ユーラシアリサーチ 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心に旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

pda

 まず最初にお知らせ。このホームページのモバイル版を立ち上げました。スマートフォンや携帯電話からご利用ください。アドレスは下記のとおり。ただし、スマホからトップページ(http://www.hattorimichitaka.com)にアクセスすると、自動的にモバイル版に飛ぶように設定してありますが。

http://www.hattorimichitaka.com/pda.html

 自分のHPのモバイル版を作成してみたいというのは、旧来の携帯電話の時代から漠然と思ってはいたのだけれど、スマホ時代になっていよいよ避けて通れないなという気がしてきた。しかも、決定的だったのは、これまでスマホから私のHPにアクセスしようとすると、エラーになってしまっていたこと。フラッシュのアニメが悪いのか、フレーム割が悪いのか、はたまたジオシティーズというサービスそのものが悪いのかはよく分からないが、いずれにせよスマホで私のHPにアクセスすると、いったんは表示されかけるものの、すぐに「URLが存在しません」みたいな表示に切り換わってしまっていた。このスマホ全盛の世に、そういう状態を放置することはとても気持ちが悪いので、とりあえず策を講じることにした次第。

 しかし、実際にモバイル版をご覧いただくと、「何だよ、文字大きくしただけじゃん」と言われそうである。そのとおり、これは新着記事をシンプルに並べて、文字を大きくしただけのページである(当然のことながら、PCで閲覧すると、文字がどデカかく表示される)。でも、私の場合HPはすべて手作りだから、これだって思案を重ね、試行錯誤を経て、ようやく実用的に閲覧できるページに仕立てたのである。スマホからアクセスしたら自動的にモバイル版に飛ぶ設定なんて、訳が分からなくて、ほとんど涙目でこぎ着けたんだからさ。アホだからJAVAのスクリプトとか書けないんだよ。私の今のリテラシーでは、これ以上無理!

 まあ、もうちょっと時間的余裕があったら、勉強をして、ちゃんと見栄えのするスマホ・サイトを構築してみたいが。その点、ホームページ・ビルダーだと、スマホ・サイトのデザイン雛形が用意されていたり、PC版のHPを更新するとそれが自動的にスマホ版にも反映されるような機能があるらしいんだよね。いいなあ、簡単ソフトは。私も今さらながらDreamweaverからホームページ・ビルダーに乗り換えようかなあ。せっかくDreamweaverにも多少慣れてきたところなんだけど。

 ただし、私のHPは写真や図表も多いことだし、あくまでもPCのHPがメイン。モバイル版では、図版は省略するし、諸々至らないところもあると思うけれど、あくまでも簡易版なので、ご容赦ください。

 それにつけても、私のIT環境は、この半年くらいでかなり変わった。その直接のきっかけは、昨年10月にiPod Touchを購入したこと。その経緯については、以前こちらやこちらで述べたとおり。そこに書いたとおり、iPod Touchは単なる音楽プレーヤーというよりも、通話のできないスマホのようなもので、WiFiでネットに接続できるので、ウェブやメールが使えるのである。私はその後、このiPod Touchで出先でもWiFiに繋がるように公衆無線LANサービスに加入したり、アプリに目覚めたりと、iPod Touchが垣間見せてくれるスマホ・ワールドに徐々に引き込まれていった。それが高じて、「スマホでロシア・NISのニュースをチェックする」なんてレポートを発表したりもした。

 そして、昨年暮れには、フェイスブックを始めてみた。そもそも私は、一方的な情報発信をしたいタイプであり、SNSで他人と繋がりたいなんてことはあまり思わない人間である。だから、自分のHPにも、ブログにも、コメント欄は設けていなかった。私にとってウェブでの情報発信はあくまでも、媒体を紙から電子に置き換える(あるいは後者が前者を補完する)だけのもので、双方向的なやり取りは拒絶していた。私の書いた文章を引用・批評していただいたりすることはウェルカムだけど、それは各自やってください、というスタンスだった。

 しかし、フェイスブックに関しては、世界情勢を読み解く鍵にまで浮上しており、どんなものなのかという興味はあった。そうしたなか、12月にウクライナ出張に出向いた際に、機中で読もうと思って『日経トレンディ―』を買ったら、「3分で使えるフェイスブック」というオマケ本が付いてきて、それを読んだらフェイスブックへの関心が膨らんでしまった。これは、もしかしたら自分の勤務先の情報発信ツールとして使えるかもしれないので、まず個人で試してみようと思い、始めることにした。実名制が基本のフェイスブックなら、生産的なやり取りも可能かなという期待もあったし。もっとも、本音を言えば、ロシア関係のアプリ漁りが一段落してしまい、他にもiPod Touchで遊ぶ何か面白いものはないかという気持ちもあったかもしれない。

 フェイスブックを始めてみたものの、前掲の「3分で使えるフェイスブック」には、「見ず知らずの人からの友達リクエストは断るべき」と書いてあったので、それに倣っている。そもそもがシャイな性格なので、フェイスブック上で知り合いを見付けても、自分からは友達リクエストを出さないというスタンス。なので、今のところ「友達」は十数人しかいない。だから、フェイスブックの持つ情報伝播力のようなものは、まだ実感できない。ただ、不思議なもので、SNSを疑問視していた私でも、友達リクエストが来たり、コメントや「いいね」をもらえると、妙に嬉しかったりするものである。恥ずかしながら、新しい自分を発見しつつあるというか。そんなわけで、私が勧めるのもなんですが、皆さんもフェイスブック、どうですか?

 で、私の場合、やると決めたら、とことんやるタイプなので、私のこのHPの各記事にも、フェイスブックの「シェア」ボタンを付けることにした。しかし、日々、記事を書くだけでも大変なのに、フェイスブックに対応したり、並行してモバイルサイトも更新しなければならず、私の場合それを全部手作業でやってるから、やたら手間が増えたなあ。なお、フェイスブックに加えて、ツイッターのボタンを付ける実験もしてみたんだけど、そちらの方は技術的にあまり上手く行かず、依然としてツイッターには抵抗感もあるので、ツイッターはとりあえずやめにした。

 目下のところ私が思案しているのは、近日中にスマホを買うべきかどうかということ。iPod Touchでスマホの美味しいところはだいたい体験できているつもりだけれど、やはり真正スマホ・ユーザーになりたいとう願望はある。携帯はドコモに加入しているので、アンドロイド端末を買うつもりだ。ネットや雑誌で、最新機種を比較検討する日々。でも、日系メーカーの端末を買いたいのに、どう考えても日本勢は現状ではサムスンのギャラクシーに見劣りし、購入に二の足を踏んでしまう。買えないうちに好奇心や知識ばかりが肥大化し、スマホ耳年増になりそう。

 雑誌の編集作業に追われ、ここ数日、ロシアのニュースのフォローが行き届かなかった。で、これはその間の話題だが、こちらのニュースによれば、プーチン首相は2月7日、旧ソ連諸国に対するビザ制度の導入は、これらの国々がロシアの影響力圏から最終的に離脱してしまうことにつながると発言した。

 プーチンは、自らの選挙代理人らとの懇談の席で、移民問題に触れ、以下のように述べた。「昨日、政治評論家らと話した際に、彼らは(CIS諸国に対し)ビザ制度を導入すべきと言っていた。貴方たちに私の立場を知っておいてほしく、それは国民にも秘密ではないが、旧ソ連諸国にビザを導入することは可能ではあるが、その場合我が国は、それらの国々を完全に失ってしまう。同諸国では現在それでなくてもロシア語が追いやられており、今後自由なコミュニケーションもできなくなるし、追加的な制限が課せられ、ひいては同諸国を失い、我が国の影響力圏から離脱してしまい、結局は我が国を弱体化させてしまう」と、プーチンは述べた。

 プーチンによれば、否定的な影響は長期的なものとなり、ロシアの経済や国民の生活にも打撃となる。法の枠内で移民が働くことは正常であり、それはロシア経済にとって不可欠。必要なのは秩序をもたらすことであって、不法移民と彼らを手助けするロシア国民への罰則を厳格化すべきである。1つのアパートに200人もの移民が居住登録されているような事例が横行している。他方、移民が奴隷的な労働に従事させられているという問題もあり、彼らが安心して働ける環境が必要だ。プーチンは概略以上のように述べた。

 ベラルーシを代表する政治評論家のV.カルバレヴィチ氏に、最新のベラルーシ事情に関するレポートを寄稿してもらった。そのなかで、ベラルーシの原発建設に言及した箇所があるので、差し当たりその部分だけ以下のとおり翻訳して紹介してみたい。

 ベラルーシの原発建設は、実に奇妙なプロジェクトだ。原発建設は、ベラルーシが直面する問題を何一つ解決せず、逆に新しい問題を作り出す。

 ベラルーシが厳しい経済難に見舞われているまさにその時に、大規模建設プロジェクトに着手するというのは、賢明なこととは思われない。ベラルーシの国庫には、そのために必要な財源はない。原発はロシアの資金で建設されようとしており、その目的のためにロシア側は100億ドルを貸し付けることになっている。

 ロシア側がベラルーシで実施しようとしている原発の設計案は、一切前例のないものであり、またしてもベラルーシ人が実験台にされようとしている。

 当初、原発建設の理由の一つとされていたのは、余剰となった電力を輸出し、貿易赤字を補填するというものだった。ところが、現在この地域では、リトアニア、ポーランド、ロシア・カリーニングラード州、そしてベラルーシと、実に4箇所で新たな原発の建設が計画されている。カリーニングラード原発などは、すでに建設が開始された。しかも、この地域一帯は産業の発展度が低い。ベラルーシの原発は同国北西のグロドノ州オストロヴェツでの建設が決まっているが、同州は産業の発展度でベラルーシ東部に引けを取る。バルト3国などは、ソ連時代の鉱工業をすでに放棄してしまった。

 かくして、余剰の電力をどこに持って行くのかというのが、大問題となる。ベラルーシの原発は元が取れないという恐れも出てくるわけで、その場合にロシアからの融資をどのように返済するのか?

 ロシア側は、ベラルーシの原発で生産される電力を輸出するための合弁企業の創設を、要求している。つまり、ベラルーシは借金を負い、原発を建てながら、電力販売収入はロシアと折半しなければならないわけだ。

 このシナリオは、ロシアにとって好都合だ。ベラルーシは、エネルギー面でも、資金面でも、ロシアに依存することになる。なぜなら、原発の燃料はロシアが供給し、核廃棄物もロシアで処理されることになるからだ。

 こちらの記事によると、ロシアのガスプロム社がドイツ・ブンデスリーガの名門バイエルンのスポンサーになるという観測が浮上し、早くもサポーターの間には反発する動きもあるようだ。

 現在、バイエルンのメイン・スポンサーはドイチェ・テレコムが務めており、一方ガスプロムは2007年からシャルケのスポンサーとなっている。内田篤人のユニフォームの胸のところに、ガスプロムのロゴが入っているので、日本でもお馴染みだろう。

 ところが、この記事によると、先日ガスプロムのミレル社長とバイエルンのヘネッサ社長が会食の場を設けたことから、スポンサーシップに関する観測が浮上した。これについてバイエルン側は、「ミレル氏とはとても和やかな雰囲気のなかで、レストランで楽しい昼食を共にした。ここで強調しておきたいが、我々はシャルケに取って代わってガスプロムをメイン・スポンサーとして獲得するつもりはない。そんな話すらしていない。しかし、何らかの形の協力関係は可能だ」と説明している。ガスプロム側も、同社がバイエルンのスポンサーになるという情報を否定している。なお、今回より少し前に、2012年中にもガスプロムがバイエルンのホームスタジアムのネーミングライツを獲得し、その後にユニフォームのスポンサーにもなるという情報が流れていた。

 このように、ガスプロムもバイエルンもメイン・スポンサーの可能性は否定しているものの、早くも先日のブンデスリーガの一戦で、「NO GAZPROM」との横断幕を掲げるサポーターが南スタンドに現れた。

 個人的には、ガスプロムがアジア・太平洋市場への進出を目論んでいるところでもあるので、金欠Jリーグがロシア資本を取り込んだりすることはアリではないかと思っているのだが……。

 全ロシア世論調査センター(VTsIOM)が先日実施した世論調査で、大統領選におけるプーチン優位の形勢は、首都モスクワ、「北都」ことサンクトペテルブルグでもほぼ同じであることが明らかになった。こちらのニュースが伝えている。

 この記事で示されているモスクワおよびペテルブルグの各候補の支持率を、No.159で紹介したロシア全国の数字と対比しつつ示すと、下表のようになる。ただし、まったく同じ調査の結果だったのかは明記されておらず、確信がない。一部数字が埋まらないが、悪しからず。

 ロシア全体モス
クワ
ペテルブルグ
プーチン524347
ジュガノフ885
ジリノフスキー86 
ミロノフ44 
プロホロフ41211
ヤヴリンスキー-5 
投票に参加しない1187
回答困難10912

 要するに、両首都でも、ロシア全国よりも多少数字は落ちるものの、それでもプーチン優位の形勢に本質的な違いはないということになる。ちなみに、「誰々にだけは絶対に入れない」というアンチ・ランキングを見ても、プーチンの数字はモスクワで30%、ペテルブルグで25%であり、各候補の中でプーチンが最も低くなっている。ジリノフスキーに至ってはその数字がそれぞれ74%と72%に及ぶ。

 この調査結果につきVTsIOMのフョードロフ所長は、以下のように解説している。確かに今回の両首都でのプーチン支持率は、高い数字だ。ただ、現政権に対する大規模な抗議運動が始まったのが12月であり、多くが変化したが、それでもプーチンは12年間も政権に就いているのである。ミドルクラスは、モスクワのそれであっても、特にプーチンに反感は抱いていない。彼らは、既存の対抗馬にも、反政府集会のリーダーたちにも期待はできないということを分かっているので、本物の候補を選好する。その観点から言うと、大統領選に初めて出馬しているプロホロフの存在は、目立っている。

 ただし、両首都でもプーチンが優勢とする調査結果に関しては、野党や一部の専門家から疑問視する声も上がっている。たとえば、『政治工学』誌のポリャコフ編集長は、支持率の数字を操作するのは選挙戦の常套手段であり、今回の調査結果もそうしたものの一つだ、モスクワでプーチンの支持率が43%というのは過大であり、30~35%程度が妥当であろう、と指摘している。

 2月4日でモスクワを中心にロシア各地で開かれた反政権デモ、およびそれに対抗する政権支持集会の事実関係については、一般のマスコミが伝えているので、ここでは省略する。さしあたり、私の友人の特派員が書いた記事がこちらにあるので、ご参照いただきたい。私としては、インターネット新聞『ガゼータ』のこちらの社説が目に留まったので、その要旨を以下のとおり紹介しておきたい。

 反政府運動家たちはそろそろ、一般的なスローガンから、どのようにロシアの政治システムを変えていくべきか、3月4日後に一日一日、一歩一歩をどのように進めていくべきかを、提示すべき時だろう。

 親プーチン集会と反プーチン集会のどちらが参加者の数が多かったかということなどは、意味がない。肝心なのは、当局による動員がないにもかかわらず、また最悪の気候にもかかわらず、現政権に反対して数万人の市民が集まったということだ。彼らの抗議を、気まぐれと受け取ってはならず、これは出口を求める切なる声である。そして、その感覚は深まっている。政権を支持するデモに参加している者たちですら、政権のやり方を信頼はしていない。その親玉であるプーチンですら現在の権力体系は有効ではないと思っており、それゆえに自らの本物の支持者に、動員をかけた参加者を混ぜ、反政府側を真似た受け身の対応しかできなかった。つまり、政権は現在の状況への対応を迫られながら、実際にはどうしていいか分からないのだ。

 このように政権側が苦悩しているわけだが、だからといって反政府側の課題が楽になるわけではない。反政府集会で最も流布しているスローガンは「プーチンなきロシア」だが、それを近いうちに実現することは不可能で、だとすると形成されつつある社会運動が、失速し白けに変わってしまう恐れがある。大統領選でプーチンが勝つ可能性が相当高いとしても、反政府側の課題は変わらないのだ。反政府側は現在、選挙監視を大規模に普及させ、プーチンの大勝を阻止することを目指しているわけだが、もしもプーチンの勝利が微妙なものに終わったら、それは「雪革命」の終わりではなく、ロシアの漸進的な改造の始まりを意味するかもしれない。そのためには、選挙前はともかく、選挙後には単純なスローガンは控えて、日常的で長期的な活動への準備を進めなければならない。

 その際に、市民社会は、少なくとも2つの方向性を目指すべきである。それは、選挙法の本質的な修正に向け政権に圧力をかけ続けること、そして司法システムの抜本的な改革を求めることである。その2つとも、政権が改革に乗り出したかのようにも見えるが、不充分であったり、まやかしであったりする。現在提案されている政治改革は、あまりに不明確で、場合によっては権力の一層の独占を招く恐れもある。司法改革にしても、何ら改善はもたらしていない。この2つの改革は、ナショナリストからリベラルまで、政権に反対しているバラバラな勢力を束ねる結節点になりうるという意味でも、有効である。

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