日本のJリーグが今季の佳境を迎えている。まあ、私の支持する清水エスパルスというチームは、優勝争いとは無縁で、どうやら降格の危機もなさそうであり、真ん中くらいの微妙なところを彷徨っている。なので、個人的な盛り上がりは、そこそこといったところだけど。
そんななか、こちらのサイトで、ちょっと面白い記事を見付けた。「ロシアでJリーグの人気が上昇中!? 記者が語る“エキゾチック”な魅力。」「Jリーグは、ピッチにいる全員が最後まで諦めない。それが大きな魅力だと思います」(アントン・チギョリョフ 、ロシア人記者)というのである。
私も、日ロ両国のサッカーを眺めている人間の一人として、この記事の指摘には合点が行く。というか、逆に言うと、ロシア人がすぐに諦めすぎだと思う。プレーヤーも然り、サポーターも然り。さらに言えば、テレビで実況中継をしている人も、ちょっと戦況が悪くなっただけで、「駄目だ、こりゃ」みたいなことを、放送中に平気で言う。
つい最近も、象徴的なゲームがあった。UEFAチャンピオンズリーグのグループリーグ第2節、スパルタク・モスクワVSセルティック戦。この試合でスパルタクは、ホームで敵に先制を許しながら、2点を挙げて逆転し、優位に試合を運んでいた。ただ、スパルタクの攻撃には危なっかしい面があり、低い位置から前線への長めのフィードを多用し、それが割とグラウンダーでピンポイントなパスなので、相手にカットされてカウンターを浴びることが何度かあった。そして、後半の中頃に、そうした形で敵に奪われて決定的なスルーパスを通され、抜け出した相手をスパルタクのDFが倒して一発退場、一人少なくなったモスクワは一気に劣勢に立たされ、2失点を浴びて再逆転負けを喫したという、そんな試合だった。
で、私が驚いたのは、セルティックに逆転弾を浴びた時点で(もうアディショナルタイムに入っていたが)、席を立って家路に就くサポーターが少なからず見られたことである。一人少ないとはいえ、スコアは2:3で、得点差はわずか1点。日本では、そこで諦めるサポーターは絶対にいないし、テレビの実況でもアナや解説が「サッカーは10秒あれば1点とれます」みたいなことを唱えることになっている。むろん内心は絶望的だと感じていても、なるべくそれを態度や言葉に出さないようにするものであり、それが美徳だと信じられている。まあ、以前も書いたことがあるけど、だからこそ日本人は「撤退」が下手で、玉砕まで行っちゃうのかもしれないけど。
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