モルドバでは、エリートは総じてEUとの統合というベクトルを志向しているものの、分離・自治地域はロシア寄りだし、野党や一般庶民の間でもロシアを中心とした関税同盟に加入することを望む声が根強くあるようだ。実は、関税同盟加入の賛否を問う国民投票を実施しようという運動も展開されているらしく、こちらがそのウェブサイトである。
そして、こちらのニュースによると、最近の世論調査でも、関税同盟の支持派の方が優勢という結果が出たそうである。すなわち、モルドバ社会学者・人口学者協会が2012年1月9~18日にモルドバ全土で1,587人を対象に実施した世論調査で、関税同盟への加入を支持した回答者が40%、EU加盟を支持した者が31%だったという。
一方、「今度の日曜日にEU加盟を問う国民投票が行われたら賛成するか?」という設問には、44%が賛成すると答えているが、これは前年同月から17%ポイントも低下したということである。同じ設問で反対するという回答者が32%、投票に参加しないが7%、回答困難が17%だった。
2つ目の設問の結果を見る限り、EUへの拒絶反応がそれほどあるようには思えないものの、1つ目の設問の結果に見るように、二者択一を突き付ければ、現時点では関税同盟支持が優勢になっているということだろうか。ギリシャ危機あたりが影響している可能性はありそうだ。