ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

 以前本ブログ/HPでも触れたことがあるが、今年の初め頃、ロシアのショイグ非常事態相が極東・東シベリア開発のために新たに公社を創設するという提案を示す動きがあった。この提案自体が大胆である上に、「なぜ非常事態相が極東・東シベリア開発を語るのか?」ということでも、注目を集めた。ただ、考えてみれば、ショイグ自身が東シベリアのトゥヴァ共和国出身ということもあって、ロシア東部開発には応分の関心を抱いていたのかもしれない。そして、大統領府および内閣の人事が大幅に動こうとしている状況下で、自らの新たな役職としてそうした公社の総裁ということを思い描き、提案したといったところか。ただし、その後ショイグはモスクワ州の知事に就任することとなり、彼自身が極東・東シベリア開発公社の総裁に収まる可能性はなくなったわけである。

 とはいえ、当該の公社を新設するという案自体は、なくなったわけではない。それは、プーチンが4月11日の政府活動報告で、概要以下のように述べたことからも確認できる。「むろん、極東・東シベリアの開発には特別な関心を払う。これは、最重要な地政学的課題だ。シベリア・極東の諸地域の経済成長率が、ロシア全体のそれよりも高い状態を、少なくとも10~15年は続けなければならない。当然、極東・東シベリアの諸地域の人口が安定的に増大するようにする必要がある。現在我々は、極東・東シベリア開発のための諸プロジェクトの調整と管理に当たる特別な組織の創設を検討しており、その決定は近日中に下される。」

 本件に関しては、開発策の具体的な中身や財源につき議論が分かれているようだが、プーチンが公の場でここまで明確に述べている以上は、公社が創設されること自体は間違いないのだろう。

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 今季のUEFAチャンピオンズリーグでは、バルセロナとレアル・マドリッドというスペイン2強の力が突出しており、その両チームによる決勝を予想・期待する声というのが世界のサッカーファンの大勢であった。決勝トーナメントの早い段階で両者が当たってしまわないよう、UEFAが抽選会で細工をする、といったことも、まことしやかに語られた。そして、ベスト4の顔触れが決まり、CL決勝でのクラシコへの期待は、いやがうえにも高まった。国内リーグで精彩を欠くチェルシーやバイエルン・ミュンヘンは、スペイン2強の敵ではないと思われた。しかし、昨日未明のバルサに続き、本日未明の試合ではレアル・マドリッドまでもが敗退してしまったのだから、サッカーは分からないものである。

 2レグのレアル・マドリッドVSバイエルン・ミュンヘンの試合展開も、なかなか興味深いものだった。1レグは2対1でホームのバイエルンが勝利し、迎えたこの試合。マドリが序盤から凄い勢いで敵に圧力をかけ、あっという間に2点を奪う。しかし、バイエルンも意外にチャンスはあり、PKを奪って前半のうちに1点を返した。これで、2試合合計でまったくのタイに。しかし、そこからゲームはまったく動かなくなった。まあ、選手が疲労したというのもあったが、アウェーチームが慎重なのは当然として、ホーム&アウェー方式のあやで、仮にバイエルンが1点とるとマドリが2点返さなければならなくなるため、マドリとしても無理に前がかりにもできず、両者にらみ合いといった感じで、延長も含め120分が推移していったわけである。で、PK戦は確かに両キーパーは凄かったが、巨大な重圧からか、名手たちによるキックミス合戦のようになり、この試合序盤で浮足立っていたような感じだったバイエルンのGKノイアーが最後にヒーローになって、死闘に決着をつけた。

 いや~、準決勝1レグの2試合は半ば居眠りをするような感じで観た私だったけど、さすがに2レグの2試合は凄かった。

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 4月12日のエントリーで触れたが、ロシアのプーチン首相は4月11日、連邦議会向けに前年の政府活動報告を行った。その演説のなかに、以下のようなくだりがある。

 開発のための諸制度は、数千という企業にとっての本物のビジネス・エレベーターの役割を果たさなければならない。早くも2012年から、「ロシア輸出信用保険庁」が、ハイテク製品を世界市場を輸出しようとする中小企業に支援を提供することになる。2020年までにはハイテク輸出を少なくとも2倍に伸ばし、GDPに占めるハイテク・知的部門の比率を1.5倍に伸ばさなければならない。

 2013年には、国が出資している企業のプログラムだけでも、イノベーションに対する内需が1.5兆ルーブルにまで高まる。国は、技術開発、死活的に重要なセクターの支援に、直接的に資金を拠出する。それはまず何よりも、工作機械、発動機、新素材、医薬品、航空・造船業である。

 ……肝心なのは、イノベーションをビジネスにとって得になるようにすることである。我々は、ロシア企業と世界の主要メーカーとのハイテク連合を引き続き支援する。特に重視するのは、フルサイクル生産の形成、とりわけ重要な開発センターの設置、まさにロシア領で技術開発が行われることである。外国投資を誘致する際に我々が主たる条件とするものの一つは、現地化、60~70%までの設備がロシア領内で生産されることに加え、技術センター、設計および技術開発センターが設置されることである。工業発展をリードする区画、地域・生産コンプレクスの形成を奨励する。向こう数年間で、機械生産、医薬品からナノテク、エレクトロニクスまで、20~30のこうした拠点的なクラスターが誕生するだろう。

 近代化の資源となるものの一つが、国防発注である。ご存じのとおり、陸・海軍の再装備、軍需産業の近代化のために、向こう10年間で約23兆ルーブルを割り当てる。我が国の軍需および民需企業、研究センターおよび主要大学が、大口を発注を受けることになる。間違いが生じないように、政府調達のルールを厳格化する。3年、5年、長い場合には7年といった長期的な国防契約の慣行へと移行する。

 以上のとおり、プーチンは発言している。ここには、プーチンが現在推進しようとしている経済政策の基本的な発想がよく表れている。すなわち、主として国防発注を通じて、ロシアのハイテク産業を振興し、もってロシア経済を高度化・多角化して行こうという姿勢である。言わば、プーチン流の軍事ケインズ主義と言えよう。

 それに関連して、こちらのサイトに出ている、プーチン報告に関する論評が興味深い。上掲のように演説の中でプーチンは工作機械、発動機、新素材、医薬品、航空・造船業を「死活的に重要なセクター」の代表例として挙げているわけだが、この論評によれば、これは現政権が過去数年掲げてきた戦略重要分野と微妙に異なり、宇宙と原子力が抜け落ちている、というのである。

 確かに、メドヴェージェフ大統領の近代化政策において重要5分野とされていたのは、①エネルギー効率・省エネ、②核技術、③宇宙技術(とりわけテレコム、ナビゲーション分野)、④医療技術および医薬品、⑤ICTであり、これがイノベーションセンター「スコルコヴォ」の対象分野にもなっていた。大統領と首相が入れ替わろうとするこのタイミングで、プーチンが若干ニュアンスの異なる発言を示したことは、新政権下で方針転換がなされようとしている兆候とも受け取れ、とりわけ軍需部門へのより一層のシフトを示唆しているのかもしれない。

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 五輪サッカー男子の組み合わせが決まり、日本はスペイン、ホンジュラス、モロッコと対戦。個人的には、ベラルーシと同組になって、「特需」が起きることを期待していたのだが…。私のブログやHPの閲覧数が急増するとか、突然本がバカ売れするとか(笑)。残念無念。orz

 ただし、決勝トーナメントの組み合わせを見ると、1回戦で、日本の属すD組の1位と、ベラルーシの属すC組の2位、またD組2位とC組1位がぶつかることになっている。D組ではスペイン、C組ではブラジルという本命がいるため、日本またはベラルーシのいずれかがグループステージを1位で突破するというシナリオはハードルが高そうだが、強豪国はグループステージでは力を温存することもあるため、決勝トーナメントで日本VSベラルーシが実現することも、まったくありえないわけではないだろう。まあ、仮に当たったとしても、対戦が決まってから試合までに数日しかないだろうから、「予習」のために私の文章を読んでもらえるチャンスは、あまり大きくないかもしれないが、そんなことは別として、実現を祈りたいものだ。

 さて、ベラルーシのサッカーと言えば、日本時間本日未明のチャンピオンズリーグ準決勝2レグ、バルサVSチェルシーを観て、昨年のCLグループステージのBATEボリソフVSバルサ戦を思い出してしまった。BATEが人類サッカー史上最も極端と思えるほど引いて守った試合だったが、結局はバルサの攻撃の圧力に抗しきれず、完敗した試合だった。チェルシーの戦い方も同じような感じではあったものの、やはり守備の強固さと、ボールを奪った時の一発の迫力が、BATEとチェルシーではまったく違っていた、ということかな。

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 仕事上の大きな懸案がようやく一つ片付き、ちょっとぐったりしているところ。

 最近のエンタメ界の話題と言えば、NHK大河ドラマ「平清盛」の視聴率が低迷しているというものがある。でも、私、観てますけどね、平清盛。確かに、ものすごく良いという感じはないけど、かと言ってそんなに酷いとも思えない。個人的に、昨年の「江〜姫たちの戦国〜」はあまりに酷くて3~4回観てやめたが、今年は今のところ続いているので、「歴史的低視聴率」が話題になったりするのは、ちょっと意外。「江」とか「篤姫」とか「義経」(笑)とか、ああいう学芸会っぽい大河に比べれば、ずっと良い。

 「平清盛」については、「画面が汚い」ということがしばしば話題になる。そもそもテクノロジー的に言うと、「平清盛」は、「竜馬伝」や(これは大河じゃないが)「坂の上の雲」と同系統のフォーマット。私は最初「竜馬伝」であの画面を観た時に、フィルムテイストにするためにわざと画質を落としているのかと勘違いしたのだが、逆にハイビジョンを越えた超高精細な撮影法で(名称忘れた)、陰影豊かな情感に溢れた描写が可能になるすごい代物らしい。私はてっきり、今後大河はすべてこれで行くのかと思ったのだが、「江」で普通のハイビジョンに戻ってしまい、おバカ風の演技と相まって、同作の安っぽさを増幅していた。よって、「平清盛」が竜馬テイストに戻ったことは、私としては歓迎である。で、「平清盛」では、実は平安時代の空気感はこんな感じなんですよということを表現するために、穀物の粉のようなものをあえて空中に漂わせているらしく、登場人部の身なりもあえて薄汚れた感じにして、リアリティを追求しているようだ。それが、一部で不評となっているらしいのだが、別にいいではないか。

 まあ、ストーリー的に言えば、一般の視聴者は派手な源平合戦を観たいはずで、現在のところそれに至る伏線を描いており、その伏線の部分が冗漫すぎるという感じは、確かに否めないかな。

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20120423pic

 本日中に仕上げなければいけない重要な仕事があり、ブログは自粛気味で。

 もしもスマホで本ブログを定期的にチェックしてくださっている方がいらっしゃったら、単にブックマークするだけではなく、ホーム画面にそのアイコンを設定することもできるのをご存知ですか? まあ、私などが言うまでもないとは思うけれど、一応説明しておくと、たとえば、iPhoneのSafariでウェブサイトを閲覧していると、下の方に矢印のマークが表示されるので、それをタップすると、「ホーム画面に追加」というのを選べるので、それによって本ブログのアイコンをホーム画面に置くことができ、ストレートに本ブログに進むことができるわけです。しかも、ライブドアのブログで良いのは、ライブドアの羽根のマークのかわいいロゴがホーム画面上に表示されること。もちろん、名前は自分で自由につけることができます。写真は私のiPod Touchのホーム画面の一部ですが、私は自分のブログを「RUB Smart」という名前でホーム画面に表示しています(ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪のスマホ版という意味で)。まあ、私のブログがホーム画面に置くほど有益なものとも思えませんが、一応ご案内まで。

 ところが、今般iPadを使い始めて気が付いたのですが、iPadのホーム画面に私のブログを追加しようとしたところ、ライブドアのかわいいロゴではなく、自分のブログの画面をミニチュア化した見栄えの良くないアイコンが表示されてしまいます。同じiOSなのに、不思議なことです。

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20120422cyber

 今頃になって、1ヵ月前の北京出張の資料を整理しているのだが、そのなかから新聞の切り抜きが出てきた。現地で読んだ英字新聞(2012年3月20日付チャイナ・デイリー)で、目に留まった記事を破いて取っておいたもの。この記事によれば、2011年に中国に対する外国からのサイバーアタックが増大し、しかもその国別のソースを辿ると日本が最大で、全体の22.8%が日本からのアタックだという。2番目が米国の20.4%、3番目が韓国の7.1%だった。日頃、我々は逆の構図、すなわち中国人が日本の官公庁や企業のサイトを攻撃するという構図で捉えているので、ドキっとした。

 ただし、私の感覚から言うと、日本人が殊更に中国のサイトを攻撃することがそんなに多いとは思えない。日本からの攻撃と言っても、中国人が日本のネットワークを経由して自国のサイトを攻撃しているのかもしれない。また、中国の側が日本に攻撃を仕掛けたという情報が広がり、日本人が報復を試みる、といったこともあるかもしれない。まあ、いずれにしても、立場が変われば見方も変わるというか、中国側がこうした面で日本を加害者として見ているというのは、まったく予想外だった。

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20120422toujisha

 iPadで読もうと思って、私としては初めて、電子書籍を購入してみた。佐々木俊尚氏の『「当事者」の時代』という本。もともとは光文社新書から900円とかで出ていたものなのだが、電子版は税込で490円になっている。こちらのページから購入でき、PDFとePub版をダウンロードできるようになっている。

 私自身、佐々木氏よりは2ケタくらいスケールが劣るとはいえ、情報発信や出版にかかわる者の端くれとして、この本の中身に加えて、電子書籍という媒体と、そのビジネスモデルには一応の関心がある。佐々木氏はこの本のメッセージがより多くの読者に届くよう、採算度外視で、書籍版の半額近くでの電子配信に踏み切ったようだ。まだ読み始めたばかりだが、著者がそうまでして訴えたかったことは何なのか、そのメッセージをしかと受け止めたい。

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 自分なりに気張って書いたレポートを脱稿してから、しばらく脱力していたけど、そろそろ平常に復帰しないと。

 そんなわけで、久し振りにロシア経済のニュース。こちらの記事によると、クドリン前副首相・蔵相が、現地の『経済政策』という雑誌に、「新政府の展望」と題する論文を寄稿し、その中で新政府の10の課題を挙げているということである。残念ながら論文そのものを無料で閲覧することはできないようなので、上掲のニュースにもとづいて、クドリンの指摘した10の課題を以下のとおり整理しておく。

 1.安定性と予測可能性。具体的には、財政規律を守り、オイルマネーを大衆迎合的な歳出に利用する誘惑を断ち切る。税制を長期的に堅持する。インフレは年3~5%以内に抑制。

 2.国家行政の改革。綱紀粛正。

 3.経済政策の脱中央集権化、地域および地方分権。

 4.投資の増大を促す政策。固定資本蓄積がせめてGDPの27~28%の水準でなければならない(現状では22%程度で低迷)。固定資本投資の80%程度は予算外の資金によるものでなければならない。

 5.国家の過剰な経済介入の縮小と、民間所有の保護。国有大企業の民営化の継続。

 6.生産および社会インフラの拡充。道路、電力、水道、港湾、空港、住宅・公営事業など。道路工事の規模を近年中に少なくとも4倍に拡大する。

 7.商品・資本市場における行政的障壁の除去。自由と引き換えにビジネスの責任も増すが、それを刑法ではなく民法の枠内で扱う。

 8.医療・教育改革。

 9.人口減で労働力が不足する事態への対応。資本・科学集約的なセクターを促進し、労働生産性を向上させる方策を探る。労働市場の流動化を図る。

 10.より効果的な社会的保護政策。真に保護を求めている国民にそれが届くようにする。

 以上がクドリンの10ポイントであった。記事によると、このほかクドリンは、政府が避けなければならない誤りについて、指摘しているということである。具体的には、政府がハイテク・プロジェクトを選定して支援しても、それが成功するのは稀であり、たいていの場合成功するのは民間のイニシアティブなので、支援策を万能薬のように考えてはならない、経済・社会・地政学的な問題が発生するたびに財政支出を拡大して解決しようとすることは自重しなければならない、自らの戦略の誤りで失敗した企業は市場から退場すべきで、そうした企業を国が救済してはならない(リストラされた従業員の保護は必要)、などと戒めている。

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 このところ、本ブログ/HPにロクな記事も書けないでいるが、それというのも、先日編集作業を終えた『ロシアNIS調査月報』2012年5月号に向け、「​ロシア大統領選と新プーチン体制 ―せめぎ合う再工業化と脱工業化―」と題するレポートを執筆し、それで燃え尽きてしまったから。この1年間くらいの私のロシア政治・経済情勢研究を集​大成したものであり、拙い内容とはいえ、私なりに今出せるも​のはすべて出し切ったつもりで、これ以上逆立ちしても鼻血も出な​いという感じ。商品なので、普段はばらまいたりしないけれど、今回は公開させていただくので、よかったらこちらからダウンロードしてください。

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20120420iPad

 昨日のエントリーで、「iPadがなかなか入荷しない」ということを書いたら、その直後、ヨドバシカメラから電話で連絡があり、入荷があったので取りに来るようにということだった。結局、予約してから、丁度2週間くらいでの入荷。予約した際には、入荷があっても店から連絡はしない、ウェブサイトに入荷状況を逐次アップするのでそれを見てチェックするようにと言われたのだが、実際には直接電話があり、その一方で昨日の時点ではウェブサイトで当該情報は更新されておらず、ちょっと変な感じだった。まあいいや、ようやく入荷したということで、店に商品を取りに行き、SoftBankの通信契約も済ましてきた。

 早速、自宅でセットアップを試みたのだが、何かこう、手間取ることが多かった。セットアップをしたり、様々なアプリをダウンロードする際に、自分の既存のユーザー名とパスワードを入力するケースが多く、サービスやアプリによってそれらが微妙に違うし、私の場合ズボラなので、必ずしもそれらを逐一メモしたりしておらず、こういう時に苦労する。まだ、整えなければならない設定やアプリは色々あるが、とりあえず使ってみたいので、iBookをインストールして電子書籍を読み始めた。

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 昨日に引き続き、UEFAチャンピオンズリーグの準決勝、チェルシーVSバルセロナ1レグを、早朝に録画観戦。しかし、あまり早起きできなかったので、通勤まで時間がなく、半分くらい早送りで観てみた。以前、ロック評論家の渋谷陽一氏が、「オレは忙しいから、洋画はDVDの早送りで観る。字幕があるから、話はだいたい分かる」というようなことを述べていたが、そのサッカー版をやってみた次第。1.5倍くらいで観たら、チェルシーも、バルサも、速いこと、速いこと。八塚氏の実況も、超絶ラップみたいになっていた。

 それにしても、iPad、全然入荷しないなあ。店員は「1週間か10日くらい、下手すると2週間くらいかかったりする」という感じのことを言っていたが、明日で早2週間。どうなることやら。

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 雑誌編集業務完了による燃え尽き症候群で、引き続きブログにあまり大した記事は書けない。

 17日、チャンピオンズリーグ準決勝の1レグ、バイエルン・ミュンヘンVSレアル・マドリッド戦があり、本日早朝それを録画観戦した。西ヨーロッパの名門チーム同士の対戦であり、本物のサッカーファンであればこういうものにこそ盛り上がるのだろうけれど、私の没入度は今一つ。お値段の高いスカパー!のヨーロッパ・サッカー・パックに入っているので、もったいないからたまには観ておくか、くらいの感覚。いくら競技のレベル的には世界最高峰の戦いでも、何かこう、自分とは関係のない別世界の出来事のような気がして。早朝で寝ぼけた状態で観ていることもあって、これといった高揚感もない。こういう心境に陥ると、果たして自分は本当にサッカーが好きなのだろうかと、疑問にも思えてくる。

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 一昨日が締切だった雑誌の編集作業で燃え尽きてしまい、当面ロシア・ウクライナ・ベラルーシ情勢に関する記事など書く気になれない。というわけで、雑談ブログです。

 ひょっとして、女性って、春になると綺麗になったりする? なんか、今朝の通勤時に、そんな感じがした。ちょっとドキドキ。

 写真は、しばらく前に家の近所を散歩した時のもの。個人的には、桜よりも、土手に咲く菜の花の方が好きだったりする。このあたりは、金八先生のドラマの舞台になったところで、今でもそういう雰囲気が濃厚に残っている。

 若い頃、高田馬場でアルバイトをしていたことがあって、池袋から高田馬場に向かう山手線沿いの土手に咲く菜の花が綺麗だった。あと、ピンク色だったか紫色だったかの花も一緒に咲いていたけれど、あれは何の花だったのだろうか。

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 本日は、雑誌編集締切日翌日恒例の有給休暇。

 徹夜明けに、地下鉄で家に帰ろうとする時に、駅のホームで目に留まり、つい買ってしまうのが、このポッカの飲むプリン。5回くらい振ると、液体と固体の中間くらいの状態になって、良い塩梅になる。徹夜明けの体に丁度良い。

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 『調査月報』の編集作業、ようやく終了。日曜日に出勤して、その日のうちに生きて生還することが目標だったけど、それは叶わず、今はAM4:50くらい。始発に丁度良い時間になっちゃった。まあ、しょうがないか、今回は色々あったから。帰って寝ます。

 ちなみに、こんな号が出ます。ちょっと写真地味過ぎ?

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 本日は、編集を担当している月刊誌の締切日で、日曜なのに出勤なのです。今日中に生きて帰ってこれるかという瀬戸際。なのでブログも手抜き。

 何年か前まで、御徒町に住んでいた。人間が生活できるような街なのかとお思いかもしれないが、大きなスーパーがないことを除けば、意外と住みやすかった。その頃によくお世話になった魚屋の「吉池」。非常に大きな店で、魚だけじゃなくその他の食品も売っているから、よく利用したものだ。で、昨日、久し振りに御徒町を通りかかったら、吉池の店舗が移動していた。というか拡張したのかな? まあいいや、今日はそれどころじゃない。

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koubyou

 北京出張の土産話はもう終えたつもりだったが、一両日くらい、引き続き仕事が切羽詰まった状況であり、ブログに記事らしい記事も書けないので、再び北京で撮った写真に頼る。

 この写真は元の時代に建てられた、中国第2の規模を誇る孔子の廟。空港に向かう地下鉄駅からわりと近いところにあるので、最後にここに寄って北京出張をお開きにした。私は信仰心とかないタイプなので、寺社仏閣の類を訪れても普段は拝んだりしないのだが、学問だけは成就してほしいので、ここでは手を合わせてきた。この写真は今、私のPCのデスクトップ画像になっている。

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 今日は仕事の面で本当の本当にヤバい日なので、ブログは手抜きで。

 以前も書いたけれど、うちの近所、北千住駅前に、東京電機大学の新キャンパスがオープンした。おめでとうございます!

 北千住の東口は、TDUの城下町みたいな感じになった。

 

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 ロシアでは毎年この時期、連邦政府の首相が議会向けに、前年の政府の活動に関し報告を行うことが義務付けられている。昨日4月11日、プーチン首相がその恒例の政府活動報告を行った。今回は、大統領選でのプーチン当選を受けた報告ということで、新政権の方向性が示されるのではないかという注目が集まった。プーチンが行った演説の全文はこちらのサイトで読むことができるが、いかんせん大部なので、私自身きちんと目を通すには至っていない。さしあたり、報道にもとづき、簡単に紹介するにとどめる。

 こちらの記事によると、今回プーチンは3時間43分にわたって議会の演壇に立ったとのことである。昨年は4時間3分だったので、それよりは短いが、今回も熱のこもった演説となったようだ。3時間43分のうち、演説に割いたのは1時間29分で、残りは質疑応答(議員からの16の質問に答えた)や結語に充てられた。演説で最も多く使われた単語は「年」、次に「ロシア」、さらに「~しなければならない」「発展」などと続いた。前年の報告では22回使われた「近代化」という言葉が、今回は8回しか使われなかった。同様に、「イノベーション」も11回から2回に減った。

 なお、3月に修正版が発表された「2020年戦略」が、プーチン新政権の経済政策の基本文書となるのではないかということで注目されているわけだが、私がざっと調べたところ、プーチン演説のなかで「2020年戦略」に言及した箇所は1箇所もなかった(2020年という言葉自体は4回登場し、この年を一つの区切りとして意識していることはうかがわせる)。

 こちらの記事が、プーチン演説の要旨を簡単にまとめている。これによれば、演説の内容を一言で言うと、ロシアは多角化した経済と高い生活水準を備えた世界で最も先進的で強力な国の一つにならなければならない、といったものであるという。プーチンは自らの首相としての実績を誇示した上で、2~3年以内に世界の5大経済国入りする(2011年現在では購買力平価ベースのGDP規模で世界6位の由)という課題を掲げ、そのために必要な5つの優先事項を挙げた。具体的には、①人口状況、②地域の発展(とりわけ東シベリア・極東)、③新たな高質な職、④新経済の構築、⑤ユーラシア統合、が優先事項であるという。

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 仕事の方が、いよいよ切羽詰まった感じになってきて、向こう4日間くらいは、ブログ/HPは完全に休止状態になる。

 さて、どこぞやの名簿業者から、東京外国語大学の同窓名簿を作るので、個人データを送れという葉書が来たのだが、面倒なのでずっと放ってある。これを見ていたら、フェイスブックがあれば、印刷された本としての同窓名簿なんていらないんじゃないかという気がしてきた。この葉書の趣意説明の部分には、「人と人とのつながりこそ財産である今日、…卒業生の方々の今後のご交流、相互の御発展にまた異業種間交流へとお役に立てていただける」などと書いてあるが、それってフェイスブックそのもの。というか、フェイスブックというのは確か、大学の同窓名簿みたいなものから始まったらしいし。


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 以前書いたように、日常的にエアロバイクで運動をして太らないように心掛けているのだが、1年ほど前に買ったALINCOというメーカーのバイクが数ヵ月使ったら異常音と振動を発するようになり、ロクに使用できない状態になってしまった。何度かメーカーのコールセンターに電話したのに、そのたびに話し中で、そうこうするうちに1年間の保証期間が切れてしまった。で、ある日、やっとコールセンターに電話が繋がり、保証期間は少し過ぎてしまっていたけれど、「そのくらいなら無料で対応しますよ」と言われ、結局無償で新品に交換してもらえた。1年足らずで商品が壊れ、なかなか電話にも出ないというのはどういうことなんだよと思っていたけど、実際には担当者は低姿勢で親切だった。エアロバイクが復活したので、ようやく体重が安定してきた感じ。

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 こちらのサイトで、政治工学センターのT.スタノヴァヤ分析部長が、大統領の座から退き首相に就任する予定のメドヴェージェフ氏の立場が、弱体化しつつあることを論じているので、その骨子をまとめておく。

 K.ザトゥーリン氏はMK紙に寄稿した文章でメドヴェージェフを明確に批判しており、これはプーチン支持派のエリートのうち、とくに反メドヴェージェフ的な部分のムードを反映したものである。こうした立場がエリートの間でどれだけ広がっているのかは不明だが、メドヴェージェフのチームは細分化・局所化を余儀なくされ、国家システムの特定の部門(司法など)にしか根を下ろしておらず、全体の体系をなしていない。しかも、メドヴェージェフ派の人間は皆、プーチン派の上司を有しており、それが1人にとどまらない場合もある。プーチンの取り巻きの多くはザトゥーリンと価値観を同じくしているが、ザトゥーリンは現在要職に就いていないので好きなことを言えるのであろう。

 一方、やはりMK紙に載ったもう一つの論考、評論家のA.ミンキン氏のそれ(注:こちらで読むことができる)は、プーチン支持派だけでなく、多くのリベラル派がメドヴェージェフに対して抱く反感を一まとめにしたものになっている。メドヴェージェフは威勢の良い言葉を連発したが、成果として何が残ったかというと、皆無だ。2008~2012年は、ロシア史における空白期となってしまった。メドヴェージェフは最初から、プーチンの聞き分けの良い代理人にすぎなかった。汚職対策、教育、医療はすべて失敗し、頭脳流出は増え、アル中、麻薬、犯罪は増大したと、ミンキンは批判している。

 象徴的なのは、穏健派のリベラルはA.クドリンの周りに結集しようとしていること。クドリンは、リベラルとだけでなく、プーチンともうまくやれる。かくして、リベラル派たちは、メドヴェージェフは弱く、自立していない人物と見て、ますます彼から離れようとしている。

 ただ、当のメドヴェージェフは、活発な政治活動を続けている。政府に対し、民営化を加速し、国営銀行における国家持ち株を支配株未満にするように指示を出したりしている。注目されるのは、リベラル派でズベルバンク総裁のG.グレフが、現在のズベルバンク投資家の利益を憂慮する立場から、メドヴェージェフの方針を慎重ながらも批判していることである。投資家にとってみれば、国が民営化の政策を目まぐるしく変更することの方が、民営化を放棄することよりも、よりリスクが大きく見える。そうしたなか、『ヴェードモスチ』紙によれば、4月3日にプーチン主宰で予定されていた民営化計画に関する会議が延期され、5月7日の大統領就任式までは開かれなくなったということである。他方、メドヴェージェフの補佐官のA.ドヴォルコヴィチは、国営企業の民営化は大統領の指示どおり進めるのであり、我々は一部の閣僚の立場には興味がないと発言した。これは、国営大企業は戦略的に重要であるとしてその民営化に反対しているI.セーチン副首相を念頭に置いた発言だ。メドヴェージェフは首相就任後に新政府で民営化を加速する意向のようで、これが彼にとっての政治的優先課題であり続けると考えられる。

 メドヴェージェフが主導しているもう一つの案件が、本質的に新版の民法の策定である。現状の大陸法をベースとした民法コンセプトを保持しようとする勢力と、アングロサクソン法の要素を多く取り入れそれを刷新しようとする勢力がせめぎ合う中で、作業が進められている。このほかメドヴェージェフは、汚職対策を重視する姿勢を示し、また自分の大統領在任中の主要プロジェクトの一つである(しかし多くのマスコミは懐疑的に見ている)イノベーションセンター「スコルコヴォ」でのG8サミットの開催を提案したりしている。

 しかし、メドヴェージェフの努力にもかかわらず、彼の周囲には徐々に、不都合な情報的環境、組織・政治的状況が形成されつつある。端的に言って、彼には直接の側近を除いて、仲間がもう残っていない。直接の側近とは、A.ドヴォルコヴィチ、M.アブィゾフ、Ye.ユリエフであり、また関係が近いA.コノヴァロフ法相、大統領府のK.チュイチェンコ統制局長などである。政治的資源に関して言えば、彼には議会に対しても、党に対しても、マスコミに対しても統制力がない。彼の主導する公共テレビ計画には疑問の声が寄せられているが、メドヴェージェフはイデオロギー的に自らに近いメディアを形成しようとしているのかもしれない。

 こうした状況では、これから成立する権力システムにおいて、メドヴェージェフの政治的・組織的ありようは、プーチンとの関係、自らを首相の座に約束してくれたプーチンの恩義にどれだけ報いるかに、ほぼ100%かかっている。現在、プーチンの周辺の一部がメドヴェージェフに敵意を示しているのは、あるいは、プーチンも承知の上でメドヴェージェフに試練を課しており、メドヴェージェフがチームプレーに徹するように強いているのかもしれない。プーチンは現時点ではメドヴェージェフを首相に指名する方針を変えるつもりはないが、それをメドヴェージェフの野心を制限するのに利用しようと考えている。同時に、現在、これから成立する権力システムの人事だけでなく、政治・経済路線をめぐる闘争も激化しているが、その帰趨もメドヴェージェフよりも、プーチンにかかっている。厳格な国家主義者たちと、穏健なリベラル派たちが、今後のプーチンの路線に対して影響を行使しようとしている。ゆえにその路線は、保守主義一色ということもなければ、ましてやリベラル一色ということもないと思われる。

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 現在執筆中のレポートに掲載するために、過去5年ほどのロシア国民のプーチンおよびメドヴェージェフへの支持率をまとめてみた。レヴァダ・センターによる毎月の全国調査結果を跡付けたもので、数字はパーセント。

 こうやって見ると、プーチンおよびメドヴェージェフの支持率は2008年頃をピークにその後低下傾向にあったことが分かるが、2009~2010年頃のそれが経済危機による生活水準悪化ということで説明がつきやすいのに対し、なぜ2011年に入って支持率がかなり目立って低下していたのかがよく分からない。2011年の初頭に、何か大きな転機があったのだろうか。国民が敏感に反応するのは自分の生活のことだから、2011年初頭に実施された社会保障改革の影響か? それとも、同時期のアラブの春に感化されたとか? 2010年暮れのフーリガン騒動で政権の権威が失墜したなんてこともあったか?

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 今週は雑誌の締切でブログに記事らしい記事は書けない。せめて、昨日昼に会社の近所を散歩した時の写真をどうぞ。春爛漫の隅田川界隈で、これは桜越しに臨む永代橋とスカイツリーの風景。ただ、iPod Touchで撮ったので、あまり高精細でなく、ご勘弁。

 「昼休みに花見なんて、ヒマなんじゃないの?」と言われそうだけど、歩いた方が脳が活性化して、結果的にデスクワークもはかどるのです。

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 今週は地獄の雑誌締切があり、ブログ/HPを更新している余裕がないのだが、これは雑誌用のレポートを執筆している過程で出会った知見なので、軽く披露しておく。「クリエイティブ・クラス」という言葉が、ロシアの新たなキーワードとして浮上していることだ。

 ウィキペディアから引用させていただくと、「クリエイティブ・クラス」という言葉は、経済学者・社会科学者であるリチャード・フロリダ (トロント大学 Rotman School of ManagementのMartin Prosperity Institute 所長)が、米国の脱工業化した都市における経済成長の鍵となる推進力として提示した社会経済学上の階級、ということである。蛇足ながら、これもウィキからだが、脱工業化社会とは、工業化を経た産業社会(工業社会)がさらに発展し、産業構造において情報・知識・サービスなどを扱う第三次産業の占める割合が高まった社会、である。

 それで、昨日のエントリーにも記したとおり、ロシアではこのほど、「戦略2020」と題する今後のロシアの指針となるべき中心的な文書がとりまとめられた。その戦略のなかで、まさに「クリエイティブ・クラス」という言葉が、キーワードとなっているのである。以下、戦略の一節を引用する。

 新たな成長モデルは、脱工業化経済、明日の経済への志向を想定している。その基礎となるのは、教育、医療、IT、メディア、デザイン、「印象の経済」など、人的資本の開発を志向するサービス部門である。先進国でも、途上国でも、「クリエイティブ・クラス」が誕生している。これは自らの日常的な仕事の過程でイノベーションを創出する創造的な労働に従事する人々である。21世紀の現代的な経済において、競争優位を決定するのは、まさに彼らである。近年の経済史が示しているように、クリエイティブ・クラスによるイノベーションの創出は、制度的な環境からは相対的に独立して、多様な組織やネットワークの枠内で生じる。そのためには、人的資本の開発に関連したすべての分野に、質的に異なるアプローチを採ることを必要とする。

 このように、戦略をとりまとめた有識者らはいわば未来志向を示しているわけだが、肝心のプーチン現首相/次期大統領が、「再工業化」路線を掲げて大統領選を戦い、大都市部のクリエイティブ・クラスというよりは企業城下町等の組織票で勝利を勝ち取ったという矛盾があるわけだ。

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 北京出張のお土産フォトエッセイを続けてきたけど、たぶんこれで最後かな。なお、HPの「マンスリーエッセイ」のコーナーで、北京出張の雑感を軽くまとめたいと思っている。ただし、今週は恐怖の月報の締切があり、その他の重要案件もあるので、まったく余力がない。このブログおよびHPの更新は、ほとんどできなくなると思うので、悪しからず。

 北京の空港から帰国する際に、まだ中国元が80元くらい余っていた(1元≒13円くらい)。もう職場や実家へのお土産は購入済みだったので、何か自分のためのものを買おうと思って、ちょっと苦労したけど、最終的には良いものを見付けた。1本38元のネクタイを売っていたので、それを2本買い、ほぼ元を使い切った。めでたしめでたし。

 パッケージは安っぽいけど、日本円で500円くらいのわりには、意外にモノは良い。上海のメーカーの製品なのに、「Italy」と書いてあるのはお約束か。

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 3月23日のエントリーで、「ロシアの『戦略』2020の問題点」と題するエントリーを書いた。その後も本件に関する情報収集を続けており、こちらの記事が大変興味深かったので、紹介したい。「戦略」は、2008年にいったん採択されたものが、その後の経済危機などを受け、修正作業を経て今回の新版が採択されたわけだが、その修正作業にかかわった国民戦略研究所のM.レミゾフ所長が、「ヴズグリャード」というメディアのインタビューに応じている。所長は、新版の「戦略」の方向性が、プーチンの選挙公約と対極のものなので、「戦略」が活かされることはありそうもないという、かなり衝撃的なことを述べている。以下はその発言要旨。

 修正版の「戦略」が、なぜ今頃になって公表されたのかというのは、非常に単純である。選挙キャンペーンの期間中、それの邪魔にならないよう、伏せられていたということだ。「戦略」が伏せられている状態は、2011年4月20日から、2012年3月4日にプーチンが選挙で勝つまで続いた。2011年4月20日とは、プーチン首相が議会で政府活動報告を行い、その中で修正版の「戦略」の主要路線を退けた日だった。プーチンはその演説で、ポスト工業的な経済路線ではなく、積極的な産業政策、経済成長における国家の役割を主張したのである。選挙戦が進むにつれ、プーチンはその路線をさらに強め、修正版の「戦略」とは対極にある新たな工業化コンセプトを打ち出した。また、修正版「戦略」のイデオローグたちがロシアへの外国からの労働移民の受入に積極的なのに対し、プーチンはそれに批判的であった。

 プーチンは、夜警国家的なビジョンとは異なる、より中道左派的な、国家・開発路線を掲げて、大統領に当選した。新たな工業化、移民の制限、社会的公平がスローガンだった。もしもプーチンがこれらの公約を取り下げたら、政治的なメンツを失い、国民が寄せてくれた信頼を裏切ることになるので、プーチンはそれらの公約を実行していくはずである。

 むろん、「戦略」は広範な文書なので、都合の良い箇所が部分的に実施されることはあるだろう。メドヴェージェフが首相になった場合の社会・経済的イデオロギーには疑問も持たれるので、誰がメドヴェージェフ内閣の主要経済イデオローグになるのかが鍵となる。現在、それをめぐってエスタブリッシュメントのなかで競争が生じており、今回の「戦略」が公表されたのもその一環である。

 政権は2020年までに国防装備に20兆ルーブルを投入するというプログラムを2010年に承認しているわけだが、修正版の「戦略」の起草者たちは同プログラムを優先課題とは見なしておらず、そもそも産業政策およびハイテク振興の手段としての国防発注という路線を重要視していない。ところが、プーチンの選挙キャンペーンでは、国の発展はハイテク生産にかかっているという点が強調された。ロシアでは工業のうち最もハイテク的なセクターが国防産業なので、その保護・育成が死活的に重要とされるのである。

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P1050811

 北京のイスラム街「牛街」にある、北京最古というイスラム寺院。それにしても中国の歴史的建造物は、宮殿はもちろん、孔廟、チベット仏教寺院、そしてイスラム寺院と、中身は違えど建築様式が似ている(特に屋根)。これなんかとてもイスラム寺院とは思えない。

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 ロシアの経済週刊誌『エクスペルト』のこちらの記事が、ロシアのインターネット検索サイトの勢力図について報じている。本当だったら内容を抄訳して紹介したいのだが、余裕がないので、備忘録的に図だけ載せておくことにする。要するに、グーグル、Mail.ruが台頭し、最大手のヤンデックスのシェアが侵食されつつあるというストーリーである。

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