ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

タグ:自動車

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 今日もまた自動車の話で恐縮。ロシアからの乗用車輸出の詳しいデータというのは、意外とまとまったものがなく、苦労する。業界の会報であるASMホールディング資料にそれらしきデータは出ているのだが、それにはユーラシア経済連合向けの数字が含まれていないという、大問題がある。ロシアの乗用車輸出は、大部分がユーラシアのパートナーであるベラルーシやカザフスタン向けなのであって、それを除外してしまったらほとんど意味がないのだ。

 その点、ヴェードモスチのこちらの記事には、ロシアのメーカーというかブランド別の輸出台数が出ており、有益であった。なお、外資系のメーカーも含んでいる。これによると、各メーカーの2019年の輸出台数(ユーラシア経済連合域内輸出も含む)は、以下のとおりであったという。ただ、これにしても、トヨタとかヒュンダイとか見当たらないし、網羅的ではない。

  • AvtoVAZ(Lada):約50,000台
  • フォルクスワーゲン・グループ:24,600台
  • ルノー:15,785台
  • UAZ:5,720台
  • 日産:4,168台

 PS:こちらの記事によれば、ロシアからのトヨタ車の輸出は、2019年に約8,900台。

 こちらおよびこちらの記事によれば、ロシアからのヒュンダイ車の輸出は、2019年に約17,000台。


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 また、誰も興味のないようなベラルーシ自動車産業の話で恐縮である。最近でこそ、ベラルーシの乗用車生産の主軸は、中国との合弁のベルジー社となっている。しかし、それ以前から存在したユニゾン社の存在も忘れてはならない。元々は米フォードがベラルーシ政府と合弁で工場を開設したものだったが、フォードのプロジェクトが頓挫し、2000年に英国企業が買い受けて新たにユニゾン社が誕生した。一時はイラン・ホロド社のモデルを生産したりもしていたが、ここ数年は中国の浙江衆泰控股集団のZotyeというブランドの乗用車(上掲写真参照)を生産し、基本的にロシア市場に供給してきた。

 こちらの記事が伝えているように、ユニゾンはZotye車をロシア市場に、2017年には1,088台、2018年には3,175台、2019年には1,373台供給したが、2020年4月になって今後Zotye車はベラルーシからでなく中国から供給されることとなり、ユニゾンでの生産は終了となった。これは、ユニゾンは当初はアセンブル用の部品輸入に優遇関税を適用されていたが、2018年にその措置が打ち切られ、その後も残っていた優遇措置の割当を使い切ったことにより、ロシア市場での競争力が低下したからである。

 ベルジーの場合も、ロシア市場への輸出を当て込んで、年産6万台の計画を立てていたのだが、現実にはロシアでの販売が伸びず、2019年の生産は2万台強に留まった。ロシア市場向けの生産拠点をベラルーシに設けるというビジネスプランは、一見上手く行きそうで、実際には失敗することが多い。


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 こちらの記事によると、ロシア最大の地場乗用車メーカーで、ルノー=日産アライアンス傘下のAvtoVAZでは、本日7月3日から生産を全面的に停止することになった。サマラ州トリヤッチ、ウドムルト共和国イジェフスクの両工場で生産が停止する。生産停止の原因は、ニジェゴロド州ニジニノヴゴロド市のサプライヤー「アフトコンポネント」からの部品供給が途絶したことである。AvtoVAZでは、ディーラーへの完成車納入には当面問題は生じない、早期の生産再開に向け全力を尽くすとしている。また、発生する損害に対しアフトコンポネント社に賠償を請求する可能性もあるという。


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