、これは平和が差し迫っている兆候ではない。戦争が4年目に差し掛かるにつれ、ロシアの財政はますます逼迫しており、予算は戦争推進派と経済学者たちの妥協案の様相を強めている。前者は国防・安全保障にGDPの8%を確保し、後者はその財源を最もインフレ抑制的な方法で調達する道を得た。その代償を払うのはロシア国民であり、さらなる増税に直面することになる。

 財務省は、石油収入が国民福祉基金に組み入れられる基準原油価格を年1ドルずつ引き下げる形で、財政ルールを順守する姿勢を示している。これにより、ロシアのGDPに占める石油・ガス歳入の比率は、2028年までに約3.5%にまで漸減する見込みだ。しかし、これはかなり楽観的な見通しだ。この措置により財政は原油価格変動の影響を受けにくくなる一方、非石油・ガス収入への依存度が高まる。

 予算上は「国防」支出が名目上削減されても、経済の生産構造は依然として軍事化されている。2026年から2028年にかけての鉱工業生産の伸びは、主に国家発注と輸入代替政策が軍事需要と結びついた分野によって支えられる見込みである。

 2026年の国防費の名目上の削減は、クレムリンがウクライナに対する戦争を終結させる計画を示しているわけではない。国防分野の予算支出は今年度の13.4兆ルーブルから2026年には12.6兆ルーブルへ減少(4.2%減)する見込みだが、隣接分野である国家安全保障・法執行分野の支出は3.5兆ルーブルから3.9兆ルーブルへ増加し、13%の伸びとなる。これらを合わせると、2026年の防衛・安全保障支出はごくわずか(0.6%)な減額にすぎない。そして2027年からは、国防・安全保障支出は再び増加する。これらの分野合計で、支出はGDPの約8%で推移する。つまり、戦争は依然として優先事項である。

 基礎シナリオと保守シナリオのいずれも、ロシアに対する制裁圧力が強化されないことを前提としている。しかし2025年に米国を除く全てのG7諸国がロシアに対する制裁を強化し、米国にしても制裁強化をほのめかしている現実がある。クレムリンは西側諸国の制裁を深刻に受け止めているが、最も強力な初期の打撃を乗り切った以上、さらなる措置にも耐えられると認識しているのである。

 当局は、新予算を均衡予算であり、インフレ抑制的だと称している。財務省はプライマリーバランスの赤字ゼロを目標に掲げている。中央銀行は低水準で予測可能なインフレを求めている。歳入の縮小と高水準の支出が続く中、ロシア政府は自らの公約に反し、増税を決断した。

 2026年より、付加価値税が20%から22%に引き上げられる。同時に、小規模事業者が簡易課税制度ではなく付加価値税を納付しなければならない売上高の基準額が、年間6,000万ルーブルから1,000万ルーブルに引き下げられる。これは実質的に、全ての中小企業にとって税負担の増加を意味する。年間1000万ルーブルは月間80万ルーブルで、コンビニエンスストア、美容院、小規模IT企業の売上規模に匹敵する。

 中央銀行にとって、増税は借り入れ増加に代わる許容可能な選択肢である。なぜなら増税にはデフレ効果があるからだ。付加価値率の引き上げは一時的な物価上昇をもたらすが、購買力が低下するため、その後は物価上昇が緩やかになる。あらゆる物が高価になるにつれ、人々はより少ない商品しか購入できなくなり、需要は減少する。政府は事実上、軍事費を一般市民や企業の懐から捻出する方が都合が良いと公然と表明している。結局のところ、経済全体が付加価値税を負担しているわけだ。「戦時国債」を発行したり、単に国内借入を拡大したりする方が、金利面(債務返済が増加するため)でもインフレ面でもコストが高い。

 経済当局にとって、今回の予算案はほぼ勝利と言える。経済は、余剰労働力は存在せず、軍事施設を含む生産設備はほぼ完全に稼働しているなど、構造的な限界に直面している。労働生産性の向上がなければ、さらなる成長の余地は存在しない。国家は戦場で燃え尽きる運命にある物品の生産に資源を費やしている。雇用と需要は生み出すが、長期的な成果は生まない。こうした状況下で政府需要を増大させれば、インフレを助長するだけである。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さすがに1位のイエスタデイは誰でも脳内再生できるので、別の曲を取り上げよう。今週10位のDo You Believe In Magic - Lovin’ Spoonfulは、有名曲ながら、ビルボードでは最終的に9位止まりだったようだ。フォーク・ロックとサンシャイン・ポップを繋ぐ重要な転換点に位置付けられる作品ということである。

その頃ソ連では
1965年10月13日:ソ連・ブルガリアの1966~1970年長期通商協定が締結される。

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 HP更新しました。遅くなりましたが、9月分のマンスリーエッセイ「戦時下ロシア極東・シベリアの旅:ウラジオストク編」です。よかったらご笑覧ください。


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 先日のロシア出入国のことを、こちらに寄稿しました。まあ、笑ってやってください。


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 先日実施されたモルドバの総選挙。私が眺めた範囲内では、BBCロシア語版のこちらの記事が割と客観的で優れている気がした。

 この中で、現地の社会学者V.カンタルジ氏が、次のように指摘している。PAS党の勝利に終わった今回の選挙結果は、PAS自身の功績というよりも、有権者の親欧州的な価値観のお陰だった。そうした有権者は、それぞれの考えから、サンドゥの党に票を入れた。重要なのは、有権者たちが、サンドゥ政権のこれまでの業績に必ずしも満足していないにもかかわらず、同党に入れたことである。つまり、かなりの有権者は、欧州路線のためなら、理想的でない党でも、その党が欧州路線を継続してくれる限り、支持する用意があるということだ。PASが、「我が党を選ばなければ、もたらされるのはプーチンであり、戦争だ」といった立場をとっていたことについては、野党は批判していたが、かなりの有権者には響いたことになる。また、ウクライナで戦争が継続していることから、有権者が「平時の争点」に切り替えにくかった。愛国ブロックはまさにそうした争点、経済や社会、「安いガス」といったことを訴えたが、効果がなかった。

 一方、在キーウの専門家S.ヘラシムチュークは、次のように述べる。PASの勝因は、当局が親ロシア勢力の選挙への関与をなるべく制限しようとしたことである。民主主義の観点からは疑問があるが、選挙結果には効果があった。具体的には、すでに選挙戦が始まる前にI.ショール氏に関係した諸党を選挙に参加できないようにし、投票日直前には愛国ブロックのI.ヴラフ、偉大なるモルドバのV.フルトゥネを候補者から除外した。後者に至っては実質的に投票開始後の除外であった。したがって、PASが躍進したというよりも、当局が野党勢力の工作を制限することに成功したといった方が真相に近い。

 記事はまだ続くが、とりあえずこのへんで。


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 こちらの記事などが伝えたところによると、9月29日のビデオメッセージでゼレンスキー大統領がウクライナからの武器輸出に意欲を示したということなので、大統領の発言要旨を以下のとおり整理しておく。

 このほど、長距離兵器メーカーなどが参加した最高司令官の技術会議が開催された。会議で取り上げられた主な課題は、生産量であった。ウクライナ国防省やその他の政府関係者、国防・治安部隊、そしてウクライナのドローンやミサイルを製造する主要企業すべてが、本日協議を行った。全員が1つの協議に参加し、重要な決定の準備に関与することで、実際に適任者を見極め、真実の情報を得ることができる。

 ウクライナの生産能力と企業の実際の優位性について評価の相違があった。最大限の生産を行う必要があり、国内の生産能力はまだ十分に活用されていない。

 ウクライナの資金は、質の高い成果を上げることができる各企業がそれを獲得し、完全に実現できるように配分されている。

 パートナー諸国は、特にドローンに関して、資金面で私たちを支援してくれている。これは重要なことだ。その支援は実感できるものであり、感謝している。国防省および関係機関の任務は、メーカーが実際に履行できる範囲で、できるだけ多くの発注を確保することだ。

 最高司令部では、ウクライナの遠距離攻撃能力の必要性について報告があった。さらに、兵器ストックが十分に補充されるよう、契約と生産を計画している。

 輸出についても取り組んでいる。つまり、ウクライナの武器の輸出、特に余剰がある特定の種類の武器の輸出を管理することで、ウクライナに追加の資金を提供し、現在前線で必要とされている不足品や、ロシア領内への攻撃で最も効果を発揮した武器の生産に充てることができる。

 すでに4つの輸出拠点(米国、欧州、中東、アフリカ)について合意が成立している。ウクライナは関連協定の準備を進める予定である。


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 今まで知らなかったが、恐らくトルコ系と思われるAAというメディアがあり、ロシア語でも情報を発信しているので、旧ソ連圏とトルコの関係などを調べるのに重宝しそうだ。今般、同メディアのこちらの記事で、ロシアの原子力公社であるロスアトムのK.コマロフ国際業務担当第一副社長がインタビューに応じた。基本的にはトルコとの協業について語っているが、同社の海外事業全般についても述べているので、以下その要旨をまとめておく。

 コマロフ第一副社長いわく、ウクライナ紛争の影響だが、過去3年間(2022~24年)において、ロスアトムの海外収益は90億ドルから180億ドルへと倍増した。受注残高は約2,000億ドルと安定している。これは、当社が既存の契約を履行しているだけでなく、新たな契約を締結し、将来に向けた強固な基盤を構築していることを意味する。ロスアトムは、輸出向け原子力発電所の建設において世界一である。諸外国で建設中の25の原子炉のうち、22基がロシアの技術を採用しており、その割合は85%以上に上る。当社はウラン濃縮分野でも世界市場の約40%を占めるトップ企業であり、天然ウラン、核燃料、および癌の診断・治療用医療用同位体の主要供給者としても30~40%のシェアを有している。原子力の平和利用は、政治的混乱から最大限に保護されなければならない。これは、フィンランドのハンヒキヴィプロジェクトを除き、当社の海外プロジェクトがすべて、従来のレベルを維持しただけでなく、成長している事実によって裏付けられている。我が社は米国への濃縮ウラン供給を継続し、西欧諸国とも協力関係を保ち、政治情勢にかかわらず、自らの義務を厳格に履行している。他方、3年前は欧米諸国と南半球諸国からの受注割合が半々だったが、現在では当社の受注ポートフォリオの80%以上が、開発と大量のエネルギーを必要とするグローバルサウス諸国からの受注で占められている。


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 すでにロシア統計局から2025年1~8月の鉱工業生産統計が発表されているので、個人的にいつも作成しているグラフを更新してお目にかけたい。

 鉱工業全体と、鉱業・製造業別の伸び率を示したのが、上図となる。1~8月の鉱工業生産はわずか0.8%の伸びに留まっており、元々のロシアの花形である鉱業の不振がさらに深まり、製造業が牽引する構図が続いている。

 しかしながら、製造業の主要部門を見ると、下図のように、今年に入りあらゆる部門で冴えない数字が並んでいる。なお、ウクライナのドローン攻撃やガソリン不足で注目される石油精製は、統計上は2025年1~8月の生産が前年同期比プラスマイナスゼロということになっており、下図の中ではむしろ一番マシな数字となっている。ただし、2025年8月は前年同月比6.3%減であり、8月以降数字が急激に悪化していくことになるかもしれない。

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 主要部門が軒並み不振なのに、それでも製造業が伸びているのは、言うまでもなく軍需の拡大による。しかし、軍需関連部門をピックアップした下図を見ると、その軍需部門も総じて2025年に入り勢いが鈍っている。航空・宇宙機器のみ、ドローンやミサイルの大増産によるものか、生産増が加速している。

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 ロシアでは目下、来年度の連邦予算案を策定中だが、実はそれと並行して今年度の予算の修正作業も行われていることに気付いた。当ブログでも以前お伝えしたとおり、今年度の予算は石油・ガス歳入の不振で年度の早い時期に修正を余儀なくされていたわけだが、今般再修正を迫られることになったわけである。こちらの記事の内容をまとめたのが上表であり、要するに頼りにしていた非石油・ガス歳入が思うように高まらず、歳出は据え置くため、赤字が拡大する見通しとなった。再修正予算案では、財政赤字がGDPの2.6%にまで膨らむことになった。

 ちなみに、こちらの記事によると、策定中の2026年の連邦予算(2027年、2028年の見通しも含む)では、赤字の対GDP比が2026年:1.6%、2027年:1.2%、2028年:1.3%と推移することになっている。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 先週のゴリゴリのプロテストソングとは打って変わって、今週は楽しげなHang On Sloopy - McCoysがチャートのトップに立った。そのことについて、またぞろChatGPTに問題提起したところ、ざっと以下のようなお答えをいただいた。

 確かに、「Eve of Destruction」と「Hang On Sloopy」は1965年秋の全米No.1曲ですが、内容も空気感も真逆に近い存在です。「Hang On Sloopy」は、深刻な社会批判ではなく、若者向けダンス・パーティーの盛り上げ役として記憶されるような曲です。The McCoysは、オハイオ州出身の若いロックバンド(リーダーのリック・デリックは当時16歳)。曲の位置付けは、ガレージロック/パーティー・ロックの典型。単純でキャッチーなリフ、繰り返しの多い歌詞、シンプルな構成。踊れるロック”としての魅力が強く、プロテストソングのような思想性はほぼゼロ。Bang Recordsは、当時新興のレーベルで、オーナーのBert Bernsが手掛けた初期の成功例。同時期にVan Morrison(Them)やNeil DiamondもBangから出ており、ポップとR&Bをつなぐ存在として機能していた。「Eve of Destruction」のような重い社会派メッセージの直後に、何も考えずに楽しめる曲がNo.1になったことで、当時のチャートがいかに多様で、時に振れ幅が激しかったかがよく分かる。たった1週間で“世界の終わり”から“学園祭のダンスパーティー”へ空気が一変したわけです。

その頃ソ連では
1965年:カザフ共和国のウゼニ油田(マンギシラク)で最初の石油の噴出を見る。

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2025

 当ブログでは先日、ロシア経済発展省の8月末の発表に基づき、ロシア政府による公式的な経済成長率の見通しを、上図のとおりご紹介した。しかし、今般、それが下方修正され、結局下図のようになった。

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 経済発展省のHPを見ても、まだ本件は正式な形では掲載されていないのだが、こちらの記事などによると、9月24日に同省が下方修正をマスコミに発表したということである。2025年の見通しが2.5%から1.0%へと引き下げられ、2026年も2.4%から1.3%に引き下げられた。2027年のみなぜか2.8%で修正なしだが、2028年は3.0%から2.5%へと引き下げられた。


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 目下、ロシアでは来年の連邦予算を策定しようとしているところだが、こちらの記事によると、財務省が政府に対し、付加価値税の増税を提案したということである。記事を以下のとおり抄訳しておく。

 なお、ロシアにおける付加価値税の諸問題については、以前「ロシアの増税はどうしてスムーズ? 日本もプーチンに見習うべきか」というコラムを書いたので、そちらをご参照。

 財務省は、ロシアの主要税である付加価値税(VAT)の税率を20%から22%に引き上げることを含む予算案を政府に提出した。同省は、この措置の必要性を国防と安全保障のニーズゆえと説明している。同省は、この増税による物価上昇は「緩やかで限定的」であり、将来的には税率の低下とGDPのより確実な成長という形で経済に利益をもたらすと確信している。基本的な付加価値税に加えて、同省は、より公平な負担の一環として、一部の中小企業と、財政への納税が不十分であると指摘されるブックメーカーに対する負担を増やす改正案を準備した。

 2019年に18%から20%に引き上げられた付加価値税(VAT)の税率は、さらに2%ポイント上昇し、2026年1月1日から22%に設定されると財務省が発表した。この増税に関する規定は、その他の財政上の変更とともに、予算パッケージの一部として政府に提出された税法改正案に含まれている。

 優遇税率(10%)は、すべての社会的に重要な商品(パン、乳製品、肉、高級でない肉製品といった基礎食品、医薬品、子供向け製品、その他いくつかの品目)に適用される。これらの商品は1月以降も税率が引き上げられない。

 税率の引き上げは「防衛と安全保障の問題に充てられる、かなりの追加収入」をもたらすだろうと財務省は表明している。具体的な徴収額は現時点では明らかにされていないが、専門家の推定では1.3兆ルーブルとされている。2025年の国内および輸入における付加価値税収入は15.7兆ルーブルと予想されており、これは財政歳入総額の40%に相当する。

 2019年の税率引き上げは、インフレ率を0.8~0.9%ポイント加速させた(当時の経済省の試算)。自動車、スマートフォン、ガソリンなどの特定商品については、当時、価格がより大幅に上昇した。

 財務省は、中期的には経済は消費税増税でプラスになるとしている。追加歳入で予算と金融システムが強化され、将来的にインフレ傾向が安定的に下がり、中央銀行の金利も下がるという。「結果として、国は低金利と高い経済成長軌道に乗ることができるだろう」と財務省は楽観視している。

 一般的な付加価値税の改正に加えて、中小企業にとってあまり喜ばしくないニュースも盛り込まれている。2026年からは、さらに一部の中小企業もこの税金を払うことになる。現在、簡易課税制度を適用している中小企業は、年間収入が6,000万ルーブルを超える場合にVATを納付する義務があるが、税法改正により、この基準額が1,000万ルーブルに引き下げらる。

 連邦税務局の試算によると、このセクターの納税者の割合は3.6%から15%に増加する見込み。その目的は、税務上の「裁定取引」による不正競争と闘うことであり、これは多くの場合、税負担を軽減するための事業の分割という形で現れる。財務省の説明によると、このような慣行は、販売者が複数の法人や名義上の個人事業主を利用しているマーケットプレイスでの取引で広く見られる。

 B2Bセグメントで事業を行う中小企業には、この措置は実質的に影響を与えない。なぜなら、一般的な課税制度で事業を行う企業顧客は、請求されたVATを控除できるから(つまり、中小企業は、その税金が還付される顧客に税金を「転嫁」する)。VATのしきい値の調整は、中小企業にとっての変化のすべてではない。

 その他(商業、建設、鉱業など)については、一般的な税率が設定されており、法定上限ベースまで30%、それを超える部分については15%である。財務省は、保険料の割引は、コロナ禍における中小企業支援のため、2020年に一時的な措置として導入されたものであり、当時は雇用維持が必要であったと説明している。

 現在、この課題は解決された。経済省のデータによると、中小企業の数は640万社・個人事業主にまで増加し、これは関連登録簿が開始された2017年以来の最高値だ。失業率は現在、コロナ禍時(2.5%)の3分の1に低下しており、優遇制度はもはや雇用維持の課題解決のためにはなっていない。財務省はまた、中小企業が非生産部門(37%が商業、7%が不動産、8%がその他のサービス)に偏っていることを指摘しており、この偏りを生産者に有利な方向にシフトさせるには、優遇制度に対する新しいアプローチが必要だとしている。

 最後に、国家が予算の均衡を図る際に忘れていない最後の分野は、ブックメーカー。現在、彼らは固定額の賭博事業税を支払っています(税率は地域によって異なる)。これは「彼らの売上高の規模を反映しておらず、実際の財務実績を考慮していない」と財務省は不満を述べている。

 そのため、ブックメーカーに対する課税制度の変更が提案されている。賭博事業に対して、受け付けた賭け金の5%を課税し、さらに総合税率(25%)による所得税の納税義務も課すというものである。これにより、売上高だけでなく、売上高は高いが納税額は低いこうした企業の実際の財務実績も考慮に入れることができると、財務省は指摘している。


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 当然のことながらトヨタはサンクトペテルブルグにあった自社工場を売却しロシアからすでに撤退しているわけだが、こちらの記事がその旧トヨタ工場をめぐる動きを伝えているので、要点を整理しておく。

 2022年9月、日本のトヨタ自動車は、サンクトペテルブルグにある工場での自動車生産を終了すると発表した。この工場は年間10万台の生産能力を有していた。同工場は2007年末に操業を開始し、ロシア産業・商業省との特別投資契約に基づき、RAV4およびカムリを生産していた。そして、サンクトペテルブルグ市の産業政策・イノベーション・商業委員会のA.シトフ委員長が今般述べたところによると、旧トヨタ工場は2025年の年内にも操業を再開する可能性がある。日程はかなり不明確で、現時点で分かっているのは、1年以内に再稼働させる予定で、おそらくそれより少し早いか遅いかだろうと、同氏は述べた。工場の再開に関しては、それに関与するガスプロムとKAMAZがより詳細な情報を有しているという。これに先立ち、ロシア連邦政府のD.マントゥロフ第一副首相は、旧トヨタ工場でロシア独自の高級車「Aurus」の生産を開始する計画があると発表していた。


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 昨日に続き、モスクワ~サンクトペテルブルグ高速鉄道の話題。こちらの記事で、工事の概要が伝えられているので、以下抄訳しておく。

 モスクワ~サンクトペテルブルグ高速鉄道では、全長180kmに及ぶ239の橋梁と高架橋が建設される。V.サヴェリエフ副首相、A.ニキチン運輸相、ロシア鉄道のO.ベロジョーロフ社長、「ナショナルプロジェクト建設」グループのA.クラピヴィン社長による幹線建設の進捗状況視察の結果、高速鉄道情報センターが発表した。

 プロジェクトの管理は、ビデオ監視と作業のリアルタイム管理が可能な統合デジタルシステムを通じて行われている。最長の高架は14キロメートルで、サンクトペテルブルグ近郊に建設される予定だ。橋梁には、重量700tの32mの梁が採用されており、これは道路建設における標準的な構造物のパラメータを大幅に上回っている。このプロジェクトは、地形や地質の特徴から技術的に非常に難しい。多くの区間では、軟弱な湿地帯の土壌であるため、路盤の補強が必要だ。このため、プロジェクトでは、総延長約12,000km、100万本以上の杭の設置を予定しているという。

 さらに、沿線には生産拠点も作られる。ノヴゴロド州とトヴェリ州には、特殊なバラストレスプレートの生産工場が2箇所ロボット化されて建設中であり、来年稼働予定である。また、杭を生産する14の工場と橋梁構造物を製造する10の試験場の建設も進められている。10の試験場すべてで準備作業がすでに進行中であり、そのうち4箇所ではすでに建設が活発に行われている。合計7,000人以上の人員と3,000台の重機が動員されている。建設作業員は、アクセス道路の敷設、公共インフラの移設、そして最大2万人の専門家を収容できる仮設住宅の整備を進めている。


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 2018年以降のプーチン政権は、本来であれば、「ナショナルプロジェクト」と称する国家的なプロジェクトを推進し、国の底上げを図るはずだった。2022年2月以降のウクライナへの全面軍事侵攻で、我々が注目するのはついロシアの軍事的側面ばかりになってしまうが、ナショナルプロジェクトも取り下げられたわけではなく、形を変えつつも継続している。

 その中でも、高速鉄道の整備計画は分かりやすい目玉であり、モスクワ~サンクトペテルブルグ路線を皮切りに、各路線の整備が進められていくことになっている。軍事費の負担が増し、先進国からの技術提供も得られない中で、本当に実現できるのかは不透明だが、一応はプーチン政権は高速鉄道推進の構えを崩していない。

 それで、こちらの記事に、モスクワ~サンクトペテルブルグ路線の精密路線図というものが出たので、それを拝見することにする。元のデータは44MBもある法外なものなので、当方でだいぶ圧縮したのが上掲の地図となる。整理すると、停車駅は、以下のとおりとなるということである。

  • Ленинградский вокзал,
  • Рижская,
  • Петровско-Разумовская,
  • Зеленоград-Крюково,
  • Высоково,
  • Новая Тверь,
  • Логовежь,
  • Садва,
  • Выползово,
  • Валдай,
  • Великий Новгород,
  • Жаровская,
  • Южный,
  • Санкт-Петербург Главный

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2025

 夏休みで遊びほうけているうちに、ロシア経済発展省が8月末に、2026~2028年の公式経済見通しを発表していたようだ。そこで、差し当たり最重要なGDP成長率の数字のみ、上掲のとおりグラフにまとめてみた。2024年までは実績、2025年はここまでの動向を踏まえた「見通し」、2026~2028年は「予測」(願望?)となっている。

 先日プーチン大統領が述べたところによると、2025年1~7月のGDPは前年同期比1.1%増ということだった。なので、上図に見る2025年の見通しが2.5%というのは、だいぶ現実離れしてきた。政府は、昨年の今頃、2025年の連邦予算を編成する際に、2025年のGDPを2.5%増としていたので、それを惰性で引きずっているような形だろう。今回発表された2026年以降の予測では、2026年が最も苦しく、以降は成長率が高まっていく想定になっている。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、今週1位のEve Of Destruction - Barry McGuireは、曲名・歌手名はよく目にするものの、これまでちゃんと聴いたことがなかった。例によってChatGPTに訊いてみたところ、次のような曲ということである。

 Barry McGuire のEve of Destructionは、1960年代アメリカを象徴する社会派プロテストソングのひとつで、歌詞の内容・時代背景の両面から当時の若者や保守層の間で大きな論争を呼びました。歌詞は、1960年代半ばのアメリカ社会・国際情勢に対する批判や不安を、短いセンテンスで畳みかけるように並べています。主なモチーフは、1.ベトナム戦争、2.公民権運動と人種差別、3.核戦争の恐怖、 4.若者の徴兵と投票権問題。発売直後に全米チャート1位を獲得(1965年9月)。しかし保守派や一部の放送局は「反米的」「士気を下げる」として放送禁止に。一方で、若者や反戦派からは共感を集め、後のプロテストソング・ブームの先駆けになった。Barry McGuireはもともとポップ寄りのフォークグループ出身でしたが、この曲で一躍“怒れる反戦歌手”のイメージが定着。歌詞は1960年代半ばの出来事をかなり直接的に引用しており、今聴いても時代の空気がそのまま詰まっているのが特徴です。

その頃ソ連では
1965年9月27日:ソ連とガンビアの外交関係が、ソ連側からはセネガルにあるソ連大使館を通じて行われることに。

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 ロシアでは予算編成の時期が到来した。なお、ロシアの連邦予算は、たとえば2026年の予算であれば、2027、2028年の見通しも加えた3ヵ年のスパンで採択され、なおかつその3ヵ年を対象とした各経済指標の予測値も示されるのが通例である。これに関連し、こちらの記事によると、9月18日にモスクワ金融財政フォーラムが開催され、その中でA.シルアノフ蔵相が金融財政政策について語ったということである。以下、シルアノフ蔵相の発言振りを抄訳しておく。

 シルアノフ蔵相は、財務省が財政ルールにおける「基準油価」を引き下げることで、国庫の石油・ガス収入への依存度を弱めることを目標としていると述べた(注:基準油価とは、石油価格がそれを上回った場合に生じる超過歳入を国民福祉基金に繰り入れ、逆に下回った場合に生じる歳入欠損を国民福祉基金を取り崩して穴埋めする基準値)。引き下げは1年ごとに1ドルずつ行われ、2030年までに下限値は1バレル55ドルまで低下することになる。

 シルアノフ蔵相によれば、当局は、直面するあらゆる制約に対応できる、より強固な予算を構築しなければならない。財務省は今後3年間(2026~2028年)の予算編成にあたり、制裁、貿易戦争、国際市況が国民にしわ寄せを及ばさないものであるべきという前提で検討を進めてきたという。

 予算の持続可能性を高めるため、財務省は石油・ガス収入への依存度を低下させる方針である。シルアノフ蔵相は、2030年までに、基準油価を年間1ドルずつ引き下げる計画だと述べた。現在の1バレル60ドルから、2030年には55ドルに引き下げられることになる。蔵相によると、財務省は実質的に2017年に定められた原則に戻る形である。当時、基準油価は1バレル40ドルに設定され、毎年2%のインデックス調整が行われていた。

 ロシアには、陸軍と海軍、そして安定した財政という同盟者がいると、シルアノフ蔵相氏は冗談を言った。同氏は、2026年の歳入の石油・ガス収入への依存度を20~22%と評価した。2024年にはその割合は30%で、さらに以前には50%近くあった。

 下院の財政・税務委員会のA.マカロフ委員長は蔵相に対し、財務省が「予算の配分」をどのように行うかについて説明を求める質問を行った。蔵相は、第一に「国民と企業に対する国家の保証の履行」、第二に防衛と安全保障の確保が優先事項であると回答した。第三の項目として、国家プロジェクトにおける国家目標の達成を挙げた。

 蔵相によれば、予算の「強靭性」は、ロシア中銀が実施する金融政策を「緩和」するという別の課題と両立させる必要があるという。バランスの取れた予算は、中央銀行がより柔軟に対応できる機会であると、蔵相は説明した。これに対し、中銀のE.ナビウリナ総裁は、規制当局にとって予測可能性が「極めて重要」だと答えた。同氏によると、金融政策は財政政策とは異なり、「数四半期分の遅れ」があるという。「財政赤字が大きければ大きいほど、金融政策は厳しくなる」と総裁は指摘し、均衡予算によって金利は緩やかになると付け加えた。


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 今般のロシア旅行では、まあとにかく街を歩き回ったわけだが、非常に印象に残ったのが、街のそこかしこにWildberriesとOZONの看板が見えることだった。しかも、ノヴォシビルスクで撮った上掲写真に見るように、両者がセットのようになっており、カラーリングも似通っている。これはもしかしたら、両社は合併か業務提携でもしたのではないか。そう思って、ChatGPTに尋ねてみたのだが、結論を言うと両社はあくまでもライバルであり、提携などをしている事実はないということであった。以下、ChatGPTの回答振りをまとめておく。

 WildberriesとOzonは、別々の会社であって、直接的な資本関係はありません。ただし、ロシア通販業界では双方とも非常に大きなプレーヤーであり、市場シェア・ロジスティクス・広告・ピックアップ拠点などで「街を席巻している」ため、看板が並ぶなど視覚的に似ている場面が多いのだと思われます。

 Wildberries:2004年創業。創業者はタチアナ・キム。衣料品、靴、化粧品、家庭用品、電子機器など幅広い商品を扱うオンライン小売 / マーケットプレイス。ロシア国内および近隣国に配送ネットワークを持つ。

 Ozon:1998年創業。ロシアのeコマース先駆者の一つ。本、CD/DVDなどから始まり、現在では衣料、家電、生活用品など多様なカテゴリーを扱う。マーケットプレイスモデルを取り、物流・配達ネットワーク、ピックアップポイントなどを全国で展開。

 両社が“似たもの”と感じられる理由(看板が並ぶ等):市場の集中性が高い・・・ロシアのオンライン小売業(マーケットプレイス)市場では、WildberriesとOzonが大きなシェアを占めています。FAS(ロシアの反トラスト規制機関)によれば、両社で合計でオンライン小売市場の約80%を占めているとの報告があります。販売・物流インフラの広さ・・・大都市から地方まで配達ネットワーク、受取・引取拠点(ピックアップポイント)、広告看板などのオンライン/オフラインでの“見える”プレゼンスが強いため、街中での露出が多くなっています。広告・マーケティングの競合・・・顧客獲得やブランド認知のために、両社とも屋外看板、デジタル広告、プロモーションなどで高い投資をしており、駅前・商店街・交通量の多い場所などで看板が見かけられるのはそのためです。

 直接的な関係・競争・規制:競争関係・・・WildberriesとOzonは強いライバル関係にあります。価格、品揃え、配達スピード、ログスティクス網、顧客体験などで競っています。規制上の扱い・・・FASは両社を “共同の市場支配的地位(collective dominant position)” の保有者とみなしており、市場競争を歪める可能性がある慣行があれば監視や制限の対象としています。所有構造は異なる・・・Wildberriesは創業者(およびその関連者)による所有で、最近広告グループ “Russ” との合併等も行われています。一方、Ozonは複数の株主(企業や投資家)を持つ公開会社形式で、AFK システマなどが大株主です。要するに、「看板が並んでいる」「街で見かける」は、両者が同じ市場で、それぞれ店舗受取拠点やピックアップスポットを設けたり、広告を大規模に行っていたりするためであって、親子会社関係や提携関係が強いというわけではない、ということです。


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 良い意味でも、悪い意味でも(笑)、ロシア旅行の余韻が強すぎ、普通にロシア情勢をフォローするモードに戻らない。そこで、また旅の土産話の一つを。

 今回はシベリア・極東の旅になったので、どこかで一回くらい本格的なシベリア料理を食べたいと思った。アルタイ地方のバルナウルに、「ゴールナヤ・アプチェカ」という名店があるらしいということを知り、そこで昼食をいただいた。なお、ここは昔の薬草の工房か何かをレストラン・博物館・土産物屋にしたものらしく、私が食べている時にも観光客のグループが見学に来ていた。できれば予約をしていった方がいいだろう。料理自体は興味深かったが、私は予約なしにフラっと訪れたせいか、料理の提供に1時間以上を要したのが難点だった。

 私が選んだのは、シベリア風ボルシチ・ベーコン添え(手前)と、アカシカの家庭風煮込み(奥)という2品だった(両方壺になってしまった)。ボルシチに関しては、何をもって「シベリア風」と称しているのかは不明だったが、言われてみれば若干野性味というか、野菜の土臭さを感じるような味だったか。

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 アカシカというのは、鹿の一種ではあるが、アルタイ山脈の固有種らしい。今回オーダーしたのは、キノコ、ジャガイモ、野菜などと一緒に煮込んだもので、肉固有の味の特徴などは分かりにくかったか。

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 ロシア旅行から帰ってはきたものの、まだちょっとモードが残っているので、関連の手抜きブログ。ロシアでは9月14日投票締め切りで統一地方選挙があったわけだが、今回私が回った地域の中では、唯一ノヴォシビルスク州で本格的な規模の選挙戦が行われていた。他の地域では選挙の看板等を一切目にしなかった。

 ノヴォシビルスク市内を歩いただけの印象になるが、統一ロシアの看板が多いのは当然として、その次に目立ったのが、上の写真にも見る「新しい人々」の看板だった。上の写真では、そのかわたらで、共産党がテントを張って頑張っているものの、広告の物量では新しい人々に敵わない。「公正ロシア」の看板はチラッと目にしたが、自由民主党の看板は一度も見なかった。

 こちらの記事によると、今回ノヴォシビルスク州では、州議会だけでなくノヴォシビルスク市議会選挙など他のレベルの選挙も多数行われ、ロシア全国の中で同州が最も活発な選挙戦が戦われた地域になったということである。州全体の投票率は33%ほどだったようだ。州議会選挙の政党別得票状況は暫定で、統一ロシア51.9%、共産党11.3%、自由民主党9.4%、新しい人々7.9%、公正ロシア7.8%、祖国1.1%、緑の党0.9%となっている。


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