ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

カテゴリ: カザフスタン

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 こちらのサイトに、ロシアに代わる石油供給源を模索したベラルーシが、カザフスタンに白羽の矢を立てながら、ロシアの妨害で実現しなかった経緯をまとめた記事が出ているので(I.ザハルキン署名)、以下のとおり要旨をまとめておく。

 2020年に入ってもベラルーシとロシアの石油供給に関する合意がまとまらず、ベラルーシにとっては困難な時期となった。ベラルーシが代替の石油供給源を模索する中で、カザフスタンからの輸入という案が浮上した。ただし、過去数年、その案は何度が出ていたが、その都度実現には至らなかった経緯がある。

 これまでベラルーシが代替供給源の候補国として挙げた国には、米国、アゼルバイジャン、中東諸国、そしてカザフスタンがあった。カザフの石油は、実際に入荷したこともある。2016年8月から2017年6月にかけて、ベラルーシはカザフから10万8,600tの石油、総額3,370万ドルを輸入した。その輸入には、ロシアからの輸入と比べて、480万ドルの追加費用がかり、しかも輸送ルートもきわめて複雑になった。にもかかわらず2019年5月にルカシェンコ大統領はカザフとの新たな交渉を開始した。

 2019年秋にはベルネフチェヒムのV.シゾフ副総裁が、石油輸入に関するカザフスタンとの政府間協定が合意間近だと発言した。ベラルーシは原油だけでなく加工が可能な石油製品(軽油、重油)も輸入したい意向を示し、輸入量は年間100万~350万tになるとされた。その後の情報によれば、あとは技術的な問題、特にロシアが自国領でのトランジットを認めるかという点だけだと発表された。

 しかし、その後本件は一切の進展がない。本年初めにベラルーシがロシアの石油会社(複数)と厳しく対立し、ノルウェー、アゼルバイジャン、サウジアラビア、さらには米国からの購入に走った時でさえ、カザフの石油にはアクセスできなかった。

 本年の初めに明らかになったのは、ロシア同様、カザフスタンもベラルーシに値引きをするつもりはないということだった。2月にカザフのN.ノガエフ・エネルギー相は、ベラルーシへの石油供給が可能になるのは商業的な条件においてのみであり、値引きは一切なしで、カザフ企業に有利な場合だけであると発言した。さらにK.トレバエフ副首相は、価格に輸出関税が上乗せされた場合のみ供給の用意があると述べた。しかも、カザフ側にはベラルーシへの不信感が頭をもたげ、カザフの原料を用いてベラルーシの製油所で生産された石油製品は国内市場への供給に限定し、輸出はされないという保証をベラルーシ側に求めた。

 ただ、専門家によれば、これらの問題がカザフスタンからベラルーシへの供給の主たる障害になったわけではない。ベラルーシ側は、価格を含め、カザフのすべての条件を飲むつもりだった。ところが、以前と同様、今回も、両国は最大の問題を解決できなかったのである。ロシアが、自国領の石油パイプラインを通じてカザフからベラルーシに石油を運ぶことを、認めようとしない問題だ。

 それでも、両国は交渉らしきものは続けているようであり、7月のユーラシア経済連合の政府間会合でベラルーシのR. ゴロフチェンコ首相は、以前両国が結んだ政府間協定はもう実現可能であると発言した。

 関連して興味深いのは、書類の上では2020年上半期にカザフスタンの石油はすでにベラルーシに入荷したことになっている点である。輸入統計には、37.6万tの輸入が記録されていた。ただ、それがいつなのか、誰が取引したのかはいまだに不明である。しかも、後に統計局はこのデータを削除し、実際に取引があったのかどうかは、迷宮入りした。

 ここ数ヵ月の動きが物語っているのは、カザフ石油の輸入というはすでにほぼ意味を失っており、その今後はベラルーシ指導部のプロジェクトの域を出ないということである。

 現時点ではすでに、カザフの石油を本当に必要ではなくなっている。1~5月にベラルーシは500.7万tの石油を9億483万ドルで輸入した。そのうちロシア以外の代替石油は20%ほどであり、それも第1四半期にロシア石油がほぼ入荷しなかったから生じたものである。6月にはもう、ベラルーシはロシアの石油を100万t輸入し、これは最適な分量である。

 2019年秋に結ばれた2020年のベラルーシとロシアの需給バランス指標によれば、第3四半期にはさらに575万t(注:多すぎないか?)がロシアから輸入されることになっている。最近ベラルーシで取り沙汰されている代替石油はアゼルバイジャンと米国のものだけである。アゼルバイジャンについては、計画された100万tのうち、タンカー6隻分の50万tが入荷する。米国については、8万~8.5万tずつの入荷が2回あり、2度目は8月上旬の予定である。米国からの調達は、経済というより、政治的な動機だろう。これら以外の輸入はすべて、価格および輸送面で有利なロシアから行う予定である。現に、4~5月の1t当たりの価格を見ると、ロシアが109ドル、アゼルバイジャンが239ドルとなっている。

 他方、カザフ石油を輸入する場合のルートの問題は、相変わらず未解決である。多くの専門家が指摘するのは、カザフは石油を輸出する上でロシア、カスピ・パイプライン・コンソーシアムおよびアストラハン~サマラのパイプラインに高度に依存しているという点だ。カザフは年間1,500万tほどをロシア経由で輸出している。輸出先は多岐にわたるので、ベラルーシへの輸出も可能に思える。しかし、そのためにはロシアがカザフ石油により多くのキャパを割り当てることになり、一見大した問題ではないように思えるものの、現実にはロシアはそれを拒む。ロシアとしては、カザフの石油をトランジットして2億~3億ドル程度の料金をとるよりも、ベラルーシに直接石油を売った方が国益にかなうからである。

 一方、カザフとしては、ベラルーシとの小口の取引のために、ロシアと対立することは避けたい。ロシアを迂回して輸送するルートとして、しばしばオデッサ経由が候補に挙がるが(注:ロシアを避けるとするとカザフ~カスピ海をフェリー~アゼルバイジャン~ジョージア~黒海をフェリー~オデッサ州のユジネ港~オデッサ・ブロディパイプライン~ベラルーシというルートだろう)、これはあまりにコスト高でベラルーシが受け入れられない。

 結局のところ、カザフからベラルーシへの石油供給の問題が近い将来に解決する可能性はない。机上でも不可能であり、増してや以前表明された計画を実現するのは不可能である。したがってカザフからの輸入という構想は今のところ、単にベラルーシがロシアのパートナーを苛立たせようという試み以上のものではない。


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 こちらの記事が伝えるところによると、カザフスタン最大のテンギス油田では、作業員の新型コロナウイルス感染の拡大で、採掘が停止される恐れがあるという。同国の医療担当高官A.エスマガンベトフがこのほど明らかにした。

 カザフスタン全体の感染確認が6,969人であるところ、テンギスでは935人の感染者が確認されている。テンギスでは現在、政府委員会が感染者数低下に向けた活動を行っているが、もしも思うように感染者が減らないと、テンギスシェヴルオイル社による採掘停止が不可避になる。すでに、同社の作業のうち不要不急に属するものについては、従事する人数を一時的に減らして対応している。テンギスシェヴルオイルでは当初、年産2,900万tだった生産能力を段階的に1,200万t高める拡張を計画していたが、油価下落を受けこの4月に3億ドル投資を来年に延期していた経緯がある。


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 昨年、カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ大統領が退陣を表明し、トカエフ上院議長が大統領に就任するとともに、ヌルスルタンの娘のダリガ・ナザルバエヴァが上院議長に就任した。カザフでは大統領が任期前に退任すると上院議長が自動的に大統領に就任するという仕組みなので、ダリガの上院議長就任は、将来的な大統領就任への布石かという見方もあった。

 ところが、こちらなどが伝えているとおり、昨日5月2日付のトカエフ大統領の大統領令により、ダリガの議員資格が停止された。トカエフ大統領は、ダリガの上院議長としての貢献に感謝するといったいかにもテンプレ的なコメントを発表している。

 これは、何を意味するのだろうか? 一説によると、こちらなどに見るように、先日ダリガが政府のコロナ対策をかなり厳しく批判する場面があり、それが今回の決定の引き金になったのではないかという見方もあるようだ。ただ、依然として最高権力者のヌルスルタン・ナザルバエフ初代大統領の了解なしにそんな決定を下せるはずもなく、どう理解すればいいのか個人的に分からない。続報を待ちたいと思う。


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 GLOBE+に、「ユーラシア経済連合創設から5年 目指したEUには遠く及ばず」を寄稿しました。

 ユーラシア経済連合が、2020年1月1日をもって、設立から5周年を迎えました。ただ、そう聞いても、何の話かピンとくる人は少ないかもしれません。ユーラシア経済連合は、日本の一般の方には、ほとんど知られていないでしょう。ロシアのプーチン政権は当初、EUに比肩するような経済同盟を形成するという意欲を見せていました。しかし、加盟国は思うように広がらず、経済統合の成果は限定的です。その一方で、発足から5年の今頃になって、ユーラシア経済連合に接近する国も現れています。そんなわけで、今回は5歳の誕生日を迎えたばかりのユーラシア経済連合について語ってみました。


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 既報のとおり、価格で折り合いがつかず、ベラルーシがロシアから石油を輸入する契約が結べないままとなっている。ベラルーシはロシア以外の供給源を模索しているわけだが、こちらの記事が、そのうちカザフスタンからの調達の試みについて論じている。

 記事によると、ベラルーシの国営コンツェルン「ベルネフチェヒム」から、カザフスタンのエネルギー省に石油供給の打診がすでに届いている。1月20日に両者が交渉を行う予定であり、カザフ側は条件が折り合えば供給の用意があるとしている。

 しかし、専門家らは懐疑的な見方を示す。AMarketsのA.デエフの指摘によれば、ベラルーシは国内市場を満たすのに600万tの、輸出向け石油精製のために1,200万~1,800万tが必要である。この量は、ウクライナ、ポーランド、カザフスタンが揃って供給をしてようやく可能となる分量である。カザフの石油はロシア領のパイプライン(アティラウ~サマラ)を経由してベラルーシに供給されることになる。しかし、BKSブローカーのN.アヴァキャンによれば、そのためにはロシアのトランスネフチとの交渉が必要であり、ロシアは2025年にユーラシア経済連合の共通石油・石油製品市場が発足するまでは、そうした輸送に応じることはありそうもない。しかも、カザフの石油はロシアよりも割高となり、これは経済的には無意味であり、むしろロシアとの政治的な駆け引きである。


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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2020年2月号の中身をご紹介。今号ではカザフスタンのセミナー報告を軸に、「中央アジアはどこまで変わるか」と題する特集をお届けしております。ナザルバエフ大統領が大統領の座から去ったカザフスタン、ミルジヨエフ大統領の下で改革開放路線を打ち出したウズベキスタンと、中央アジアの2大国が転換期を迎えていますので、そのあたりをとらえようという趣旨です。なお、アゼルバイジャンは厳密には中央アジアに含まれませんが、両者には近似性が見て取れるので、同国の記事も特集の一環に位置付けました。

 服部自身は、特集の枠内では「ウズベキスタンがロシアに接近 ―ユーラシア経済連合加盟も検討―」を執筆するとともに、岡奈津子著『〈賄賂〉のある暮らし:市場経済化後のカザフスタン』の書評を担当。特集の枠外では、「ゼレンスキーとプーチンの直接対決」を執筆しております。発行日は1月20日ですが、今回はお届けが2~3日遅れるかもしれません。すみません。


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 カザフスタンの対中国国境の地点に、「ホルゴス-東の門」という経済特区がある。中国との国境協力を主眼に設けられた特区であり(中国領の側にも対応するホルゴス国境施設があるが)、中国から鉄道で来たコンテナ貨物が1,435mmの標準軌から1,520の広軌の台車に積み替えられる一大拠点ともなっている。

 このほど、A.スマグロフ「国際協力拡大の枠内での『ホルゴス-東の門』特区ドライポートの発展展望」『科学の諸問題』(2016年No.4)という論文を見付けた。こちらのサイトからダウンロードできる。ごく短い論文であり、ホルゴスについての情報は他でも色んな形で得られるとは思うが、こういう風に論文形式になっていると、こちらも自分の論文に引用しやすいというメリットがあり、助かる。

 それで、この論文の中に、カザフ側のホルゴスへの中国による投資に関する情報が出ており、個人的にこの件はこれまで未確認だったので、有益だった。論文によれば、2015年9月、カザフスタンと中国は、ホルゴス経済特区と連雲港市における上海協力機構国際ロジスティックゾーンの諸プロジェクトを共同で発展させるための戦略的協力関係に関する協定を締結した。この協定では、中国がホルゴス特区への資金供給として6億ドルの直接投資を行うことがうたわれていた。この協定は全面的に、中国によって表明されたシルクロード経済ベルトの一環として位置付けられた。ただし、協定は大枠を定めたものであり、現在のところ、それを実行する具体的な措置についての情報は伝えられていない、とされている。


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 こちらの記事が、中国主導の一帯一路がカザフスタン経済にもたらす効果について論じているので、気になった部分だけメモしておく。

 カザフスタンのナザルバエフ初代大統領は、「中国の一帯一路政策のお陰で、我が国は海への出口を擁する国家となったわけで、我々は一帯一路を支持している」と発言している。カザフスタンと中国は、2008年に西欧~中国西部の輸送回廊の発展に関するメモランダムに調印し、2015年には両国首脳間で一帯一路の枠内での協力に関する条約に調印している。カザフ側は2014年末に策定した2015~2019年のインフラ発展プログラム「ヌルルィ・ジョル」で、一帯一路の枠内で実施されるプロジェクトとのすり合わせを図っていた。

 輸送回廊の中核となるのは、カザフスタンおよびロシア領を通る鉄道および幹線道路である。そのカザフスタン・中国区画は、2016年に完成し、カザフのホルゴスから、中国のウルムチに伸び、最終的には黄海に面した連雲港にまで至る。自動車道路の延長は3,425kmで、「2019年ユーラシア経済連合輸送回廊報告書」によれば、遅くとも2020年には完全に稼働することになっている。

 カザフスタンでの建設は完成に近付いている。対ロシア国境のマルトゥク村から、アクトベ、キジルオルダを通るシムケントまでの区画は、完全に完成した。タラス~アルマトイ間もほぼ完成し、アルマトイから対中国境までは作業が完了しつつある。さらに、カザフはこの間、2,500kmの鉄道を新規建設し、幹線となるアルマトイ~シュ間は複線となった。

 2018年にはベトナム~中国~カザフスタン~欧州という大陸間鉄道ルートが開設され、ハノイからカザフを経由してドイツのデュイスブルクに1,686のコンテナが輸送された。その逆の物流も機能しており、カザフの生産者は中国やベトナムの港湾へのアクセスを得ることになった。ナザルバエフが、我が国は海への出口を確保したと述べたのは、このことである。

 カザフスタンの対中国境に位置する「ホルゴス・東の門」も、中国の資金援助を受けて建設されたものである。ただ、ホルゴスの優遇的な関税規則の結果、2013~2017年にホルゴスを通ってきた輸入貨物のうち、関税の対象となっているのは45%だけであり、特に中国との貿易では60~90%が密輸という問題が生じている。

 カザフスタンの野党は、カザフの土地を中国に売り渡すことへの抗議行動を行っているが、それはコップの中の嵐のようなものである。真の焦点は、中国に対する債務である。ただ、中央アジアの他の国と比べると、カザフの状況は恵まれており、中国からの流入資金の60%は融資ではなく直接投資である。また、カザフの対外債務に占める対中の比率は、2013年には10.6%だったが、2018年10月1日では7.4%と、かえって低下している。


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 Radio Free Europe/Radio Libertyによる上掲の動画が、中央アジア諸国の中国に対する債務の問題を取り上げている。旧社会主義圏の自由化を唱道する同機関なので、「中央アジア諸国にとって、欧米や国際金融機関と異なり、民主化や人権といった条件を付けない中国からの資金調達は手っ取り早い。その代わり中国は中国の設備や労働力の利用といった経済的条件を付けるのだ」といったことを指摘している。国別の債務額などは以下のとおりだという。

  • カザフスタンの中国に対する国家債務は123億ドル。中国はカザフに50以上の工場を建設している。カザフの石油生産の20%は中国系企業によるもの。
  • キルギスの中国諸銀行に対する国家債務は17億ドル。債務の40%以上が中国に対するもの。
  • タジキスタンの中国に対する国家債務は12億ドル。対外債務の48%強が中国に対するもの。金鉱山の80%以上が中国資本参加企業により採掘されている。
  • ウズベキスタンの中国に対する国家債務は78億ドル。
  • トルクメニスタンの詳細は不明だが、大規模なガルクィヌィシ天然ガス鉱床の開発のためにトルクメニスタンが中国から調達した融資は8億ドルに上る。トルクメン産のガスの90%は中国に供給されているが、その価格は世界価格の3分の1となっており、これによってトルクメンは債務を支払っている。

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2019-12-04-Kaz

 こちらのサイトで、アネット・ボアという専門家が、カザフスタンの対外政策、とりわけウズベキスタンを中心とした中央アジア諸国への働きかけについて論じているので、要旨を以下のとおり整理しておく。

 ナザルバエフがカザフスタンの大統領職から退き、後任がトカエフとなって、この間の注目すべき動きとして、中央アジア域内の協力関係が拡大していること、カザフの新体制が地域対話を改善しようとしていることが挙げられる。

 カザフは長らく、中央アジア固有のプレーヤーというよりも、ロシアと中央アジアを取り持つユーラシア国家としての自意識を形成してきた。しかし、2017年以降、それまで弱かった中央アジアの周辺国との協力関係強化を模索するようになった。それは多分に、ウズベキスタンという大きな市場の自由化の賜物だったが、それ以外の要因もある。

 その要因の一つは、カザフがロシアの対応を新植民地主義的なものと見なすようになっていることである。その一例がロシア主導のユーラシア経済連合であり、カザフはその実態に満足しておらず、この経済同盟に強固に縛り付けられることは望んでいない。モスクワから適度に距離を置くためにも、カザフは中央アジアの地域的な枠組みに関心を示すようになっている。

 石油依存を軽減する狙いもあり、カザフはユーラシア統合における運輸・テレコム・投資のハブになることを目論んでいる。中央アジアにおける輸送のリードタイムは世界の他地域に比べて大きいので、カザフのこの路線は中央アジア域内貿易を活性化する効果がある。

 さらに、カザフにおける人口トレンド、教育の民族主義的な方向へのシフトにより、同国指導部は中央アジア全体との紐帯を重視するようになっている。ウズベキスタンでミルジョエフ大統領が誕生し、カザフ側は両国の地理的近接性、経済的補完性、文化・歴史の繋がりなどをより意識するようになった模様である。

 また、中央アジアでは、孤立主義的なトルクメニスタンもある程度含め、域内貿易はお互いにとって利益であるという認識が広がっている。ロシアの抱える経済的問題を考えれば、なおさらである。カザフ・ウズベク関係が強化されるにつれ、中央アジア全体の域内協力が動き出し、2018年には中央アジア域内貿易が前年比35%増加した。

 ただし、カザフもウズベクも、中央アジア・レベルでの統合、機構化の議論はないとしている。以前の試みはロシアによって横取りされ、中央アジア独自の調整機構はできなかったという教訓があるのだろう。

 カザフもウズベクも、健全な競争が、外国投資の獲得など、両国経済のためになるという認識である。ただし、カザフの民間専門家の中には、ウズベクの台頭を、カザフから投資を奪ってしまうものとして、潜在的な脅威と見なす向きもある。ウズベク側はすでに一回政権交代を経験したという意味で有利なのに対し、カザフにはナザルバエフが完全に姿を消したらどうなるか分からないというハンデがある。ウズベクの人口はカザフの1.3倍で、製造業も一定の発展を見ており、安全保障面においては地域のリーダーである。その代わり、ウズベクのGDPはカザフの3分の1であり、キャッチアップ過程にある。

 カザフの貿易全体に占める中央アジア諸国のシェアは5%以下であり、ロシア、中国、欧州などの取引とは比べ物にならない。したがって、カザフは今後も、中央アジア地域のリーダーというよりは、グローバルなプレーヤーとしての立ち位置を重視し続けるだろう。


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 ロシア・ベラルーシ・カザフスタンによる関税同盟が成立した当初は(その後5ヵ国によるユーラシア経済連合に発展)、ロシアの自動車メーカー(外資系も含む)がその枠組みに乗ってカザフスタンやベラルーシへの輸出を強化するという現象が見られた。しかし、こちらこちらの記事によると、ここに来て、カザフやベラルーシの新興自動車工場からロシアへの輸出という逆転現象も目立ってきているということである。

 ロシアAvtoVAZのカザフにおけるパートナーとなっているのが、アジアアフト社である。アジアアフトは、現在はカザフ国内市場向けのセミノックダウン生産だけを行っているが、ウスチカメノゴルスクにおける一貫生産工場の建設を2021年に完了することになっている。新工場の第1ラインの生産能力は年産6万台で、一部をカザフ国内市場に、一部をロシアを含むユーラシア経済連合諸国に供給する。

 AvtoVAZとカザフ側のビペクアフト・アジアアフトは数年前に契約を結び、AvtoVAZのシベリアおよびウラル連邦管区におけるディーラー網の経営権を後者が取得した。両社による合弁企業が2014年に設立されており、それと引き換えにAvtoVAZはカザフ市場へのアクセスを得た。現在のところビペクアフト・アジアアフトはシベリアとウラルのディーラーでロシアのトリヤッチおよびイジェフスクで生産されたラーダ社を販売しているものの、新工場が完成したらシベリアおよびウラルへの輸送が格段に楽になる。カザフ側は新工場からロシア極東への供給にも興味を示している。

 一方、ベラルーシにおいては、ミンスク州ボリソフ近郊にベラルーシ中国合弁のベルジー社による新工場が建設され、すでに年産6万台が可能であり、12万台への拡張計画もある。現時点では、セダンのEmgrand 7、クロスオーバーのEmgrand X7、そしてクロスオーバーのAtlasという3モデルが生産されている。前2者が旧モデルなのに対し、AtlasはVolvoの協力も得て開発した最新鋭モデルである(中国の吉利汽車(Geely)は2010年にVolvoを買収している)。ベルジーは2019年1~10月にロシア市場で7,260台を販売し、前年同期比213%増であった。

 専門家のS.イファノフは、アジアアフトおよびベルジーは合計でロシア市場の5%を占めることが可能であるとの見方を示す。それに対し、ロシア経済発展省の自動車部門の顧問であるS.ブルガズリエフは、両社がロシア市場でロシア工場の製品に太刀打ちするのは難しいだろうと、懐疑的な見方を示した。


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 これはとんでもない本が出た。カザフスタンだけでなく、ロシア・ユーラシア諸国にかかわる者全員にとっての、必読書と断言できる。岡奈津子『〈賄賂〉のある暮らし:市場経済化後のカザフスタン』(白水社、2019年)である。Amazonから内容紹介を拝借すれば、以下のとおり。

 ソ連崩壊後、独立して計画経済から市場経済に移行したカザフスタン。国のありかたや人びとの生活はどのような変化を遂げたのだろうか。独立前からカザフ人のあいだにみられる特徴のひとつに「コネ」がある。そして、市場経済移行後に生活のなかに蔓延しているのが、このコネクションを活用して流れる「賄賂」である。経済発展がこれまでの人びとの関係性を変え、社会に大きなひずみが生じているのだ。本書は、市場経済下、警察、教育、医療、ビジネス活動など、あらゆる側面に浸透している「賄賂」を切り口に現在のカザフスタンをみていく。賄賂は多かれ少なかれ世界中の国々でみられる現象だが、独立後のカザフスタンは、それが深刻な社会問題を生み出している典型的な国のひとつである。ここから見えてくるのは、人びとの価値観の変容だけでなく、ほんとうの「豊かさ」を支える社会経済システムとはどのようなものかという問題だ。豊かさを追い求めた、この30年の軌跡。

 この本を読んで、「自分が今まで見てきたつもりでいたカザフスタンは、何だったのか?」と、愕然とさせられた。自分が断片的にでも知っているつもりでいた、公式的な存在としてのカザフスタンという国とは別に、まるでパラレルワールドのように、もう一つのカザフスタンが存在したのだ。そして、どうも、そちらのカザフスタンの方が、本物のようなのである。

 本書は、カザフスタンおよび旧ソ連全般の地域研究を縦糸、政治・経済・社会学的な腐敗論を横糸とし、その両方の関心に見事に応えるものとなっている。カザフという国を知るための本であるのはもちろん(他の旧ソ連諸国のヒントも)、カザフそのものに興味がなくても、腐敗、途上国・新興国の社会、移行経済などについて大いに考えさせられる。2,420円と、この種の本としては手頃な価格でもあり、ぜひご一読をお勧めしたい。


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 カザフスタンとウズベキスタンは、中央アジアの盟主の座を争うような間柄であり、大々的に対立しているわけではないが、波長の合わない時代が長く続いてきた。しかし、ウズベキスタンでカリモフ大統領が死去してから3年が経過しようとしており、同国は経済面で改革開放に着手するなど、だいぶ風向きが変わってきたのであろう。カザフスタンとの関係拡大にも、より前向きになっているのかもしれない。

 こちらのニュースが、そんな両国関係の拡大、とりわけ交通・観光分野での協力について伝えている。駐カザフ・ウズベク大使がインタビューに応じたということであり、その内容を伝える記事である。

 大使いわく、特に観光面での協力について述べておきたい。両国への観光客の流入を数倍に拡大するような観光クラスターの形成を提起したい。シルクロードの歴史を学ぶためにウズベクを訪れたような人々が、カザフも訪れるようにすれば、シルクロードについてのより完全な理解が得られるだろう。その逆も然りである。ロシアには「黄金の環」というものがあるが、ウズベクとカザフは共同で「黄金の正方形」とでもいうべき観光ルートの整備を検討している。現在ヌルスルタン~タシケント間にはそれぞれ週6本の直行便が運行されており、アルマトィ~タシケント間では10本に上る。鉄道でもタシケント~アルマトィ~ヌルスルタン列車が開設され、バスもある。両国は経済面で相互補完的で、共同で中央アジア全域の協力な経済空間を形成できる。大使は以上のように語った。

 なお、大使が言った「黄金の正方形」というのは、1930年代から1940年代にかけてイラクで活動したイラク王国陸軍の4人の将校からなる集団「黄金の方陣」から名をとったものと思われる。


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 目下、ロシア・NIS諸国のサービス貿易について調査しているところなのだけど、統計データを整理していて、カザフスタンが意外に旅行サービスの輸出(つまり外国人観光客のインバウンド収入)が多いことに気付いた。中央アジア諸国の中で、ウズベキスタンがシルクロード・ロマンをかきたてる古代遺跡の宝庫であるのに対し、カザフスタンはお世辞にも一般受けする観光資源が豊富とは言いがたいイメージがある。それなのに、観光サービス輸出額を見ると、カザフの方がウズベクより上になっているのである。

 こちらのサイトの情報によると、当時大統領だったナザルバエフの2018年10月の演説では、国民の福祉を向上させるために、インバウンドおよび国内旅行を発達させるよう、政府に指示したということである。このサイトでは、それを受けて、カザフ観光庁のR.クゼンバエフ長官が、同国観光業の概況につき語っている。長官によれば、2018年にはカザフのインバウンド観光客数が10%、国内旅行客数が5%成長した。インバウンド観光客は849万人に上った。カザフスタンを訪れている外国人観光客が特に増えているのは、UAE、インド、マレーシア、香港、ポーランド、韓国、米国などである。

 以上が政府系サイトの伝えるあらましであるが、「UAE、インド、マレーシア、香港、ポーランド、韓国、米国」という国の顔触れが随分バラバラだなと思ったら、これは2018年の増加率の順に列挙しただけであり、絶対数の順ではないようだ。現実には、カザフスタンを訪れる外国人はロシアおよび近隣の中央アジア諸国からが多いようで、観光というよりは何らかの用事があって訪問するパターンが多いのではないか。


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 GLOBE+に、「ロシアや中央アジアの政権はなぜ長期化するのか? 辞めるに辞められない男たち」を寄稿しました。


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 GLOBE+に、「ナザルバエフ・カザフスタン大統領退任 ユーラシアの国際関係図はどう塗り替えられるのか?」を寄稿しました。


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 週刊ロシア経済(No.19、2019年3月24日)を配信しました。


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 昨日の深夜になって、超弩級のニュースが飛び込んできた。カザフスタンのナザルバエフ大統領が辞任を表明したというのである。まあ、超弩級のニュースといっても、ヤフーのトピックスにも、朝日新聞の号外にもなっていなかったので、あくまでも狭い業界での大事件ということになるが。

 「こんな、平成の終わりに合わせるかのように、辞めなくてもいいのに」と最初は思ったが、良く考えてみたら、ナザルバエフがカザフスタン共産党の第一書記(当時の共和国最高権力者)になったのは1989年6月であり、つまり彼がカザフのトップに君臨していた時期は平成の30年間とほぼ完全に重なるということになる。

 それで、私自身はカザフスタン内部のことはそれほど詳しくないので、個人的にまず気になることは、ナザルバエフの退任がユーラシア統合にどう影響するかという問題である。ユーラシア統合を最初に提唱したのはナザルバエフであり、彼がプーチンのユーラシア統合構想に呼応したからこそ、2015年にユーラシア経済連合が成立したという経緯があるからだ。

 当然、同じようなことはロシアの政策担当者も考えるわけで、こちらの記事には、ロシアのI.モロゾフ上院議員(リャザン州選出)のコメントが載っている。いわく、ナザルバエフ大統領の退任は、それでなくても困難なカザフ国内の情勢を錯綜させ、対ロシア関係、ユーラシア経済連合の将来にも否定的な影響を及ぼすかもしれない。ナザルバエフこそが、ユーラシア経済連合の提唱者で、旧ソ連空間の統合の牽引者だった。今日、政府にも、議会にも、彼に取って代われる人物はいない。したがって我々はナザルバエフ退任がユーラシア経済連合、CIS集団安保、上海協力機構の今後の発展に及ぼす影響を良く考えてみなければならない。モロゾフ議員はこのように指摘した。


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 最後に、こちらに出ているカザフスタン(ていうか、当ブログでカザフの記事久しぶり)。カムリはロシア製かな?


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 マニアックな話題だが、個人的に興味を持ったので、ちょっと。こちらの記事が、カザフスタンの労働移民受入の問題について伝えている。カザフスタンは近年、労働移民の受け入れが増えており、その中には非合法なものも含まれ、非合法流入は麻薬・過激主義・人身売買などを伴うので懸念を引き起こしている。カザフスタン内相がこのほど明らかにしたところによると、過去3年でカザフスタンに入国した(注:労働移民だけか、他の渡航目的も含まれるかは不明)外国人は560万人である。うち90%以上がCIS諸国民で、主にウズベキスタン、ロシア、キルギスである。CIS域外からの入国も増えており、現在それは62万人に達していて、主にトルコと中国からである。アフガニスタン国民が帰還カザフ人を偽装したり、バングラディシュ国民やアフガン国民がカザフを経由してヨーロッパ行きを目指す動きもある。当局は国境での生体認証管理などを導入して非合法移民の対策を強化しようとしている。


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 こちらのページに、カザフスタンにおける外資系企業の納税額(2016年の額)ランキングという資料が出ていたので、それをチェックしておきたい。タイトルではベスト25となっているが、このページで閲覧できるのは上位17位までである。その企業名、産業分野、投資国は以下のとおりである。

  1. テンギスシェヴルオイル:石油・ガス:米・露
  2. カラチャガナク・ペトロリアム・オペレイティング:石油・ガス:英・伊・米・露
  3. BGカラチャガナク:石油・ガス:英
  4. JTIカザフスタン:タバコ:日
  5. Kセル:テレコム:スウェーデン・フィンランド・トルコ
  6. フィリップモリス・カザフスタン:タバコ:米
  7. アジップ・カラチャガナク:石油・ガス:伊
  8. シェヴロン:石油・ガス:米
  9. ルクオイル・オーバーシーズ・カラチャガナク:石油・ガス:露
  10. カズツィンク:鉱山・冶金:スイス
  11. カトコ:鉱山・冶金:仏
  12. サイペム・カザフスタン:石油サービス:伊
  13. シュルンベルジェ:石油サービス:米
  14. エフェス・カザフスタン:食品:トルコ
  15. コッパー・テクノロジー:鉱山・冶金:露
  16. コカコーラ・アルマティ:食品:トルコ
  17. シチム・カザフスタン:石油サービス:伊

 それにしても、カザフスタンというと、「中国資本に飲み込まれつつある国」といったイメージもあるものの、17位までを見る限り、中国勢は皆無となっている。


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 こちらの記事によれば、カザフスタン政府と中央銀行は1月30日、2018年の経済政策および指標に関する共同声明を発表した。

 これによると、2018年の主要経済政策路線は、マクロ経済安定の維持、良好なビジネス環境の保証、デジタルを含む各経済セクターの成長、輸送インフラの発展、である。マクロ経済安定の維持のために、通貨・信用・財政政策で共同歩調をとる。財政赤字の対GDP比は、2017年の2.9%から2018年の1.1%に低下する。その結果、政府総債務残高はGDPの20%以内という健全なレベルに保たれる。インフレ率は5~7%程度に収まる。(あれ?肝心のGDP成長率の数字が出てこない。)

 下の図は、直接は関係ないが、こちらのページに出ていたもの。

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 こちらに、2017年のNIS諸国(ロシアとバルト三国を除く旧ソ連諸国)の主な動きをまとめた記事が出ているので、整理しておくことにする。

  • キルギスで大統領選、選挙への介入をめぐって隣国カザフスタンと対立。一方でウズベキスタン新大統領の下、キルギス・ウズベク関係は改善。
  • カザフスタン、ジョージアで大統領権限を制限し議会のそれを強める方向の憲法改正。アルメニアでも同様の動き。
  • カザフスタンのアスタナで万博。同国はキリル文字からローマ字への段階的移行にも踏み切る。
  • モルドバで大統領と議会の対立激化。
  • ウクライナ、反ロシア政策をより一層強化。ウクライナはポーランド、ルーマニア、ハンガリーと、西の隣国との関係も悪化させる。

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 こちらに、2017年のカザフスタンの主要潮流を総括した記事が出ているので、簡単に整理しておく。

  • カザフスタン近代化第3の波。「戦略2050」に沿って、カザフスタンが世界で最も競争力のある国の30位以内に入ることを目指す。
  • 2017年には約3.4%の成長率が見込まれ、ようやく本格的な回復軌道に。テンギスへの大規模投資、カシャガン操業再開、中国と欧州を結ぶ輸送路のトランジットなどが今後に向けた起爆剤。
  • 2017年にはアスタナで万博開催、400万人の来場者が詰めかけ、うち50万人が外国人だった。
  • 政治・憲法改革。3月の憲法改正で大統領権限の一部を議会、政府、地方に委譲。
  • 近代化の基盤として、未来志向、デジタル対応に向けた国民の意識改革。
  • 軍備の刷新・近代化。
  • 国際的地位の向上。2017~2018年に国連安保理の非常任理事国。アスタナはシリア和平交渉の舞台に。

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 ロシア経済発展省のこちらのページに、ロシアの一連の経済特区が、英フィナンシャル・タイムズの傘下にあるfDi誌の経済特区の国際アウォードでノミネート・受賞したという話題を伝えている。なお、原典はこちらであり、レポートは無料でダウンロードできる。

 ロシアの特区は、アラブガ、リペツク、トリヤッチ、チタンバレーという4つの工業生産特区が、ノミネートまたは受賞を果たした。中でも、アラブガは欧州の大口顧客部門で最優秀賞を受賞しており、これは3年連続での受賞という快挙である。アラブガは2年連続で世界最優秀賞にもノミネートされた。リペツクは、プロジェクトを拡大した特区、税制の改変を行った特区という2つの部門でノミネートされた。トリヤッチは、潜在的な競合者という部門にノミネートされた。チタンバレーは金属産業に特化した世界で唯一の特区であることが評価された。

 なお、私の関係国では、カザフスタンのInnovation Technology Park Specialが、アジア太平洋の小口顧客部門で最優秀賞を受賞したようである。


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 北海道大学大学院に博士学位申請論文を提出し、そのまま札幌郊外の温泉で2~3日休養し、帰京して平常業務に復帰したところ。この間は論文に集中するため当ブログは「好きな歌」シリーズでお茶を濁してきたが、ブログも平常に復帰したい。

 とはいえ、軽い話題から。先日、カザフスタン外交発足25周年チョコレートというものが職場で配られた。当方の場合、仕事柄、大使館筋などから、こういうアイテムが回ってくるわけだ。上に見るように、巨大な板チョコ然としていて面食らったが、開けてみるとちゃんと小分けにパッケージされており、独立四半世紀を経てカザフ商品もそれなりに洗練されてきたのかなと感心した。ただし、味は昨今の日本で流行りのようなカカオ感の強いものではなく、ひたすら甘いだけだったが。

 ところで、このチョコの裏を見たら、下に見るように、EACというマークが記されていた。これはEurasian Conformity markといって、ユーラシア関税同盟/経済連合の技術標準に適合していることを表す表示であり、話には聞いていたものの、実際にこれの付いた商品は初めて目にしたので(単に今まで気付かなかっただけか?)、取り上げた次第である。

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 こちらに、ちょっと面白い話が出ている。ユーラシア開発銀行のD.パンキン専務理事(写真)が、内陸国は通商の最大30%を失うと指摘したということである。なお、ユーラシア開発銀行はロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アルメニアが参加している国際金融機関で、ロシア以外の5ヵ国はすべて内陸国である。パンキン専務理事が国連経済社会会議のフォーラムで指摘したところによれば、内陸国の平均的な経済指標は、海への出口を持っている国のそれに比べ、1.5%ポイント低い。貿易量は、30%低い。その原因は明らかであり、輸送費が高くつくことである。内陸国の輸送費は、海に面した国と比べて、最大で50%高くなる。その解決策こそ地域経済統合であり、国境・通関コストを引き下げ、労働力・資本の可動性を高めることによって、地理的な孤立を軽減できる。パンキン氏は以上のように述べた。


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 こちらのサイトに、カザフスタンの債務の状況をまとめた記事と図解資料が出ていたので、取り上げてみたい。これによれば、カザフスタンの対外債務は2016年末時点で1,638億ドルであり、1年間で6.7%増大した。債権国の内訳は、オランダ473億ドル、英国246億ドル、米国129億ドル、中国126億ドル、フランス117億ドルなど。その際に、対外債務の55.7%は企業間の債務である。政府総債務は341億ドルで、対GDP比は25.1%。

 対外債務の多くは民間の債務で、債権国の顔触れからすると、石油ガス開発関連の投資と思われ、カザフスタン政府が重債務というわけではない。政府総債務の対GDP比が25.1%ということは、ちょうと日本の10分の1くらいだろう。

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 こちらの記事によれば、S&P Global Ratingsはこのほど、カザフスタンの不良債権問題についての報告を発表した。それによれば、カザフの銀行セクターは引き続き苦境下にある。カザフ中央銀行は最近、同国の銀行融資に占める問題融資の比率が、2016年初めの8%から、2017年2月1日には7.2%に低下したというデータを発表した。しかし、これは実態を反映しておらず、現実には全銀行融資の25~30%が問題融資に該当すると見られる。指標が表向き改善したのは、カザフ中銀の設定した10%という上限を達成するために、各銀行が問題融資をリスケしたか、または連結対象外の特別法人に飛ばしたからにすぎない。銀行部門は現在に至るも安定化しておらず、各銀行はバランスシートを改善できていない。S&P Global Ratingsはこのように指摘した。


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 ロシアの地場自動車メーカーであるAvtoVAZは(資本的にはルノー=日産アライアンスの傘下に入っているが)、しばらく前から近隣のCIS諸国だけでなく、ドイツをはじめとする欧州市場などにも乗用車を輸出しているようである。ドイツにおけるLADA(AvtoVAZの独自ブランド)の代理店が、こちらになると思う。ただ、ドイツには世界の主要メーカーがこぞって進出し、上から下まであらゆる価格帯の商品が揃っているはずだが、そうした中でロシアブランドの乗用車がどういう層に受け入れられる余地があるのか、そのあたりが個人的によく分からない。

 そうした中、こちらおよびこちらの記事によれば、ドイツでは2月21日にLADAの新モデルVESTA車の販売が始まったということである。価格は1万2,500ユーロからであり、AvtoVAZ幹部は、ドイツ市場でも充分に競争力があると、自信を示しているという。

 他方、こちらの記事は、1月からLADA車の中国およびUAEへの輸出が始まったということを伝えている。輸出されているのはオフロード車の4×4というモデル。ただし、この輸出を手掛けているのは、AvtoVAZも協力してカザフスタンに設立されたアジア・アフト社のようで、AvtoVAZ本体は本件に関知していないとしている(AvtoVAZとアジア・アフトとの契約で、後者は外国市場に自由に輸出していいと取り決められている由)。


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