
こちらの記事が、統計局の発表に基づいて、2025年のロシア企業部門全体の財務結果について報じているので、以下ざっと内容を紹介する。
ロシア企業は昨年、総合財務結果(利益から損失を差し引いたもの)を3.9%減少させ、2024年の28.2兆ルーブルから27.1兆ルーブルとなった(上掲グラフ参照)。ロシア統計局が3月11日に発表した。なお、この指標は名目価格ベースで算出されており、小規模企業、信用機関、国および地方自治体の機関、ならびに非銀行系金融機関は対象に含まれていない。
2025年の結果として、4万6,400社(全体の72.9%)が利益を計上し、合計35.9兆ルーブルの利益を上げた。この数字は前年と比べて1.3%減少した。一方、1万7,200社(27.1%)は損失を計上し、その総額は8.9兆ルーブルで、2024年比で7.5%増加した。
産業別に見ると、最も良好な財務結果を示したのは情報技術分野であり、総合財務結果は6.2倍に増加した。次いで航空・宇宙輸送(6.1倍)、その他鉱物の採掘(3.6倍)、教育(3.3倍)であった。また、電力の生産・供給、建設(いずれも2.7倍)、漁業(2.2倍)、コンピューター・電子・光学機器の製造(2.1倍)でも増加が記録された。これに対して、自動車製造企業の財務結果は大きく悪化し、総合財務結果は79.7%減少した。さらに、貨物輸送(77.4%減)、コークス製造(66.6%減)、石油・天然ガス採掘(63.9%減)、紙および紙製品製造(61.5%減)でも大幅な悪化が見られた。2025年の結果では、赤字企業の割合が黒字企業を上回った分野として、石炭採掘(66.1%)、蒸気および温水の生産・供給(63.8%)、その他の陸上輸送(58%)、水供給および廃棄物収集(51%)、石油・ガス採掘(50.9%)が挙げられる。
同時に、企業は2025年、投資活動も縮小させた。統計局の推計によると、2025年の固定資本投資は2.3%減少した。これに先立つ4年間は増加が続いており、2024年は8.4%増、2023年は9.8%増、2022年は6.7%増、2021年は8.6%増であった。統計局によれば、2025年第4四半期の投資は2024年同期比で5.3%減少した。このような動きは、ロシア中央銀行が政策金利の引き下げサイクルを開始したにもかかわらず生じた。
格付会社AKRAの企業格付グループ上級ディレクター、V.タヌルコフによれば、企業が借り入れた資金の金利が高かったことにより、利払いが大幅に増加した。また、ルーブル高が輸出志向型産業に追加的なマイナスの影響を与えた。同時に、投資活動の低下は、投資需要に依存する企業の財務結果にも悪影響を及ぼした。2025年後半には、ロシア中央銀行が金融政策の緩和に転じており、一定のタイムラグを伴いつつも、将来的には企業の財務結果にプラスの影響を与える。改善のペースは、金利引き下げの速度、ルーブル相場の下落、そして対外経済環境の改善の度合いに左右されると、タルヌコフは指摘する。
格付会社「エクスペルトRA」の企業格付担当ジュニアディレクター、O.エメリチェンコフによると、商品部門の中で2025年に最も大きな打撃を受けたのは石炭産業であった。これは主として、欧州市場の喪失を背景とした輸出価格の大幅な下落、アジア市場の需要環境の弱さ、制裁によるディスカウント、さらに物流費の増加によるもの。ルーブル高は利益率をさらに圧縮し、エネルギー用石炭の輸出はすべての方向で採算割れとなった。東部鉄道管区の輸送能力の制約や、ロシア鉄道の運賃引き上げ(6~10%)により、これらの損失を補うことはできなかった。また、高い政策金利が債務負担を増大させ、石炭産業を最も脆弱な産業の一つにしてしまった。2026年も石炭企業の財務結果は引き続き圧力にさらされる見通し。イランをめぐる地政学的危機は、ロシアの石炭産業にとっての厳しい状況をある程度緩和する可能性はあるが、根本的に変えるものではない。同時に、中国での生産拡大、東部鉄道管区の物流制約、制裁による価格ディスカウントといった構造的問題は依然として残ると、エメリチェンコフは見ている。
アルファ銀行のチーフエコノミスト、N.オルロヴァによれば、まず第一に打撃を受けたのは輸出志向型産業であり、これはルーブル高によって名目ベースでの財務結果が低くなるためであり、利益にも影響が及んだという。輸出企業の不振は、輸送サービスにも間接的な影響を与えた。陸上輸送や郵便通信分野の状況悪化は、全体的な輸送量の減少によるもの。2025年のロシア企業の財務結果は、年間GDP成長率が1%まで鈍化したという全体的な状況を考えれば、決して悪くないと評価できる。これは、国家による需要支援、特に製造業や機械工業部門への支援があったためだと、オルロヴァは説明する。
投資会社「リージョン」分析部門長のV.ワイスベルグによると、ルーブル相場に加え、2025年には高い金利と賃金の急速な上昇も影響を及ぼした。特に軍需産業や内需志向型産業で賃金上昇が顕著だった。特に大きな影響を受けたのは、金利が急上昇した時点で投資プロジェクトの途中段階にあり、高コストにもかかわらずそれを完成させる決断をした企業であった。ただし、大型投資プロジェクトの完了は、こうした企業にとって今年は利益を拡大する機会をもたらす可能性がある。2026年はロシア企業にとって財務状況はやや緩和される可能性がある。賃金上昇のペースが鈍化し、またエネルギー資源や非鉄金属の国際価格の上昇により輸出企業が恩恵を受けるためである。さらに、ガス価格の上昇を背景として、石炭産業の状況もより好転する可能性があると、ワイスベルグは述べた。
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