ユーラシアリサーチ 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心に旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

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 ベラルーシとロシアは、カリ肥料の世界的な生産・輸出国という共通点がある。一時は両者による価格カルテルが成立したのだが、利害の対立から喧嘩別れして現在に至っている。そうした中、先日、ロシア側のカリ肥料産業の大立者であるD.マゼピン氏(実はベラルーシ出身)が、ベラルーシの独裁者A.ルカシェンコ氏と対面する機会があった。この動きに関し、こちらの記事が詳しく分析しているので(I.レンケヴィチ氏署名)、以下主な内容をまとめておく。

 2005年、ロシアのウラルカリとベラルーシのベラルーシカリは提携を結んだ。両カリ肥料大手の製品を共同輸出するためのトレーダーとして、ベラルーシ・カリ会社(BKK)が設立された。BKKの株式は、ベラルーシカリが45%、ベラルーシ鉄道が5%、ウラルカリが50%を保有していた。

 しかし、2012年までには両国間で意見の対立が生じていた。ベラルーシ側は、共同トレーダーを通じたロシア側の輸出比率が増加し、その分ベラルーシカリが不利益を被っていることを快く思っていなかった。実際、2011年にはBKKの輸出に占めるウラルカリの比率は40%だったが、2012年には52%に達していた。この時点で、BKKは世界のカリ市場の43%を占めていた。事実上、カリ肥料市場のほぼ半分を支配するカルテルが形成されていたのである。

 両国の対立は深まった。2012年末、ルカシェンコはBKKによるベラルーシカリ製品の独占販売権を剥奪し、同社はBKKを介さずに自社製品を輸出するようになった。これに対し、2013年7月、ウラルカリはBKK経由での輸出を停止し、自社のスイス系トレーダーであるUralkali Tradingを唯一の輸出ルートとすることを決定した。ウラルカリのバウムゲルトネル社長は8月、ベラルーシのM.ミャスニコヴィチ首相との交渉のためミンスクを訪れるが、そこで逮捕された。彼は私的利益のための職権乱用およびベラルーシの国家・社会的利益への重大な損害を与えたとして告発された。9月には、BKK幹部らに対する刑事事件の被告として、ロシアのオリガルヒでありウラルカリ株の最大保有者(21.75%)であったS.ケリモフも訴追対象となった。彼は国際刑事警察機構(インターポール)を通じても指名手配された。スキャンダルは11月まで続き、最終的にバウムゲルトネルはロシアへ引き渡された。モスクワからの圧力の下で、ルカシェンコは譲歩を余儀なくされたが、ベラルーシ側が求めていた「損害」の補償を勝ち取ることはできなかった。

 2013年12月、カリ肥料戦争を終結させるため、ケリモフが保有していたウラルカリ株は、M.プロホロフのオネクシムと、ベラルーシ出身のロシア実業家D.マゼピンのウラルヒムによって買い取られた。一説には、プロホロフがマゼピンをこの取引に誘ったのは、彼ならルカシェンコと意思疎通を図り、ベラルーシカリとの提携を復活させられると期待したからだという。そして2014年、新たなウラルカリ株主となったマゼピンはルカシェンコと交渉を行った。マゼピンは1990年代末からルカシェンコと面識があったとされ、ベラルーシカリとのカルテルを迅速に復活させ、カリ価格の暴落を食い止められると期待された。交渉の場で双方は、カリ肥料をめぐる対立がどちらにも利益をもたらさなかったことでは一致したものの、協力関係を復活させることはできなかった。2017年にはベラルーシカリのI.ゴロヴァティ社長が、新たな提携の必要性は見いだせないと述べている。彼によれば、ベラルーシ企業は単独でも十分にうまくやっているということであった。

 その後、マゼピン自身も、ルカシェンコの怒りを買う一因となった。2020年8月、ベラルーシ政治危機の真っただ中で、マゼピンは「国民を代表して当局と対等に対話できる国家救済委員会を設立する」よう呼びかけた。マゼピンは「ロシアおよびベラルーシのビジネス界を代表して」、ルカシェンコに対し、「社会における抗議的緊張という明白な事実を認め、時間を失うことなく平和的かつ詳細な交渉のテーブルにつくこと」を求めた。その交渉は「政治的不安定からの脱却という結果に結実しなければならない」とされた。マゼピンの提案は、2020年の選挙で候補となれなかったV.ツェプカロによって即座に支持された。一部の観測筋は、ツェプカロが多くのロシア企業とつながりを持ち、彼の政治キャンペーンへの資金支援はマゼピンのウラルカリを通じて行われていたと指摘した。1980年代末から1990年代初頭にかけて、マゼピンとツェプカロは同じ時期にモスクワ国際関係大学で学んでいた。

 マゼピンは、EUによる制裁発動後にウラルヒムの持ち株比率を引き下げ、ウラルカリの支配株主ではなくなり、同社の経営からも退いている。では、ルカシェンコが今なおマゼピンに関心を示しているのはなぜなのだろうか。その答えは、マゼピン本人の発言に見て取れる。「私は依然としてウラルカリの株主。会社の経営には携わっていないが、それでもウラルカリとベラルーシカリの利益、そして市場で起きていることは重要な問題だ」。ルカシェンコとの会談後、マゼピンはこう述べた。彼によれば、会談ではカリ肥料分野における協力についても話し合われたという。

 どうやら、マゼピンがルカシェンコの信頼を回復する機会を得られた背景には、独裁者の息子V.ルカシェンコと、ベラルーシ首相A.トゥルチンの後押しがあったようだ。2024年からロシア水泳・水上競技連盟会長を務めるマゼピンは、昨年、ベラルーシ国家オリンピック委員会会長のヴィクトルと会談した。そしてヴィクトルは、ロシアとベラルーシの選手たちを国際舞台へ復帰させるために共同で取り組もうと提案した。実際、国際競技連盟は水上競技におけるロシアおよびベラルーシの選手の大会参加を認めた。したがって、マゼピンのロビー活動能力こそが、今度は彼自身をルカシェンコに売り込む根拠となったのかもしれない。

 今回ルカシェンコは、ベラルーシの出自を持つマゼピンに対し、「祖国」のために働くことで過去の「罪」を償うよう提案したという。マゼピンがベラルーシを助ける方法は、ウラルカリが多少譲歩し、ベラルーシカリ製品により有利な輸出条件を提供することかもしれない。ベラルーシ産カリ肥料の輸出に利用されているロシアの港湾能力には限界がある。ロシアの荷主およびロシアの物流事業者は、依然として自国のインフラにおける船積み枠や物流枠の配分で優先権を維持している。実際には、鉄道による貨物搬入が安定していても、ベラルーシ側はロシアの港湾段階で定期的に遅延に直面していると、ベラルーシ側は問題視している。つまり、自国産とベラルーシ産のカリ肥料のどちらを積み出すかとなれば、ロシア側は自国メーカーを優先するのである。バラ積みターミナルへのアクセスもウラルカリが握っており、ベラルーシカリは採算の劣るコンテナ輸送を余儀なくされている。マゼピンが必要とされたのは、こうした問題の解決を後押しするためなのかもしれない。

 あるいは、もっと野心的な計画が存在する可能性もある。最近、米国はベラルーシカリおよびBKKに対する制裁を解除した。ならば今こそ、ベラルーシカリとウラルカリによるカルテルを復活させ、米国市場で大きなシェアを獲得し、共同で価格を維持する時ではないのだろうか。ウラルヒムは米国市場でかなり順調に事業を展開しているようだ。しかし、ベラルーシのパートナーと共にさらに大きな成果を狙わない理由があるだろうか。マゼピンは、ルカシェンコと組み、米国市場で大きな利益を得ることを期待してゲームに参加する用意があるのだ。米国にも独自の利害がある。ベラルーシ産カリ肥料の輸入は、現在米国の総輸入量の少なくとも60~70%を占めるカナダ産肥料への依存を減らすことを可能にする。また、カナダに価格引き下げを迫ることもできるはず、という指摘がある。そして、マゼピンとの関係が指摘されるツェプカロは、自分が週に一度、米大統領特使ジョン・コールと電話で話し、助言まで与えていると自慢していた。しかも報道によれば、コールはベラルーシ産カリ肥料のバルト海港経由輸出を妨げている欧州制裁の解除を働きかける中心人物の一人である。リトアニアおよびポーランドの当局に対し、ベラルーシ産カリ肥料の通過を認めるよう非公式に要請したのも彼だった。

 ロシア側にとっても、ベラルーシが米国市場へ参入することは重要である。現在ベラルーシは中国やインドの買い手とかなり安い価格で契約を結んでおり、それが市場全体に悪影響を与えている。もしミンスクに米国市場という代替先が生まれれば、中国やインド向けに極端な値引きをしなくなる可能性がある。そうなればロシア企業はアジア市場でより高い価格水準を実現する機会を得られるだろう、という指摘がある。

 ルカシェンコにとって、米国市場へのアクセスと、マゼピンとのカルテルは大きな追い風となるはずだ。そのためなら、多くのことを許す価値がある。2020年のマゼピンの政治的振る舞いさえも。今回、ルカシェンコはマゼピンに、マゼピンの母親がまだミンスクに住んでいることに言及し、人質的なニュアンスをほのめかした。それは、2013年のような事態が再び起きず、カルテル参加者間で達した合意が少なくともロシア側によって破られないことを保証する、なかなか有力な担保でもあるのだ。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 本シリーズでストーンズを取り上げるのは、久しぶりかな。Paint It, Black - The Rolling Stonesが1位に輝いた。ロックにインド楽器のシタールを取り入れたのはビートルズの「ノルウェーの森」が嚆矢だったが、ストーンズの「黒くぬれ!」はより大胆にシタールをフィーチャーしたダークなサウンドが鮮烈で、サイケデリックロックの先鞭をつけた。

その頃ソ連では
1966年6月8日:モスクワにおいて、エロール卿を団長とするロンドン商工会議所代表団が、ソ連対外貿易相N.パトリチェフと会談。

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 このほど発行された『経済』(No.370、2026年7月号、33-38頁)に、「不透明感を拭えないロシア経済 ―イラン危機の延命効果は限定的か」と題する論考を寄稿しました。


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 ロシアには重要な国営企業が色々とあり、当然のことながら、それが株式会社であれば、配当が国の出資比率に応じて国庫に納入される。こちらの記事が、会計検査院の報告に基づいて、2025年に国への配当支払いが大きかった国営企業はどこかということを伝えているので、それを拝見することにする。

 これによると、2025年に国庫に納入された国営企業の配当は6,138億ルーブルで、前年比60%拡大した。計画額も31%上回った。これは一連の企業が予定外の配当を行った結果だという(歳入不足に苦しむ政府が強引に吐き出させた?)。

 国への配当支払いが大きかった企業は、冒頭図のとおりである。全部で105社が国への配当支払いを行ったが、上位12社の合計で5,107億ルーブルと、一部の企業に集中している。特に大きかったのは、ロシア政府が石油・ガス大手の株式を保有するための持株会社「ロスネフチェガス」の1,931億ルーブル、大手国営銀行「VTB」の1,365億ルーブル、石油パイプライン会社「トランスネフチ」の1,129億ルーブルなどであった。

 なお、ロシア最大のパスタ・製粉メーカーで、2024年に国有化された「マクファ」が、初めて上位に顔を出した。最近のロシアでは、空港、港湾、穀物会社、鉱山会社などでも同様の「国有化」が進み、そこからの配当が国庫に流入するという流れがあって、マクファはその代表例と言えそうだ。


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 こちらの記事によると、フランスのTotalEnergies社が、ロシア北極圏の液化天然ガスプロジェクトであるアークティックLNG2の持ち株を売却したということである。

 記事によると、このほどプーチン大統領が、トタルがアークティックLNG2の持ち株10%を売却することに許可を与えた。売却先はノルドライン社だが、同社はノヴァテックの子会社である。ノヴァテックは元々、アークティックLNG2の60%を握っていたので、今回の取引の結果、持ち株比率が70%になる。ただし、くだんの10%を他社に転売する可能性もある。今回の売却の詳細は明らかになっていないが、一般に外国企業がロシア資産を売却する際のディスカウント率は60%であり、また35%の「撤退税」も支払うことになる。

 今回トタルがアークティックLNG2の持ち株売却を決めたのは、同工場が米制裁のSDNリストに掲載されていることを考慮したものとされる。ただし、トタルは依然として、ノヴァテックそのものの株を19.4%保有しており、ヤマルLNGにも20%出資しており、今回の売却をもってロシアLNG事業から完全撤退するわけではない。


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 こちらの記事によると、ロシアのコンサルティング会社Regroupが、同国のCEOおよびCEO-1(事業部門や機能部門の責任者)へのオンラインアンケートと詳細インタビューを実施したということであり、同記事がその結果概要を伝えている。

 今回の調査結果によると、2030年になってもロシア経済における人材危機は解消されず、企業成長の障害となる可能性があると、ロシア企業のCEOたちは考えている。不確実性の高まりと競争激化の中で、経営者たちは、変化する状況への適応力、リスクを引き受ける能力、そして事業拡大を計画する能力が極めて重要になるとみている。

 回答者の82%が、企業が2030年に向けて成長していく上で、人材不足の問題を課題として挙げた。次いで、デジタル化(65%)、販売市場における競争激化(57%)、全般的な不確実性(51%)、そして制裁(32%)などの課題が挙がった。

 人材不足が一貫して最大の問題とみなされていることは、この問題が通常の人事施策だけでは解決できないことを意味している。調査では、この問題には「経営トップのレベルでの体系的なビジネス対応」が必要であると指摘されている。

 Regroupによれば、「制裁のカーテンの希薄化」とアジア企業による代替製品・サービスのロシア市場への流入によって、質的に新しい競争環境が形成されつつある。しかし、大多数の企業はこうした環境変化への体系的な準備を行ってこなかった。また、地政学や制裁の影響力は低下しつつあり、これは企業が外部からの制約の下で事業を行うことを学習したことを示している。

 全体として、調査結果から明らかになった2030年に向けたCEOの目標トップ3は、ロシア企業が適応の段階を終え、事業拡大(エクスパンション)の段階へ移行しようとしていることを示している。利益と売上高の拡大という目標が、初めて最重要課題となった(68%。2023年比で9ポイント上昇)。

 CEOが掲げる目標のうち、第2位はイノベーションとデジタル変革(回答者の64%)、第3位は強固なチームの構築(61%)であった。これらの課題は、もはや「火急の問題」ではなく、企業の業務運営の論理に組み込まれた、定着した戦略的優先事項へと変化しつつあると指摘されている。

 CEOに求められる能力についても、その重点は変化している。柔軟性と適応力が最重要項目となり(回答者の80%、2026年時点の見通しから8ポイント上昇)、第1位に浮上した。これは、不確実性がロシア企業のCEOにとって恒常的な経営環境となったためである。

 コンサルティング会社Birgeのマネージング・パートナーであるゲンナジー・ヴァーニン氏は、2030年のCEOにとって最大の課題は、技術・ビジネスモデル・人材の適応スピードを管理するとともに、国家との関係を適切にマネジメントすることになると考えている。「未来の成功するCEOとは、慎重に計算されたリスクを引き受け、自らの意思決定に責任を負う勇気ある人物である。また、年齢、準備状況、忠誠度の異なる人々を迅速にまとめ上げ、緊急課題の解決に向けたチームを構築できる人物でもある」と同氏は述べている。CEOに求められる能力のうち、第2位は計画立案能力(74%)、第3位は有能な人材の獲得・維持能力(66%)であった。Regroupのマネージング・パートナーであるオクサナ・モルシナ氏は、「2030年には、人材の獲得と定着がCEOの重要な能力となるだろう。なぜなら人材危機は解消されるのではなく、管理すべき恒常的な変数として受け入れられているからだ」と述べている。


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 本日開幕する第29回サンクトペテルブルク国際経済フォーラムに関し、こちらの記事がその概要を伝えているので、以下ざっとまとめておく。

 サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)は6月3日から6日まで開催される。フォーラムの主催者はロスコングレス財団。総合情報パートナーはタス通信である。

 メインテーマは「実利的な対話―安定した未来への道」である。フォーラムのプログラムは、世界経済の変容という状況下での新たなグローバル発展モデルの形成に充てられている。プログラムには、中小企業フォーラム、クリエイティブ産業フォーラム、国際青年フォーラム「未来の日」、フォーラム「医薬品安全保障」が含まれる。文化プログラムの一環として、「ペテルブルグ・シーズンズ」フェスティバルおよび恒例のSPIEFスポーツ大会も開催される。

 サンクトペテルブルグのA.ベグロフ市長は、「複雑な地政学的状況にもかかわらず、本フォーラムは世界経済の諸問題を議論する主要な場であり続けている。開催期間中、わが市は国際社会の注目の中心となる。各国首脳、政府首班、世界有数の企業のトップ、学者や専門家が多くの国から集まる。市の各機関はSPIEF-2026を前に計画された主要な準備作業を完了した」とコメントしている。

 SPIEF参加者の移動ルート沿いでは緑化が行われ、262本の樹木、6,000本超の低木、1万平方メートルの芝生が植えられた。また、およそ600基の花壇、100基超の垂直型花壇、および3,000基の吊り下げ式花飾りが設置された。道路も適切な状態に整備され、ヴィテプスク大通りからプルコヴォ街道までのペテルブルグ街道や、ヴォズネセンスキー大通りに隣接するピロゴフ横丁などが対象となった。スヴォロフ広場およびトロイツカヤ広場では路面電車軌道の修繕が行われた。また、M11「ネヴァ」高速道路681キロ地点において、プルコヴォ空港へのアクセス道路を備えたジャンクションが予定より1年早く開通した。

 市政府広報部によると、SPIEF参加者および来賓向けに文化・スポーツプログラムが用意されている。一部のイベントは市民も参加可能である。6月4日には恒例の歴史地区マラソン大会が開催される。今年のスローガンは「闘い、そして勝利せよ」である。6月3日から6日まで、「要塞の島々」公園で「クロンシュタットの帆」フェスティバルが開催される。6月5日には、「ペテルブルグ・シーズンズ」プロジェクトの一環として、宮殿広場でロシアの人気ポップ歌手らが出演するコンサートが開かれる。

 ロスコングレス財団広報部によると、フォーラムでは20を超えるロシアの地域と、連邦機関、開発機関、青年団体が主要プロジェクトを紹介する。たとえば、カスピ海沿岸における最大級の開発プロジェクトの一つであるリゾート都市Sea Breezeが、今回初めてSPIEFで紹介される。各展示は、ロシアの発展における主要分野(工業、科学、技術、物流、観光、クリエイティブ経済、若者起業)を反映したものとなる。

 なお、上掲記事にはないが、こちらの情報によると、6月5日にフォーラムの全体会合が開催され、そこでV.プーチン大統領が基調報告を行う。全体会合が金曜日に開催されるのはこのフォームの伝統である。プーチン氏の他に、ウズベキスタン、タンザニアの国家元首、中国の国家副主席、サウジアラビアのエネルギー相が演説を行い、その後に討論も行われる。


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 サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムが近付いてきたので、関連してロシア政財界の要人がインタビューに応じる場面などが増えている。こちらの記事で、ロシアの航空機産業を束ねる「合同航空機コーポレーション(UAC)」のV.バデハ総裁が、同社による軍用機の生産についてコメントしている。

 バデハ総裁いわく、UACは2022年以降、軍用装備の納入および修理に関する任務を数倍にも増加した。品目によっては、新規航空機の生産量が4~5倍に拡大した。この成長ペースは、UACの歴史上、これまで考えられたあらゆる水準を上回るものであった。我々はこの課題をやり遂げた。我々の航空機は実戦で成果を上げ、勝利に貢献している。総裁はこのように述べた(訳注:ロシア国防産業の勝利を幹部が自画自賛するコメントであり、当然慎重に吟味する必要がある)。

 また、こちらの記事に見るとおり、総裁は民間機の開発動向についても発言している。総裁いわく、МС-21およびSJ-100の認証試験は最終段階にある。SJ-100については認証飛行の約20%が残っているだけであり、夏の終わりまでに完了する予定だ。МС-21については、なお70%の飛行試験が残されている。総裁はこのように語った。


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 こちらの情報が、ロシアの鉄鋼輸出動向について伝えている。

 それによると、2025年にはロシアの内需が引き続き冷え込む中で、輸出はロシアの鉄鋼メーカーが生産水準を維持するためのはけ口の役割を果たした。2025年の銑鉄(上掲グラフで緑)の輸出は330万tで前年比6%増、半製品(オレンジ)の輸出は1,460万tで20%増、完成鋼材(青)の輸出は990万tで30%増だった。鉄鋼(半製品+完成鋼材)の合計輸出量は、過去最高だった2021年に次ぐものである。欧州への輸出に制約がある中で、最大の輸出相手国となっているのがトルコであり、第72類鉄鋼の対トルコ輸出は33億ドルと、前年比42%拡大した。


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 こちらの記事は去年の暮れに出たものなのだが、最近見付けて重要と思ったので、取り上げておく。記事の内容はオリジナルというわけではなく、こちらのレポートを要約したものである。

 レポートと、それを紹介した上掲記事は、ロシアの輸出が2025年から2040年にかけての15年間で、どんな分野で伸びると予想されるかを示している。具体的には、以下のとおりである。なお、輸出の伸びが、相変わらず「重量」で示されている点が、いかにも資源・素材立国という気がする。

 成長のポテンシャルが高い分野:化学(+95.8%、以下同様なので上掲の図参照)、穀物、非鉄金属・同製品、機械設備・輸送手段、天然ガス、肥料。

 成長のポテンシャルがそこそこの分野:鉄鋼・同製品、鉱石・建材、木材・紙パ、食品。

 成長のポテンシャルが限定される分野:石油・同製品、石炭。


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 こちらのレポートが、ロシア市場に新規参入する外国ブランドが急減していることを伝えているので、以下抄訳しておく。

 コンサルティング会社CORE.XPが発表したレポートによると、年初からこれまでのところ、ロシア市場に新たに参入した外国ブランドは一つもないということである。

 ロシア市場への外国ブランド新規参入数は、2019年:29、2020年:23、2021年:16、2022年:16、2023年:24、2024年:24、2025年:12と推移してきた。今年のように、5月時点でいまだにゼロというのは、前例のないことである。

 2025年1~5月には、スペインのジュエリーブランドPdpaola、ベラルーシのアパレルブランドMua、イタリアのKappaなど、少なくとも9社の海外ブランドがロシア国内で実店舗を開設した。

 ロシアで事業を継続しているものの新規出店を行っていないブランドとしては、イタリアの家電メーカーDe’Longhi、Pdpaola、Mua、靴小売業者のDoucal’s、Beau Today、Emiliano Zapato、さらにトルコ系コーヒーチェーンColombia Coffeeなどが挙げられる。一方、2025~2026年にかけて店舗網の拡大を続けたのは、イタリアのスポーツブランドKappa、トルコの家電メーカーBeko、中国の家具ブランドJinkailaiのみであったという。

 専門家は、「現在、外国企業はロシア市場への投資に慎重になっている」と述べる。CORE.XPは、その背景としてマクロ経済環境の悪化と消費需要の冷え込みを挙げている。実際、ロシア統計局によれば、2026年第1四半期の消費者信頼感指数は前期比1ポイント低下し、マイナス12%となった。

 また、Focus Technologiesの調査・コンサルティング部門責任者M.ヴァシリエフ氏は、ショッピングモールへの来客数減少も指摘する。同氏の試算では、2026年1~4月のショッピングセンター来訪者数は前年同期比で約2%減少した。2025年通年でも前年比約3%の減少となっている。市場は依然としてコロナ前の水準を回復しておらず、2025年のロシア全体のショッピングモール来客数は、2019年と比較して25~26%も少ない水準にとどまっていた。

 国際ブランドの活動低下のもう一つの要因として、中東情勢が挙げられる。商業不動産・小売業専門家協会の専門家N.ケルメドチエヴァ氏によれば、ドバイが長らく海外からロシア向け商品の物流拠点として中心的な役割を果たしてきた。両国間の貿易額は過去5年間で3倍に増加し、100億ドルに迫った。しかし、イラン、米国、イスラエル間の対立激化により、従来の航空輸送ルートが混乱した。その結果、輸送コストの上昇、商品の到着遅延、そして価格上昇圧力が生じている。例えば、個人顧客向け配送サービスの料金は、軍事的緊張が高まって以降、30~50%上昇したという。

 もっとも、例外もある。それが美容分野であると同氏は指摘する。特に韓国系化粧品ブランドは、卸売供給や現地法人を通じて引き続きロシア市場へ参入している。化粧品分野は季節変動の影響をほとんど受けないためである。同氏は、年末までに少なくとも10の新たな美容ブランドがロシア市場に登場すると予想している。

 一方、Focus TechnologiesのM.ヴァシリエフ氏は、この数年でロシア市場の構造そのものが大きく変化したと指摘する。同氏によれば、西側企業の撤退によって空いた市場の多くは、すでにロシア企業や新興の国内プロジェクト、あるいは友好国企業によって埋められている。また、ショッピングモールの集客力は、もはや世界的ブランドの有無よりも、テナント構成の巧拙によって左右されるようになっているという。具体的には、レストラン、娯楽施設、各種サービスが充実しているか、来訪者が快適に時間を過ごせる空間になっているかが重要になっている。ただし同氏は、高級モールや広域集客型の大型モールにとっては、依然として著名な海外ブランドの存在が、施設のブランドイメージ向上や顧客誘引の重要な要素であることも認めている。

 他方で、商業不動産会社Nikoliersの商業不動産部門ディレクター、Yu.クズネツォヴァ氏によれば、2026年には少なくとも7つの国際ブランドがロシア市場から撤退した。その中には、トルコのLes BenjaminsやKaraca Home、カザフスタンのGaissinaなどが含まれる。さらに、残留している外国ブランドも、高い税負担や高金利環境の下で慎重な戦略を取っている。すなわち、新規出店ではなく、マーケットプレイス、現地販売代理店、あるいは長期的な投資を必要としないニッチ市場向けの販売形態を通じて事業を展開しているという。

 クズネツォヴァ氏は、2026年中にロシア市場へ参入する新規海外ブランドは最大でも10程度にとどまり、ロシア国内ブランドを含めても、新規ブランド総数は30を超えないだろうと予測している。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、今週13位(画像が潰れていて読みにくいが)のSweet Talkin’ Guy - Chiffonsは、最終的には9位まで上がるヒット曲である。1960年代前半に盛り上がったガールポップものも、この頃にはだいぶ淘汰され、こうしたイノセントな曲はこれ以降ヒットチャートからほぼ姿を消すことになる。Sweet Talkin’ Guyは、乙女ラブソングにモータウン的な強いビートを注入し、それにより最後の輝きを放つことに成功したのだろう。

その頃ソ連では
1966年5月28日:タス通信が中東における帝国主義者の政策に関し声明を発表。

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 個人的にロシアの鉱工業生産統計をずっとフォローしており、グラフを毎月更新している。このほど4月までの鉱工業生産指数が発表されたので、更新したグラフをお目にかける。ただ、大まかな流れは変わらないので、今回は詳しいコメントはしない。上図のとおり、2026年1~4月の鉱工業全体の生産指数は前年同期比0.7%増で、うち工業が0.5%増、製造業が0.3%増だった。

 製造業の主要部門と、軍需関連部門の動向は、以下の2つのグラフのとおり。

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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「苦心してひねり出したスラブ・ユーラシア関係漫画・アニメ」です。よかったらご笑覧ください。


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 先日のブログでもお伝えしたとおり、ロシアの流通ではマーケットプレイスによるネット通販が重要性を増しており、それを牽引する筆頭がWildberriesである。こちらの記事が、そのWildberriesと国営系銀行VTBとの提携の動きについて報じているので、以下要旨をまとめておく。

 WildberriesとRuss の統合会社(RWB)と、ロシアの大手銀行VTB Bankは、戦略的パートナーシップ協定を締結する予定である。その結果として、VTBはWB銀行の株式5%を取得する見込みであると、RWBの広報部門が発表した。将来的には同行における持分を拡大する可能性もあるという。 RWBによれば、WB銀行はこれにより、VTBのインフラへのアクセスを得ることになる。具体的には、個人向け支店網、ATMネットワークに加え、投資商品やその他の金融商品、さらには住宅ローンなどもWB銀行の顧客向けに利用可能となる。また、WB銀行を利用する中小企業に対しては、VTBの法人向け金融商品が提供されるようになるという。さらに、WildberriesとRussは、「RWBグループは、技術、ITソリューション、人工知能、デジタルサービスに関する自社の専門性を、VTB銀行の従来型銀行商品へ導入することで、同行のリテール事業を発展させていく」と説明している。RWB側は、この取引について、「ロシア最大級の金融機関と、電子商取引分野の主要プレーヤーとの間で行われる、ロシア初の本格的な直接協力の開始を意味するものだ」と位置付けている。


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 最近、ロシア税関のウェブサイトが、VPNを介しても接続不能なことが多く、困ったものである。そもそも、現時点で税関が開示している貿易統計は、商品輸出入の大陸別内訳、ごく大掴みな商品部グループ別内訳だけなわけだが、そんなプリミティブなデータにアクセスするのすら、大変な苦労を強いられる。そんなわけで、昨日一瞬だけ、税関ウェブサイトに接続できた時に、2026年第1四半期(1~3月期)の商品輸出入データをダウンロードしたので、それを整理してお目にかける。

 上表に見るとおり、第1四半期のロシアの商品輸出額は972億ドルで前年同期比プラスマイナスゼロ、輸入は669億ドルで前年同期比6.3%増だった。

 下表に見るとおり、商品別では引き続き輸出の主力は鉱物であるが、鉱物輸出は1~3月に前年同期比で12.4%減少している。しかし、1~2月の時点では23.2%減だったので、3月にだいぶ盛り返したことが分かる。ちなみに、鉱物輸出の3月の数字だけをとると221億ドルであり、前年同期比7.1%増となっている。

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 こちらのレポートは、ロシアの機械産業が高度人材の深刻な不足に苦しんでいることを伝えている。以下抄訳しておく。

 国立研究大学高等経済学院大学(HSE)の統計研究・知識経済研究所による「企業のデジタル・トランスフォーメーション・モニタリング」のデータによれば、2025年にはロシア機械工業分野の企業の約66%が、技術系・エンジニア系人材の不足を「軽度」または「深刻」に感じていた。逆に、そうした人材が自社の需要を満たしていると回答した企業は34%にとどまった。なお、ここで言う技術系・エンジニア系人材とは、生産工程の自動化・機械化を担当するエンジニア、新技術・新設備導入担当エンジニア、生産技術エンジニア、機械技師、産業設備オペレーター、数値制御工作機械やプログラム制御マニピュレーターの調整工などを指す。

 こうした「人材飢餓」が最も強く生じているのは、「その他輸送機械・設備」の分野である(ロシア産業分類OKVEDコード30。船舶・ボート・鉄道車両・機関車・航空機・宇宙機器などの製造を含む)。この分野の企業の75%が人材不足を訴えた。また、電気機器製造業でも、技術系人材の需要が十分に満たされていない企業が60%に達している。機械工業の工業生産分野に属する企業の60%でも、エンジニア不足が感じられている。具体的には、生産工程の自動化・機械化担当エンジニア、生産技術者、新技術・新設備導入担当エンジニアなどである。

 また、技術系・エンジニア系人材に加え、調査対象となった機械工業企業の約70%が、情報通信技術(ICT)専門人材についても「軽度」または「深刻」な不足を訴えた。具体的には、情報セキュリティ専門家、人工知能分野の専門家、データエンジニア、ソフトウェア・アプリケーションの開発者やアナリストなどである。ICT人材不足が最も深刻なのは「その他輸送機械・設備」製造分野であり、この業界の企業の75%が人材不足を訴えている。

 Ye.ヴィトチャク教授によれば、機械工業は長年にわたり、IT業界、金融業界、デジタルサービス業界との人材獲得競争に敗れてきた。若いエンジニアたちは、より成長スピードが速く、環境が現代的で、キャリアパスが明確な分野へ流出していった。その結果、多くの企業では、人材不足と同時に高齢化偏重という問題も抱えている。現在、同業界に必要とされているのは、デジタル技能を備え、大量データを理解し、大規模な業務変革プロジェクトに対応できる「ハイブリッド型」の技術者であると、ヴィトチャクは指摘する。

 D.エヴドキモフ研究員によれば、機械工業における人材不足の最大の原因は、業界の技術高度化が急速に進む一方で、人材育成システムの変化が鈍いというギャップにある。大学卒業生を増やすだけでは、この不足を短期間で埋めることはできない。現実的な対応策としては、目的別教育、企業内講座、企業実習、そして現職労働者の迅速な再教育などが必要である。市場で即戦力人材を探すよりも、既存社員を追加教育する方が、低コストかつ迅速である。

 ITMO大学システム制御・ロボット工学部長のA.プィルキンによれば、機械工業分野で最も需要が高い技能は、新世代の数値制御(CNC)工作機械やロボット化技術複合体を扱う能力に加え、デジタルモデリングや、自動化生産プロセス管理システムに関する能力である。また、モスクワ工科大学「陸上輸送機械」学科長A.ケレルによれば、優先度の高い技能として、産業用IoT(モノのインターネット)、コンピュータービジョン、デジタルツインなども挙げられる。同氏は、「時代遅れの専門家」を育成するのではなく、デジタル技術と物理的ツールを組み合わせ、実際に機能するソリューションを構築できる「統合型エンジニア」を養成することに重点が置かれていると指摘した。


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 マーケットプレイスとは、日本における楽天市場やAmazonのように、複数の売り手と買い手が集まり、商品やサービスの売買を行うためのオンライン上の「取引の場(プラットフォーム)」を指す。 こちらの記事で、ロシアにおいてマーケットプレイスに参加する出品業者数が増大しているということが伝えられているので、以下抄訳しておく。

 2026年3月時点で、ロシアではインターネット通販を専門とする法人および個人事業主が46万9,485件登録されていた。「Контур.Фокус」とマーケットプレイス大手Wildberriesによる共同調査で明らかになった。両社によれば、その数は過去2年間(2024年3月以降)で14.3%増加した。この間に新たに設立された法人・個人事業主は31万4,212件に上る一方、25万4,863件が廃業・清算された。調査では、ロシア産業分類47.91「郵便またはインターネット情報通信ネットワークを通じた小売業」に該当する事業者が対象とされた。

 オンライン商取引の事業者数が最も多いのはモスクワ市とモスクワ州で、それぞれ7万7,810件、5万1,999件に達した。過去2年間での増加率は、モスクワ市が11.2%、モスクワ州が8.3%であった。一方、新規開業数の伸び率が最も高かったのはダゲスタン共和国で、66%増の1万3,057件となった。次いでニジェゴロド州が19%増の8,436件、ロストフ州が16%増の1万1,624件で続いた。既に高い基準値を持つ地域においてもこうした増加が続いていることは、住民の間でこの種のビジネスへの関心が定着したことを示していると指摘される。

 「Контур.Фокус」プロジェクト責任者のA.ロモフスキーは、オンライン商取引の成長は複数の安定したトレンドによるものだと述べている。彼によれば、多くの地域で新規登録数が廃業数を安定的に上回っており、この分野は依然として新規参入者にとって魅力的である。起業家は比較的小規模な投資でマーケットプレイスに参入でき、自前のネットショップを構築しなくても広範な顧客層にアクセス可能であるという。また、法人形態の事業者比率が高まっていることは、市場の安定性向上と、より大規模なプレーヤーの出現を示している。そして、この分野の発展を支えている最大の要因は、やはり旺盛な需要の存在であるという。

 電子商取引市場参加者協会のYe.チェルニツカヤ会長は、市場拡大は単に起業家数の増加だけでなく、そのビジネス構造の変化とも結び付いていると指摘している。彼女によれば、近年では、起業経験を持つ事業者が電子商取引分野へ参入するケースが増えており、ゼロから新規事業を立ち上げるのではなく、既存の販売チャネルを拡張する形で参入しているという。その一部は、ショッピングモール内の小売店舗を含むオフライン販売チャネルを全面的あるいは部分的に置き換えている。また、従来は卸売中心で活動していたメーカーもマーケットプレイスに進出し、プラットフォームを通じて自ら小売販売を展開し始めているという。一方で、廃業件数の増加も、市場構造の変化と関係している可能性があるという。「電子商取引の進化は、中小企業に対して、より高度な専門性と持続可能な経済モデルを要求している」ということであり、年末までに閉業件数がさらに増加する可能性も否定できない。

 「Т-бизнес」のE.ドロブィシェヴァは、マーケットプレイスが起業家に対する参入障壁を下げていると指摘する。彼女によれば、プラットフォーム側が既に集客基盤とインフラを提供しているため、競争力ある商品とプラットフォーム運営のノウハウさえあれば、比較的短期間で市場参入し、売上を確保できる。一方、従来型のネット通販では、事業者自身が顧客を呼び込み、宣伝に投資し、運営体制を一から構築しなければならない。また、どの販売形態を選ぶかはビジネスの性格に大きく左右される。マーケットプレイスは主として物理的商品の販売に適しているが、広義の電子商取引にはサービスやデジタル商品も含まれ、それらは必ずしもプラットフォーム上で提供されるわけではない。さらに、ビジネスモデル上の採算性も重要な要因となっている。一定数の事業者は、手数料負担を理由にマーケットプレイスを敬遠しているが、そのような事業者は少数派である。というのも、マーケットプレイスへの参入は初期投資が比較的小さく、市場へのアクセスも迅速だからである。

 業務管理サービス「Мойсклад」の担当者も、業者数の増加はオンライン商取引の自然な発展を反映していると述べている。マーケットプレイスは、小規模事業者や新規起業家にとっての「入口」となっており、自前のネットショップを立ち上げる場合に比べ、必要な投資や専門知識が少なくて済む。また、一部の企業はオフライン事業からオンライン販売を試験的に導入するためにプラットフォームを活用している一方、自社サイトがマーケットプレイスとの競争に耐えられないケースもあるという。どの販売形態を選択するかは事業上の目的によって異なる。マーケットプレイスは、迅速な事業立ち上げ、広範な顧客層へのアクセス、運営負担の軽減といった点で有利である。一方、自社ネットショップは、顧客基盤の管理、利益率の確保、ブランド育成を重視する企業にとって依然として重要である。また、プラットフォーム側の手数料や物流要件は、商品カテゴリーによっては採算性に影響を及ぼし得るという。そのため、実際には、マーケットプレイスと自社販売チャネルを併用し、リスク分散と収益管理を図る「ハイブリッド型」モデルが、ますます一般化している。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、米南部の黒人シンガー、パーシー・スレッジの渾身バラード、When A Man Loves A Woman - Percy Sledgeが全米1位を射止めた。当時は黒人音楽もモータウンに代表されるポップで都会的なサウンドが主流になりかけていたところ、この曲は泥臭い演奏に乗せて、「男は恋をすると理性も誇りも失い、彼女が望めば何でもしてしまう」と感情を爆発させる南部バラードだった。なお、曲の作者はスレッジ周辺のバックミュージシャンだったCalvin LewisとAndrew Wrightのコンビとクレジットされているが、スレッジは本人が恋人と別れたショックでクラブ出演中に感情を爆発させ、その場で即興的に歌った歌が元になったと主張しているということである。くだらない話で恐縮だが、以前ニューヨークの公園で遊んでいた時に、大道芸人がWhen A Man Loves A Manという替え歌を歌っていたのも、懐かしい思い出である。

その頃ソ連では
1966年5月7日:ベラルーシ共和国の首都ミンスクで「スポーツ宮殿」のこけら落とし。

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 現在、ロシア経済発展省のウェブサイトは、外国からはアクセスできないようになっている。こちらのページに、今般同省が発表した公式的な中期経済見通しが掲載されているのだが、外国からはVPNを介さないと閲覧できない。そこで、発表された指標を上表のように整理してお目にかけることにする。なお、ロシアの経済見通しは、ベースとなる基礎シナリオに加えて、より悪い事態を想定した保守シナリオも発表されるので、表ではそれを対比しつつ示している。

 全体として言えるのは、ロシア政府がイラン情勢による油価高騰という慈雨にもかかわらず、それがロシア経済を上向かせる効果については過大な期待はしておらず、かなり慎重な経済見通しを抱いているということである。せいぜい、それにより輸出額が多少高まる程度だと想定されており、したがって2026年こそ正念場であるといった捉え方になっている。

 ロシア経済の屋台骨を成す石油・ガス関連の指標も、下表のとおり発表された。基礎シナリオによれば、2025年に55.6ドルだったウラル原油価格が、中東情勢をもってしても2026年には59.0ドルに高まるにすぎず、2027年以降は50ドルに低迷することになっている。

 なお、下表で奇妙なのは、石油については基礎シナリオと保守シナリオで数字のメリハリがついているものの、天然ガス関連指標は基礎も保守も数字が同じになっていることである。従来はこんなことはなかった。もしかしたら政府としての何らかの考えによるのかもしれないが、最近のロシア政府はミスが多いので、単純に載せる数字を間違えたという可能性もあるかもしれない。

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 Wedge ONLINEに、「戦争に勝てないプーチンは『勝ったフリ』をする? 最も地味な戦勝記念日、平時への移行を描くクレムリン文書」を寄稿しました。無料でお読みになれるので、ぜひご利用ください。


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 私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2026年6月号のご案内。毎年6月号はロシア以外の旧ソ連新興独立諸国(NIS)に関する特集となっており、今回の特集は「安定と成長を模索するNIS経済」と題しております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで。

 ただし、今般ROTOBOのウェブサイトがリニューアルされ、その結果、以前は各記事の前書きレベルの概要が掲載されていたものが、新しい仕様ではタイトルと執筆者だけになってしまいました。少々惜しいところです。

 服部は今号では、NIS特集の枠内で、まず「2025~2026年のロシア・NIS諸国の経済トレンド」のウクライナの部分を担当しました。また、「気候変化と戦争が塗り替えるウクライナ農業地図」、「不退転で脱露入欧に進むモルドバ」という短いレポートと、照井希衣著『ベラルーシ獄中留学記』の書評を執筆。さらに、特集の枠外で、「急激に悪化するロシアの消費者信頼感指数」を書いております。


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 こちらの記事によると、ロシア政府は現在、石炭産業発展プログラムを策定中ということである。

 記事によると、ロシア・エネルギー省は、2050年までの石炭産業発展プログラムをすでにロシア政府に提出しており、現在その策定作業の最終段階にある。エネルギー省のD.イスラモフ次官が記者団に対して明らかにした。「2050年までの石炭産業発展プログラムは政府に提出済みである。この件では、いくつかの省庁との間に意見の相違があったが、ほぼすべて解消した。現在は最終的な作業を進めており、経済発展省との協議を行っている。我々は、このプログラムを可能な限り迅速に承認してもらうため、あらゆる努力を払っている」と同氏は述べた。この文書には、ロシア石炭産業の現状が反映されるほか、世界の石炭生産および国際石炭貿易の発展動向に関する分析、さらにロシア石炭産業の発展に対する課題や脅威の分析が盛り込まれる予定である。加えて、2050年までを対象とした同産業の目標像、すなわち将来像も盛り込まれる。


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 過日、モスクワのどこぞやのショッピングモールで閑古鳥が鳴いていたということで、「そら見ろ、やはりロシア経済は崩壊寸前だ」といった記事が配信され、一部で話題になっていた。何度も言うように、確かにロシア経済は非常に厳しくなってきているものの、局所的な現象だけを捉えて、すぐにでも全面崩壊が差し迫っているかのような早合点はしない方が良い。くだんのショッピングモールに関して言えば、立地等が微妙であり、戦争前からほとんど客がいなかったと指摘されている。それに加え、そもそもロシアの小売業が実店舗からネット販売に移行しつつあるという、当たり前の現象も考慮すべきであろう。

 前置きが長くなったが、こちらの記事が、ロシアの小売りにおけるネット販売移行につき報告しているので、以下さわりだけ中身をお伝えする。

 「Tバンク・ビジネス」が2025~2026年の同行の顧客5,500万人の取引データを調査し、ロシアの消費における実店舗からオンラインへの実態が明らかになった。その結果、小売における主要10商品カテゴリーのうち7カテゴリーで、実店舗の売上高が減少しており、それには衣料品・靴、書籍、子ども用品などがある。

 ネット系スーパーマーケットの売上拡大は、通常のスーパーマーケットから支出の一部が流れていることに加え、外食や衣料品向け支出の一部もオンライン側へ移っていることによって支えられているという。

 全体としては、53の商品カテゴリーが、マーケットプレイス、サブスクリプションサービス、デジタルサービスの拡大によって、最大4%の売上減少に直面している。具体的には、実店舗型スーパーマーケットの売上は前年比で1%減、衣料品店は12%減、外食産業は5%減となった。

 一方で、薬局、医療サービス、教育、通信といった分野は、このような影響をほとんど受けていない。これは、これらの分野における需要が比較的安定していることを示している。ただし、調査では、これら各カテゴリーの絶対的な売上高自体は示されていない。

 オンライン販売への売上シフトは、統計局およびロシア・インターネット商取引企業協会のデータからも間接的に裏付けられている。協会によれば、2025年のロシアにおけるインターネット取引額は前年比28%増の11.5兆ルーブルに達した。小売売上全体に占める同分野の比率も、この1年間で16.2%から18.8%へ上昇した。協会によれば、このうち96.2%はロシア国内のオンラインショップやデジタル・プラットフォーム経由の取引であり、越境電子商取引の比率は3.8%にとどまっている。

 一方、ロシアの小売売上高全体の伸びは、インフレ率を下回っている。統計局によると、2025年の小売売上高は前年比2.6%増の61.3兆ルーブルとなったが、同年の年間インフレ率は5.6%であった。小売全体に占める食品の割合は48.3%、非食品部門は51.7%であった。

 「マグニト・オムニ」のN.ゲルツは、非食品カテゴリーでは確かに需要の一部がマーケットプレイスへ移っていると認めつつも、オンライン市場は従来ネットで買い物をしていなかった新たな顧客層も取り込んでいると指摘している。彼によれば、デジタル・チャネルはすでに同社の既存店売上成長の重要な部分を支えているという。またゲルツは、同一チェーン内ではオンライン販売がオフライン店舗の売上を一部奪っている面もあるが、その効果は限定的だとしている。オムニチャネル型の顧客は支出額そのものが大きく、消費拡大によって、自社内での食い合いの影響を上回っているというのである。そのうえでマグニトは、配送サービス、デジタルサービス、ロイヤルティプログラムを発展させることで、オフラインとオンラインを統合したオムニチャネル戦略に注力していると、同社関係者は説明している。現在、同社の「デジタル製品」は毎月約2,300万人に利用されているという。

 ロシアでは、店舗数がここ25年間で初めて減少に転じた。『フォーブス』が報じたところによると、モスクワでは店舗数が1年間で8万7,000店から8万2,500店へと減少し、サンクトペテルブルグでも4万4,000店から4万2,200店へ減少した。同誌によれば、同様の傾向は全国的に見られ、食品小型店からファッション小売、携帯電話ショップに至るまで、ほぼすべての業態に及んでいる。また、2025年には新規出店のペースも急激に鈍化した。食品小売分野では新規開店数がほぼ6分の1に落ち込み、大手チェーンに限って見ても、この指標は30%低下した。その一方で、閉店は増加している。衣料品店では約12%が営業を停止し、「ヴクースヴィル」や「スヴェトフォール」を含む複数のチェーンが店舗展開をおよそ10%縮小した。マーケットプレイスの発展、コストや税負担の増加、オフライン小売の収益性低下といった複数要因が重なった結果であり、店舗数の減少は現代ロシア小売市場の歴史上初めての出来事であるという。

 個別のカテゴリーを見ると、需要のオンライン移行はすでにスポーツ用品分野で店舗数減少を招いている。2025年8月1日時点でスポーツ用品店の数は前年比6%減の3,800店となり、人口100万人以上の都市では9.5%減の1,200店となった。一方で、同カテゴリーのオンライン販売はより速いペースで成長している。2025年1~6月にロシア国民がインターネット上でスポーツ用品に支出した額は1,500億ルーブルに達し、前年同期比で25%増加した。同様の動きは文房具市場でも見られる。ロシアではこの1年間で専門文具店が630店以上閉鎖され、総店舗数は5%減の1万1,760店となった。その一方で、文房具のオンライン販売は急増しており、5月だけでも前年比でほぼ70%増加した。


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 3月分のロシアの物価統計を紹介しそびれていたが、ロシア統計局からもう4月分の物価統計が出たので、定番の図を更新してお目にかける。毎度申し上げるように、グラフがどんどん横長になっているので、クリック・タップし拡大してご覧ください。

 今年に入ってから、ロシアの消費者物価は1月のみ高かったが、これは付加価値税の増税と、新年恒例の公共料金引き上げによるものだろう。その後は沈静化に転じ、最新の4月の消費者物価は前月比0.14%増、前年末比3.11%増、前年同月比5.58%増と落ち着いている。まあ、政策金利が14.5%で、景気が失速中で、それでいてルーブル高なのだから、物価が落ち着くのも当然である。

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 こちらの記事が、イラン危機による石油価格高騰でロシアの財政がどれだけ恩恵を受けるかを論じているので、以下抄訳しておく。

 原油価格が3桁に達している状況でも、今年のロシア予算が黒字化することはない。しかし、現在の超過収入は、当初予算と実際の赤字とのギャップを埋める助けにはなり得ると、投資グループ「フィナム」マクロ分析部門長のO.ベレンカヤは試算している。ロシア経済大学教授のN.ナトチェエヴァによれば、2026年のロシア当初予算の赤字額は3.8兆ルーブルである。しかし財務省発表によれば、1~4月だけですでに5.9兆ルーブルの赤字に達している。楽観的シナリオでは、ウラル原油の年間平均価格は少なくとも1バレル80ドルとなる。この場合、年間の石油・ガス収入は約11兆ルーブルに達し、当初予算を2兆ルーブル以上上回る可能性があると、ベレンカヤは見積もっている。そのためには、ロシア産原油価格が残る期間を通じて90ドル以上を維持する必要があるという。

 AMarketsの主任アナリスト、I.ラストルグエフによれば、2026年4月の税計算用ウラル価格は1バレル94.87ドルに達し、2014年以来の最高水準となった。この時期、国際指標原油ブレント価格は120ドルを超えていたが、5月初頭には100ドルを下回った。一方、年初のロシア産原油価格ははるかに低水準だった。ウラル価格は1月・2月には平均45ドル、3月に77ドルで、4月にようやく95ドルとなったにすぎず、そのため年間平均価格は4月のピーク水準を下回る可能性が高いという。

 それでもなお、予算で設定された基準価格59ドルと比較すると、ここ数カ月の価格は約1.6倍に達している。資産運用会社「アルファ・キャピタル」のD.スクリャビンは、為替レートが変わらないと仮定すれば、この基準を10ドル上回るごとに、国家予算には毎月約1,200億ルーブルの追加収入がもたらされると説明している。スベルバンク・マクロ経済研究センター長のA.イサコフも、原油価格が95ドル前後で維持されれば、為替動向次第ではあるものの、国家予算には毎月約4,500億ルーブルの追加収入がもたらされ得るとの見方を示している。なお、基準価格とは、政府が予算歳入を計算する際に前提とする仮定上の原油価格である。実際の原油価格が基準価格を下回れば、国家予算は収入不足となり、その赤字は国民福祉基金によって補填される。逆に、実際の原油価格が基準価格を上回れば、その超過収入は基金へ積み立てられる。

 しかし、歳入増加を抑制している要因として、ルーブル高がある。予算では1ドル=約92ルーブルを前提としていたが、実際の為替水準は75ルーブル近辺で推移している。AMarketsのI.ラストルグエフによれば、通貨高は輸出企業のルーブル建て収入を減少させ、高いドル建て原油価格の効果を部分的に相殺してしまう。アルファ・キャピタルのD.スクリャビンは、ルーブル高によって国家予算は毎月約1,100億ルーブルの歳入不足を被っていると試算する。そのため、ウラル原油価格が年間を通じて95ドルで推移したとしても、追加歳入は月間約3,000億ルーブル程度にとどまるという。

 ロシア中央銀行の広報部門によれば、財政ルールがルーブル高の影響を部分的に緩和している。ソフコムバンクの主任アナリスト、M.ヴァシリエフは、財務省が再び外貨購入を始めたことで、ルーブルのさらなる上昇は抑えられるだろうが、急激なルーブル安にはつながらないと見ている。依然として高い政策金利と輸出収入増加が、ルーブル相場を支えているからである。ヴァシリエフによれば、財務省は2026年5月8日から6月4日にかけて、定期的な外貨購入を開始する。取引規模は1,103億ルーブル(日額58億ルーブル)であり、市場予想(3,000~4,000億ルーブル)を大きく下回った。

 このように原油価格が高い局面でも、当局は依然として保守的姿勢を維持している。「5Dコンサルティング」のM.ニキーチンは、追加歳入は大規模な予算拡張の理由ではなく、むしろ安全余力として扱われていると指摘する。現在、石油・ガス収入が国家歳入に占める割合は約22%であり、10年前の40%から大きく低下している。そのため、財政運営戦略は短期的な価格急騰ではなく、長期シナリオを前提として構築されているという。

 財務省は4月の追加石油・ガス収入を約2,000億ルーブルと見積もっている。しかし、金融市場専門家のO.ゴガラゼによれば、これは理論上可能な4,000~4,500億ルーブルを大きく下回る数字である。理由はいくつかある。まず、まさにルーブル高である。次に、燃料ダンパー制度で、石油企業がガソリン価格を急激に引き上げないよう、政府は補償金を支払っているものである。さらに、ブレント原油に対するロシア産原油のディスカウントが挙げられる。2026年4月のウラル原油割引幅はブレント比23.94ドルだった。(訳注:ウクライナの攻撃によるロシアの輸出能力の低下については、記事では「あえて」触れていない印象)


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 こちらの記事が、ロシア道路・建設機械市場が稀に見る冷え込みに直面していることを伝えているので、以下で記事の要旨をまとめておく。

 ロシアの道路・建設機械市場は、2026年に入っても深刻な低迷が続いている。2026年第1四半期の国内メーカーによる出荷額は58億ルーブルにとどまり、前年同期比で約半減した(上掲のグラフ参照、グラフは各年の第1四半期の出荷額推移を示したもの)。これは過去6年間で最悪の水準であり、コロナ禍初期の2020年をも下回った。販売減少は2024年、2025年に続く3年連続であり、市場の回復期待は実現していない。

 機種別では、多くの分野で急激な落ち込みが見られる。ミニローダーは3分の1以下、ブルドーザーとクローラー式掘削機は5分の1以下に減少し、パイプ敷設クレーンの出荷は完全に停止した。一方で、フロントローダーやバックホーローダーなど一部機種だけは増加したが、市場全体の縮小を補うには至っていない。

 背景には、建設・道路分野における需要低迷がある。民間需要がほぼ消滅しており、政府発注だけでは市場を支えきれない状況となっている。実際、2026年第1四半期の建設工事額は前年同期比10%減となったうえ、道路インフラ関連支出も削減された。高速道路公社アフトドルへの補助金や、連邦道路網の維持補修予算も減額されている。

 さらに、メーカー側の資金繰りも悪化している。政府調達案件では代金支払いまで時間がかかるため、企業の借入依存度が高まり、倒産リスクが増している。高金利も重荷となっており、業界関係者は、政策金利が少なくとも10%程度まで下がらなければ、リースや融資が採算に乗らず、市場正常化は難しいとみている。現在の危機は、ロシア機械工業がこれまで経験したことのない規模だとの見方も示されている。

 もっとも、市場全体が完全に消滅したわけではない。2021~2023年に建設会社が積極的に設備更新を進めた反動として、現在は「調整局面」に入っているとの見方もある。西側メーカー撤退後は中国製機械が市場を埋め、輸入額は大幅に増加した。現在のロシア市場は、輸入機械、中古市場、レンタル機、リース会社が回収した機械などによって支えられている面が強い。つまり、危機に陥っているのは主としてロシア国内メーカーであり、市場そのものは輸入品中心に機能している。

 建設機械の耐用年数は通常8~12年と長く、自然な更新サイクルを考えると、本格的な需要回復にはなお時間がかかるとみられている。国産メーカー保護のための保護主義的措置は一定の支援となり得るが、最終的には道路・建設投資そのものが増えなければ需要は戻らない。比較的楽観的なシナリオでも、国内メーカーが2023年水準へ回復するのは2030年以降になるとの見通しが示されている。


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 ロシア・ウクライナ情勢が大変だが、毎週土曜日の息抜き企画を今日もお届けする。60年前のアメリカ・ヒットチャートを振り返るシリーズ。

 さて、今週34位のBarefootin' - Robert Parkerは、これからまだまだチャートを上がるのだが、個人的に好きすぎて、もう取り上げてしまう。1960年代半ばのニューオーリンズR&Bを代表するダンス・ナンバーであり、同時に「ガレージ/フラット・パーティー文化」とも結び付いた曲でもあった。ダンス流行歌の系譜に位置し、歌詞も「靴を脱いで踊れ」というだけのシンプルなもの。ロバート・パーカー自身はほぼこの曲だけの一発屋だったが、白人ガレージ・バンドが非常に好んでカバーした曲となり、大学パーティーやローカル・バンドの定番曲になったという。

その頃ソ連では
1966年5月4日:ソ連閣僚会議議長のアレクセイ・コスイギン、イタリアの自動車メーカー「FIAT」と、ソ連における乗用車工場(VAZ)の建設に関する議定書に署名。

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 こちらの記事が、ロシアの大手28企業の2025年の業績について伝えているので、記事の要旨をまとめておくことにする。

 ロシア主要産業企業の2025年の業績は、全体として大幅に悪化した。分析対象となった28社のうち、大多数の企業で純利益、売上高、EBITDAのいずれか、あるいはすべてが悪化しており、特に石油・ガス、石炭、鉄鋼といった基幹資源産業の落ち込みが目立った。

 企業別の業績は、上に掲載した表のとおりである(ただし、輸送企業等を示した最後の表のタイトルが、誤って肥料メーカーとされている)。28社合計では下のグラフに見るとおり、2025年の売上高は前年比16.7%減、純利益は30.8%減、EBITDAは20.1%減となっている。

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 最も厳しい状況に置かれたのは、石油ガス産業と鉄鋼業である。ロスネフチ、ガスプロムネフチ、ルクオイル、タトネフチ、ノヴァテクなどは軒並み収益性が低下し、ルクオイルは2025年に1兆ルーブル超の赤字に転落した。石炭企業でもメチェルやラスパツカヤが赤字を大幅拡大させ、鉄鋼大手のセヴェルスターリ、マグニトゴルスク、ノヴォリペツクも全面的な業績悪化に見舞われた。マグニトゴルスクは2024年には減益にとどまっていたが、2025年には赤字化した。

 こうした悪化の背景として、原油価格下落、ルーブル高、対ロ制裁、高金利政策が挙げられる。制裁による販路縮小や輸出価格のディスカウントに加え、石炭業界では物流制約や高額な輸送費も重荷となった。また、石油ガス企業では、鉱物採掘税やダンパー制度など税負担増加も収益を圧迫した。

 産業全体の減速は実際の生産低下にも表れている。2025年のロシア粗鋼生産は前年比5%減の6,740万tとなり、自動車生産も12%減少した。特に最終製品や高付加価値製品を扱う分野ほど打撃が深刻とされる。

 一方で、比較的安定した分野も存在した。肥料、金、非鉄金属分野は、世界市場の好況に支えられ、利益・売上・EBITDAを伸ばした。金価格は2025年に約1.5倍となり、ロシア産肥料の国際需要も堅調だった。フォスアグロ、ウラルカリ、アクロンなど肥料メーカーは大幅増益を達成し、ノリリスクニッケルや金鉱大手ポリュスも良好な業績を維持した。特に肥料輸出は過去最高の4,500万tに達した。さらに、2026年に中東情勢が緊迫化し、ホルムズ海峡封鎖リスクが意識されたことで、ロシア産肥料への需要は一段と高まった。

 ただし、非鉄金属でもルサールは例外で、アルミ価格低迷と高金利負担、原料コスト上昇により2014年以来となる赤字に転落した。銀行借入や社債コストが大幅に増加し、アルミ価格上昇効果は原価上昇によって相殺された。

 輸送・機械産業は「まだら模様」の状態にある。アエロフロートは旅客数を維持しながら収益を改善した一方、トランスコンテナやFESCOなど物流企業は業績悪化となった。機械産業でもKAMAZや鉄道車両メーカー各社は低迷した。ロシア鉄道は貨物輸送量減少、物流混乱、巨額債務負担により、利益が22分の1に急減した。輸送量減少は、実体経済の停滞と企業の設備投資延期を反映している。

 そのため、多くの企業は現在、「成長」よりも「生存」を優先する局面に入っている。輸送業界では、欧州向け石炭輸送の回復ではなく、「南北回廊」など新物流ルートへの適応力が重要視されるようになった。資源・冶金分野でも、新規投資よりコスト削減や代替市場確保が中心課題となっている。

 さらに問題なのは、ロシア政府が掲げる輸入代替や「供給側経済」構築が十分に進んでいないことである。企業の悪化は財政にも圧力を与え、輸出収入減少や産業成長鈍化につながりかねない。特に2025年以降の超高金利政策は、制裁や人手不足に加わる新たな「巨大な負の要因」とみなされている。企業は借入困難に直面し、同時にルーブル高で採算も悪化した。その結果、設備投資は大幅に落ち込み、「投資崩壊」と呼べる状況に近づいている。中央銀行自身の調査でも、2026年第1四半期の投資活動は、コロナ禍を除けば過去10年で最低水準となった。

 今後については、政策金利引き下げが進めば一定の回復余地はあるものの、それだけでは不十分と考えられる。企業にとって重要なのは資金調達コストよりも、将来的な販路や需要への確信であり、需要見通しが立たなければ、低金利でも投資は再開されないとの見方が強い。現在の政策金利は14.5%であり、実体経済の本格回復には少なくとも10%以下への引き下げが必要と指摘される。


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 こちらの記事は、ロシア政府幹部が失業率の低さを強調したということを伝えている。以下が記事の要旨。

 第17回国際経済フォーラム「ロシア―イスラム世界:KazanForum」が、5月12日から17日にかけて開催されている。その席でロシア労働・社会保護省のA.プドフ次官が、ロシアにおける失業の現状につき発言した。それによると、ロシアの失業率は、ここ数年にわたり安定的に低下を続けている。現在では、過去最低水準に達しており、おおよそ2.1~2.2%程度である。このような指標は、雇用支援分野における積極的な国家政策の成果であり、特に脆弱な立場にある住民層への支援策が寄与している。ロシアでは最低賃金の引き上げに向けた取り組みが継続的に行われている。2025年を通じて、国民の所得は安定的に増加している。統計局のデータによれば、平均賃金は年間で13.5%増加した。また、実質賃金について言えば、4.4%の伸びとなっている。プドフ次官は以上のように語った。


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