ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

 今日はロシア政治のフォローは開店休業にしようと思ってたんだけど、私の最も信頼するロシア政治アナリスト、政治工学センターのA.マカルキンン第一副所長のコメントがこちらに出ていたので、以下のとおり抄訳しておく。

 政治学者のローバート・ダールはかつて、20世紀半ばのアルゼンチン政治の状況を、為政者が「私は、私の政敵が選挙で勝たない限り、選挙を信じる」という立場をとっている状態と指摘していた。これは、過去15年ほどのロシア政治にも当てはまる。

 エリツィンは1996年に不法な政権奪取という手段を選ばなかったが、それは、エレガントな手段でとは言い難いが、選挙に勝つことは可能であるということを、彼に対して説得したからである。すべてのプーチン選挙は、むろん2008年のそれも含めて、野党が望みうるのはせいぜい決選投票に持ち込むことという状況で行われた。しかも決選投票の現実的な望みが多少なりともあったのは、2000年と今回2012年だけである。プーチン政権は、これまでと同様、いかなる民主主義にも付き物の不確実性を、外国の勢力によって挑発された危険な不安定性と同一視し、その不確実性をいかなる手段を使っても最小化することこそ肝要と考えている。

 しかも、今日のロシアの条件下では、「不確実性」の兆候とされるのは、単に選挙に負ける可能性だけでなく、決選投票にもつれ込むことすらもそうなのである。決選投票は、体制を侵食し、役人たちに立場を多様化する動機を与えかねないものだと思われている。もっと言えば、第1回投票での辛勝というのも駄目なのである。プーチンは一政治家としての大統領にはなりたくないのであり、彼は国民的リーダー、自らが築いた体制の支柱であろうとしている。彼は他の候補者と戦っていたのではなく、自らと、2007年の国民投票的選挙で自らが獲得した支持と、戦っていたのである。そして、もっと地味な第1回投票の得票率で我慢するならば避けられたであろう大きな騒動という犠牲を払ってでも、その結果を獲得した。

 これを獲得したことで、野党による選挙結果の承認という重要なものも失う可能性がある。12月の下院選挙の結果を認めている野党は一つもない。メドヴェージェフと異なり、プーチンは敵に回したら恐ろしい人物であるが、それでも2位に終わったジュガノフは大統領選結果を認めない立場をとっている。大都市の有権者の支持を集めたプロホロフは、約4,000件にも上る選挙違反の事例を見付けたとしている。

 もっとも、プーチンの「正統性」に関するイメージは、現代の民主主義に慣れ親しんだ者たちとは、異質なものである。彼のスタイルは19世紀~20世紀前半のもので、ビスマルクやストルイピンのように、「自由派のおしゃべり」の反対などはおかまいなしに、強いリーダーがその意思を強行するというものである。彼は工業社会の政治家であり、ポスト工業社会の人間のことは理解できない。だからこそ、「どんなおしゃべりよりも尊い」ウラルの労働者に依拠しようとするのである。彼にとっては、1968年の「嵐」の影響を受けて形成された今日の西側社会は理解不能だが、もっともロシアのエリートのかなりの部分もそれは同じであり、あるいはエリートの多数派がそうかもしれない。

 勝利の後、どうなるのか? むろん、モスクワ中心部でデモを行っている野党は、選挙結果を承服せず、メガロポリスにおける国民の不満も消えてなくなりはしないだろう。しかし、政権にとって同じくらい危険なのは、別の問題である。現在プーチンに票を投じている人々は、国家・パトロン、国家・庇護者の役割をプーチンに期待している。2000年代の感情的な支持に代わって、打算、代えが利かないこと、カオスへの恐怖といったことが前面に出ている。プーチンの支持者たちは彼が経済危機前のように年金・給料・手当を定期的に引き上げてくれることを望んでいる。だが、現実には彼らは7月には、選挙をにらんで先送りされていた料金の引き上げに直面する。西側とイランの戦争で石油が200ドルを超えでもしない限り、さらに困難は続く。その時に、プーチンは有権者の支持をつなぎとめられるだろうか? マネージ広場に集められた群衆たちは、プーチンが選挙で勝ったという知らせを最初に受け取ったが、その際の沈黙が、この問いへの答えになると思われる。

 ロシア大統領選の大勢が判明し、さあ全力を挙げてその総括を、と言いたいところだけれど、実は毎月恒例の月報の締切日が明日に迫っていて、それに向けた作業に追われ、まったく余裕がない。とりあえず、簡単に数字だけ押さえておく。

 中央選管の集計作業は、5日夜までに99%以上終了したようである。というわけで、まだ暫定ではあるが、投票結果は下図のようになっている。むろん、改竄が行われたといった批判の声も挙がっているわけだが、あくまでも公式結果である。投票率は約65%で、プーチン氏が約64%を得票して第1階投票で当選を決めた。2位は共産党のジュガノフ氏。昨日も書いたが、政治家に転身したばかりの異色の富豪候補であるプロホロフ氏が3位の座を確保、今後の政治活動に向け一定の足掛かりを築いたと言えそうだ。


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 地域別に見た場合、プーチンの得票率の高かった地域、低かった地域のそれぞれベスト10を整理すると、下図のようになる。プーチンが異常な好成績を収めているところは、ほとんどが少数民族系(しかも多くがイスラム系)の地域であり、腐敗的な土壌をうかがわせる。一方、プーチンの得票率が最も少なく過半数を割り込んだのが首都のモスクワ市であり、飛び地のカリーニングラード州がこれに続いた(プーチンの嫁はカリーニングラード出身だが)。いずれも、反政府デモのメッカである。あとは、モスクワ周辺部の州が目立つが、これらは以前から「レッドベルト」と呼ばれていた地帯であり、共産党の支持基盤が強いことに関係しているのではないか。なお、プーチン氏のご当地であるサンクトペテルブルグ市における同候補の得票率は59.8%だったとされている。

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 こちらのサイトで、政治評論家のV.ビアンキ氏が大統領選につき、主にサンクトペテルブルグの視点からコメントしている。いわく、サンクトペテルブルグでプーチンが60%得票したという数字は、かなり怪しい。確かに、政権側は反政府的なムードだった市民の票をある程度取り戻すことに成功したが、それでも当地における選挙の不正は、下院選の時よりも少なくなったとはいえ、かなりのものだった。市民のムードは幾分変わってはきたが、政権側は社会との対話は行おうとしていない。明日集会があったとしても、来週末になればもう何もなく、プーチンの支配体制には何の変化もないだろう。反政府集会は主にモスクワで開かれるはずで、ペテルブルグにはもう革命の揺りかごを自負する資格はない。

 こちらのサイトで、大統領選に関し、政治評論家のYe.ネグロフ氏が以下のとおりコメントを寄せている。いわく、ロシア国民は、人質が犯人に感情移入してしまうという「ストックホルム症候群」により、プーチンに投票した。国民は数世代にわたり権力というものを、きわめて抽象的にか、あるいはきわめて具体的なものとして受け止めてきた。今日のロシアの場合、プーチンの路線も、その人物も支持するという強力な中核的有権者層が存在する。ただ、基本的にプーチンの勝利は、人々が変革を恐れ、将来の展望を実感できず、責任を逃れようとしていることの表れである。プーチンの得票率は、意図的にかさ上げされており、それは地方の役人が良い数字を出して成績を上げたいという願望に加え、国民の3分の2(この数字は心理的な境界線)に支持されていることをプーチン自身が実感したいことによる。モスクワでの演説でプーチンが涙を浮かべていたのが、その証拠だ。

 こちらのサイトで、政治工学センターのI.ブーニン所長が、選挙結果についてコメントしている。所長いわく、モスクワとサンクトペテルブルグでは、プーチンの得票が実際に45%を上回ったということは、まずあるまい。ロシア全体でのプーチンの得票率が58%というのであれば、それなりに現実に近い。しかし、政権党候補の得票率が最終的に64%を上回るようなことになれば、当局による選挙の不正につき野党が攻撃する有力な根拠が生まれることになる。政権側にとって最も重要なのは、社会から選挙の正統性を認めてもらうことだが、プーチンの得票率があまりに高すぎるとそれにとって不都合になる。プーチンが反政府勢力の抗議集会を武力で押さえつけるようなことはあるまい。衝突の可能性もまったくないわけではないが、その場合には最初にどちらの側が暴力に訴えるのかが焦点となる。

 こちらの記事によると、関税同盟の効果により、カザフスタンに登記するロシア系企業の数が増加しているという。カザフスタン財務省M.ブルギノフ間接税局長が語ったもの。

 局長によれば、ロシアの付加価値税税率が18%であるのに対し、カザフはずっとリベラルで、12%である。関税同盟が機能している期間中、すなわち過去1年半に、カザフにおいてロシア市民が設立者となっている企業の件数が、30~40%も増大した。ロシア系企業からの税収は60%増大し、同じくベラルーシ系企業からの税収も50%増えた。カザフは投資環境を改善するために必要書類の削減に取り組んでいるところであり、2011年には報告書類の数が30%削減され、2012年にもさらに30%削減されることになろう。局長は概要以上のように語った。

 こちらの記事によると、3月4日、ロシアのM.ズラボフ駐ウクライナ大使は天然ガスをめぐるロシア・ウクライナ関係につき、概略次のように述べた。すなわち、現在ウクライナのガス輸送システムの資産評価が行われているところだが、ロシア・ウクライナ間の新たなガス協定の調印時期は、その資産評価の作業がいつ完了するかにかかってくる。もしも資産評価が8月1日までに終わるというなら、両国が何らかのガス協定を結べるのが、早くても下半期になってしまうことは明らかである。ウクライナ側にとってみれば、自国のガス輸送システムの最終的な資産評価がなされる前に、サウスストリームに関する決定が下されない方が、都合が良い。ロシアは逆に、早期にサウスストリームを現実のものとし、ウクライナのガス輸送システムの価値を引き下げたい。自分の聞いているところでは、ウクライナの輸送システムの資産評価は、8月1日に提出されることになっているようだ。これらの作業がより短期間に仕上げられる可能性もある。ノルドストリーム、サウスストリームの両プロジェクトが、ウクライナの輸送システムを経由する輸送量に影響を及ぼすこととなろう。ロシアとウクライナのガス交渉は、①ガス価格、②ガス消費量、③ウクライナ領を経由してヨーロッパに輸送する量、という3つの問題群に沿って行われている。ガス交渉に関して現在マスコミに流れている情報は、すべて駆け引きを目的としたものであり、問題の本質とはかかわりのないものばかりである。ロシア大統領選が終われば、ガス交渉も本格化すると期待したい。現行のガス協定に修正を加えるだけでなく、2020年までの期間を対象とした広範な政府間協定が準備されている。大使は概要以上のように語った。

 なお、サウスストリームは4本のラインから成り、それぞれが年間155.7億立米の輸送力を持つ。最初のラインは、2015年12月の稼働を予定で、年鑑630億立米のフル稼働は2018年が見込まれている。投資総額は155億ユーロで、うち100億ユーロが海底部分、55億ユーロが陸上部分となっている。

 大統領返り咲きを果たしたプーチンは、これからどのような道を歩むのか。こちらのサイトで、S.チェルニャホフスキーという政治評論家が「3つのシナリオ」というものを語っているので、その要旨を紹介する。

 チェルニャホフスキーによれば、第1のシナリオはいわば「平均シナリオ」で、プーチンが2012~2018年の任期を果たし終え、2018年の選挙にも出馬し、その選挙でも勝利を収めるが、3年後くらいに退任するというもの。

 第2のシナリオは否定的なもので、プーチンの統治システムの下で半年後くらいに国民の生活水準が悪化し始め、2018年までの任期を全うできず、3年後くらいに退陣を迫られるという、本人にとっても国にとっても不幸なシナリオ。

 第3のシナリオはポジティブなもので、プーチンが自らの公約をすべて実現し、質的な改善を成し遂げるというもので、その場合プーチンは2018年までだけでなく、その次の任期も果たし切ることができるだろう。

 チェルニャホフスキーによれば、今後を占ううえでも、選挙直後の状況を分析することが重要。A.ナヴァリヌィの呼びかけている反政府デモが、どのような展開をたどるか。また、延期されていた物価の値上げが7月1日になされた後、どのような状況になるか。プーチンの場合には、他の政治家と異なり、政権に就いた後、それに慣れるための時間というものを必要としないので、結果はすぐに表れると、チェルニャホフスキーは指摘した。

 ロシア大統領選の投票は比較的平穏に行われたようだ。どうも中央選管のウェブサイトが不親切で、必要な情報がどこに掲載されているのかが分かりづらい。なので、とりあえずこちらのノーヴォスチのサイトを参照している。これによれば、モスクワ時間のAM2:00の時点で、約70%ほど開票が進み、各候補の得票状況は以下のようになっているようだ。

1.プーチン:64.62%
2.ジュガノフ:17.04%
3.プロホロフ:6.90%
4.ジリノフスキー:6.65%
5.ミロノフ:3.71%

 プーチンの得票率はだいたい事前の世論調査に沿ったものと言えよう。注目点はプロホロフで、同氏はミロノフとの4番手争いと言われていただけに、もしもジリノフスキーすらも凌いで3位フィニッシュとなったら、今後の政治的影響力が違ってくるだろう。

 なお、このサイトには、全ロシア世論調査センターの実施した出口調査の結果も載っている。それによれば、各候補の得票は、以下のようになっている。

1.プーチン:58.3%
2.ジュガノフ:17.7%
3.プロホロフ:9.2%
4.ジリノフスキー:8.5%
5.ミロノフ:4.8%

 上掲の速報値と出口調査では、プーチンの得票率に6.3%ポイントの開きがある。よく分からないが、ひょっとしたら、大票田の都市部の票がこれから開き、そこではプーチンの得票率が相対的に低いといった技術的な理由によるものかもしれない。あるいは、それこそ改竄なのか?

 下の画像は、開票50%時点のものだけど、とりあえず雰囲気だけでも。以上、取り急ぎ。


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 本日3月4日は、ロシア大統領選の投票日。ロシアでは、投票日の当日はもちろん、確か前日も選挙運動は禁止されており、それまでの喧騒が嘘のように、テレビのニュースなんかも落ち着く。世論調査の結果なんかも、確かこの両日は発表できなかったはず。ただ、昨今はロシアでも報道の重心がある程度ネットに移っており、ネットでは古い記事は閲覧できるわけだから、この2日間の選挙運動や関連報道の禁止というルールが、どれだけ意味があるかは微妙かもしれない。

 現に、たとえばレヴァダ・センターのこちらのサイトを見ると、2月半ばに実施された最新の世論調査の結果が、ばっちり出ている。そこで、ここに掲げられている各候補の支持率を、以下のとおりグラフにしてみた。「貴方は大統領選で投票に参加するか? もし参加するなら、下記の政治家のうち、誰に入れるか?」という設問に対する回答を、12月から2月にかけての時系列でまとめたものである。


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 これに見るように、本命のプーチンの支持率がじわじわと拡大し、2月の時点で、全有権者に対して45%の支持を集めている。これには、棄権する人も含まれているので、それを除き、母数を投票に参加する意向の有権者に限ると、プーチンの支持率は60%になる。さらに、すでに誰に入れるかを決めている向きを母数にとると、プーチンの支持率は66%に高まる。このレヴァダ・センターの数字が中立・客観的なものであるとしたら、順当に行けば、プーチンが第1回投票で過半数を得票し当選を決めることは、確実と思われる。

 外国人の目から見ると、「こんなに絶対優勢なのに、なぜ野党やマスコミを圧迫したり、票を改竄したりするのか?」と、不思議にも思われる。私の見るところ、要するにプーチンは単に選挙に勝って政権の座に就くだけでなく、これまで築いてきた強固な支配体制を維持しようとしているからこそ、苦労しているのであろう。単に、最終的に過半数を取って勝つというだけでは、駄目なのである。戦争に例えるならば、戦争自体の勝ち負けというよりは、「戦後秩序」の方に重きがあると、そんな言い方ができるかもしれない。

 個人的なことだが、この記事をもって、HPの「ロシア研究コーナー」の記事が、200本に達した。2010年4月に同コーナーを始めた時には、週に1本くらい記事を書いて、引退するまでに1,000本書けたらいいななどと思っていたのだが、今年に入ってから大統領選を見据えてロシア情勢のフォローを強化したのと、最近になってスマホ(というかiPod Touch)でこまめにニュースをチェックする習慣をつけたので、短めの記事ながら1日2本くらい記事をアップするペースになっている。このままだと、1,000本達成は、あっという間かもしれない。他方、HPの「ロシア研究ノート」のページが、想定外に記事が増えたせいで、Dreamweaverで編集する際にやたら動作が重くなり、苦慮している。ちょっと、方式を考え直さないといけないかもしれない。

 私はロシアの経済特区を研究しており、1年ほど前には「ロシア経済特区の新展開 ―サマラ州とスヴェルドロフスク州に工業生産特区―」というレポートを書いたりもした。そのレポートでも紹介したサマラ州のトリヤッチ工業生産特区だが、関係者の強い意欲とは裏腹に、正式に入居が決まる企業が次々と現れるということにはならなかったようだ。ただ、最近の報道で、ようやくぽつりぽつりと企業の入居が決まり出したようなので、その動きをまとめておく。

 こちらの記事によると、まず2011年5月に、2社の入居が決まったということのようだ。具体的には、TPV RUS社(ООО "ТПВ РУС")と、ジェレズヌィ・パトーク社(ООО "Железный поток")であった。TPV RUSはスロベニア・ロシアの合弁で、トリヤッチ特区でLADA Granta向けのシートを生産、1,400万ユーロの投資を予定している。ジェレズヌィ・パトークは硬合金製品を生産を計画しており、4.2億ルーブルを投資する。両プロジェクトによって850名の雇用が確保される。

 これに続き、2011年12月には、ハンドルシステム・プラス社(ООО "Рулевые системы плюс") が特区入居者の認定を受けた。同社は過去10年にわたってAvtoVAZおよびGM-AvtoVAZに油圧ハンドルシステムを納入する最大のサプライヤーだった。特区に3.5億ルーブルを投資して、生産を2倍に拡大するとともに、新しいタイプの製品の生産に着手する予定で、190人分の新規雇用が生まれる。

 同じ記事によれば、2012年にはトリヤッチ特区の入居企業がさらに4社増える見通しで。うち1社のテフオプトニカ社(ООО "ПКФ "ТехОптоника")は省エネ照明の生産を計画、335名の新規雇用を見込んでいる。

 一方、こちらの記事によると、サマラ州のV.アルチャコフ知事は3月2日、前出のジェレズヌィ・パトーク社とハンドルシステム・プラス社に特区入居認定証を授与した。両社は迅速に、本年第2四半期に建設作業に着手する予定。その建設作業と並行して、特区のインフラ建設も実施される。この記事によれば、ハンドルシステムは200名の雇用を創出し2013年稼働予定、ジェレズヌィ・パトークは260名の雇用を創出し2014年稼働予定となっている。

 昨年12月にウクライナに現地調査に出かけ、キエフの街中を歩いていた時のことである。写真に見るように、「ベラルーシ食品 ソ連の高い品質」と大書きされた売店が目に留まった。これは何かのブラックジョークだろうかと思い、中を覗いてみると、確かにそこにはベラルーシ産の食料品だけが並んでおり、売り子も「これらはれっきとしたベラルーシ産食品です」と言う。不思議な業態もあるものだ、ウクライナでニーズがあるのだろうかと、首をかしげながら、その場を後にした。

 ところが、最新のこちらの記事によると、これはきちんと成立しているビジネスのようだ。ベラルーシ産の肉製品や乳製品は、昔ながらの自然な風味が受け、少なからぬウクライナ消費者に好意的に受け入れられているようなのだ。彼らは、ベラルーシ産は乳製品本来の味がするから選ぶようにしている、添加物が少なくソ連時代の食品を懐かしく思い出す、ベラルーシ産は値段は多少高いが品質はもっと高い、すべてをコントロールしているルカシェンコは偉い!などと、口々に語っているという。ベラルーシ・ウクライナが地理的に隣接していることに加え、ベラルーシ・ルーブルの大幅切り下げもあって、昨年ベラルーシのウクライナ向け乳製品輸出は40%も増えた。

 そうしたなか、2011年になって、ベラルーシ食品を専門に販売するキオスク・売店が、ウクライナの大都市に出現し始めた。通常は、地下鉄駅や市場の近くに設けられている。私がキエフの街角で目撃したのと同じように、「ベラルーシ食品 ソ連の高い品質」とシンプルに消費者に訴求しているらしい。現実には、ベラルーシ産食品はウクライナ産よりも10~20%も割高であるものの、それでもよく売れる。ただし、商品の多くはグレーな国境貿易でウクライナに持ち込まれており、キオスク・売店の店主たちも自らの名や企業名は語りたがらないのだという。

 そうしたなか、前掲の記事によれば、ウクライナは3月1日付で、ベラルーシ産の肉製品および乳製品の輸入禁止措置を導入した。ベラルーシ産食品の植物・衛生基準が、ウクライナの法令の要求を満たしていないことを、その理由としている。しかし、上述のようにベラルーシ産食品がウクライナ市場で存在感を増していることに危機感を抱いたウクライナ政府が、国内生産者保護のために当該措置をとったのではないかという見方もある。なお、アザロフ首相は、本件輸入禁止措置は一時的なものであり、ベラルーシ側がしかるべき対応をとれば解除する旨発言している。


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 目下のところ、スマートフォンを買うか買わぬか思案中。基本的なスタンスとして、ドコモの携帯電話に加入しているのでスマホもドコモで行きたい、となると必然的にアンドロイド端末になる、アンドロイド端末と言えば最有力なのはサムスンのギャラクシー、しかし家電やデジモノに関しては日系メーカーの製品にこだわりたい……といったところ。しかし、これがなかなか難しい。

 最も完成度の高いスマホは、誰がどう考えても、アップル社のiPhoneだろう。アップルという会社の恐ろしいところは、iPodにしろiPhoneにしろiPadにしろ、最初に完成形を出してしまうという点。もちろん、小さな改善点などはあるのだろうが、最初にアップルがその商品カテゴリーを提示してほぼ完璧な完成形を出してしまうものだから、他のメーカーは亜流で追随するしかなくなる。で、今の時点で、ユーザーがあえてアンドロイドで行くならば、現状でサムスンのギャラクシーの性能が最も優れているというのも、衆目の一致するところ。日系メーカーの製品は、2011冬~2012春のモデルを色々とチェックしたが、電池が持たないとか、操作感が悪いとか、難点が目に付く。

 2011冬~2012春のモデルのなかでも、私が注目していたのが、ソニーエリクソンのXperia acro HD SO-03Dという商品だった。で、一昨日の3月2日、ドコモショップでの予約受付が始まったので(発売は3月15日の予定)、一応はカレンダーにそれを記入しておいたのだが……。結局、予約は見送った。とにかく、端末の技術的なこと、通信網の整備、料金体系、色んなことがまだまだ過渡期であり、もうちょっと待ってもいいのではないかという気がして、思い留まった。我ながら、よく我慢したと思う。

 冷静に考えれば、今現在の自分の体制、すなわちガラパゴス携帯+iPod Touchって、かなり合理的なんだよね。iPod Touchは、3G回線への接続こそできないものの、WiFiにアクセスでき、もちろんアプリもインストールできるから、スマホのおいしいところはiPod Touchでだいたい体験できている。職場にも自宅にもWiFiがあり、私の場合だいたいそのどちらかにいるので、ネット接続に問題なし。月額500円程度で公衆無線LANにも加入しているから、地下鉄駅などでもWiFiにつながる。難を言えば、外出時に公衆無線LAN圏外ではネット接続ができないことだけど、まあ大した問題ではないし、通話やメールだけならガラケーですればいいわけだから。ガラケー+iPod Touchだと、持ち運びが軽いし、通信料も月々2,000円くらで済んじゃう。だから、現状のままでも別にいいんだけどね。だから、スマホを買いたいというのは、利便性よりも、物欲によるところが大きいのだろう。どうでもいい話で失礼しました。


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 プーチンは大統領選挙に向けて、第1弾の総論編(2012年1月16日付『イズベスチヤ』紙)から、第7弾の外交編(2月27日付『モスクワ・ニュース』紙)まで、結局7本の論文を主要新聞紙上で発表した。このうち私の中心的な研究分野である経済問題に関する論文は1月30日付『ヴェードモスチ』紙に載った「我々の経済的課題について」であり、私も途中まで要旨をまとめようと試みたりしたものの、中途半端なまま終わってしまった。

 そうしたなか、こちらのサイトで、セルゲイ・スミルノフという専門家が、プーチンの経済論文の問題点を改めて論じているので、以下でその要旨をまとめておきたい。

 選挙公約を分析することほど虚しい作業はないが、プーチンの経済プログラムをざっと眺めただけでも、そこにはあらゆることが書かれており、だれもがそこに自分の関心事を見出すことができるだろう。

 問題は、第1に、ここに掲げられている様々な目標は、相互に矛盾するか、1つの目標を達成することが別の問題を生み出すということである。たとえば、年金を引き上げはその収支を悪化させ、産業政策の基盤となるとされている国家コーポレーションは腐敗の温床となり、大都市圏の拡大は農村地域を荒廃させ、世界レベルの大学の創設は頭脳流出を招く、といった具合である。プーチンの経済論文には、これらの矛盾に関する分析が一切ない。

 第2に、 目的を達成するうえできわめて疑わしい手段が提案されており、しばしば具体論がなく、ただ単に「~しなければならない」とうたわれていること。2020年までに労働生産性を2倍に、キーセクターでは3~4倍に「しなければならない」といった具合である。

 第3に、プーチンのビジョンのいくつかは論理的に無理がある。農業セクターは経済を競争的な環境に保持し、中小企業を形成するうえで鍵となる要素であるといった主張は、まったく時代にそぐわない。国家コーポレーションによってロシア経済の競争が損なわれているというのなら分かるが、プーチンはそれを否定している。また、プーチンは、ロシアが少なくともいくつかのセクターにおいては絶えず更新される先端技術の支配者となり、もって一方的な技術依存を克服したいとしている。しかし、たとえば先進諸国の自動車メーカーが先端技術を支配するということはあるにしても、国が技術を支配するなどということは的外れな議論である。

 第4に、プーチン論文では、単純ではあるが、それ抜きにしては経済戦略などそもそも語れない、最も肝心な2つの問題への回答が示されていない。一つには、国内生産を発達させるうえで、国内・国外、いかなる市場をターゲットにするのかという点であり、経済成長モデル全体の選択はこれに密接にかかわってくるのである。もう一つには、資源依存型経済を克服するために、どのような措置を講じていくのかという点である。ロシア経済はリカルドの比較生産費の法則に則って資源部門に傾斜しているのであり、それを克服するということは経済の法則に抗うということであって、単に「しなければならない」「他に選択肢はない」などとばかり言うのは、何も変えないのと同じである。

 第5に、この1ヵ月間、プーチンはより過激なことを提案しているのに、それらのことがこの論文には書かれていない。とりわけ、オリガルヒたちが過去の不公正な民営化で得た資産に対し国庫に納付金を納めるとか、年金受給年齢を引き上げる必要はないとか、増税論議(論文では贅沢税に言及しているが、政府部内では企業活動にかかわる増税が議論されている)といったことが、論文では語られていない。論文ではビジネス環境の改善が再三語られているが、今の雲行きからすると、突然税負担が引き上げられビジネス環境が急変してしまうようなことになりそうで、まったく矛盾している。

 第6に、論文で多数挙げられている数字は、まったくの宣伝目的のものにすぎない。たとえば、GDPに占めるハイテク・情報分野の比率を2020年までに1.5倍にし、ロシアのハイテク輸出を2倍にするとうたっており、一見素晴らしいが、2011年の鉱工業およびGDPに占めるハイテク部門の比率は0.9%で、輸出では1.22%にすぎない。それを1.35%と2.44%に伸ばしたとしても、これはまだ石油ブームが始まったばかりの2000年代初頭の水準に戻るにすぎず、何の意味もない。

 結局のところ、選挙向けの宣伝という皮をむけば、プーチンの経済哲学の本質は、次のようにまとめることができる。①国家は経済過程に決定的な役割を果たすべき。②国家政策の実施手段は国家企業であり、国家企業は今後世界レベルで競争力のある存在になる。③「手動統治」の手法をますます広範に活用する。それは、もともと体制そのものに矛盾があり、それが表面化するために、「偉大な指導者」による解決が必要とされるから。④ビジネス界は、そこから常に何かをむしり取るための存在、という程度。ビジネス環境の改善という掛け声は、上辺だけ。⑤年金と賃金は、労働生産性の上昇といった前提条件がなくても、体制の安定のために必要なので、引き上げる。⑥均衡財政は、経済というよりも、政治的な要請(対外借入を行うと主権を喪失する恐れがある)。

 これらの特徴を総合すると、ロシアは石油価格の囚人という結論になる。ロシアは、歳出が経済の効率の上昇ではなく、必要性に応じて拡大していっているという意味で、ギリシャがたどってきた状況に近い。違いと言えば、ギリシャが対外借入でそれを賄ったのに対し、ロシアは石油収入で賄っているという点であるが、もしもその流入が止まれば状況は大同小異となる。

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 思い切りどうでもいい話だが、私は普段、エアロバイクで運動をして、体重をコントロールしている。しかし、私の経験では、エアロバイクというものは妙に故障しやすい。以前から使っていたオムロンの製品が壊れたので、1年ちょっと前にAlincoというメーカーのAFB6010という機械を購入した。しかし、このバイクも数ヵ月使ったらおかしくなり、異常音と振動を発するようになった。おそらく、マンションの下の部屋に響いているのではないかと思う。なので、朝や夜は使うのが申し訳なく、バイクを漕いで運動することがしにくくなっている。

 そこで、最近は運動のために、帰宅時に地下鉄の最寄ではなく2つくらい手前の駅で降りて、30~60分ほど歩いて帰ることが多い。しかし、昨日は雨だったので、それもままならない。昨日はやむなく帰りがけに、職場からわりと近い八重洲地下街でウォーキングをした。東京駅に通じる八重洲地下街は、細長い形状をしているので、そこを3周くらいぐるぐると回って、小一時間ほどの有酸素運動に当てたというわけである。でも、もうすぐ花粉の季節が本格化するので、屋外でのウォーキングはつらくなる。

 冬季休暇で中断していたロシア・プレミアリーグが3月3日に再開するのを前に、こちらの記事が残りのシーズンの展望を論じているので、以下のとおり抄訳しておく。

 ウィンターブレーク中に上位のクラブは、より上の順位とUEFAのカップ戦への出場権をめざして補強を行っており、これが力関係を変えることは大いにありうる。秋春制への移行に向けた変則シーズンである今季は、残りのリーグ戦を上位グループと下位グループに分けて戦うことになっており、上位グループでは直接対決が続くので、順位が動きやすく、スリリングなリーグ戦になる。

 首位のゼニトは、当初ストーブリーグの動きは鈍いように思われ、むしろ内部改革に注力していた。スパレッティ監督は、スポーツディレクターのI.コルネエフの排除に成功し、今やスパルタク・モスクワで監督とGMを兼務して全権を振るうV.カルピンに匹敵する権力を掌握した。ただし、最後の最後になって、移籍市場でも動いた。ウィンドウが閉まるわずか40秒前に、イングランドのアーセナルからA.アルシャヴィンをレンタルで獲得したのである。アルシャヴィンには重い怪我を負っているダニに代わる役割が期待されている。現在6ポイント差をつけて首位に立っているゼニトだが、アルシャヴィンの獲得がなかったら、サポーターの不安は募っていたことだろう。

 ゼニト追撃の一番手は、CSKAモスクワである。CSKAはヴァグネル・ラヴを放出したが、本田圭佑の引き止めには成功し、弱いポジションの補強も行った。具体的には、ボランチのボジションにスウェーデン人プレーヤーのヴェルンブルムを獲得、当初の期待度はそれほどでもなかったが、チャンピオンズリーグのレアル・マドリッド戦で同点ゴールを挙げ、球団社長のYe.ギネルは「もう移籍金の元がとれた」と喜んでいる。右サイドの新戦力である若きナイジェリア人プレーヤーA.ムサは、やはりマドリッド戦で敵の守備陣を脅かしている。

 もう1チーム、補強に成功したのが、ディナモ・モスクワである。同チームの場合、セカンドラウンドが低調だったのは2つのポジションの問題点ゆえだったが、まさにその2つのポジションで補強に成功した。左サイドでアンジ・マハチカラからB.ジュジャクを、セントラルMFにルビンからK.ノボアを獲得した。ただし、外国人枠が一杯になったので、誰かを放出しなければならない。

 これに対し、ロシア人プレーヤーの獲得で補強を成し遂げたのが、スパルタク・モスクワである。これまで同クラブには傑出したロシア人プレーヤーがいなかったが、このほどイングランドのエバートンからロシア代表で左でも中央でもプレーできるD.ビリャレジノフを獲得した。この移籍はロシアのサッカー界に大きなインパクトを与えたが、移籍金は700万ユーロという今日の相場からすれば格安なものだった。

 ロシア人のスタープレーヤーが国外からロシアに出戻るというのがこの冬の移籍市場のトレンドとなり、アルシャヴィンとビリャレジノフの他にも、R.パヴリュチェンコがトッテナムからロコモティヴ・モスクワに移ることになった。パヴリュチェンコは、トッテナムでスタメンを外れることが多かったものの、ヨーロッパリーグや国内のカップ戦とはいえ、出場機会を与えられれば相変わらずのゴール感覚を発揮していた。ヨーロッパリーグでのアトレチコ戦を前にして、FWの駒不足に悩むロコモティヴにとっては、打って付けの人材である。

 しかし、 最大のセンセーションは、アンジ・マハチカラがヒディンク監督を招聘したことである。Yu.クラスノジャン監督はわずか46日間チームを指揮しただけで、1試合の公式戦も戦うことなく、何の説明もないまま解任された。それに代わって、年間1,000万ユーロとも言われる報酬で、ヒディンクを引っ張ってきたのである。これまでアンジにはステータスの高い監督が足りなかったが、ヒディンク以上に権威のある指導者がいるはずもなく、彼にならばロベルト・カルロスやサミュエル・エトーも口答えできまい。3位までの勝ち点差が6しかないことを考えれば、アンジが残りのシーズンで大幅に順位を上げても不思議でない。

 下位グループでは、プレミア残留をかけた戦いが熾烈となる。15位と16位が下部リーグに自動降格するだけでなく、13位と14位も、来季のプレミア参戦をかけて、下部リーグの3位、4位のチームとプレーオフを戦わなければならないのである。


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 ロシアのショイグ非常事態相が1月の末に「極東・東シベリア開発公社」の創設を提唱し、2025年までに1兆ルーブル兆を投入すべきと唱えて話題となったが、こちらのニュースによると各省庁は総じて前向きであるもののそれぞれニュアンスの違いがあり、なかでも財務省は反対の姿勢を示すことになりそうだという。記事の要旨を以下のとおりまとめておく。

 これによると、まず地域発展省はショイグ案を完全に支持しており、そのために税制・関税優遇措置を明記した連邦法を採択すべきだとの立場。事業主体は、国家コーポレーションでも、国が出資する公開型株式会社でも、どちらでもいい。財源は、国民福祉基金から調達しうるが、同時に官民パートナーシップの枠組みで民間の資金も誘致したいと、同省の関係者は話した。

 ショイグは開発公社に天然資源の管理権を与え、「東方インフラ基金」を開設して、資源を利用した合弁企業が利益を同基金に納入することを提唱しているが、これに対する反応は様々である。地域発展省ではインフラ基金と称するものの目的が不明確だとしており、天然資源省の関係者は総じて賛成できるが実現には様々な法改正が必要と指摘した。

 経済発展省は、極東開発を加速するというショイグ案に総じて賛意を示し、経済・社会インフラの開発、イノベーション、天然資源利用効率の向上、環境保護、輸出促進、中小企業振興といった方向性も正しいとしている。その際に経済発展省は、独自の開発公社の創設に加え、経済特区の活用を提唱している。また、極東・ザバイカル開発プログラム策定の際に、それなしでは技能の高い専門家に来てもらうことは不可能なので、大都市での生活条件の改善のための措置を盛り込むべきだと主張している。

 産業・商業省からは、ショイグ案に加えて、以下のような追加措置を講ずるべきだとの声が聞かれる。すなわち、極東から他地域に貨物を輸送する際の補助金、工業生産経済特区(複数)の創設、工業施設で働くために移住してくる人々を雇う雇用主への補助金、などえある。

 一方、漁業庁は特有の提案を示しており、東シベリア全域のすべての河川で企業が成長できるよう、イルクーツク郊外に漁業ゾーンを設けることを提唱している。

 運輸省筋は、ショイグ案を支持するとしながらも、極東への移住者とその家族向けに航空運賃を無料にするためには、航空会社に補償金を払う必要があり、国庫に1.5兆ルーブルの負担がかかるとしている(移住者が500万人、その家族が500万人として試算)。

 これに対し、いつもどおり、新たな国家コーポレーションの創設に反対しているのが、財務省である。同省によれば、これらの措置を講じることによって財政にどのような影響が生じるのかを予測するのは不可能だし、ショイグは財源を明確にしていない。すでに対外経済銀行が創設した極東・ザバイカル開発基金があるし、新組織の創設には追加の資金が必要なので、理に適っていない。2013年以降の国庫資金の配分は、特定の国家プログラムに厳密に沿って行われるべきで、国家コーポレーション経由であってはならないというのが、財務省の立場である。

 まだ流動的だが、とても気になる動きなので、触れておく。既報のとおり、EUが対ベラルーシ制裁を拡大したことで両者間の緊張が高まっているなか、こちらの記事によると、EUが制裁を政治家や官僚だけでなく実業家にも広げる動きを見せているらしい。以前HPで「ベラルーシ長者番付」なんていう話題を披露したが、要するにそこで名前が挙がったようなベラルーシの大実業家たちがEUの制裁(EUへの入国禁止)の対象になろうとしているようだ。

 記事によれば、具体的には、トライプル社のYu.チジ氏、サンタ・インペクス・ブレスト社のA.モシェンスキー氏、アムコドール社のA.シャクチン氏、タバク・インヴェスト社のP.トプジジス氏が制裁対象候補として挙げられている。ただし、EU諸国の間でも経済的利害から意見の相違があり、たとえばスロベニア企業がチジ氏と組んでミンスクでのホテル建設事業を手掛けようとしているので、スロベニアは同氏をブラックリストに入れることに反対しているという。ラトビアもチジ氏を制裁対象に加えることに反対しているという情報も流れたが、ラトビア外務省はこれを否定、同国では自国の経済界に対しEUがベラルーシに経済制裁を実施する可能性があることを警告しているという。

 以上が記事のあらましである。ただ、確かにこれらの実業家はルカシェンコ政権と協力することで財を成しているのかもしれないが、実業家のEU入国を禁止することが果たしてベラルーシの自由化に資するのかという疑問もあるし、とくに個人的にはサンタ社のモシェンスキー氏と懇意にさせていただいていた時期もあったので、心が痛む。

 「こっそりブログ」から、このライブドアのブログに移って、すっかり趣が変わってしまったけど、「こっそりブログ」でやっていたようなユルいネタも、時々は披露したいと思っているのだ。そのために、「日常のあれこれ」というカテゴリーも用意してあったんだけど、そのカテゴリーを初めて使う。

 昨日放送のアメトーーク!が、「旅芸人」という回だった。旅番組に出演することの多い芸人7人が出演し、もう我々は世界各国ほとんど行ってます、みたいなトークをする企画。ただし、踏破地点を赤く塗った世界地図が掲げられたところ、私の守備範囲がほぼ空白地点となっていた(下の図を参照)。ウクライナ・ベラルーシ・モルドバはまったくの空白だし、その北のリトアニア、ラトビアにも誰も足を踏み入れていないようだ。中央アジア、コーカサスも、抜け落ちている。まあ、さすがにロシアは赤く塗られていたが、それは出川哲郎が有名な(?)落とし穴のくだりでモスクワを訪れた時のみの模様。地図上では、広い広いロシアの国土に、出川の顔だけがポツンと描かれていた。世界一広い国なので、もしもこれがなかったら、地図から受ける印象もだいぶ変わっただろう。

 まあね、ロシア・ウクライナ・ベラルーシなんかは、そんなに風光明媚じゃない、美味くて珍しい食べ物なんかもそんなにない、かといって芸人の罰ゲームにふさわしいようなジャングルや砂漠もない、ただ単に都市の団地に人々が暮らしていますみたいな国々だから、民放の旅番組の題材にはなりにくいのだろう。しいて言うならば、出川氏のケースのように、女性がらみということになるのだろう。


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 こちらの記事が、S.ダリキン沿海地方知事の解任の背景につき解説しているので、以下のとおり要旨をまとめておく。

 地域における古株知事の粛清は、直接選挙への移行を前にして、彼らの影響力を削ごうとしたものである。クレムリンの情報筋は、ダリキン沿海地方の解任につき、このように解説した。ダリキンの解任は、地元での支持率の低さ、統一ロシアの低い得票率、汚職など、様々あった(全ロシア国民戦線の地元幹部がダリキンのの問題につきプーチンに直訴していた)。

 一連の知事解任の準備がされているということは、1月の時点で明るみに出ていた。

 ダリキンは12月の下院選直後にクレムリンに呼び出され、統一ロシアの成績が悪かった18の地域の首長の一人として、会議に加わった。その後、V.ポズガリョフ・ヴォログダ州知事(統一ロシアの得票率は33.4%)、I.ミハリチューク・アルハンゲリスク州知事(同31.9%)は、「自発的に」辞任した。このあと、クレムリンおよび統一ロシア筋では、地方における中央政府のイメージを改善するため、大統領選前にも一部の古株知事が解任されるということを認めるようになった。1月末には、トムスク州の知事選出が行われたが、その際に現職のV.クレス知事の名前がなく、同氏は退任することになった。同氏の「成績」は悪くなかったが、任期が切れるのが3月だったため、大統領選と被らないよう、早めの交代に踏み切ったものである。

 N.チマコヴァ大統領報道官は、自分の知る限り、3月4日の大統領選前には、ダリキン以外の知事退任の動きはない、としている。

 以上が記事の概要であったが、他方でこちらの記事によれば、近く知事の公選が復活する見通しであることを踏まえ、2009年に退陣を余儀なくされたロッセリ前スヴェルドロフスク州知事が、来たる選挙への出馬の意向をほのめかしたりもしているそうである。

 こちらの記事が、ロシアの消費市場でいわゆるEコマース、商品のインターネット販売が拡大しているということを伝えているので、その要旨をまとめておく。

 現時点で、商品の販売でインターネット経由がどれだけの割合を占めているかを、商品分野ごとにまとめたのが、下図である。Synovate Comconという調査会社がまとめたものだ。これに見るように、衣料品・靴や玩具などで、2011年にネット販売が伸びた。靴、家電などでは逆に縮小したが、これらは依然としてネット販売の中心的な存在であり、この業態に最大の売上高をもたらしている品目は家電となっている。なお、本の購入でネット経由が減ったのは、タブレットなどで無料で読める電子書籍が増えたからではないかと分析されている。

 2011年にはロシアの610万人の市民がネットで買い物を行い、前年の520万人から16.5%増大した。ここに来ての拡大は、地方への浸透によるところが大きいと指摘されている。また、利用者の数だけでなく、既存の利用者の利用頻度も増えている。

 Synovate Comconのデータとは整合しない別の調査結果もある。たとえば、ネット販売大手の「オゾン」では、2011年にもっとも伸びたのは玩具、家庭用品、スポーツ用品だったとしている。また、GfK Retail Auditによれば、デジタル・生活家電の販売に占めるネット販売の比率は、2011年に入ってから伸びているという。また、家電販売大手のMヴィデオも、デジタル小物に加えて大型家電でもネット販売が伸びているとしている。

 TKBキャピタルのアナリストによれば、ロシアにおけるインターネット販売の市場規模は、100億ドルを超えたところであり、すでに2,000億ドルに達している米国と比べればまだだいぶ開きがある。


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 こちらのニュースで、プーチンが大統領選挙で当選した後、いつクレムリンに移るのかという点に関する情報が伝えられているので、それを整理しておく。

 これによれば、3月4日の選挙で当選しても、プーチンとそのチームはすぐにクレムリンに引っ越すつもりはなく、5月に就任式を行うまで、政府庁舎のホワイトハウスで仕事を続けるという。これは、首相のD.ペスコフ報道官が『コメルサント』紙に語ったもの。

 ちなみに前回メドヴェージェフが大統領に就任した際には、当選から2週間も経たないうちにクレムリンに引っ越している。当時のプーチン大統領は、そのためにわざわざ、メドヴェージェフが大統領の特権と護衛を利用できる旨の大統領令まで発布した。関係者の説明によると、2008年の時には、メドヴェージェフが第一副首相から大統領になったので、当選後に大統領としてのしかるべき待遇や警護を施すため、当該の大統領令が必要になった。メドヴェージェフは当選後すぐに政府庁舎には出向かなくなったし、そもそも当時の上司だったズプコフ首相にしても、大統領に当選したメドヴェージェフに命令を出せるはずもなかった。政府庁舎をあとにして大統領府に移ったメドヴェージェフは、いわゆる第2ゾーンの第14棟に陣取ったが、そこはクレムリン改装工事中にB.エリツィン元大統領が執務を行った場所だった。クレムリンに移るとすぐに、メドヴェージェフは大統領に相応しい会議を主宰し始めた。これに対し、プーチンは首相から大統領になろうとしているので、護衛やその他の技術的な体制強化の必要がない、ということである。

 メドヴェージェフ大統領のN.チマコヴァ報道官も、プーチンの場合にはそうした特別な大統領令は必要ないとの点を確認した。同時に報道官は、現職と新大統領の権限の分担といったことはありえず、現職大統領は新大統領が就任式を行うその日まで憲法に書かれた大統領の職務を完全に遂行すると強調した。実際、3月末のソウルにおける核安全保障サミット、デリーにおけるBRICsサミットといった重要な国際イベントで、ロシアを代表することになっているのは、メドヴェージェフ現大統領である。

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 <W杯アジア3次予選:日本0-1ウベキスタン>◇C組◇29日◇愛知・豊田スタジアム。日本がW杯予選のホームで試合を落とすのは、1998年フランス大会の最終予選で1997年9月28日に国立競技場で韓国に1-2で敗れて以来、という。なるほどねえ。あれ以来か。そりゃあ随分久し振りだ。

 すでにお互いに最終予選進出を決めているため、微妙な位置付けの試合になったのは事実。とはいえ、日本の選手たちは、ホームだし、今後のこともあるし、勝たなければいけないという意識は充分にあっただろう。ところが、チームのバイオリズムが低下しているところで無理に前がかりになって、そこを突かれてカウンターでやられた、という感じの試合だった。選手個人に関して言えば、内田やハーフナーのミスが多かったような印象を受けたが、やはりチーム全体として低調だったと言うべきだろう。まあ、こんなこともあるさ、としか言いようがない。

 ウズベキスタンは、やはり侮れない相手だった。出場停止が多くて、今回のメンバーは若手や初召集組が主体だったようだが、何と言うか、ソビエト伝統の技術や戦い方が文化として体に染み付いているような印象があり、だから急造チームでも意外にしっかりしたゲームができてしまうのだろう。あのヴァジム・アブラモフという監督(写真)も、結構鋭そうだったなあ。前にも書いたことがあるけど、こういうチームがアジアにあるのは、良いことだ。

 報道によると、ベラルーシが駐ポーランド大使兼駐EU常駐代表を本国に召還したことを受けて、EU各国は足並みを揃えて自国の大使を本国に召還することを決めた。2月28日、安全政策・外交担当の欧州高等審議員のカトリーヌ・ アシュトンが明らかにした。アシュトンは、「我々は引き続きベラルーシの情勢を見守っていく」と述べた。

 ベラルーシ外務省は2月28日に、ベラルーシが駐ポーランド大使兼駐EU常駐代表を本国に召還したことを明らかにしていた。これは前日にEUが制裁を拡大したこと(ブラックリストを政治犯の抑圧にかかわっている警察や裁判所の職員にまで拡大)に対する対抗措置だった。ベラルーシ外務省はまた、EUの駐ベラルーシ常駐代表およびポーランド大使に、自国に戻ってベラルーシは圧力・制裁には屈しないことを自国の指導部に伝えるよう、言い渡されていた。

 一方、こちらのニュースによると、ロシアのプーチン首相は29日、EU・ベラルーシ関係の正常化を望みたいが、EUの対ベラルーシ制裁がロシア・ベラルーシ間の統合関係に影響を及ぼすことはないと発言した。

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 こちらこちらのニュースによれば、ヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領は2月28日、Yu.コロボフ氏を蔵相に任命した。コロボフ新蔵相(写真)は1973年ドニプロペトロウシク州生まれ。ハルキウ国立大などを卒業。ウクライナ輸出入銀行、BTA銀行、オプシチャドバンク、金融会社KIBRなどでの勤務を経て、2010年4月にウクライナ中央銀行副総裁、同年11月に第一副頭取に起用されていた。

 なお、蔵相と経済発展相をめぐっては、23日に地域党会派のO.エフレモフ会長が、 蔵相にはコロボフが、経済発展相には元外相で大実業家のP.ポロシェンコ氏が任命されたと発言する一幕があった。しかし、今回コロボフが実際に蔵相に任命されたのに対し、ポロシェンコは固辞する姿勢を示していると伝えられ、事の成り行きが注目されている。

 こちらのニュースによると、プーチン首相の支持団体である「全ロシア国民戦線」が、大統領選後、政党に改組され、現与党の「統一ロシア」のライバルになる可能性があるという。国民戦線の支援で下院に当選し、プーチン選対のメンバーとなっている議員たちが、『イズベスチヤ』紙に語った。

 その一人、V.ルィサコフは、次のように語った。これまで懐疑派は国民戦線を一時的なプロジェクトと見なしていたものの、今や本格的な勢力となり、統一ロシアよりも権威が高いとすら言われることもある。いずれにせよ、下院選の際に国民戦線の選対を指揮していたV.ヴォロジン大統領府第一副長官が、その課題をしかるべく解決するだろう。選挙が終われば、それに着手することが可能となる。別の議員、V.トラペズニコフは、次のように語る。国民戦線の政党への改組の作業が活発化するのは、おそらく秋だろう。形式的には、地域が音頭をとる形となる。今は選挙に集中しており、夏になると政治熱が冷め、秋になったらまた高まるので、その頃に統一ロシアよりも国民戦線の支部の方が強力な地域の活動家が、イニシアティブを示すだろう。

 もっとも、すでに将来の政党の綱領作りの作業が始まっており、社会・経済・政治研究所のN.フョードロフが中心になってまとめていると話す関係者もいる。この研究所は、統一ロシアの綱領も起草したが、採用されなかった経緯がある。また、綱領策定のために新しい専門家が招かれたという説もある。

 新政党がどのような状況に置かれるかは定かでないが、国民戦線が統一ロシアに取って代わるという可能性もあるという。2月初めには『イズベスチヤに』、国家指導部が政権党のブランドの再編を計画しているという情報が出ており、統一ロシアを解体して新しい諸勢力を形成するなど、いくつかの案が取り沙汰された。ただ、おそらくは、国民戦線が統一ロシアに次ぐ第2の政権党、つまりライバルになることが有力で、それは政治評論家たちの分析とも一致する。国民戦略研究所のS.ベルコフスキー所長は、様々な案が競合し、それらがともに実施される可能性が高い、統一ロシアはV.スルコフおよびB.グルィズロフといった古いチームのコンセプトで、行き詰っていて、そこにV.ヴォロジンの国民戦線というコンセプトが登場したわけで、プーチンが現在のお気に入りのヴォロジンに政党化の許しを与える可能性もある、と述べている。一方、政治情報センターのA.ムーヒン所長は、国民戦線と統一ロシアからなる二大政党制を形成するのがプーチンのビジョンで、それは充分に実施可能であると指摘した。

 こちらの記事によると、EUとウクライナの連合協定は、本年秋頃に調印される可能性があるという。欧州委員会のシュテファン・フューレ拡大担当委員が28日のブリュッセルにおける会見で語ったもの。フューレは、「調印に関しては、私は、秋頃に可能ではないかと思う。いくつかの加盟国は、むろんのこと、(本年秋にウクライナで予定されている最高会議の)選挙後にと言うだろう」と語った。フューレによれば、協定の仮調印は、向こう1ヵ月の間にも可能である。仮調印の遅れは客観的な理由によるものであり、それは協定のすべての文言を法的にチェックし、すべての条項の最終版について合意するという必要性による。仮調印のあと、正式調印までに、EU加盟国のすべての言語に翻訳しなければならないので、さらに時間を要する。秋の調印というのは、政治的取引の結果ではない。以上のようにフューレは述べた。

 これに対し、ウクライナ側で交渉を担当してきたクリュエフ国家安全保障・国防評議会書記は、秋の協定調印という見通しにつき、とても結構なことであると歓迎の意を表した。ちなみに、連合協定の交渉は2007年に始まり、連合協定の構成要素の一つである自由貿易圏協定の交渉は2008年に始まった。

 報道によれば、メドヴェージェフ大統領は28日、極東の沿海地方のS.ダリキン知事をその職から解き、極東連邦大学のV.ミクルシェフスキー学長を知事代行に任命した。大統領報道官の発表によれば、ダリキンの退任は本人の希望によるもので、理由の一つは健康上のものだという。ダリキンは2001年に知事選挙で勝利し、同年6月17日から知事を務めてきた。

 今週初め、メドヴェージェフ大統領がダリキン沿海地方知事、P.イパトフ・サラトフ州知事、N.ベールィフ・キーロフ州知事、O.チルクノフ・ペルミ地方知事らを解任する可能性があるということを、『イズベスチヤ』が報じていた。遡ると、2011年12月には沿海地方の住民がダリキンの下での専横と汚職をプーチンに直訴するという一幕もあり、プーチンはそれについて留意したと答えるとともに、沿海地方での犯罪率が他地域よりも多いということも付け加えていた。下院選における統一ロシアの得票率は33.9%で、他地域よりも低かったという事情もある。

 知事代行に据えられたV.ミクルシェフスキーは現在45歳。モスクワ鉄鋼大学を卒業。2008~2008年には連邦政府の教育・科学省で予算予測・組織局長として、2008~2010年には教育・科学次官として働き、2010年10月に極東連邦大学の学長に就任していた。

 先日のブログで、「HPの表示がiPadでは崩壊してしまう件」というエントリーを書いた。このたび、HPの設定をし直したので、iPadでhttp://www.hattorimichitaka.comにアクセスしたら、iPhoneなどと同じように、ライブドアのブログhttp://blog.livedoor.jp/httrmchtk/の方に飛ぶようになったはず。ただし、iPadでブログ版を閲覧しようとすると、デフォルトではスマートフォン用の画面で表示されてしまうのではないかと思う。その場合は、画面の下の方に「PC版」という箇所があるので、そこをタップするとPC用のブログの画面になる。ただし、あくまでもブログ版であって、http://www.hattorimichitaka.comのHP本体ではない。

 、それから、アンドロイドのスマホは検証済みだったんだけど、アンドロイドのタブレットでHPを見たらどうなるのかというのも、店頭で試してみた。考えてみれば、アンドロイドに関しては、最初からスマホとタブレットの設定を分けていなかったので、スマホもタブレットも両方同じ画面で表示された。

 つまらないことをグダグダと書いてしまったが、要するにiOSでもアンドロイドでも、スマホまたはタブレットから私のホームページ(http://www.hattorimichitaka.com)にアクセスしようとすると、自動的にhttp://blog.livedoor.jp/httrmchtk/に飛ぶことになった。タブレットの方は、スマホ用画面では見にくいと思うので、PC用画面でどうぞ。スマホおよびタブレットからホームページ(http://www.hattorimichitaka.com)を見るのは完全に不可能になった、という次第である。

 こちらのニュースによれば、ロシア経済発展省のA.スレプニョフ次官が会合の席で、関税同盟/共通経済空間の現状と展望につき語ったそうなので、その要旨を以下のとおりまとめておく。

 「ユーラシア経済委員会」は、通商、投資、パートナー諸国との関係調整といった分野で徐々に超国家的な機能を拡大している。とくに、委員会の委員を兼任するロシア経済発展省のA.スレプニョフ次官がエコノミストらとの会合で昨日述べたように、アジア太平洋諸国とのFTA締結の当事者となる可能性がある。もっとも、共通経済空間の枠組みでの統合で、目下のところ最大の勝ち組となっているのは、カザフスタンということである。

 スレプニョフ次官によれば、共通経済空間の総人口は1.7億人、経済規模は5,000億ドルである(うち87%がロシア)。本年初頭から、ユーラシア経済委員会、ユーラシア経済共同体裁判所が機能し始め、17の協定が発効したが、それらが完全に実現するのには5~7年かかる。それが終わる2015年(?)までには、ユーラシア経済共同体の憲法のような単一の文書が採択されるであろうと、スレプニョフ次官は述べた。

 現在のところ共通経済空間は、近いうちにASEANとの枠組み協定を結ぶことを検討している。ベトナムをはじめ、アジア太平洋諸国の国々との自由貿易圏締結も検討している。ただ、ロシア産品の競争力はベトナムのそれに大きく劣るので、輸入品に圧迫される恐れがあり、ベトナムがアジアの多くの国々とFTAを有していることを考えれば、その影響はさらに大きい。ただし、交渉により、互恵的な協定を達成することが可能になるだろうと、スレプニョフは述べた。現在のところ、ロシアの輸出総額に占めるアジア太平洋向けの比率は30%弱、一方輸入は20%である。

 スレプニョフによれば、ユーラシア経済委員会に委任される権限分野で決定を下す際に、行政的な圧力が低下することも、利点の一つとなりうる。というのも、3国の規模が異なるにもかかわらず、平等の原則がとられ、評議会に各国から3人の副首相が、参与会には各国から3人の代表者が加わるからだ。「管轄の競争」により、多くの問題で、より効果的な決定が下されるようになるだろう。世界のビジネス環境評価では、カザフが47位で、ロシアの120位より高い。その点、現在のところ、勝ち組となっているのはカザフであり、ロシアの国境地帯の地域から企業がカザフへと流出する動きが見られる。カザフを通過して中国製品が流入している問題に関しスレプニョフは、以前からその「穴」はあり、高い関税を回避してそこから商品が流入していたわけで、現時点で課題となるのは3国および企業が合意に違反しないよう的確に監視をしていくことだと指摘した。

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