ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

 こちらのニュースによれば、ロシアのV.イシャーエフ極東開発大臣・極東連邦管区大統領全権代表が、北方領土問題に関しノーヴォスチ通信の記者に語ったということなので、以下その発言要旨を整理しておく。

 日本はロシア極東の経済への主要な投資家であり、サハリン・プロジェクトやその他のプロジェクトに多大な投資をしている。だが、ロシアはクリル諸島(北方領土のロシア側の呼称)についても日本の投資を期待している。我々がプロジェクトを提案すると、日本側は検討するが、クリル諸島となるととたんに後ろ向きになり、選別的な対応をとっている。日本は頼り甲斐のあるパートナーで、ロシア極東への最大の投資国であり、とりわけ石油ガス部門に投資している。選挙期間中には、クリル諸島の問題が緊迫化する。ロシアは本件の解決に向け日本側に大幅に歩み寄っている。第1に、問題の所在を認めている。第2に、プーチンはビザなし渡航を許可した。第3に、水産資源の開発をはじめとした経済活動も許可した。このようにロシアは3つも譲歩をしたのに、日本は1つも譲歩をしていない。問題は交渉のテーブルで解決する必要があり、環境作りが求められる。100年が経って、経済や国家がよりグローバル化した時に、この問題がまだ深刻なまま残っているのか、私には分からない。


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 こちらのニュースによると、CIS自由貿易協定は9月中旬に発効することになる。CIS執行委員会経済局のA.クシニレンコ局長が明らかにした。8月8日にウクライナで批准法が成立し、後日それをCIS執行委に通告した。調印国のうち3ヵ国目の国が批准を通告した時点から30日後に協定が発効するので、9月中旬に発効する、ということである。クシニレンコ局長は、9月にはアルメニアとカザフスタンが、その後にモルドバが、さらに年末までにはキルギス、タジキスタンも批准するとの見通しを語った。

 こちらのニュースによると、ウクライナの政治評論家のM.ポフレビンシキーは、ウクライナによるCIS自由貿易協定の批准は、天然ガス問題を解決はしないが、交渉継続のための前向きな雰囲気を作ることはできるとの見方を示した。野党だけでなく、与党の一部も反対の姿勢だったが、V.ヤヌコーヴィチ大統領が批准を押し通した。CIS自由貿易協定の反対派は、EUとの接近を志向しているが、EUとのFTAがどのようなプラスとマイナスをもたらすかについての具体的な数字を彼らは挙げようとしないと、ポフレビンシキーは指摘した。


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20120819denki

 東京電力の8月分の請求が来た(7月13日~8月13日の使用分)。今回は216kWhで、前年同月比8%減だった。今年の夏は自宅では一切エアコンを使わないと決め、節電に励んできたが、さすがにこの1ヵ月は少々辛く、「やせ我慢」という感じになってきたな。それでも、このブログで節電の実績を報告することを励みに、何とか前年同月比8%のマイナスを達成した。何も考えずに暮らしていた一昨年に比べれば3分の1くらいは削減しているわけだから、まあまあの成績ではないか。

 まあ、案の定、電気は足りているということが明白になりつつあるわけだが、私は私で節電の努力を続けていくつもりだ。


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 昨日のエントリーの続き。こちらのサイトで、何人かの専門家が、プーチン・ロシア大統領の最初の100日間に関する評価を示しているので、それを抄訳しておく。

 政治評論家のV.スラチノフは、以下のように指摘する。プーチンの大統領復帰で、すべての主要な政治的決定がクレムリン(大統領府)で行われるようになった。プーチンは大統領府と政府の間で機能を分配し直した。プーチンは自らの周りに、大統領府と、D.メドヴェージェフ首相の狭義の政府とから成る、大政府を構築した。機能を分配し直し、様々なプレーヤー、影響力グループを横一線にした。この構造の中で、プーチンは最高の調停者としてとどまり、自らが最重要な決定を採択する。こうしたモデルは、自らが支配的なプレーヤーの地位を保持できるという意味で、プーチンにとって好都合だが、それにより厳格、明確な政治的路線を打ち出すことはできない。100日が経ったが、経済・政治政策の新たな戦略は実質的に示されていない。現在実際に生じているのは、世界経済で起きていることへの対応と、プーチン論文のくだりが部分的に実施されていることの、2つだけである。しかし、かねてから明らかだったように、これらの論文は重要な要素を含んではいるものの、統一的な方法論を欠いており、結局のところ戦略ではない。一方、プーチンが内政面で、法律・制度および雰囲気の両面において反動化したことは事実である。3~4月に行われた政治改革はメドヴェージェフのイニシアティブを実現したもので、その後、「100万人の行進」を受け、実質的な政治的反動が始まった。具体的には、集会法、NGO法、名誉棄損法である。反動化という懸念は、現実のものとなった。

 内政の反動化については、政治評論家のP.スヴャチェンコフも同意する。同氏は、一定の反動化は確かに生じており、それは主として都市部のミドルクラスをターゲットとしていて、集会での違反に対する罰金の増額や参加者の逮捕に表れている、と指摘。

 これに対し、政治情報センターのA.ムーヒン所長は、政権はあからさまな抑圧的措置は避けている、皆がプーチンについて疑っていたことは、現実のものとはなっておらず、相対的な自由化の路線はかなり保持されている、と述べる。ムーヒンは以下のように指摘する。プーチンの3期目の課題は、国民からの支持を失わないことである。ロシア社会にはプーチンへの倦怠感があり、野党がそれを上手く利用しているのは事実で、現にプーチンの支持率は落ちている。それゆえにプーチンは、選挙公約を実行することを迫られ、実際それにかなり一貫して取り組んでいる。

 前出のスヴャチェンコフは、次のように述べる。プーチンは自らの正統性を強化することに成功した。世論は、反政府派のそれも含め、歯ぎしりしながらも、プーチンが大統領選で勝利し合法的な大統領であることを認めた。ただ、プーチンは政治危機の正念場を乗り越えたものの、危機そのものが解消されたわけではなく、秋には抗議運動が再燃する可能性がある。

 前出のスラチノフは、プーチンの大統領復帰により、興味深い対立構図が生まれたと指摘する。各種の選挙や世論調査によれば、常に国民の50%以上がプーチンを支持している。しかしこのプーチン多数派は家父長主義的で保守的である。他方でロシアにはミドルクラスが誕生しており、それが国民の4分の1から3分の1を占めており、彼らはプーチンが維持しようとしている政治システムを断固拒否している。過半数のプーチン支持者はいるものの、国民の25~30%は抜本的な政治的変化を望んでおり、提案されている政治改革には満足できないのだ。

 プーチン体制の今後の課題については、まずスヴャチェンコフは次のような見解を示す。プーチンは現在、多くの課題に直面しているが、なかでも根幹的な課題は、既存の経済モデルからの脱却である。そのモデルは、プーチン自身が立ち会い過去12年間で形成されてきたもので、西側への原燃料輸出を基軸としている。こうしたモデルは、国民の貧富の格差が過度に拡大することによる爆発の危険をはらんでいる。こうしたモデルでは技術的な発展は望めず、軍事力や工業力を含め劣化が生じていき、石油価格が暴落でもすれば国が崩壊する危険を秘めている。

 ムーヒンは、ロシアが新たな国家的戦略を策定し、世界が金融・経済危機のただなかにあっても未来への一定程度の確信を抱けるようにすることがぜひとも必要と指摘。一方、スラチノフも戦略の必要性には同意しつつ、今日のような政治体制ではそれは至難であるとの見方を示している。

 国民戦略評議会のV.ホミャコフは、垂直的な権力が機能しないことが明らかになった以上、分権化に取り組むべき時が来たと唱える。我が国が連邦国家であるということを思い出す必要があり、プーチン氏も選挙期間中はそう発言していた時もあったが、現在はそう述べることはなくなったと、ホミャコフは指摘する。


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 5月7日にV.プーチンがロシア大統領の座に復帰してから、8月14日でちょうど100日間が経った。世間一般では、政権の最初の100日間は「ハネムーン」と呼ばれ、その間は国民は「お手並み拝見」という姿勢をとって、いきなり政権を批判するようなことは避ける、とされる。逆に言えば、そろそろ新政権がバリバリ仕事をしてくれないと困るというのが、政権発足から100日目くらい、ということであろう。

 ノーヴォスチ通信のこちらの記事が、プーチン政権の発足から100日間で起きた5つの大きな出来事または注目点を挙げているので、以下でそれを整理しておく。

●プーチンが選挙キャンペーン期間中に発表していた新聞論文を実行に移すべく、会合が重ねられているが、今のところ改革の目立った成果はなし。人事面では、ウラル連邦管区大統領全権代表に工場労働者のI.ホルマンスキフを据えるという驚きの抜擢と、プーチン前内閣の閣僚たちが大挙して大統領府に異動するという現象が目に付いた。

●軍需産業の振興、国防発注の拡大に最優先で取り組むプーチン。

●7月上旬のクラスノダル地方での大水害。

●政治集会、インターネットのブラックリスト、名誉棄損への取り締まりを強化する立法、報道や結社の自由を脅かすものという懸念が広がる。

●新大統領プーチン、米国で行われたG8サミットは不参加。代わりに後日メキシコで開かれたG20サミットでオバマ米大統領との会談を果たす。大統領としての初の外遊先はベラルーシ、ドイツ、フランス。一方、リトヴィネンコ事件での対立を乗り越え、ロンドン五輪を機に、英露首脳が対面。


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 一昨日お伝えした記事の続報。

 先の記事で、CIS自由貿易協定がウクライナにもたらす経済効果について触れたが、こちらの記事でそれを図示しているので、紹介しておく。下図に見るように、CIS自由貿易地域への参加により、2013年のウクライナのGDPが2.5%押し上げられるほか、産業部門ごとにどれだけの伸びが上積みされるかが示されている。機械産業の伸び率が7.19%と最も高く想定されている。

20120814ZST

 こちらやこちらのニュースによると、M.アザロフ・ウクライナ首相は、CIS自由貿易地域への参加により、ウクライナの国際収支が改善するとの認識を示した。とりわけ、ウクライナ産鋼管の対ロシア輸出への制限が撤廃されることへの期待を示した。また、ウクライナの貿易赤字をもたらしている主因はロシアの天然ガスが高いことであると指摘した(注:天然ガスの価格は自由貿易地域とは直接の関係はないはずだが、アザロフ首相はロシア主導のFTAに応じることでガス問題での譲歩を期待する立場をほのめかしたとも受け止められる)。

 これに対し、こちらの記事によると、V.ユーシチェンコ前大統領は、ウクライナのCIS自由貿易地域への参加を厳しく批判している。これは表面的には経済的な合意だが、旧ソ連諸国間の依存関係を深めるという、多分に政治的な行為だ。ウクライナを新たなソ連のプロジェクトに引きずり込むものである。ウクライナの現政権が国益を犠牲にしてロシアの支援を取り付けようとしていることの表れだと、ユーシチェンコは批判した。


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 これまでこのブログでは、各記事に、フェイスブックのシェア・ボタンを付けていた。これはブログ・サービスの機能ではなく、自分でその都度スクリプトを書いて(というかコピーして)表示していた。しかし、1ヵ月くらい前から、どういうわけか、シェア・ボタンが上手く表示されなくなってしまった。ちなみに、以前ツイート・ボタンを自力で付けることも試みたのだけれど、そちらの方は上手く行かなくてそもそも断念していた。

 しかし、今般、本ブログが入居するこのlivedoor Blogの基本設定をよく見直したところ、フェイスブックの「いいね」ボタンやツイート・ボタンを各記事に自動的に表示する機能があることに気付いたので、それを利用することにした。まあ、そりゃ当然あるよね、そのくらいの機能。


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 こちらのニュースによると、ロシアのメドヴェージェフ首相は8月9日の閣議の席で、外国人移民の飛び地がロシア領内に形成されることは許容できないと発言した。

 閣議で連邦移民局のK.ロモダノフスキー長官が報告したところによると、現在ロシアには1,000万人強の外国人が滞在している。うち、42%は就業以外の目的(就学、観光、療養など)、17%は合法的な就業に従事、21%が許可された滞在期間を越えて不法労働に従事していると推計される、という(注:合計が80%にしかならないが原因は不明)。現在ロシアでは3.2万人の外国人の高度な専門家が働いている。

 6月にV.プーチン大統領は「2025年までのロシアの国家移民政策のコンセプト」を承認、同文書は移民政策の目的、原則、課題、主な方向性、実施メカニズムをうたっている。コンセプトは3段階に分けて実施され、2015年までの第1段階では法令の立案と採択に当たることになっている。

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 こちらこちらのニュースによると、8月10日、ロシアの与党「統一ロシア」の幹事長(中央執行委員会委員長)に、ウリヤノフスク州の内相を務めていたD.トラフキン氏が選出された。同日開かれた同党幹部会の秘密投票で選出されたもの。今回の幹事長選出は、党首であるD.メドヴェージェフ首相の提案により、初めて立候補制で行われた。7月17日に立候補の届け出が始まり、25名が立候補、地方支部での予備選で5名の候補に絞られ、その中から今回トラフキン氏が選出された。

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 以前お伝えした情報の続報。こちらのニュースなどによると、このほどウクライナはCIS自由貿易協定の批准手続きを完了した。CIS自由貿易協定は、2011年10月18日に、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバ、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アルメニアの8ヵ国で調印。ウクライナ最高会議は7月30日に批准法を可決。ヤヌコーヴィチ大統領が8月9日にこれに署名し、批准が完了したもの。ロシア、ベラルーシに次ぐ3ヵ国目の批准国となった。

 批准法に示された財政・経済的根拠によれば、CIS自由貿易地域への参加により、ウクライナのGDPは2.5%押し上げられ、また財政歳入は年間94億フリヴニャ増大すると見込まれる、という。また、CIS域内の貿易障壁撤廃がウクライナの各産業分野に及ぼす効果の見通しも示されているが、なかでも機械産業が7.19%増と最も恩恵を受けると期待されている。

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 五輪サッカー男子の決勝は、2:1でメキシコがブラジルに勝利し、大団円となった。個人的に、メキシコ・チームの完成度の高さに期待し、良い勝負になるかもと思ってはいたが、メキシコがここまで見事な完勝を遂げるとは予想していなかった。メキシコは、むろん個々のプレーヤーの知名度や能力ではブラジルに引けをとるが、それでも技術は非常にしっかりしている。フィジカルもあるし、何よりチームが良く組織化され、戦い方も賢い。とにかく、バランスが良くとれたチームだった。私のイメージで言うと、「20品目バランス定食」という感じ。それが、確かに旨いしインパクトはあるが、ややアンバランスなステーキ定食=ブラジル代表に勝利したと、そんな印象である。メキシコのフル代表の試合を観ていてもしばしば感じることだが、体格や個人技で必ずしも傑出しているわけではないのに、非常に完成度の高いチームを仕上げてくるメキシコというのは、日本としてももっとお手本にすべき存在なのではないかと思う。

 そんなわけで、「サッカーしか観ない」と決めている私にとってのロンドン五輪は終わった。試合は観なかったが、昨日女子のバレーボールで日本が韓国を破って銅メダルをとってくれたそうで、この状況でまた韓国に負けたりしたら目も当てられないというところで、よくやってくれた。やはり、団体競技のメダルというのには、格別の重みがある。誰もが疑問に思うところだろうけど、オリンピックって競技によって団体と個人が両方あったり、そのどちらかだけだったり、三位決定戦があったりなかったりで、どうも釈然としない。一番日程が過酷と思われるサッカーですら三位決定戦をやっているわけだから、すべての競技でやれよと言いたくなるような。

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 男子サッカーの三位決定戦は、日本が0:2で韓国に屈し、銅メダルを逃した。

 痛恨の敗戦であり、思わず「国辱」と言いたくなるのも事実である。試合内容も完敗であり、ほとんど何もできなかったわけだから。準々決勝でもそうであったように、日本の攻撃は驚くほど引き出しが乏しかった。

 他方、日本サッカー全体における今回の五輪チームの位置付けを考えれば、4位という結果は良くやった方という評価もできる。一昔前であれば、23歳以下の有望選手は全員五輪チームに動員し、オーバーエージでも最高の人選をしたことだろう。しかし、今日の日本サッカーでは香川のように23歳以下でも成り上がりすぎて呼べなくなってしまったプレーヤーもおり、日本の協会も五輪チームよりフル代表を優先していたことは明らか。また、Jリーグのクラブも、自軍の選手が五輪チームに招集されることに無条件に応じるという雰囲気ではなくなっている。言ってみれば、五輪代表はある種「継子」扱いされていたわけであり、その意味ではサッカー先進国に近付いたとも言える。今回の関塚ジャパンは、そういう限られた条件の中で選手をやりくりし、チームとしての戦い方を成熟させるような時間的余裕はほとんどなかった。当初の悲観的見通しを覆し、4位まで上り詰めたということは、客観的に見れば、それなりに評価してもいいかもしれない。

 まあ、相手が相手だけに、痛恨であったことは間違いないが。

 日本VS韓国戦は、03:45試合開始。なでしこの決勝と同じ時間帯。夜更かしして観るのにも、逆に早起きして観るのにも、どちらも辛い時間帯である。なでしこの決勝戦は自分なりにリスペクトを表現したかったので短い仮眠をとって早起きして生で観たが、男子の三位決定戦はそれほどまでの思い入れはないので、録画して今朝観た。あとは、男子サッカーの決勝を観ようと思っており、これで(サッカーしか観ないと決めている)私にとってのロンドン五輪は終幕を迎えることになる。

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 こちらなどでお伝えしたウクライナの言語法をめぐる動きの続報。こちらの記事によると、問題の法律「国家言語政策の基礎について」は7月3日に最高会議によって可決され、8月8日ヤヌコーヴィチ大統領の署名により成立、8月10日付の『ウクライナの声』紙に掲載されて発効した。なお、ヤヌコーヴィチ大統領は8月8日、13日までに言語関連の各種法令を修正するための作業グループを設置するよう、内閣に指示している。

 今回の言語法は、ある地域の住民の10%以上が母語としている言語を、その地域の地域言語として公式的に使用することをうたっている。法律によると、「欧州地域言語・少数派言語憲章」に照らすと、ウクライナでは18の言語がそうした地域的な利用の対象になるという。法律では、ある言語の母語率が当該地域の10%以下であっても、地方自治体の決定があれば、そうした利用が可能であるとしている。そうした認定を受けた言語は、当該地域で国家および行政機関、教育機関で用いられ、法律の定めるその他の社会的領域でも用いられる。最高国家機関の法令はウクライナ語で制定され、ウクライナ語・ロシア語およびその他の地域・少数派言語で公布される。パスポートまたはそれに代わる身分証明書は、ウクライナ語と地域・少数派言語のうちの一つで記載される。教育機関における教育言語は、入学の際に本人または両親の申請にもとづいて決定される。当該教育機関で採用されている言語以外での授業を望む申請が一定数を上回った場合には、その言語の別クラスを設けなければならない。

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 私が生業としている『ロシアNIS調査月報』の2012年9-10月号の編集作業が、すべて完了したところ。今号が合併号で、1回休みが入るので、その間に色々と溜まっている懸案を片付けたいところだ。

 今回の月報は、こんな内容である。私が2011年のロシアの貿易統計を紹介するメインのレポートを書いている。まあ、読んで面白いかどうかは知らないが、毎年このレポートにかなりの労力を費やしている。しかも、本年はいくつかの新機軸があった。今までは、紙の状態で発行されたロシアの統計集を入手し、まずそれれをアルバイトに入力させて、それをもとに図表を作成していた。しかし、本年はPDF版の統計集を入手することに成功し、また最近PDFファイルをWordおよびExcelに転換する技を覚えたので、実験的な意味も込めてそういう諸々の作業を含め全部独力でやってみた。まあ、新方式で、ある程度効率的にはできたと思うけれど、やはり自分で全部データ処理をやる分、それなりの労力はかかった。

 さて、ロシアのメインとなる貿易統計は、ロシア連邦関税局が作成している通関統計である。その際に、問題となるのは、関税同盟に起因するデータの欠落。ロシアとベラルーシが1995年に関税同盟を結成した関係で、以前からベラルーシとの貿易取引はロシアの通関統計の対象外となっていた。そして、先般ロシア・ベラルーシ・カザフスタンの3国関税同盟が新たに発足し、これに伴い2010年7月1日以降はカザフとの取引もロシア通関統計に記録されなくなってしまったのである。ただ、注目すべきことに、他方では3国関税同盟としての通関統計が整備され始めており、関税同盟の事務局であるユーラシア経済委員会のウェブサイト上で公開されている。そこで今回の私のレポートでは、ロシア連邦関税局の通関統計の欠落を、ユーラシア経済委の関税同盟域内取引の統計によって補うということを、初めて試みてみた。

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 具体的には、上の表のような感じになる。これは2011年のロシアの電力の主要輸出相手国をまとめた表になる。ベラルーシおよびカザフスタン向けの輸出状況が、ロシアの通関統計には記録されていないので、ユーラシア経済委の統計からそれを補った、というわけだ。ただし、残念ながらユーラシア経済委の統計では金額が得られるのみで、数量は明らかでない。いずれにせよ、ロシアの貿易を分析する上で、ベラルーシとカザフを除外してしまってはまずいことが、お分かりいただけるであろう。

 私としては、ロシアの通関統計における対ベラルーシ・カザフ取引の欠落を補う方法論を考案し、執筆および当該号の編集を終えられて、やれやれと思っていたところだった。ところが、本日のロシアのニュースを眺めていたら、ロシアの貿易統計をめぐる状況が、また変わってしまったということが判明した。こちらのニュースを読んでいたら、ロシアの電力輸出が今年に入って低下したという話題が伝えられていて、その中で、2011年のロシアの通関統計では対ベラルーシ・カザフ取引が考慮されていないが、2012年のそれでは考慮されている、ということが書かれていたのである。本当だろうかと思って、ロシア連邦関税局のウェブサイトの統計コーナーで確認したら、確かに本年に入ってから対ベラルーシ・カザフ取引額の推計値も考慮するようになっているようである。

 まったく、これだからロシアの統計は油断できない。統計が網羅的になるのは結構なことだけと、2011年と2012年を同じ条件で比較できなくなってしまいそうだ。

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 女子サッカーの決勝は、日本が1:2でアメリカに屈した。この決勝戦を見届けて、個人的には、2つの思いを抱いている。

 第1に、果たしてなでしこは自分たちの持てる力、自らの持ち味を出し切ったのだろうかという疑問。これまでの試合と同様、決勝戦でも、「らしさ」は出せなかったというのが私の感想だ。守備も攻撃も、もっとできたはずという念を禁じえない。むろん、日本の持ち味を出し切ったとしても、アメリカに勝てるかどうかは別問題だが、私個人としては何とも言えない消化不良感が残った。

 第2に、これは上述の点と矛盾するようだが、アメリカとの決勝戦を観ていて、日本側に、明らかに通用する選手としない選手がいたことは否定できない。やはり力を発揮していたのは澤や大儀見であり、国際経験豊かで外国人にも当たり負けしない強さを持っている選手は戦えていた。

 もちろん、銀メダルでも充分称賛に値するが、他ならぬ選手たちが世界の頂点を目指していたわけだから、「感動をありがとう」などとは安易に言いたくない。とはいえ、戦いを終えた選手たちには、お疲れ様と言いたい。

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 一仕事終えたので、昨日は有給休暇をとり、家でサッカーや映画などを観てのんびり過ごさせてもらった。過日、ユーロを観るためにWOWOWに加入し、むろんユーロが終わったらとっとと解約したが、加入中に録り貯めてあった映画が何本かあり、それをその後時間のある時に少しずつ消化している。その中には実写版の宇宙戦艦ヤマトなどというトンでもないものもあったが(笑)、昨日鑑賞したのはぐっと完成度の高い作品だった。2年前に公開され評判になった邦画「悪人」である。

20120909akunin

 有名な映画なので、あまり説明は要さないだろう。本作はモントリオール世界映画祭ワールド・コンベンション部門に正式出品され、深津絵里が最優秀女優賞を獲ったことで話題となった。で、主演は妻夫木聡なのだが、失礼ながら、私はこの人の良さが分からない。演技も上手くないし、それほど男前とも思わないのだが、なぜあんなに人気があるのか。本人の演技だけでなく、私はこの人が出た映画やドラマで面白いと思ったことが一度もなく、彼の最高傑作は東京ガスのCMではないかと思っていたくらいだった。しかし、本作「悪人」は、はまり役だと思った。地方の口下手なヤンキーという役柄が、本人の持ち味とピッタリ合っているように感じた。妻夫木氏だけでなく、この映画はとにかく配役が絶妙であり、キャスティングの勝利と言うべき作品だろう。その結晶が最優秀女優賞だったのだと思う。

 九州を舞台にした映画ということは、知らなかった。しかも、私などはまったく判別できないが、福岡・佐賀・長崎とそれぞれの方言を使い分けているようで、丁寧な作りだと思った。ただ、その割には、逃走中に犯人のヒゲが伸びてこないのが不自然であり、深津サンがすっぴんで体当たり演技をしているだけに、バランスを欠いているように感じた。あと、まさか私のブログで映画の予習をする人などいるわけもないのでネタバレさせてもらうが、妻夫木氏は演技で泣くのが不得意だという話を聞いたことがある。本作でも、本来であれば、ラストシーンで涙を落とさなければならなかったのではないか?

★★★★☆

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 男子サッカーの決勝進出をかけた日本VSメキシコ戦。日本は1:3で敗れ、3位決定戦に回ることに。もう1試合はブラジルが韓国を3:0と圧倒。この結果、くしくも決勝は中南米対決、3位決定戦は東アジア対決となった。

 私が観戦した範囲内では、この大会におけるメキシコとブラジルの力は図抜けていた。その両者が決勝でぶつかるのは、実に順当なところ。決勝戦は、選手の知名度や個の力でブラジルに分があるようについ考えてしまうものの、ブラジルの戦い方にはけっこう雑なところがある。チームとしての完成度は明らかにメキシコの方が上であり、面白い戦いになりそうだ。

 日本VSメキシコの準決勝は、日本が「持ってるチャラ男」こと大津の鮮烈弾で早い時間に先制したものの、試合が進むにつれどんどん劣勢になり、正直勝てる気はまったくしなかった。私が語るまでもないことだが、前線からのプレスでショートカウンターという日本の戦術が、連戦の疲労からか機能せず、メキシコの速くて上手いパス回しにいいように振り回された。怪我で絶望と言われていた永井の先発出場には驚いたが、その頼みの永井もさすがに相手にしっかりマークされ、見せ場は作れなかった。

 逆にメキシコが高い位置からプレスをかけて日本を脅かすようになり、後半に苦しい時間帯が続く。そんな中、GK権田がボランチの扇原に渡そうとしたボールが、敵に奪われてしまい、逆転弾を食らったわけである。日本の失点も痛恨だったが、あの場面で呑気にリプレー再生していて肝心なシーンを生で放送しそこねた中継制作者は死刑ものだろう。

 それにしても、リードされて以降の、日本の「何もできなさ加減」は、ハンパなかった。疲労は考慮しても、あそこまで繋ぎでミスが出てしまっては…。繋げないのなら、パワープレーで行った方が、まだしも一縷の可能性があるのではないかと思ってしまった。

 メダルを賭けた日韓戦か。恐ろしいな。

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 雑誌の締切日なので、簡単な記事しか書けませんが。

 それにしても、川上嬢の超音波解説は、耐えられないわ。昨晩は、最初NHK-BSで観ていて、アナウンサーの変なテンションや川上嬢の声があまりにも耳障りで、「これだったら民放の方がマシか」と思って日テレに切り替えたら、そちらも同じ実況・解説で、逃げ場がなくなってしまった。川上嬢というのは、元なでしこ戦士の中では容姿が良いということでキャスターを務めていると思うのだが、声が耳障りで特に気の利いたコメントも言うわけではないのだから、(顔の出ない)ゲームの解説という仕事は向いていないのではないか。

 誰のせいなのかは知らないが、五輪サッカーの中継のクオリティは驚くほど低く、怒りを感じる。まあ、国際映像の制作者のせいなんだろうけど。プレーの進行中に、仮装大賞のごとくスタンドの観客を映してみたり。また、呑気にスロー再生をしている間に、もう次のプレーが始まっていて、チャンスやピンチになっているなんてことも多い。すると、またそれをスロー再生したりして、延々と訳の分からない追いかけっこをしている。いつも言うように、サッカーのTV中継などというのは、俯瞰でずっとライブ映像を流しているのが一番観やすいのであり、それ以外の変に凝ったカット割りなどは邪魔でしかなく、ましてやプレー中に観客席の様子やスロー再生など映すのはクズである。あー、腹が立つ。

 締切日というわりには、延々と文句を書いていますが(笑)。まあ、昼休みなので。

 しかしなあ、昨晩の日本VSフランス戦、2対1でなでしこが勝利し、決勝進出、銀メダル以上を決めたものの、あまりにも苦しい試合だった。まあ、ある程度パワープレー的に押し込まれる時間帯があるのはしょうがないけれど、日本が攻撃の良い形というものを一度も作れなかったというのが、ねえ。シュートは3本だけだったらしく、すなわちフリーキックからゴールを決めた2本と、終盤に大儀見がカウンターから裏に抜け出てポストに当てた1本だけだったということになる。この大会を通じて、ボランチの2人が守備に追われることが多く、中盤でのリズムの良いパス回しが見られない。昨晩のフランス戦などは、後半は跳ね返すだけになってしまって。

 日本女子代表のサッカーの質は、昨年のW杯の時の方が上だったなあ。今大会は、結果は出ているけれど、「これぞなでしこ」と溜飲を下げるような場面が、ほとんどなくて。まあ、女子サッカーではW杯よりも五輪の方が重視されているようだから、各チーム五輪をピークに設定し、その上なでしこを徹底的に研究して挑んできていて、それでW杯の時よりもパフォーマンスが落ちているように見えるのだろうか。

 正直に言うと、私はこれまで、今大会で正GKを務めている福元を、あまり良いGKとは思っていなかった。相手のシュートをキャッチすればいいものを、足で止めてキックで味方に繋ごうとしたりして、そういうところに危うさを感じていた。しかし、昨晩の試合に限っては、両チームのGKの違いが勝敗を分けたと言っても過言でなかろう。「なるほど、こういう反応や機敏さを備えたGKだったのか」と、納得した。あと、気が早いようだが、もしも日本が優勝したら、個人的には岩清水をMVPに推したい。

 なんか、深夜に悶絶しながら観たものだから、ネガティブ・コメントが多くなっちゃったけど、良く考えてみればものすごい快挙だ。

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 編集を担当している月刊誌の締切が明日なので、一両日中はブログに大した記事は書けない。明日は深夜に男子サッカーの準決勝があるから、何としてもそれまでに作業を終えて帰宅しないとな。

 ただ、本日のロシア関係のニュースを眺めていたら、まあ夏休み時期だし土日の後だし、大した記事はなかった。目立っていたのは、鉄道関係の記事だった。というのも、ロシアでは8月の第1日曜日が「鉄道の日」とされているそうで、その関連で昨日8月5日に色んな動きがあったり、情報が伝えられたりしたものだ。ロシアでは、特定の業界の記念日というのがそれぞれ設けられていて(7月の第3日曜日が「冶金工業の日」とか)、当該の業界の人たちにとってはかなり重要なお祭りの日なのである。

 鉄道の日の関連で、ノーヴォスチ通信の記事に、上掲のような図が出ていた。ロシア鉄道はヨーロッパの14ヵ国に旅客列車を運行しているということであり、そのルートマップと、所要時間および料金がまとめられている。ただ、この場合CIS圏のウクライナやベラルーシは「外国」として勘定に入っていないようだ。いずれにしても、これを眺めながら、いつの日かロシア~欧州間を鉄道で旅してみようかなどと思いを巡らせるのも、悪くはないだろう。

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 自宅では、PCでデータの打ち込みやら編集やらの単純作業をすることが多い。そんな時、音楽を鳴らしながら作業をすると苦にならない、というかかなり楽しい。で、今まではデスクトップPCのモニター内臓のちゃちなスピーカーで音楽を鳴らしていたのだが、今般、PCに接続するスピーカーを購入してみた。まあ、今となっては自宅のデスクトップPC上のiTunesが私の音楽ライブラリーの中核となっており、今までちゃんとしたスピーカーを繋いでいなかったのがおかしなくらいだが、遅れ馳せながらようやく導入したということで。

 ヨドバシカメラ・マルチメディア・アキバのPC用スピーカーの売り場で物色したところ、正直「これぞ」という商品はなかった。私は日本のオーディオメーカーのものを買いたかったのだけれど、PC用スピーカーは周辺機器という位置付けなのか、バッファローとか、周辺機器メーカーのものが多かった。Boseのスピーカーがあって、多少心が動いたが、高すぎたり大きすぎたりして、ちょっと買うのがためらわれた。結局、店頭で売れ筋っぽかったCREATIVEというブランドの2.1チャンネル(ステレオの左右のスピーカー+低音のサブウーファー1個)のスピーカーセットを購入。お値段は7,000円くらいだった。

 早速接続し使用してみたが、満足度はまあまあかな。確かに、PCのスピーカーなんかとくらべれば、ぐっとオーディオっぽい音が出るし、ステレオ感や低音は比べ物にならない。ただ、HiFiというレベルには至っておらず、これだったら2~3万出してもいいからBoseとかのもっと良いものを買えば良かったかなという気もしている。

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 スポーツ選手が政治家に転身したりするのは、イヤな感じがするものである。小沢一郎のマスコットになってしまったヤワラちゃんしかり。目下のところ私が心配しているのは、なでしこジャパンの澤が既成政党の甘い言葉に誘われて次の総選挙に出馬したりしないかということだったりする。まあ、自らの政見や信念があっての政界進出ならそれもアリだろうが、広告塔だったり、国会の乱闘要員としてスポーツ選手がリクルートされるのは、勘弁してほしい。

 さて、ウクライナ・スポーツ界の最大のヒーローで、先のユーロ2012で最後の輝きを放ったアンドリー・シェフチェンコが、サッカー選手として現役引退し、政治家に転身することになった。正直言って、背景に少々きな臭いものを感じる。

 こちらのニュースによると、シェフチェンコは7月27日にサッカー選手として引退して政界に進出することを表明。翌28日、ナターリヤ・コロレウシカ女史の政党である「進め!ウクライナ」に加わることを発表した。シェフチェンコは、「私は政治家として自己実現し、ヨーロッパでの経験を皆と分かち合い、国のために尽くしたい。私はナターリヤ・コロレウシカのチームに加わることを決めた。なぜなら『進め!ウクライナ』は未来の党、若きリーダーたちの党だからだ。政治家として私は社会政策とスポーツを推進する。私のモットーは、健全な精神は健全な肉体に宿るというものだからだ」というコメントを出した。一方コロレウシカは、「シェフチェンコはウクライナの誇り。彼が我々のチーム、新世代の政治家のチームに加わってくれたことに感謝する。国のため、人々のために働く時が来た。シェフチェンコは未来の政治、新しい政治を選択してくれた。これは非常に重要なことで、我々は共に、ウクライナが前進するために一体となって全力を尽くす」と述べた。そして、こちらのニュースによると、「進め!ウクライナ」は8月1日から2日にかけて党大会を開催し、10月28日に投票が行われる最高会議(国会)選挙に向けた比例名簿を決定、シェフチェンコは党首のコロレウシカに次ぐ名簿2位で選挙を戦うことになったようである。

20120805shevchenko

 さて、問題はこの「進め!ウクライナ」の素性である。コロレウシカは元々Yu.ティモシェンコ女史の弟子的な存在として、野党陣営に属していた人物だ。しかし、昨秋にティモシェンコが投獄されたあたりから、個人的な野心を見せるようになり、野党陣営との亀裂が生じていた。コロレウシカは社会民主党という政党に属しており、同党は他の民主野党勢力とともにティモシェンコ・ブロックを形成していたわけだが、2011年12月23日にコロレウシカが同党の党首に就任し、雲行きがおかしくなる。2012年3月14日にコロレウシカは最高会議のティモシェンコ・ブロック会派から除名され、翌15日には社会民主党自体がティモシェンコ・ブロックから除外された。コロレウシカは、この決定はリーダーたるティモシェンコの了解を得ずにO.トゥルチノフ氏が勝手に決めたことだと批判、これに対しトゥルチノフは獄中のティモシェンコとは連絡をとるのが難しかったとして独自の判断だったことを認めた。3月22日に社会民主党は「ナターリヤ・コロレウシカ党『進め!ウクライナ』」と改名した、という経緯である。

 トゥルチノフをはじめとするティモシェンコ・ブロックの幹部が社会民主党/コロレウシカの排除に動いたのは、同勢力がヤヌコーヴィチ政権と裏で繋がっていると判断したからである。これに対しコロレウシカは、我々は引き続きヤヌコーヴィチ政権に反対していると弁明していた。しかし、最新のこちらのニュースによると、「進め!ウクライナ」には政権与党である地域党のO.エフレモフ会派長が資金を拠出しているという指摘もあるということだ。

 つまり、「進め!ウクライナ」は政権側が野党陣営を分裂させ、いざという時の連立パートナーを用意しておくための工作であるという疑いが強いということになる。シェフチェンコが汚い政局に巻き込まれて国民からの信頼を失うようなことがなければいいが…。

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 サムライブルー・ジュニアが準々決勝でエジプトを3:0と下し、準決勝に駒を進めた。決勝進出を賭け、次はメキシコと対戦することになったようである。

 昨晩の試合、ボール支配率はエジプトの方が高かったようだが、内容的にはほぼ日本の完勝と言っていいだろう。本ブログでエジプトは侮れないというようなことを書いたが、実際にはまったく危なげなかった。というか、私はベラルーシの左サイドが何度も崩されるのを観て、「ベラルーシの左サイドは弱い」という風に解釈したんだけれど、むしろエジプトの右サイドが強かったんだな、あれは。エジプトは、昨晩の日本戦でも見られたように、これだけ左右非対称なのも珍しいというくらい、攻撃が極端に右に偏重したチームだった。まあ、そこはうちらはオーバーエージの徳ちゃんと吉田がいるサイドだから、特にやられることもなかったし。あとは、序盤から日本がハイプレスで飛ばしすぎ、後半足が止まるのではという危惧を抱いたものの、ほぼ最後までペースを落とさずに戦い切ったことは立派だった。エジプトは特例でラマダン免除だったという説もあるが、いずれにしても真昼間の試合で鍵を握るフィジカルの面でも、日本が終始優位に立っていた。

 そんなわけで、男女ともにベスト4に入り、サッカーだけで日本の試合をあと4試合も観れることになった。嬉しい限りだ。何しろ、個人的には、今五輪ではサッカーしか観ないということを公言していて、今のところそれを実践中。色々とやらなければならないことがあるので、サッカー以外の競技は、今のところ一秒も観ていない。もしも日本がサッカーで敗退したら、自分にとっての五輪が終わってしまうので。まあ、「色々とやること」の中には、「Jリーグを観る」というのも含まれていて(笑)、昨日も実は生観戦はJリーグを優先し、五輪サッカーは録画で観たのだが。

 あまり情報ないけど、永井大丈夫か?

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 サッカー女子の準々決勝、日本VSブラジル。なでしこジャパンが苦しい試合をものにし、2:0で勝利、準決勝に駒を進めた。

 誰がどう見ても、困難に満ちた試合だった。特に前半の20分くらいまでは、ブラジルが予想外のフォーメーションで来たことに戸惑わされ、相手の速さ・強さ・上手さに対応しきれず、いつ失点してもおかしくないという感じだった。あの時間帯を無失点で乗り切れたことが、第一の勝因だろう。そして、20分過ぎから攻撃のリズムを掴んで、先制に成功する。澤がフリーキックを素早く始めて、大儀見が相手の裏に飛び出して冷静にゴールネットを揺らした。

 グループステージ第3戦であえて引き分けを選択してまで、この日のカーディフでの試合に臨んだなでしこだったが、「移動なしで運動量で相手に優位に立てる」という戦前の予想は、ちょっと裏切られた感じ。後半になると運動量が落ち、再び押し込まれる展開になった。私自身は、この試合を分けるのは日本が2点目をとれるかどうかだと思っていたが、苦しい時間帯に2トップがやってくれた。73分、ディフェンスラインが跳ね返したボールが大儀見にわたり、上手いトラップで敵DFと体を入れ替えると、中央で待つ大野に浮き球のラストパス、それを大野がDF2人に迫られながら左足で豪快にゲットした。それ以降も試合終了のホイッスルまで押される展開が続いたものの、この2点目により両チームのメンタルは完全に明暗が分かれ、あとは安心して観ていられた。

 前回2008年の北京五輪のなでしこの戦いを観た時に、私などは、美しいパス回しに驚く一方、「このサッカーではメダルは無理だな」と思ってしまった。体格で勝る欧米のチームを相手に、中盤でパス回しにより相手を翻弄することができても、相手ゴール前に迫るとそこにはロッキー山脈やアルプス山脈が控えており、そこで堰き止められてなす術なし、という印象だった。一方、敵はチャンスは少ないながら、ここぞという場面ではピッチを大きく使ったダイナミックな攻撃で、あっけなく点をとってしまうという感じだった。当時のなでしこは、まさに「美しく散る」という形容がぴったりだった。それゆえ、昨年のW杯で日本が優勝したことは、私にとっても嬉しい驚きだった。美しいサッカーで、優勝という結果も手にしたわけである。

 それに対し、今回のロンドン五輪。グループステージ第3戦で引き分けを選択したりと、むしろなでしこの「したたかさ」が目立つ。昨晩の得点にしても、なでしこらしいパス回しで崩したというよりは、1点目は相手の虚を突いたものであり、2点目は相手が前がかりになったところでのカウンターである。勝ち切るための試合運びという意味で、ずいぶんたくましいチームになったものである。

 で、そのしたたかさやたくましさはもちろん称賛に値するけれど、本来のなでしこらしい高度な機能美という魅力が、今大会ではあまり感じられないのが、気になる。まあ、結果を出しているわけだし、五輪本番で贅沢は言ってられないというのはそのとおりなんだけど。でもやはり、今回のチーム、攻撃が上手く行っているとは、言えないだろう。W杯の時は、もっと中盤でボールが持てたはず。うーん、どうなんだろう?

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 こちらのサイトで、エジプトに敗れ決勝トーナメント進出を逃したベラルーシ代表のコンドラチェフ監督が、インタビューに応じている。まあ、応じているとは言っても、さすがに敗退決定翌日のやり取りだけに口調はとげとげしく、「ほぼ兵を語らず」といったところ。一応、行きがかり上、発言要旨を以下のとおりまとめておく。

20120803kondr

 (結局のところ、昨日は何が起きたのか?)何が起きたかって? 我々は強いチームに負けたということだ。 我々がオリンピックで優勝するなどというのは、ありえないだろう。

 (非難めいた訊き方をするつもりは毛頭なく、昨晩の主たる敗因は何だったかということを訊きたかったのだが)主たる敗因は、エジプトが我々よりも強かったことだ。エジプトはベラルーシよりもサッカーが上手い。

 (エジプトはフィジカル面でベラルーシを上回っていたように見えたが?)テクニック面では上回っていなかったとでも言うのか? 繰り返すが、彼らの方がサッカーが上手く、それがすべてだ。

 (こんな形でオリンピックを去ることになって、ベラルーシの選手たちは落胆しているか?)むろんだ。それ以外にありえない。

 (大会を通じての評価をお願いしたい)我々は、持てる力以上に頑張った。持てる力の何倍もの力を発揮した。五輪の予選を兼ねたヨーロッパ選手権から始まって、何度も崩壊の危機を乗り越えてきた。

 (ただ、監督自身、この五輪での目標はグループステージ突破だと明言していたが?)監督としては、当然そうした目標を掲げるはずだ。

 (大会期間中は、選手のプレーに対する批判的な発言は避けてこられたが、大会が終わった現時点ではどうか?)いや、その評価はしない。彼らは力の限り戦ったのであり、批判的なことを言うことは一切できない。

 (グループステージの2試合目までは、ベラルーシ代表のプレーぶりに関する評価は、ほとんどの場合、肯定的だった。しかし、3戦目に負けて、批判を受け始めているという感じはあるか?)私はもうかなり以前から、批判的評価は気にしないようにしているし、新聞雑誌なども読まない。私は、自分と選手たちが全力を出し切ったということを分かっている。これまで我々を何やかんやで批判してきた連中が、今もそれを続けているというだけのことだ。

 (オリンピックのサッカーは大会として特殊で、重視しない向きが多いが、実際にそれに参加してみて、これは最高レベルの大会と言えるか?)もちろんだ。スペイン、ウルグアイといったチームが敗退したこと見たまえ。世界のサッカーのレベルは急激に上がっている。

 (サッカーは別として、オリンピックについての感想は?)我々はほとんどオリンピックは観ていない。街から街へと移動する生活だったので。だから、何も言うことはできない。ベラルーシ選手の競技も、ごくたまにテレビで見かけただけだ。

 (ルカシェンコ大統領は、ベラルーシ選手団が25のメダルを獲ることを目標に掲げたが、現実的と思うか?)15も獲れば上々だろう。

 (貴方はフル代表の監督でもあるが、オリンピック代表からフル代表を狙えるような選手は現れたか?)私は彼らの多くがフル代表入りすることを望んでいるが、実際にどうなるかは分からない。彼らはより強いクラブに移籍する必要がある。ベラルーシ国内では成長は難しい。

 (今回のオリンピックは、ベラルーシ独立後、初の大きなサッカー国際大会への出場だった。次はいつになるか?)それを言うのは難しい。我々が大きな国際大会に参加できるのは、かなり幸運が重なった時だけだろう。

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 ロシアで8月2日、大陸棚での石油ガス開発の促進の問題をテーマとした閣議が開催された。

 こちらによると、D.メドヴェージェフ首相は、2030年までの大陸棚開発プログラムを実施することにより、大陸棚における石油ガスの生産量が大幅に増大することになるという見通しを示した。すなわち、2011年の大陸棚での石油生産量が1,300万tであるのに対し、2030年には6,620万tに達する。天然ガスは、2011年の生産量が570億立米であるのに対し、2030年には2,300億立米を見込んでいる、という。

 さらに、こちらのニュースによると、閣議でメドヴェージェフ首相は、概要以下のように発言した。すなわち、今後世界でエネルギー革命が起きる可能性があり、その結果として石油ガスへの需要が急減する危険性に、ロシアは備えておかなければならない。世界では50~70年ごとにエネルギー革命が起こっており、しかる後にそうした革命が起きた際に、石油ガス産出国としての我が国の地歩がどうなるかはまだ分からない。仕事をしていかなければならない。大陸棚開発の号令とは若干矛盾するようにも思えるが、メドヴェージェフ首相は以上のように述べた由である。

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 東洋書店より、『ロシア極東ハンドブック』が刊行されました。私​は大した役割を果たしていませんが、極東発展省に関する短いコラ​ムを執筆しています。定価3200円+税。

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 日本が勝つか引き分ければD組1位を確保し、準々決勝でC組2位のエジプトと対戦。日本が負ければグループ2位となり、C組1位のブラジルと対戦。昨晩のホンジュラス戦はこのような状況で迎え、日本としては優位かつ明確な状況だった。なでしこの3戦目の場合は「裏の試合の動向」という流動的な要素があったが、男子の方はやるべきことが非常にはっきりしていた。結果的に、昨晩のホンジュラス戦はスコアレスドローだったが、1・2戦目の勝利でそれでもOKな状況を作り出したわけであり、メンバーを落としながらきっちりと引き分けたことは評価できるだろう。サッカーの引き分けは、バドミントンの「無気力試合」なんかとは違うのだ。

 まあ、昨晩の試合については、さしたるコメントもないが、我が清水エスパルスから唯一選出されている村松がようやく出場機会を得て、大過なく1試合終えられて、良かったな、と。クラブではボランチを務めているのに対し、ホンジュラス戦では右SBとして起用され、そのせいか序盤は不安定なプレーが目立ったが、次第に落ち着きを見せ始め、得意のボール奪取や、大胆な攻め上がりも何度か披露した。清水ではバックパス専門の選手なので、試合終盤のディフェンスラインで球回しして時間を消費する局面では、普段の経験が生きたか?

 日本としては、プラン通りにホンジュラス戦で勝ち点1をとって、ブラジルとの対戦は避けられたわけだけど、昨晩のエジプトVSベラルーシ戦を観た感じから言うと、エジプトは侮れないよ。日本が苦手とするフィジカルの力強さもあるし、カウンターも速くて無駄がない。むろん日本チームが油断なんかしているはずはないけど、これは相当心してかからないと。

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 C組の3ラウンド目、エジプトVSベラルーシはエジプトが3:1で勝利した。この試合、ベラルーシが勝つか引き分ければC組2位となり、準々決勝で(日本が有力視される)D組1と対戦するということで、本ブログでは一人キャンペーンを張ってきた。昨日などは、エジプトVSベラルーシ戦の前に、自分のHPに貼るための準備作業として、「祝!日本VSベラルーシの対戦実現」なんてバナーを作成したりしたんだけど、完全に徒労に終わった。我ながら、持っていない男である。

 昨晩は、試合結果以前の問題として、ネット生中継に関しイライラさせられた。昨日も本ブログで予告したとおり、こちらのサイトでネット中継を観ようと思ったのだけど、同サイトから進むことができたのはアラブ圏(エジプト?)の放送局の中継だったようで、むろん言葉は分からないし、画質も酷くて。しかも、映像・音声がすぐに止まってしまい、動画というよりも、汚い静止画のスライドショーを見せられているようだった。あまりに酷いので、ハーフタイムにどこか別の良いサイトはないかと思って探したところ、こちらの「FOOTBALL HD.ru」というのを見付けた。こちらの方は画質は多少マシだし、ロシア語のアナウンスというのも有難かったが、映像・音声が途切れがちなのは同じ。まあね、地球の裏側でやってる試合を、無料で、リアルタイムで観られるわけだから、考えてみれば画期的ではあるのだけれど、それにしても自分がこれだけ強く思い入れている試合は、有料でもいいから、もうちょっと良い環境で観たかった。

 なにせ視聴が静止画のスライドショーに近かったので、ちゃんとした戦評は書けないけれど、全体としてエジプトの圧勝であり、ベラルーシはほとんど歯が立たなかった。ゴールシーンだけ、こちらで動画を観ることができる。ベラルーシは引き分けでもよかったわけで、当ブログでは引き分け以上の確率は60%くらいかな、なんて呑気なことを言っていたわけだが、今となっては、不明を恥じる他ない。

 基本的に、ベラルーシ五輪代表チームの戦い方は、8人くらいで自陣にブロックを形成して守備を固めるというものである。前線には、ブレッサン(1.5列目)とコルニレンコ(トップ)が縦関係で並んでいて、ボールがとれたらまずブレッサンに渡してそこでタメを作り、彼から良い形で展開できた時だけ攻撃する、前の3~4人だけで少ない手数でシンプルに攻め切ると、そんなコンセプトのチームだった。で、昨晩のエジプト戦では、引き分けでもOKだったので、いつも以上に守備に重点を置き、前半はほとんど攻撃らしい攻撃は繰り出せなかった。ただし、その割には最終ラインは意外に高く、エジプトは前半から何度も最終ラインの裏へのパスを試みていた。特に、ベラルーシの左SBの後ろのスペースが狙われ、何度かピンチになりかけていた。

 結局、後半に入り、56分に案の定ベラルーシの左サイドが崩され、先制点を許してしまうのである。ベラルーシは、自陣にブロックを敷いている時には安定しているが、自分たちがボールを持って「いいこと」をしようとすると、無理なパス回しでボールを失い、大ピンチを招く傾向がある。前半は我慢して、後半から少しずつ攻撃の形を出して行こうというような考え方だったのだと思うが、そうしたとたんに失点してしまうのだから、皮肉なものである。はっきり言って、典型的なリアクション・サッカーのベラルーシにとって、先制点をとられるのはかなり致命的である。先制を許したあと、ようやく目が覚めたように反撃に転じ、枠内シュートも何本か放ったが、前がかりになったところをカウンターでやられるというお決まりのパターンで、73分、79分と立て続けにエジプトに追加点を許してしまう。ベラルーシはメンタルも見るからに弱く、87分にコーナーからようやく1点を返しても、ゴール前に転がるボールを掴みとってセンターサークルにダッシュしようとするプレーヤーは1人もいなかった。

 戦力が弱体な中で、コンドラチェフ監督の指導の下、守備に重点を置いた堅実な戦い振りで接戦をものにし、五輪の舞台までたどり着いたベラルーシだったが、やはりベスト8に名乗りを挙げる実力は持ち合わせていなかったと、言わざるをえない。まあ、世間一般の皆さんにとってはどうでもいいだろうが、サッカーの大きな国際大会で、日本とベラルーシが激突するなどというのは、30年に一度あるかないかの出来事だろう。個人的には、「あと一枚の壁を越えてさえくれれば」と嘆きたくなるのとともに、ベラルーシ代表の実力からするとその壁はとてつもなく厚かったという諦念も覚える。

 民衆パワーで革命を起こした国民と、独裁者の下で子羊のように暮らしている国民のパワーの違いが出たかと、捨てゼリフを吐いて締めくくっておく。

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 大した話題でもないが、自分のためのメモとして書き留めておく。こちらのニュースを眺めていたら、ロシア地域発展省の作成する地域ごとの投資魅力のランキングで、2012年1~5月に、チュメニ州が1位になったということが伝えられていた。

 地域発展省がそんなランキングを作成しているという話は初めて聞いたので、同省のウェブサイトをチェックしてみた。同省のウェブサイトというのがまた不親切な代物で、ちょっと探すのに苦労したが、一応それらしき情報を見付けることができた。こちらのページに、2012年6月4日付のプレスリリースが出ていて、2012年1~4月分の報告が開示されている。ページの下の方で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっている。当該の資料は2009年6月15日付の政府指令に沿って同省により毎月作成されているが、こうした形で公表されるのは隔月とか四半期に一度とか、そんな感じのようだ。1~5月の分は今のところサイト上で見付からないので、この1~4月の資料を吟味してみた。

 で、当該のパワーポイントを見てみると、次のような5つのカテゴリーごとに各地域の指数が弾き出され、それにもとづいて諸地域がランキングされている。具体的には、「社会・経済情勢」「経済のリアルセクター(実業)」「投資魅力」「住民の所得と雇用」「財政」の5つである。

 この中で、「投資魅力」のカテゴリーを見ると、確かにチュメニ州の発表にあるように(1~4月と1~5月という期間の微妙なずれはあるが)、同州がトップになっている。なお、残念ながらパワーポイントには各カテゴリーのベスト20の地域とワースト20の地域しか掲載されていない(間の40以上の地域が抜け落ちている)。ちなみにベスト20は以下のとおり。

1.チュメニ州
2.クラスノダル地方
3.レニングラード州
4.ネネツ自治管区
5.ヴォログダ州
6.ハンティ・マンシ自治管区
7.サハリン州
8.タタルスタン共和国
9.コミ共和国
10.サハ共和国
11.アムール州
12.クラスノヤルスク地方
13.ヤマロ・ネネツ自治管区
14.トムスク州
15.ユダヤ自治州
16.ケメロヴォ州
17.ベルゴロド州
18.カルーガ州
19.マガダン州
20.モスクワ州

 全体的に、辺境の鉱物資源産地が優位である印象を受ける。住民一人当たりの固定資本投資、建設作業、住宅建設、企業の利益率といった指標から、投資魅力の総合指数が弾き出されているようで、人口希薄な資源採掘地域が高い数字になりやすいものと推察される。外資企業が消費関連のビジネスをしたり、工場を建てたりする上では、ほとんど参考になりそうもない。

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 こちらのニュースによると、ロシア農業省は今穀物年度の穀物収穫高の見通しを下方修正する方向であるという。従来の見通しでは収穫高は8,000万~8,500万tとされていたが、それが干ばつの影響で7,500万tまで引き下げられる可能性がある。その場合、在庫を考慮した資源量は9,330万t、国内消費は7,030万t、2013年7月1日時点での在庫を1,100万tとすると、輸出能力は1,200万tとなる(従来の見通しでは1,600万tだった)。

 現在ロシアでは20の地域(連邦構成主体)で干ばつが発生しており、うち10地域では非常事態が宣言されている。播種面積の12%に相当する530万haが被害を受け、暫定的な被害額は300億ルーブルに上っている。

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