
地味ながら、個人的に見逃せないと思う出来事が報じられているので、それについて触れておく。こちらのニュースによれば、本日10日、ロシアのプーチン大統領はスヴェルドロフスク州ニジニタギルを訪問し、これが大統領復帰後初の地方訪問となるということである。プーチンは「ウラル鉄道車両工場」を訪れる予定で、そこで国防産業に関する会議に参加するという。この工場は、鉄道車両と銘打ってはいるものの、むしろ戦車などの軍需生産で名高い。
実は個人的に、2012年ロシア大統領選の本質を読み解く象徴的な街が、ニジニタギルではないかと考えていた。今回、新大統領の初の地方訪問がニジニタギルになるという報道に接して、「やはりそういう流れだったか」という思いを強くした。上掲の記事の中でも触れられているが、反政府デモ華やかなりし昨年12月、ウラル鉄道車両工場の労働者がいち早くプーチン支持運動を立ち上げ、彼らはモスクワの反政府デモを蹴散らすといった勇ましい提案まで示していた。つまり、ニジニタギルという街は、プーチンが軍需産業をはじめとする鉱工業にテコ入れをし、その見返りに工業都市/企業城下町が組織的にプーチンを支持するという、そのもたれ合いの関係が最も端的に表れている街と言えるのではないかと思うのだ。
なお、ニジニタギルに関しては、以前「煮えたぎるニジニタギル(もちろん駄洒落に決まってます)」というエッセイを書いたことがあるので、よかったらご笑覧いただきたい。
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