
こちらの記事が、ロシアのアルミ大手「ルサール」の2024年経営実績について報じているので、以下要旨をまとめておく。
ルサールによるアルミニウム地金販売量は2024年に386万tとなり、前年比7%低下した。これは2019年以来の低い数字である。棒、ワイヤー、ホイルといったアルミ鋼材の販売も140万tと、8%減だった。
2024年の売上原価は92.6億ルーブルで、前年比11%減だった。販売のうち、ロシアおよびCIS市場が34%、アジア市場への販売が42%を占めた。
2024年には、原料価格の不安定、需要の弱さ、高い金利に、制裁やサプライチェーン再構築の困難が重なった。EUは2023年12月にアルミ半製品の輸入を制限、米は2024年3月10日からロシア産アルミに200%の関税を導入、英はロシアからのアルミ輸入を全面禁止した。EUは2025年2月の第16次制裁パッケージでアルミ地金の対ロ輸入を禁止した。
ルサール・グループのアルミ生産自体は390万tで、前年比4%増だった。中国工場買収により、アルミナの生産は25%ほど伸びて630万tとなった。ギニアでの生産能力拡張によりボーキサイトの生産は19%増の1,590万tとなった。
2024年のルサールの純利益は2.8倍増の8億ドルとなった。売上高は1%減の120億ドルであった。アナリストによると、純利益の伸びは、完成品在庫が6億ドル以上増加したことによる製造コストの減少など、非現金支出項目によるところが大きかったという。
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