ウクライナのウニアン通信のこちらの記事が、議会選挙を受けた内閣の人事刷新についての観測を伝えているので、要旨を以下のとおりまとめておく。
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法律上は、新しい議会を選出したからといって、政府を刷新する必要はないのだが、その話題はこのところ専門家たちによって盛んに取沙汰されていた。その際に、人事の最終的な決定権がV.ヤヌコーヴィチ大統領にあることは、周知の事実である。ただ、議会選挙後の政権内部の闘争の行方は、選挙そのものに劣らず重要である。なぜなら、内部対立が激しくなるほど、大統領選の時期が近まってしまうからである。ヤヌコーヴィチは頻繁に政権内部の火消を余儀なくされており、その一環として人事を使っている。来たるべき内閣改造も、その一環となる。
その点で、最も興味深いのは、社会政策担当副首相のS.チヒプコの立場である。彼は、内閣のメンバーを半分入れ替えるというような失言をしている。専門家のV.ネボジェンコによれば、議会の議長になったりするよりも、現職に留まることを望んでいる。チヒプコは、結局のところ政治家というよりも銀行家であり、副首相の方が資金面で恵まれた立場にある。チヒプコが議会議長に意欲を見せたのは、冗談にすぎない。チヒプコはドニプロペトロウシクのオリガルヒであり、地域党は彼をドネツィク有権者の利益の表現者にするつもりは決してない。2010年の大統領選の時と同じように、首相になる野心を持っているチヒプコにとって、議長ではなく一議員の座に甘んじることは、受け入れられない。ゆえに、チヒプコは閣内に残留することに全力を尽くすだろう。危機の時代には、ビッグビジネスは財政の周りに群がると、ネボジェンコは言う。
他方、M.アザロフ現首相は、事情が違う。官房での仕事の経験が豊富で、政治的野心を持たないことは、首相の美徳だが、それは政治家というよりも官僚としての美徳だ。現状ではアザロフは、地域党にとっても、大統領にとっても、支持率の足を引っ張る存在になっている。アザロフが地域党の広告塔の役割を外されたのも、無理はない。ただし、アザロフ首相の退陣をもたらす可能性があるのは、むしろ別の問題である。前出のネボジェンコの指摘によれば、ロシアとの対立が抜き差しならない状態になっている。ウクライナの首相の最も大事な仕事は、次の年のガス価格につきロシア・ガスプロム社と合意することであり、歴代の首相はすべてそれをしてきたが、一人アザロフだけがそれを成し遂げていない。ゆえに、ヤヌコーヴィチはアザロフを年金生活入りさせざるをえない。誰もアザロフを血祭りに上げようというわけではないが、アザロフが2年間で問題を、とりわけロシアとの関係を解決できなかったことは重いと、ネボジェンコは言う。
問題は、いつアザロフ首相が退任するかだが、多くの専門家は年内はないだろうとしている。ただ、すでに候補者は多数挙がっており、上述のチヒプコ、V.ホロシコウシキー第一副首相などもいるが、最も有力視されているのがS.アルブゾフ中銀総裁だ。ヤヌコーヴィチ大統領との関係が良いことに加えて、アルブゾフは中銀総裁の職務を大過なく果たしており、何より選挙まで為替を安定させるという至上命題を果たした。一方、A.クリュエフ国家安全保障・国防が首相になるという説もあるし、またクリュエフがアルブゾフ首相の下で第一副首相を務めるという説もある。
閣僚の中で、退任が確実視されているのは、V.バローハ非常事態相、P.ポロシェンコ経済発展・商業相、A.ブリズニューク地域発展・建設・住宅公営事業相である。このうちポロシェンコは、小選挙区から議会選に出馬しており、議員への転身が有力視される。前出のネボジェンコによれば、小選挙区の情勢次第であり、もしも同志たちが多く当選したら彼らとともにすぐに議会に移るし、芳しくないようであればもうしばらく閣内に留まる可能性もある。ポロシェンコの後任候補としては、I.アキモヴァ大統領府第一副長官の名が挙がっている。
D.タバチニク教育相、O.ラヴリノヴィチ法相も退陣説があるが、彼らに関しては、自ら退任を申し出ない限り、残る公算が大きい。
一方、留任が確実視される閣僚としては、M.プリシャジニューク農相、B.コレスニコフ副首相・インフラ相、V.ホロシコウシキー第一副首相、V.ザハレンコ内相、E.スタヴィツィキー環境・天然資源相、Yu.ボイコ・エネルギー相、D.サラマチン国防相、Yu.コロボフ蔵相らがいる。
R.ボガティリョヴァ副首相・保健相に関しては、R.アフメトフの派閥であり、ヤヌコーヴィチが彼女を解任し政権内のバランスを崩そうとするとは思えない。ボガティリョヴァは保健改革に手腕を発揮しておらず、先日の経済改革会議で大統領から咎められる一幕もあったが、それは解任の予兆というよりは、警告だったと考えられる。
K.フリシチェンコ外相の立場は、より微妙だ。ティモシェンコ事件に関し諸外国に政権の立場をPRすることに失敗し、EUとのサミットがお流れになった責任を問われている。地域党の比例名簿9位という高い順位で外交官のL.コジャルィが選挙に出ていたことが注目され、あるいは同氏がフリシチェンコに取って代わるかもしれない。
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