ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

カテゴリ: モルドバ

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 モルドバの政局に関しては、当ブログでは2月27日に「モルドバ議会選挙後の袋小路」と題するエントリーをお届けしたきりで、その後、続報をお伝えできず、心苦しく思っていた。きわめて安直ながら、日本語版ウィキペディアのこちらのページでその後の流れが整理されているので、引用させていただく。

 2019年2月24日のモルドバ総選挙ではドドンのモルドバ共和国社会党が34議席を獲得し、30議席のモルドバ民主党を上回ったが過半数を得ることはできず、その後の連立政権交渉は失敗し続けた。6月7日、憲法裁判所は議会の解散と総選挙を行うことを決定。ドドンはこれに応じず、首班をマイア・サンドゥとする連立政権樹立を決定し、8日に議会がこれを承認した。しかしモルドバ民主党はこれを違憲として憲法裁判所に申し立てた結果、ドドンを職務停止とし、パヴェル・フィリプ首相を大統領代行とする決定を下した。9日、フィリプ大統領代行は議会解散と、9月の総選挙実施を決定。ドドンは反発し、外国の介入を要請した。6月14日、憲法裁判所が一転して8日の違憲判決を破棄し、フィリプ政権は崩壊。サンドゥ政権が権力を掌握した。

 前置きが長くなったが、こうしたモルドバ政治の深層につき、こちらのサイトでI.キセリョフという論者が論評しているので、骨子をまとめておく。

 6月8日の社会党とACUMによる連立協定は、まったく異なる政策と地政学路線の勢力が議会で手を組んだという意味で、旧ソ連圏だけでなく、全世界的に見ても稀有な出来事であった。それゆえ、この連立はもってもせいぜい数週間だろうなどと指摘された。しかし、かれこれ2ヵ月近く持ち堪えているわけで、これはつい最近まで完全な政敵同士と思われていた両勢力が、国の利益のために妥協を見出し、モルドバ国家機構をオリガルヒのV.プラホトニューク氏(現時点ではモルドバから逃れている)の影響から解き放つ作業を着々と実施していることを物語っている。

 思い起こせば、総選挙後の数週間は、社会党とACUMの連携など、まったく想定外だった。しかも、ACUMは、どんな条件でも、いかなる連立にも応じないと明言していた。だた、しばらく経つと、ACUMは結局、連立の条件を提示した。ACUMは2つの政党の連合体であり、ACUMは両方の党首、A.ナスタセとM.サンドゥに、それぞれ議会議長職と首相職をあてがうことを要求した。社会党の35議席に対し、ACUMには26議席しかないにもかかわらず、である。

 しかし、再選挙をやればプラホトニューク派の利益になるとの危機意識から、連立形成の期限が迫るに連れ、ACUMは社会党と接近していった。結局、土壇場の6月8日に、連立協定が締結された。社会党の側も譲歩し、事前に要求を出していた内相と外相のポストは断念し、Z.グレチャヌィが議会議長に就くということで同意した。ナスタセは内相・副首相に、サンドゥが首相に就任した。国防相を除く執行権はACUMが掌握することになった。

 政権ポストの配分をめぐる妥協に加え、連立を安定させている要因の一つが、社会党とACUMが大同団結しなければ、プラホトニューク時代にモルドバが陥った破局的状況から国を救うことはできないという危機感である。そのためなら、両勢力は地政学的方向性の違いを棚上げするだけでなく、欧米やロシアをモルドバを救うという目的のために活用する用意もある。社会党側がEUとの関係を重視してみせたり、サンドゥ首相がブリュッセルに出向いた際には逆にロシアとの関係の重要性を強調したりしている。

 今後に関して言えば、10月20日に統一地方選が予定されており、それが連立にとっての試金石となる。特にキシナウ市長のポスト争いは熾烈となる。

 今回の予期せぬ連立をもたらした、もう一つの重要な要因は、今日のような地政学的対立の状況にもかかわらず、ロシア、米、EUといった外国パートナーの間に、理解があったことである。また、ドドン大統領は常に社会党とACUMの協調と協力を重視する姿勢をとっており、それも連立を強化する上で重要な要因となっている。


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 大丸東京店の「世界の酒とチーズフェスティバル」で、モルドバ、ジョージア、アルメニアのワインが展示されていたので、見に行ってきました。動画でレポートします。


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 ちょっと用事があって、こんなデータをまとめてみた。ITCのデータベースにもとづき、モルドバのワイン(HS2204)の輸出相手国をまとめたものである。

 モルドバのワインは、以前は圧倒的にロシア向けが多かったのだが、2006年にロシアが政治的な揺さぶりとしてモルドバ産ワインの輸入禁止措置をとって以降、ロシア向けは急減して浮き沈みも激しくなっている。それ以降は、ベラルーシが一貫してモルドバ産ワインの最大の輸入相手国となっている。かく言う私も、20年前のベラルーシ駐在時には、モルドバの安ワインを結構飲んでいた記憶がある。

 元々の最大市場であるCIS向けは低下傾向を辿っており、現時点ではEU向けや中国向けの輸出増が目覚ましい。日本向けも、増えてはいるが、中国などに比べると規模がだいぶ劣る。先日、駐日モルドバ大使館の人と話す機会があり、「最近はEU産のワインもコンビニで数百円で買えたりするのに、モルドバのワインはネット通販で2,000円以上するケースが多く、だいぶ割高感があるのではないか」と指摘してみたのだけれど、価格差は問題ない、モルドバ産ワインは高品質に訴求する、という回答だった。まあ、ブランドイメージが定着していたら、それもアリかもしれないけれどねえ。


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 こちらで、ロシアの政治評論家のA.イヴァフニク氏が、2月24日投票のモルドバ議会選挙結果について論評しているので、以下のとおり要旨をまとめておく。

 モルドバ議会選の結果、独自に決定を下したり、単独で組閣をできる政治勢力は、一つも生まれなかった。I.ドドン大統領の親ロシア派の社会党は、比例区で31.4%を得票し、他の党を引き離した。親欧州派のACUM(「今」という意味)も善戦し、26.2%を得票した。ACUMは、尊厳・真実党(反汚職抗議運動のリーダーA.ナスタセが党首)と、行動・団結党(大統領選でドドンと争ったM.サンドゥが党首)の連合体である。ACUMは、党首たちの知名度と、オリガルヒのV.プラホトニュークが構築した現支配体制に対する徹底批判を武器に、支持を集めた。一方、プラホトニューク率いる与党民主党は、24.0%の得票に留まった。

 ただし、プラホトニュークは、与党の支持率が低いことを自覚して、事前に社会党と共謀して選挙制度を変更し、保険をかけていた。今回の選挙では、50人が比例区で、51名が小選挙区で選出されることになったのである。その結果、新しい議会で民主党は33議席を得ることとなり、これは社会党より1議席少ないだけである。ACUMは26議席である。それ以外では、左派ポピュリスト政党のショル党が8.4%を得票して8議席を獲得し、議会に進出することになった。党首のI.ショルは、2017年に起きた10億ドルの国外持ち出し事件により7年の実刑を受けながら、プラホトニュークにとって必要な人物ということで服役しておらず、政治に積極的に参加している。

 今後議会においてどのように連立与党が形成されるかは、まったく見当がつかない。プラホトニュークは、あらゆる勢力と交渉の用意があるとしている。ショル党が民主党と組むことは明白だが、それでも、定数101のうち41議席にしかならない。ACUMは、投票前に、民主党、社会党、その他のオリガルヒ・反欧州勢力とは絶対に組まないと明言していた経緯があり、これが言葉だけということはあるまい。ナスタセとサンドゥは、政治システムからプラホトニュークの汚職体質を一層する役割を自任しており、また見せかけではなく真に欧州統合、米国およびNATOとの緊密な関係を目指すとしていて、社会党の親ロシア路線は厳しく批判している。大統領派の社会党は、まさにこの親ロシア的姿勢ゆえ、連立交渉の余地が限られる。社会党がロシア志向であるのに対し、民主党はあからさまな反ロシア政策でモスクワではすこぶる評判が悪い。民主党または社会党が、他党の条件付きの支援を受けながら少数派内閣を形成するというシナリオは、現在のところまだ検討されていない。


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 このほど、ちょっと用事があって、こんな図を作成してみた。世銀の資料「Migration and Development Brief 28 (October 2017)」にもとづき、旧ソ連のNIS諸国につき、いわゆるレミッタンス、すなわち出稼ぎ等による国外からの個人送金額と、その対GDP比を図示したものである(2017年の予測値)。なお、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、トルクメニスタンなど、出稼ぎ依存度が低い国は原典に数字がなかったので、対象外となっている。

 NISの小国は、外国からの送金への依存度が高い国が多い。上掲資料によれば、その対GDP比が世界で最も高いのはキルギス37.1%であり、以下ハイチ31.2%、タジキスタン28.0%、ネパール27.2%、リベリア25.9%、モルドバ21.1%などと続く。一方、図で見るように、送金額はNIS諸国の中でウクライナが一番多く、2番目がウズベキスタンとなっているが、これは言うまでもなく両国が人口規模が大きいからだろう。ロシアに行くと、ウズベキスタンの労働移民がかなり多い印象を受けるが、同国は経済・人口規模がそこそこ大きいので、こうやって対GDP比の数字を見ると意外に出稼ぎ依存度が大きくないことが分かる。


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 私の幻の著作『ウクライナ・ベラルーシ・モルドバ経済図説』に、上掲のようなモルドバの地域区分を掲載した。モルドバの国土が北部、中部、南部、ガガウス自治区、そして首都キシナウ都市区域に分けられている。しかし、実を言うと、その時点では、この地域区分がモルドバ当局が採用している正式なものであるかどうかの確信がもてないまま、見切り発車的に掲載した次第だった。

 そして今般、モルドバ統計局の刊行物で、地域統計集が発行されているのを発見した。こちらのページからダウンロードできる。中身を確認したところ、まさに私が経済図説に掲載したのと同じ地域区分に立脚したものとなっており、安堵した。

 統計集の中に、下に見るように、地域総生産のデータも出ていた。どんな国にも首都と地方の格差は存在するものだが、モルドバにおいては2015年時点で富の実に58.4%が首都キシナウに集中していることが分かる。また、1人当たりの総生産を比べても、首都と地方で4倍ほどの格差がある。(なお、表にある「間接的な金融仲介サービス」というのが何を意味するのか、正直言ってよく分からない。)

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 以前こちらで報告したとおり、ウクライナとEUは連合協定を結んで自由貿易関係が成立したのだが、EUはウクライナ産主要農産物・食品に対しては「関税割当」を設定し、それらの品目については一定量のみ無税で輸入する制度となっている。だが、その無税割当量があまりに少ないということで、ウクライナ側の不満が高まり、EUは協定とは別枠の独自の優遇措置として、追加的な無税枠をウクライナに与えることになった。

 それで、今日ご紹介したいのは、こちらの記事などが伝えている動きであり、モルドバも同じようにEUによる無税枠の拡大を求めているという話である。各品目につき、年間割当量をそれぞれ以下のように引き上げることを求めているという。

  • ブドウ:1万t → 2.5万t
  • プラム:1万t → 2万t
  • 小麦:7.5万t → 25万t
  • 大麦:7万t → 10万t
  • とうもろこし:13万t → 25万t
  • 砂糖:3.7万t → 5万t
  • アルコール飲料:0.25万t → 1.5万t

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 以前、「ウクライナとの領土交換で黒海への出口を得たモルドバ」と題する記事の中で、モルドバのジュルジュレシティ港についてお伝えしたことがある。内陸国であるモルドバは、元々は黒海への出口を持たなかったが、モルドバがウクライナと領土交換条約を結んだ結果、モルドバはドナウ川の河川港を手に入れ、これによりドナウ川経由ではあれ、自国の港を基盤に黒海海運にアクセスできるようになったという話題であった。

 それで、その後ジュルジュレシティ自由港は、まずまず順調に発展を続けているようである。2016年までの自由港の活動実績は、下に見る表のとおりである(出所はこちら)。そして、こちらの記事では、2017年上半期の自由港の活動実績が伝えられている。それによると、2017年上半期の取扱貨物量は35.9万tで、前年同期比4.6%拡大した。輸出では穀物が、輸入では石油製品が多い。これまでに、自由港には6,870万ドルが投資され、その大部分は同港のオペレーターであるDanube Logistics社による投資である。

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 モルドバがドドン大統領の就任以来、大統領の主導でロシアおよびユーラシア経済連合へと舵を切りつつあることは、以前こちらでも報告したとおりである。その後の重要な動きとして、こちらのサイトに見るとおり、4月3日にドドン大統領とユーラシア経済委員会のサルキシャン理事長が「ユーラシア経済委員会とモルドバ共和国間の協力メモランダム」に調印するという動きがあった。メモランダムのテキストはこちらで閲覧することが可能。ただし、ウクライナについて指摘したのと同様で、今回のユーラシアとモルドバのメモランダム調印をもってモルドバがユーラシアのオブザーバーに正式になるわけではない。メモランダムにそのようなくだりは見当たらないし、またあくまでも覚書で国際条約ではないので、拘束力がないということも明記されている。ロシア/ユーラシア側は、ドドン大統領がどれだけモルドバをまとめて方向転換を果たせるのか、お手並み拝見ということなのだろう。なお、ユーラシア経済連合のオブザーバーとは何ぞやという説明を、こちらのサイトで見付けた。


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 こちらの記事によると、ロシアなど旧ソ連5ヵ国から成るユーラシア経済連合、モルドバがオブザーバー参加する方向となった。2月17日にモルドバのドドン大統領がテレビインタビューでその見通しを語った。1月にドドン大統領がプーチン・ロシア大統領との会談後に、モルドバはユーラシアへのオブザーバー参加を希望する旨を表明していた経緯がある。3月にはその希望を正式に書面で伝える予定で、4月3~4日頃にはモルドバとユーラシア経済委員会間で協力枠組み覚書を結ぶ運び、という。


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 こちらの記事が、海外からモルドバへの銀行を通じた送金(個人仕送り)について報じている。2016年には、ロシアからの送金は縮小はしたものの、やはり依然として同国からの送金が最も多い。すなわち、2016年のロシアからの送金額は3億8,748万ドルで、前年比20.6%減だった。2016年にロシアのシェアは35.9%で、前年から7.3%ポイント低下した。


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wine

 トランプ・ハリケーンが吹き荒れる中、当ブログは地味な話題で恐縮。こちらのニュースで知ったのだが、国際ワイン機構というところがあるそうで、そこが発表した2015年の世界ワイン生産国ランキングで、モルドバが20位になったということである。ランキングは上の表に見るとおりである(単位は100万ヘクトリットル、ヘクトリットルとは100リットルのこと)。調べてみたら、原典はこちらだった。

 良く見ると、ロシアが12位に入っているのだが、クリミアをぶんどった割には、生産量が増えていないのはどうしたことか?


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 少々遅れ気味のフォローになってしまうが、個人的に認識があやふやな部分だったので、メモしておく。こちらの記事などが伝えているとおり、EUとモルドバ、EUとジョージアの連合協定(2014年7月27日締結)は、すべての締約国による批准が完了し、本年7月1日に正式に発効したということである。それに対し、EUとウクライナの連合協定は、まだすべての批准手続きが完了していないので、暫定的に適用されるに留まっている。


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 こちらのモルドバのニュースサイトを見ていたら、「日本のメタルプロダクツ社がモルドバに投資」という見出しが躍っており、色めき立った。ただ、メタルプロダクツという会社は日本に限っただけでも何社かあるようで、一体どこの会社のことかと思って探してみたら、山形県最上郡にあるこちらの㈱メタルプロダクツのことであることが判明。主として鉄骨部材における鉄鋼業の総合的なパーツを製作している会社ということである。実際、こちらのページに見るとおり、渡邊進社長が8月16日にフィリプ・モルドバ首相と面談し、経済協力について話し合ったということである。上掲記事によれば、メタプロ社は再生エネ、バイオマスなどの分野で2年ほどモルドバでビジネスを手掛けており、今回はモルドバで鉄骨生産の新たなプロジェクト立ち上げを決定したということである。


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 少々古く、2015年12月に出た情報だが、こちらのサイトに、2014年の欧州各国の国民の消費支出に占める食費の比率のランキングというのが出ているので、抜粋して紹介する。これはいわゆるエンゲル係数のことなので、数字が高いほど貧しいということになる。欧州40ヵ国が対象になっているが、全体の平均は22.9%。私の関係国は、全部Bクラスなので、図の下の方だけトリムして、上掲のようにお目にかける。最下位は、急激に生活水準が低下しているウクライナで56.5%、以下モルドバ、カザフスタン(同国も便宜的に欧州国として扱われている)と続く。


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 こちらの記事によると、ロシア政府はこのほどモルドバに対し、通商関係を回復させるための措置をリストアップした「工程表」を提示したという。ロシア連邦政府の経済発展省のイリヤ・ガルキンCIS諸国経済協力・ユーラシア統合発展局長が、在ロシア・モルドバ大使館に送付した。7月5~6日にドミトリー・ロゴジン副首相(ロシア・モルドバ通商経済協力委員会の共同議長も務める)がモルドバを訪問することになっていたので、その1週間前の6月28日にモルドバ側に伝えられた。『コメルサント』が入手した工程表は14項目から成り、一部はモルドバがEUと結んだ連合協定と抵触するようなデリケートな項目も含んでいる。ロシアはモルドバ側に対し、2011年10月18日付のCIS自由貿易条約や、認証・度量衡・標準・検疫に関する諸協定で負った義務を全面的に履行するよう求めている。


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 こちらの記事によれば、このほどIMFが発表したリリースで、モルドバ経済の苦境が指摘されている。同リリースによると、モルドバ経済の短期的な見通しは引き続き困難なものとなっている。モルドバ経済は貿易パートナーからも、世界情勢からも、打撃を被りやすい。さらに、直近では政治的不安定や、気候変動による悪影響もある。2015年のGDPは0.5%のマイナスだったが、これには干ばつ、弱い内需、海外からの送金の伸び悩み、投資の縮小などが影響した。生産の落ち込みは、2016年上半期も続いている。IMFは以上のように指摘した。


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 モルドバの南部に、トルコ系の正教徒であるガガウス人のガガウス自治区というのがある。こちらの記事によると、ガガウスの最大企業であるTrans Oil Refineryという会社(ひまわりの種から植物油を抽出する工場)が、4月1日から3ヵ月にわたって操業を一時停止し、従業員を一時帰休させたということである。市場の落ち込みによる販売不振が原因。ガガウスで栽培されたひまわりはすべて同社が買い上げており、地域への影響は深刻だという。工場はモルドバで2番目の規模を有し、南モルドバでは唯一の油脂抽出工場、年産15万tのキャパがある。ジュネーブに本部を置くTrans-Oil Group of Companiesという国際グループに属しているが、各生産企業はそれぞれ自立している。なお、ガガウスでは本件に先立ち、アセナ・テクスチリという縫製企業も操業を停止しており、300人が失業したばかりだった。


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 こちらの記事によると、このほどロシア外務省は、2015年にロシアとモルドバの貿易が縮小したのは、モルドバとEUの連合協定・FTAのせいであるとするコメントを発表した。これはモルドバのアンドレイ・ガルブル副首相・外務欧州統合相が訪ロするのを前に、ロシア外務省がコメントを発表したものである。2015年にロシア側の対モルドバ輸出は30%、輸入は41.2%縮小した。ロシア側は、第三国の製品がモルドバからロシアに再輸出されるリスクを最小化するためと称して、モルドバからの輸入に関税を導入している。また、果実・葡萄関連製品に、植物検疫上の制限を課している。


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 こちらの記事によると、モルドバを訪れる外国人は増加しており、2015年には前年比8%増の1万5,500人(!)に達したということである。うち、65.1%が観光目的、27.1%が商用、3.1%が療養目的だった。国別の内訳は以下のとおりで、意外にも日本が入っていたので、取り上げた次第。1万5,500人のうちの1.8%ということは、279人くらいか。

  1. ルーマニア:20.5%
  2. ウクライナ:11.5%
  3. ロシア:9.8%
  4. トルコ:4.6%
  5. 米国:4.4%
  6. ポーランド:4.1%
  7. ドイツ:3.5%
  8. イタリア:3.4%
  9. 英国:3.3%
  10. イスラエル:3.1%
  11. スウェーデン:3.1%
  12. ブルガリア:2.4%
  13. フランス:1.9%
  14. オランダ:1.9%
  15. 日本:1.8%

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 『コメルサント』のこちらの記事が、モルドバの政治危機に乗じて、隣国のルーマニアがモルドバとの統合をめざし働きかけを強めているという趣旨の記事が出ている。両国の経済概要を比較した図が出ていたので、上記のとおり転載させていただく。


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 モルドバ統計局のデータにもとづきこちらの記事が伝えているところによると、2015年のモルドバの貿易はきわめて低調なパフォーマンスを示した。2015年の輸出は19億6,690万ドルで、前年比15.9%減。輸入は39億8,680万ドルで、前年比25.0%減だった。EU向けの輸出は12億1,760万ドルで、2.3%減、EUからの輸入は19億5,410万ドルで23.9%減。CIS諸国向けの輸出は4億9,230万ドルで33.1%減、同諸国からの輸入は10億1,810万ドルで、29.7%減だった。


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 モルドバでは、左派系野党主導の不信任案可決により、2015年10月29日にV.ストレレツ内閣が退陣に追い込まれていた。わずか3ヵ月の在任期間だった。その後はGh.ブレガ氏が首相代行を務めてきた。

 そして、こちらの記事などが伝えるとおり、1月20日に議会が賛成多数で民主党のD.フィリプ氏を新首相に承認した(101議席のうち57名が賛成)。野党側は議会が突然召集され、わずか30分の審議で採択されたと反発、投票結果の無効化を求め、議事堂前では抗議デモも始まった。しかし、そうした騒然とした雰囲気の中で、フィリプ新首相は大統領府で就任式を強行した。

 こちらによれば、欧州議会はモルドバ新政府の成立に歓迎の意を表したということである。

 なお、モルドバ政局ゴタゴタの背景に関しては、藤森信吉さんのレポートを参照。


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 各国別まとめシリーズで、こちらのサイトに出ている2015年のモルドバ経済の総括というのを簡単に整理しておきたい。

  • 10月16日、モルドバ中央銀行がBanca de Economii、Unibank、Banca Socialaから免許剥奪。
  • 銀行の寡占化が進む。Moldova-Agroindbank、Moldindconbank、Victoriabankという大手3銀行の市場シェアが66.5%まで肥大化。
  • GDPは低下傾向を辿り、通年では2%程度のマイナス成長へ。にもかかわらず大手銀行の収益は拡大。
  • 銀行金利が上昇、融資は低下。
  • 通貨レイ安とインフレが亢進。

 以上。金融部門に話が偏りすぎていて、つまらない内容だった。なお、2015年のモルドバ政治のまとめについては、こちらのサイトが良さそう。


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tomato

 ロシアはトルコからの野菜・果物に結構依存しているのだが、例のロシア軍機撃墜事件への報復として、2016年からロシアは主要な青果物のトルコからの輸入を禁止することになった。

 こちらのサイトに、ロシアがトルコからの供給に特に依存していた品目というのが出ており、中でも依存度が高かったのがトマトである。2014年のロシアのトマト輸入に占めるトルコ産の割合は42%に上ったという。えらいこっちゃ。

 そうした中、こちらの記事によれば、ロシア語系住民がモルドバからの分離独立を唱えている「沿ドニエストル共和国」が、代替のトマト供給地として名乗りを上げているのだとか。沿ドニエストルでは、非常に現代的な温室でトマトが栽培されており、質の良いトマトが供給できるのだという。すでにロシアの小売業者が視察に出かけたりしているということを、この記事は伝えている。


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sumitomo

 モルドバのニュースを眺めていたら、「スミトモがモルドバに工場を建てる」という見出しが目に飛び込んできて、驚いた。読んでみると、住友電装のドイツ子会社であるSumitomo Electric Bordnetze GmbHが、自動車用ワイヤーハーネスを生産する工場を、モルドバのバルツィ(ロシア語ではベルツィ)自由経済地区に建設する計画ということである。2,000万ドルを投資する予定だという。製品は全量を輸出する。バルツィ自由経済地区は2010年3月に期間25年で創設され、すでに40の企業が入居しており、3,100人以上を雇用している。投資総額は4,570万ドルで、モルドバのすべての自由経済地区の受入額の21.3%に相当する。


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 モルドバの運輸部門、環黒海経済圏に関し、ちょっと気になる情報を見付けたので、取り上げる。こちらの記事が、プルート川に橋をかけてモルドバとルーマニアを結ぶという話題につき伝えている。ルーマニアとモルドバは、民族的には同一系統ながら、ソ連時代以来の微妙な関係があり、モルドバがEU参入を目指している今日でも、両国間にはまだ壁がある。それが、橋で結ばれるということは、興味深い動きだ。

 記事によると、両国の国境線となっているプルート川に2本の橋を架ける工事が、来年2016年から始まるということである。地図上で青いマークで示したのが建設地であり、北の方ではモルドバのウンゲニと、ルーマニアのヤーシを結ぶ。南の方では、モルドバのジュルジュレシティと、ルーマニアのガラツィを結ぶ(ジュルジュレシティの自由港に関しては本ブログで先日取り上げた)。また、環黒海環状道路を建設するというプロジェクトがあり、このエリアでは、ルーマニアのトゥルグ・ムレシュ~ヤーシ、モルドバのウンゲニ~キシナウ(キシニョフ)、そしてウクライナのオデッサというルートで幹線道路が整備されるということである。このルートを地図では赤い矢印で示した。良く分からないが、環黒海道路と言いつつ、ルーマニア部分では結構内陸を通るということなのかな。まあ、現在のロシア・ウクライナ関係、ロシア・ジョージア関係を考えれば、実際に黒海をぐるりとめぐる環状道路など、完成するはずもないが。


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 恥ずかしながら、これまでまったく知らなかった話を、今般初めて知ったので、ここにメモさせていただく。モルドバは黒海圏に位置する国ながら、惜しい形で内陸国であり、その国土は直接には黒海に面していない。しかし、モルドバがウクライナと領土交換条約を結んだ結果、モルドバはドナウ川の河川港を手に入れ、これによりドナウ川経由ではあれ、自国の港を基盤に黒海海運にアクセスできるようになったとのことである。

 ざっと物色したところ、こちらのサイトの情報が詳しそうだ。上の地図に見るように、モルドバの国土は「むくんだブーツ」みたいな形をしているのだが、モルドバはそのつま先の部分をウクライナから獲得し、これによってモルドバは600mほどとわずかではあるが、ドナウ川の左岸を領土として獲得することができ(ドナウ川にプルート川が注ぐあたり)、そこにジュルジュレシティ港を建設、かくして同港からドナウ川を通じて黒海への出口を確保したわけである。一方、モルドバはむくんだブーツのかかとの先っぽ部分を、ウクライナに割譲した。ウクライナのオデッサ州は、ドニエストル潟をはさんで、領域が北東と南西に分かれてしまっていたのだが、ドニエストル潟の北岸の幹線道路が通る小さな部分がモルドバ領からウクライナ領となり、これによって州都のオデッサ市とイズマイル、レニといった小都市との道路交通が格段に便利になった。このように、それぞれが抱えていた交通上のボトルネックを、ごくわずかな領土の交換によって解消できるという、ウィン・ウィンの取り決めだったわけである。

 下の地図に見る濃いグレーの部分がモルドバが獲得した新領土らしく、このようにちょこっとだけドナウ川に面しているだけではあるが、それが大きいのだ。

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 本件交渉は1995年頃から始まり、1999年に中間的な協定が結ばれたところ、モルドバ側が先走って河川港建設の工事に着手してしまい、その一方でウクライナ側に引き渡すはずだったパランカ村郊外の区画をなかなか明け渡そうとしなかったため、両国間で対立する場面もあったようだ。しかし、こちらの記事によると、ようやく2011年になってモルドバも当該区画を明け渡し、これをもって両国間の領土交換が完了した形になったようである。

 そして、こちらのサイトに見るように、モルドバはジュルジュレシティを中心に自由経済区を創設し、同港は国際自由港というステータスになっている。モルドバにとっての唯一の海への出口であり、なおかつ対ウクライナ、対ルーマニア(すなわち対EU)国境に面するという、興味深い地理的条件を備えている。そのジュルジュレシティ港の取扱貨物量の実績が、下表に見るとおりである。現状で決して大規模とは言えないが、趨勢的に拡大しているし、小国モルドバにとっての意義は小さくないだろう。なお、ウクライナが完成させたドナウ川~黒海運河があり、ジュルジュレシティに出入りする船もその運河を使うことによって(言い換えればルーマニア領を流れるドナウ川スリナ支流を避けることによって)、さらに黒海との行き来がスピードアップしているということである。

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 モルドバからの分離・独立を唱えている非承認国家「沿ドニエストル共和国」に、シェリフ社という筋悪企業があり、手広く商売を手掛けている。従来は、沿ドニ当局とシェリフ社は昵懇というイメージが強かったが、こちらの記事によると、最近になって摩擦が強まっているらしい。記事によれば、沿ドニ政府は先日、「2015年上半期の社会経済情勢に関する速報報告」という資料を公表したが、その中で生活水準低下の元凶がシェリフ社にあるようなくだりがあった。それに対し、今般シェリフ社が政府宛に公開書簡を送付し、我が社に罪をなすりつけないようにと、政府に求めた。シェリフ側の主張によれば、同社による納税が激減しているのは、2014年末にウクライナ領を経由して沿ドニエストルにタバコ・酒を輸入するのが禁止されたのが原因であり、その結果として物品税の納税がゼロになったというのが真相である、ということである。


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