ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

カテゴリ: ベラルーシ

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 ロシア・ベラルーシの経済成長率を、石油価格と対比しつつ示すこの図は、時々更新しているのだけれど、2019年の数字が出揃ったので、それを反映して最新版を作成した。見づらかったら拡大表示してください。

 ロシアの経済成長率が油価とほぼ連動しているのはご存じの方も多いだろうが、実はベラルーシも同じである。ベラルーシでは、ロシアから原油を輸入して、それを石油製品に加工し、欧州市場等に輸出することが、最大の稼ぎ口だからである。それに加え、ロシアへの経済依存度が高いために、ロシアが油価に翻弄され、さらにそのロシアにベラルーシが翻弄されるという作用も生じる。


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 GLOBE+に、「中国がユーラシアに築く新型コロナ対策のシルクロード」を寄稿しました。

 中国での新型コロナウイルス感染拡大にもブレーキがかかり、3月10日に武漢を視察した習近平国家主席は、湖北省での感染は基本的に抑え込んだと宣言しました。この「勝利宣言」あたりが転換点だったでしょうか、中国は支援を受ける側から、遅れて感染が広がった諸外国を支援する側へと回ります。ロシア・ユーラシア諸国も例外ではなく、現在では同諸国のほとんどが、何らかの形で、新型コロナ対策の支援を中国から受け入れています。今回のコラムでは、この現象を取り上げています。


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 この週末に開幕したベラルーシのサッカーリーグは、今日の世界ではきわめて稀なことに、観客を入れて普通に開催されている。個人的にFBやツイッターで、「皆でベラルーシリーグを観よう!」と呼び掛けたりしたのだが、どうやって観たらいいのかというごもっともな声を想定し、上に開幕節の一つであるシャフチョール・ソリゴルスクVSトルペドBelAZのダイジェスト動画を貼っておく。なるほど、客入りの悪さは気になるが、確かに普通に観客を入れている。こうやって見ると、ベラルーシのサッカーリーグというのも、それなりにヨーロッパのプロのサッカーリーグらしくなってきたという気がする。それと、この対戦は、ベラルーシカリとBelAZという、ベラルーシを代表する国営大企業同士のダービーマッチという萌えポイントもある。世界屈指のカリ塩鉱脈と、世界最大のダンプカーの対決だ。

 さて、このサッカーの話でも象徴的なように、西欧も、旧ソ連圏も、どちらも厳戒態勢になる中で、その狭間に位置するベラルーシが、なぜ一人だけのんびり構えているのかというのは、なかなか不思議である。ちなみに、ベラルーシは何もしていないのに、周りの国がすべて国境を封鎖してしまったものだから、結果的にベラルーシも周辺国との往来が閉ざされた格好になっている。

 いみじくも、こちらの記事が、ルカシェンコ大統領の思考と行動について論じている。かいつまんで言うと、次のようなことだという。ルカシェンコにとってみれば、国のトップは国家そのもので、秩序こそ肝要であり、国家指導者がパニックを見せるなどもってのほか。ルカシェンコは自らが作り上げてきた安定神話の囚人となっており、長年にわたりベラルーシは世界の荒波の中の安定の孤島であるとしてきた。リーマンショックの時でさえ、ベラルーシには危機はないとうそぶいた。現在もそれを繰り返し、「世界はコロナウイルスのせいで正気を失っている」と称しているのである。また、ルカシェンコはソ連崩壊、カラー革命、リーマンショックなど、すべて誰かの陰謀のせいにする。鳥インフルエンザの時には、製薬会社の陰謀だと指摘した。しかし、こうした姿勢をとり続けることは、ルカシェンコにとってリスキーでもある。もしもベラルーシ国内でコロナウイルスの犠牲者が急増するようなことがあったら、自分が非難されるからである。一方、ロシアが国境を封鎖したことについてルカシェンコが憤慨したのは、それにより「連合国家」などというものが存在しないことが白日の下にさらされてしまったからである。ベラルーシは長年にわたりロシアの特別な同盟国を自任してきたわけだが、ロシアはカザフスタンやアゼルバイジャンとの国境は封鎖していないのに、ベラルーシとの国境は閉じてしまった。かつて対ロシア国境開放に立ち会ったことを拠り所にしているルカシェンコにとって、「国境封鎖」という言葉は屈辱的である。しかも、事前通告なしに。むろん、経済的損失も生じる。ルカシェンコは、周囲で生じている変化に適時に対応することができず、残された唯一可能なことは憤慨することだけだったのだ。


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 YouTubeの「深掘り! ロシア・ユーラシア」のシリーズで、「ユーラシア経済連合の共同エネルギー市場」という動画を配信しました。

 何度か申し上げたとおり、2月16日(日)に立教大学で公開シンポジウム「エネルギー安全保障:欧州の経験とアジアへの示唆」が開催され、私はそこで「ユーラシア経済連合の共同エネルギー市場」という報告を行いました。せっかくパワーポイントを作ったので、それを利用して、シンポジウムにおける報告要旨をご紹介するものです。


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 こちらの記事などが伝えているとおり、昨年末から揉めていた石油の供給をめぐるロシアとベラルーシの対立は、ようやく解決を見た模様である。2月9日、ソチでプーチン・ロシア大統領とルカシェンコ・ベラルーシ大統領が閣僚らを交えて交渉した結果、合意が達成された。ベラルーシの製油所はロシアの石油会社から、国際相場に応じた価格で石油を調達することになった。ベラルーシのD.クルトイ第一副首相によると、これはベラルーシ側が交渉で再三主張していた点であり、ベラルーシ側が求めているのは特別な優遇条件などではなく、単に国際相場にもとづいて購入したいという点に尽きる。プーチンもそれに同意し、石油各社や輸送会社のトランスネフチに働きかけを行うと約束するとともに、最近まで副首相としてエネルギーを担当していたD.コザク大統領府副長官をベラルーシとの石油関係担当者に指名した。一方、天然ガスの価格に関しては、1,000立米あたり127ドルだった2019年の条件よりも悪くしないということで合意し、現在はこの127ドルが交渉の基本線となっている。

 一方、国際相場にもとづいた石油価格が、具体的にどういうものなのかということについて、こちらの記事の中で、クルトイ第一副首相の補足的な説明が伝えられている。これによると、国際相場にもとづくが、ロシアが輸出関税を課さない分、世界価格の83~85%程度の水準となる。プレミアム(割増)については、ベラルーシの製油所がロシアの石油会社と個別に交渉することになる。ちなみに、2019年には輸出関税抜きで、世界価格の80%の水準だった(2019年1~11月にベラルーシは平均価格1バレル50ドル強、総計59.3億ドルでロシアの石油を輸入しており、一方ロシア財務省によれば同期のUralsは65.3ドルだったので、その差は21%)。プレミアムに関しては、2019年には1t当たり10ドルで、ベラルーシ側は撤廃するか、せめて半減してほしいと希望しているが、ロシアの石油会社側は貪欲に1t当たり15~20ドルを求めている、という。2020年1月のロシアからの石油供給は50万tに留まり、これはベラルーシの想定の4分の1だった。供給を行ったのはサフマル社だけで、同社は1~2月に95万tを供給しようとしており、それ以外にベラルーシはノルウェーの石油8.6万tを輸入した。さらに、ベラルーシは自国産の原油は従来は輸出に回していたが、今年に入ってからはそれも国内の製油所に回している。


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 最近、ポンペオ米国務長官がベラルーシを訪問したりして、すっかり気が大きくなったのか(?)、ベラルーシのルカシェンコ政権がロシアに対する毅然とした態度を強めている。

 下の動画や、こちらの記事に見るとおり、2月6日にベラルーシの政権幹部会合が開かれ、そこでロシアとの関係で生じている問題、それへの対応が話し合われたようである。その中でS.ルマス首相が述べたところによると、ロシアの石油税制改革によって2019年にベラルーシに生じた損害は3億3,000万ドルであり、うちベラルーシ財政の損害が1億3,000万ドル、製油所の損害が2億ドルであったという。また、ルカシェンコ大統領は、政府間合意によりロシアはベラルーシに毎月200万tの石油を供給する義務を負っているにもかかわらず、1月の供給は50万tに留まったと指摘した。


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 地味な話題だが、こちらが2019年のベラルーシ鉄道によるコンテナ貨物輸送の実績につき報じているので、メモしておく。

 2019年にベラルーシの鉄道によるコンテナ輸送は、73万2,900TEUで、前年比15%増だった。うちトランジット輸送は50万TEUで8.7%増、さらにそのうち中国~欧州間コンテナは33万8,500TEUだった。

 記事には、中~欧トランジットがどれだけ増えたか明記されていないのだが、私が以前作成した図表に当てはめると上掲のとおりであり、前年比わずか2.1%増と、頭打ちの傾向が生じたようである。

 記事によれば、中国向け輸出貨物輸送の増強が図られている。2019年にはコンテナによるベラルーシ商品の輸出が9万7,600TEUに上り、前年の1.3倍となった。特に、株式会社「食肉・乳製品会社」の商品、木材製品などが中国に輸出された。今後は、グレートストーン工業団地の入居企業とのコラボなどを見込んでいる、という。


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 既報のとおり、価格で折り合いがつかず、ベラルーシがロシアから石油を輸入する契約が結べないままとなっている。ベラルーシはロシア以外の供給源を模索しているわけだが、こちらの記事が、そのうちカザフスタンからの調達の試みについて論じている。

 記事によると、ベラルーシの国営コンツェルン「ベルネフチェヒム」から、カザフスタンのエネルギー省に石油供給の打診がすでに届いている。1月20日に両者が交渉を行う予定であり、カザフ側は条件が折り合えば供給の用意があるとしている。

 しかし、専門家らは懐疑的な見方を示す。AMarketsのA.デエフの指摘によれば、ベラルーシは国内市場を満たすのに600万tの、輸出向け石油精製のために1,200万~1,800万tが必要である。この量は、ウクライナ、ポーランド、カザフスタンが揃って供給をしてようやく可能となる分量である。カザフの石油はロシア領のパイプライン(アティラウ~サマラ)を経由してベラルーシに供給されることになる。しかし、BKSブローカーのN.アヴァキャンによれば、そのためにはロシアのトランスネフチとの交渉が必要であり、ロシアは2025年にユーラシア経済連合の共通石油・石油製品市場が発足するまでは、そうした輸送に応じることはありそうもない。しかも、カザフの石油はロシアよりも割高となり、これは経済的には無意味であり、むしろロシアとの政治的な駆け引きである。


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 こちらのページに見るとおり、世銀のGlobal Economic Prospectsの最新版(2020年1月版)が発表されたので、その中からロシア・NIS諸国の経済見通しの部分を抜粋して上表のとおりお目にかける。

 最大国のロシアに関して言うと、前回2019年6月に発表された経済見通しと比べ、2019年についてはプラマイゼロだったが、2020年の予測が0.2%ポイント下方修正された。この地域においては、ロシアがその低成長によって地域全体の景気の足を引っ張るという現象がすっかり定着している(ロシアへの依存度が強く経済がより脆弱なベラルーシの成長率はさらに低いが)。


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 昨年GLOBE+に書いた「ロシア版の新幹線計画がまさかの大迷走」というコラムは、幸いにして多くの読者に読んでいただけたようだ。ただ、サンクトペテルブルグ路線とカザン(当面はニジニノヴゴロドまで)路線が競合し、2019年末までにどの路線にGOサインを出すのか最終結論を出すと言われていたにもかかわらず、結局年内には明確な決着が着かなかったようで、相変わらず雑多な情報が飛び交っている。以下では、雑駁になるが、11~12月に出た報道を整理しておく。

 11月半ばのこちらの記事によると、ロシア運輸省は、サンクトペテルブルグ~モスクワ~ニジニノヴゴロド高速鉄道プロジェクトを、ナショナルプロジェクトの一環である「インフラ近代化総合計画」に追加で盛り込むことを主張している。ティトリフ運輸相が11月12日に述べた。モスクワ~ニジニノヴゴロドについてはすでに総合計画に盛り込まれている。まず2024年までにモスクワ~ニジニノヴゴロドを完成させ、サンクトペテルブルグ~ニジニノヴゴロド全体は2026年開通を目指す。モスクワ~ニジニは421kmで費用5,300億ルーブル、モスクワ~ペテルブルグは659kmで費用1.59兆ルーブルと想定されている。

 こちらに見るとおり、プーチン大統領は11月に出席した経済フォーラムで高速鉄道についてのビジョンを尋ねられ、以下のように回答した。「私の立場は、市場的なもので、試算が必要だ。長いこと試算をしているのは事実だが、それでも必要だ。我々は高速鉄道が多くの国で発展していて、その経済的成果というものも知っている。どんなやり方が我が国にとって最適なのか、最終的な決定を下さなければならない。高速鉄道なのか、それとも単なる急行列車にするのか。貨物、旅客の兼ね合いもある。資金は割り当てられており、拠出は基本的に可能だ。国民福祉基金からも可能である。それをどう回収するかというのが肝心である。遠い将来ではなく、せめて中期的に回収できるようにすべだ。これが事業の前提である。」

 12月12日のこちらの記事によると、オレーシキン経済発展相は、モスクワ~サンクトペテルブルグ高速鉄道に公的資金を投入することは可能である、しかしそれはプロジェクトの正確な総額が明らかになった後のことだ、現時点では政府は費用を1.5兆ルーブルと見積もっている、などと述べた。

 12月23日のこちらおよびこちらによると、㈱ロシア鉄道はモスクワ~サンクトペテルブルグ路線建設の設計・予算文書案を、2022年までに策定することになった。ロシア鉄道ではモスクワ~ペテルブルグ、モスクワ~ニジニを一体のプロジェクトと位置付けており、その総額を2.3兆ルーブルと見ている。ニジニ路線は2024年、ペテルブルグ路線は2026年の開通を見込む。

 12月27日のこちらの記事によれば、ゴーリキー鉄道管区の次長代行は、モスクワ~カザン高速鉄道中止という決定は下されておらず、その設計作業はまだ続けられていると発言した。

 一方、だいぶ趣が異なる情報になるが、12月10日のこちらの記事によれば、ロシア・ベラルーシ連合国家の枠内のプロジェクトとして、サンクトペテルブルグからドイツのハンブルグに至る高速鉄道(「マギストラーリ」という名称)を建設する計画が検討されているという。連合国家のラポタ国家書記(同氏はロシア側の代表)が明らかにした。同氏は、ロシアではモスクワ~カザン高速鉄道計画があるが、我々は高速鉄道網の西部分を推進し、その際に主として民間資金に依拠する別のモデルをとることにした、潜在的なステークホルダーとはすでに交渉しており、ドイツ鉄道、ドイチェバンク、シーメンスから成るドイツのコンソーシアムの参加が想定されている、ハンブルグ市および港湾当局とも協議している、環境を重視する欧州の潮流にも合致する、ポーランドとはまだ直接交渉はしていないが好感触は得ている、費用は400億ユーロを要すると見られる、などと述べた。また、ロシア科学アカデミーのセルゲエフ総裁は、もしも欧州側に委ねるとミンスク~ベルリンだけで高速鉄道が建設されてしまい、そうなると貨物のコントロールはEUに移り、ロシア~ベラルーシ間では高速鉄道ができなくなってしまうので、連合国家の軸となる高速鉄道を建設して地域の貨物および旅客の流れをコントロールできるようにすべきだと主張している。


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 昨日のエントリーで、石油の供給をめぐるベラルーシとロシアの契約は2019年中にまとまらなかったが、両国は差し当たり条件等について合意し、契約なしでも年明けも供給を続けることになった、とお伝えした。しかし、こちらこちらの記事によると、現実には年明け以降、ベラルーシの製油所に石油は届いていないということである。

 上掲記事によると、ベラルーシの2箇所の製油所では現在、備蓄していた石油を用いて、定格量ぎりぎりで最小限の生産を続けている。国営コンツェルン「ベルネフチェヒム」の幹部によれば、1月およびその後当面の国内の石油製品の需要を満たすのに充分な備蓄はあるので、国内でガソリン不足などが生じることはない。また、国内でも原油が産出されているし、「ゴメリトランスネフチ・ドルージバ」の技術的石油という国家備蓄もある、ということである。なお、ロシアのトランスネフチによれば、ベラルーシ領を経由した石油のトランジット輸送は通常どおり続いている。


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 大晦日の記事だが、こちらの記事が、石油および天然ガスをめぐるベラルーシとロシアの交渉が結局年内には完全決着に至らず、ほぼ越年したということを伝えている。要旨は以下のとおり。

 ロシアがベラルーシに石油を供給する現行の契約は2019年末で満了したが、両国は2020年の石油供給の条件で結局折り合えなかった。ベラルーシ側はロシア以外の供給ルートを模索しようとしている。立場が隔たっていたのは、ベラルーシ側が値下げを要求していた価格の問題である。ただし、ベラルーシへの供給は年明け以降も続けられることになると見られる。一方、天然ガスの価格については、年末にひとまずの合意にこぎ着けた。

 ルカシェンコ・ベラルーシ大統領とメドヴェージェフ・ロシア首相は電話会談で、石油供給契約についての交渉を継続することで合意した。無契約状態でベラルーシに供給を続けることについて両国は、具体的なスケジュール、供給する石油会社などにつき合意した。

 石油の供給・トランジット契約と、ガス供給契約は、12月31日に満了した。それに先立ち、両国大統領が電話会談したが、具体的合意には至らなかった。結局、新年までに合意できない場合には、暫定的な条件で石油・ガスを供給するよう、政府間で調整することになった。

 その後明らかになったところによると、結局ガスプロムのミレル社長とベラルーシのセマシコ駐ロシア大使が12月31日、2020年1~2月のガス価格についてのプロトコールに調印した。ガスプロム・トランス・ベラルーシとのトランジット・供給契約は2020年一杯延長される。ガス供給・トランジット量は2019年の水準に維持される。

 関係筋によると、年明けからベラルーシの製油所への供給は停止されず、契約がなくても供給される。不一致の主原因は、ベラルーシが値下げを要求していることである。

 石油のトランジットは、すべてのスケジュールで合意し当該の契約が結ばれているため、通常の体制で実施される。一方、ルカシェンコ大統領は政府に対して、ロシアの代替となる石油供給源からの輸入を近日中に開始するよう指示した。

 天然ガス供給をめぐる対立は、ベラルーシがその価格をロシア国内と同等にまで引き下げることを要求していることに起因している。2019年のベラルーシ向けの価格は1,000立米当たり127ドル、供給量は約200億立米となっている。


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 前のエントリーでも触れられている、ロシアの石油税制マヌーバ実施によって生じるベラルーシ側の損失をロシアが補填するという問題、実は12月18日のこちらのニュースなどで、進展が伝えられている。結論から言えば、両国の税法典を共通化し、その上で、ベラルーシの製油所に「逆物品税」を適用するということである。逆物品税というのは、ロシア政府がロシア国内の製油所と協定を結び、特定の設備投資を行うことを条件に与えている優遇措置であり(こちらなど参照)、それをベラルーシの製油所にも認めようという話のようである。以下で記事の要旨を整理しておく。

 ベラルーシ側はマヌーバ実施による2019~2024年の自国の損失を105億~100億ドルと見積もっている。従来は、実質的にベラルーシが補助金を受け取っている形だったが、ロシア政府が2019年から段階的に石油輸出関税を廃止して地下資源採掘税によって置き換えることに伴い、補助金のスキームが機能しなくなる。

 両国間の交渉の事情を知る筋によると、交渉の結果、ロシアはベラルーシの製油所にマイナスの物品税を適用することになった。これは2019年以降の税制マヌーバの枠内で、ロシアの製油所に適用されている措置である。こうした解決策が交渉されていることは、11月にコザク副首相も述べていた。同氏によれば、経済統合の一環として税法典が共通化されれば、ベラルーシの製油所はマイナス物品税を受け取れるようになるということだった。

 しかし、このメカニズムでは補償にならないと、交渉担当者は指摘する。ベラルーシの駐ロシア大使であるセマシコが12月初頭に述べたところによると、逆物品税が現実的に導入されるのは早くても2022年である。それまでは、ロシアが補償を行うにしても、石油の価格によって、一部だけという形になる。

 いずれにしても、まず税法典を共通化しなければならず、現在その交渉が行われているわけである。


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 先日も取り上げたが、12月7日の首脳会談でもすれ違いに終わったロシア・ベラルーシ関係につき、ロシア政治工学センターのこちらの記事の要旨を以下のとおり整理しておく。

 7日の会談後、ロシアの代表団で唯一、結果についてコメントしたのが、オレーシキン経済発展相だった。大臣によれば、交渉は実り多いものであり、農業、通信、税関、石油市場といった一連の分野で大幅な前進があり、石油およびガス市場に関しては両国の立場は限りなく合意に近付いた、という。

 一方、テレグラムの「ネズィガリ」というチャンネルがまことしやかに伝えたところによると、閣僚も参加して行われた会談の中で、やり取りが感情的になり、個人攻撃も伴った。ルカシェンコは何度か取り乱し、平静を取り戻すために中断を余儀なくされた。メドヴェージェフ首相はルカシェンコに対し、ロシアの閣僚に対して暴言を吐いたことを公式に謝罪するよう求めた。ロシア側からルカシェンコに対し、次期大統領選に出馬することは考え直した方がいいのではないかと指摘される場面もあった、ということである。

 セマシコ大使によれば、31項目の工程表のうち、7日の会談で3項目につき合意し、残るは8項目だという。解決できたのは、電力問題と、税関問題だった(注:あと1つは?)。一方、折り合いがついていないのが税法であり、これについては期限を1年伸ばすことになった。税制マヌーバに伴う全面的な補償は、2022年1月1日以降に解決されることになる。ロシアは2015年から税制マヌーバを開始した。世銀の専門家は、ロシア側がその補償を支払わなければ、ベラルーシは経済危機に陥る恐れがあると指摘する。

 ベラルーシはこれとは別に、4月に石油パイプライン「ドルージバ」で有機塩素化合物により汚染された石油が輸送された事件に対する補償7,000万ドルも求めている。ドルージバのベラルーシ区画で汚染が発見されたのは4月19日だった。ベラルーシの2つの製油所は生産を縮小し、うちモズィリ製油所では稼働停止が報告された。ポーランド、ドイツ、スロバキア、ハンガリーが汚染された石油の受入を拒否したため、ドルージバによる輸送は一時停止した。正常な石油がロシアからベラルーシに到達したのは、やっと5月の初頭だった。7月にトランスネフチは、パイプラインを汚染したことに対する補償を最大で1バレル当たり15ドル支払う用意があることを表明した。

 難航している税関の問題に関しては、2020年6月1日までにロシア・ベラルーシ双方の法基盤を正すことになっている。この問題は、ロシアに制裁対象商品が流入してしまっているグレースキームとかかわるだけに、喫緊である。9月に『コメルサント』が報じたところによると、両国の税関を一体化することまでが想定されている。しかし、ロシア側が一体の税関を創設し実質的に自分でそれをコントロールしたいのに対し、ベラルーシ側は緩やかな結び付きを求めており、折り合いが付かない。ロシア国内でも利害の食い違いがあるという指摘もある。

 「ブレミナ・グループ」というところが、ベラルーシ東部オルシャに巨大なロジスティクスセンターを建設しており、国際貨物航空便を受け入れ、入荷した第三国の商品をベラルーシ製としてロシアに輸出するというプロジェクトを進めていることも、ロシア側を懸念させている。

 ルカシェンコにとっては当然、ロシアの既存の政財界派閥で、ベラルーシとのパートナー関係から利益を得ているような勢力がプーチン体制で力を持ってくれることが、都合が良い。それは、石油利権や制裁を回避する転売ビジネスを背景とする役人・政治家たちである。それは、ロシア・ベラルーシ連合国家の現状に適応し、グレースキーム・密輸体制の中で居心地の良さを味わい、しばしばロシア国庫で儲けることも含め、会計・税制・補助金の盲点を利用している人々である。

 ロシアとベラルーシの新たな文書調印の動きに反発して、ベラルーシのミンスクでは、12月7日に700~1,000人、8日に数百人の抗議デモが発生した。こうした動きは、規模からしても、大多数の国民が反ロシア主義に共感していないことからしても、ルカシェンコにとって危険ではない。むしろ、「ルカシェンコが譲歩を迫られたら、より大規模な抗議活動を呼び起こしかねない」という形で、モスクワに対する圧力の手段として利用できるという面もある。

 そうした中、ルカシェンコは政権幹部人事を進めている。新たに大統領府長官に起用されたセルギエンコは、大統領の息子ヴィクトルのお気に入りである。セルギエンコはベラルーシKGBの幹部として、防諜、ロシアに対する謀略、ロシア・スパイ一掃の専門家であった。ルカシェンコ一家の利益のために働き、最も信頼の厚い一人である。セルギエンコ起用は、ルカシェンコがロシアと一戦交える覚悟であることを物語っている。

 大統領府副長官に起用されたチュプリスは法律家であり、憲法改正への布石との受け止め方がある。連合国家の目的のための憲法改正という見方もある一方で、より可能性が高そうなのが、ルカシェンコがカザフスタンのナザルバエフのように、将来退陣する場合に備え、国家体制を部分的に非属人化しようとしているというシナリオである。

 ルマス現首相は2018年8月に就任したばかりだが、すでに何度も大統領に辞意を伝えていると言われる。首相候補として、ベラルーシとしては異色だが、改革派のルディ駐中国大使が取り沙汰されている。ルカシェンコは2020年に政府を改造するということをすでに表明している。現在は、ルマス首相がロシアとの工程表交渉に当たっているのですぐに解任するのは難しいが、年末までにそれが達成されるにせよ未達成にせよ、それが一段落すれば可能性は出てくる。


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 ロシア・ベラルーシ間では、1999年12月8日に結ばれた「連合国家創設条約」から20年が経つのを記念して、先日12月8日に統合を深化させるための新たな「工程表」に調印するということが、1年前から予定されていた。しかし、現実には両国の隔たりは埋まらず、12月8日の調印にこぎ着けることができなかった。一連の経緯につき、ベラルーシの専門家V.カルバレヴィチ氏によるこちらこちらのコラムにもとづきながら、以下のとおりまとめておく。

 過去1年間、ロシアとベラルーシの両国は、統合を深化させるための31項目にわたる「工程表」に調印すべく、交渉を重ねてきた。調印に設定された12月8日は、1991年にソ連解体を決めたベロヴェージ協定が結ばれた日だというニュアンスもある。

 しかし、期限となる12月8日が近付くにつれ、状況は混沌とし、11月28日にはロシア『コメルサント』紙が「共同石油・ガス市場、税制の統一をめぐって暗礁に乗り上げている」旨報じた。また、12月8日にプーチン・ルカシェンコ両大統領が首脳会談を開くという日程自体、不透明となっていった。

 対立点の一つが、ロシアがベラルーシに供給する天然ガスの価格である。これに関しては、ロシアがウクライナ領を経由して欧州に輸出するトランジット契約の延長問題がこじれている背景があり、代替の輸送路としてのベラルーシの重要度が高まるので、それがベラルーシにとって価格交渉上有利に働くという面もある。

 結局、12月8日の首脳会談は開催されず、「大山鳴動して鼠一匹」という結果となった。工程表の大部分では合意しており、残り3~4項目を首脳会談に委ねるとされていたが、不首尾に終わった。そもそも、8日の代わりに、両首脳は7日に首脳会談を行い、このことだけでも連合国家創設条約20周年という祝賀的な意味合いは失われた。しかも、20年前にはクレムリンで条約に調印したのに対し、今回はプーチンのソチでの別荘が選ばれ、これによりロシア側は今回の会談を通常の交渉へと格下げした。

 会談冒頭、マスコミの前で、ルカシェンコ側は、ベラルーシが重視するのは「平等な経済活動条件」、つまり、ロシアがベラルーシにロシア国内価格でエネルギーを供給することだと述べた。それに対しプーチンは、必要なのは統合であり、それによりベラルーシは恩恵を得るだろうと指摘した。

 会談は全体で5時間半に及んだ。最初の2時間は随行員を交えて会談し、昼食時には一対一、その後再び随行員を交えた会談となった。会談終了後、記者会見が行われなかったことを考えると、何も合意できなかったのだろう。

 ただ、20周年ということを考えると、たとえ工程表のすべてに合意できなくても、合意できた分だけでも、華々しく調印してもよさそうなものである。そうなれば、時間はかかるかもしれないが、統合は進展しているという体裁を取り繕うことができる。それすらも行われなかったということは、いかに両国の立場が隔たっていたか、推測できる。

 ソチ会談の前には、両国の専門家らは、何だかんだで妥協するのではないかと見ていた。つまり、ベラルーシがすべてではないにせよ何らかの文書に署名し、ロシア側がガスの優遇価格といった何らかの報奨を与えるというものである。しかし、どうやらロシアは、オールorナッシングの立場を貫いたようだ。31項目の工程表すべてを受け入れれば経済支援を再開するが、そうでなければベラルーシは自力でやれということである。つまり、1年前にメドヴェージェフ首相が表明した立場を貫徹したということである。ベラルーシは、「結局ロシアは以前のように助けてくれるのではないか」と高を括っていたが、今回ばかりは違った。

 12月20日に両大統領がサンクトペテルブルグで再会するということだけは決まった。つまり、交渉が続いているという表向きを取り繕うということだけは、合意したということである。


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 一般的に、国の豊かさを比較する場合に使う指標は、国民一人当たりGDPや、平均賃金といったところだろう。

 一方、こちらに掲載されている資料では、ロシア・ユーラシア諸国(それとなぜか中国をプラス)を、一人当たりGDPに加え、経済の国民にとっての効率性、医療・教育といった社会政策の充実度、住宅・公営事業といったインフラの整備といった要素を加味し、独自にランク付けしている。その結果、同諸国の本当の豊かさの順位は、以下のようになったということである。

  1. ベラルーシ
  2. ロシア
  3. カザフスタン
  4. 中国
  5. アゼルバイジャン
  6. アルメニア
  7. ジョージア
  8. モルドバ
  9. ウズベキスタン
  10. タジキスタン
  11. キルギス
  12. ウクライナ
  13. トルクメニスタン

 正直言えば、ランキングの方法論や結果としての順位には異論が出そうであり、私も単に図が可愛いから取り上げただけというところである。


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 こちらの記事が、稼働目前の「ベラルーシ原発」(同国初となる原発)をめぐる動きについて伝えている。私は1号機は年内に稼働すると理解していたのだが、この記事によると年明けの1月になるようだ。

 それで、ベラルーシ原発は対リトアニア国境から近いので、この間リトアニアがずっと安全上の懸念を表明していた。今回の記事によると、リトアニアとベラルーシの対立を仲裁するため、フィンランドが音頭を取って、フィンランド・ベラルーシ・リトアニアの環境専門家が集いベラルーシ原発の問題について話し合う会合を提案したものの、リトアニア当局はこの提案を蹴ったということである。リトアニアの主張によれば、この問題は、リトアニア・ベラルーシの二国間問題ではなく、したがって本件を両国間で話し合うことには意味がない。リトアニアとしてはより広範な枠組みで本件を検討することを主張する。本件はEU全体の問題なので、EUの関係当局がこの問題の解決に参加することを希望する。リトアニア側はこのような立場を示しているということである。


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 ロシアとベラルーシは、1999年12月8日の連合国家創設条約の締結から20年を迎えるのを機に、来たる12月8日に連合国家の創設を加速するための文書に署名する予定とされている。

 こちらの記事などが、「ロシアとベラルーシが単一の議会、政府を創設する」ということを伝えている。駐ロシア・ベラルーシ大使のV.セマシコがそれについて明らかにした。セマシコによれば、両国共同で単一の議会・政府を創設し、それに一定の権限を付与しその決定は執行が義務付けられること、両国の税制を共通化すること、単一の石油・ガス・電力市場を創設することなどで、すでに両国大統領は合意している。連合国家への統合に向けた工程表の策定が進んでおり、全31「工程」のうち20はすでに合意していて、残りも1週間以内に合意する予定、ということである。

 以上が、セマシコ大使が今回明らかにしたことである。しかし、「単一の議会・政府」と言っても、たとえばロシア独自の議会・政府は、当然のことながら今後も残ることになる。現行の連合国家創設条約にも、両国の議会・政府の代表者が定期的に会合を行う連合国家議会、連合国家閣僚会議と称するものは存在するのである。また、現行の条約でも、連合国家の独占的管轄分野についての決定は両国にとって拘束力があるが、その中身はほとんど意味のないものばかりである。税制を統一するという話は耳寄りだが、現時点で伝わっている情報だけから判断すると、従来の連合国家創設条約から本質的な変化が生じるとは思えない。


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 ロシア・ベラルーシ・カザフスタンによる関税同盟が成立した当初は(その後5ヵ国によるユーラシア経済連合に発展)、ロシアの自動車メーカー(外資系も含む)がその枠組みに乗ってカザフスタンやベラルーシへの輸出を強化するという現象が見られた。しかし、こちらこちらの記事によると、ここに来て、カザフやベラルーシの新興自動車工場からロシアへの輸出という逆転現象も目立ってきているということである。

 ロシアAvtoVAZのカザフにおけるパートナーとなっているのが、アジアアフト社である。アジアアフトは、現在はカザフ国内市場向けのセミノックダウン生産だけを行っているが、ウスチカメノゴルスクにおける一貫生産工場の建設を2021年に完了することになっている。新工場の第1ラインの生産能力は年産6万台で、一部をカザフ国内市場に、一部をロシアを含むユーラシア経済連合諸国に供給する。

 AvtoVAZとカザフ側のビペクアフト・アジアアフトは数年前に契約を結び、AvtoVAZのシベリアおよびウラル連邦管区におけるディーラー網の経営権を後者が取得した。両社による合弁企業が2014年に設立されており、それと引き換えにAvtoVAZはカザフ市場へのアクセスを得た。現在のところビペクアフト・アジアアフトはシベリアとウラルのディーラーでロシアのトリヤッチおよびイジェフスクで生産されたラーダ社を販売しているものの、新工場が完成したらシベリアおよびウラルへの輸送が格段に楽になる。カザフ側は新工場からロシア極東への供給にも興味を示している。

 一方、ベラルーシにおいては、ミンスク州ボリソフ近郊にベラルーシ中国合弁のベルジー社による新工場が建設され、すでに年産6万台が可能であり、12万台への拡張計画もある。現時点では、セダンのEmgrand 7、クロスオーバーのEmgrand X7、そしてクロスオーバーのAtlasという3モデルが生産されている。前2者が旧モデルなのに対し、AtlasはVolvoの協力も得て開発した最新鋭モデルである(中国の吉利汽車(Geely)は2010年にVolvoを買収している)。ベルジーは2019年1~10月にロシア市場で7,260台を販売し、前年同期比213%増であった。

 専門家のS.イファノフは、アジアアフトおよびベルジーは合計でロシア市場の5%を占めることが可能であるとの見方を示す。それに対し、ロシア経済発展省の自動車部門の顧問であるS.ブルガズリエフは、両社がロシア市場でロシア工場の製品に太刀打ちするのは難しいだろうと、懐疑的な見方を示した。


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 上の図に見るように、ロシアなど5ヵ国から成るユーラシア経済連合では当初、2019年から共同電力市場が立ち上がるということになっていた。それが実際にどうなったのか、気になったので調べてみたところ、2025年まで先送りになっていたということが判明した。

 こちらの記事などが伝えるように、ユーラシア経済連合の電力共同市場に関する国際条約が、2019年5月29日にヌルスルタンで開催された首脳会議において調印されたという。この時点では、条約は6月末までに発効する予定とされていたが、実際にどうなったかは不明である。

 私が調べた範囲内では、こちらに掲載されている「ユーラシア経済連合創設条約に電力共同市場を形成する部分に関する修正を加えるプロトコール」と称するものが、当該の国際条約なのだろう。

 そして、ユーラシア経済委員会のこちらこちらのページによれば、共同電力市場は「遅くとも2025年の年初から稼働し始める」とされているわけである。共同市場の基本ルールについては合意したが、今すぐに実行に移せる準備は整っていないということだろうか。

 経済統合の推進が当初のスケジュールよりも遅れるということは、あっても不思議ではなく、そのこと自体はやむをえまい。しかし、個人的に問題だと思うのは、「当初2019年立ち上げとされていた共同電力市場が、6年も遅れることになった」ということがきちんと説明されておらず、当初のスケジュールなどなかったことのようになってしまっていることである。こういった態度では、問題点を洗い出して、その課題を着実に解決していくということが、難しくなると思うのだ。


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 ちょうど1年前のことでしたが、「週刊ロシア経済」というYouTube動画のシリーズを立ち上げました。しかし、予想されたこととはいえ、毎週更新するのはしんどく、本年夏に更新が途切れてしまっていました。また、内容的にも、当初想定していたような定番コーナーを設けるやり方は、マンネリとなり、手間がかかるわりにはあまり意味がないということを感じるようになりました。

 そこで、今回より、「深掘り! ロシア・ユーラシア」と改名し、各回1つのテーマに絞って、不定期に発信することにしたいと思います。リニューアル第1回の今回は、11月10日にロシア・東欧学会で「一帯一路の沿線国としてのロシア・ユーラシア諸国の経済的利害」と題する報告を行いましたので、その要旨をご紹介することにしたいと思います。


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 少々古い7月の記事だが、目に留まったので書き留めておく。こちらによると、ベラルーシの首都ミンスクで、同市の東の郊外にあるミンスク国際空港まで伸びる鉄道を整備する計画が進行しているという。建設は2020~2021年にかけて実施される見通しとなっている。記事には書かれていないが、起点はミンスク中央駅だろう。そこから、ゴロジシチェというところまでは既存の線路を使い、そこから南に向かう支線を新たに建設して、空港に至るという青写真らしい。新たな支線の距離は18kmになるようだ。ミンスク国際空港は現在のところ自動車(バス、タクシー、自家用車)でしかアクセスできず、バスは乗客を乗せきれないことも時々あり、タクシーは値段をふっかけるので、不便となっている。

 ところで、この記事によれば、新たな支線の建設には、もう一つのポイントがありそうだ。ミンスク国際空港に隣接して、中国とベラルーシの合弁でグレートストーン工業団地が造成されている。ちょうど同じ2019年7月に、この工業団地に鉄道ターミナルを建設する方針が決まっていた。したがって、新たな支線には、乗客を空港まで運ぶという役割と、工業団地に貨物(および従業員)を運ぶという、2つの役割が課せられると考えられる。


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 ベラルーシのミンスク郊外に、ベラルーシと中国が共同で設立した「グレートストーン」という工業団地がある。こちらの記事によれば、このほど同工業団地で、ベ中合弁のエンジン工場「MAZ-Weichai」が開設された。出資したのは、中国山東省濰坊市を本拠とするWeichai Powerである。2014年から、ミンスク自動車工場(MAZ)においてユーロ4、ユーロ5の環境性能に適合したWeichai ブランドのエンジンが生産されてきたが、新たに専用工場を開設したものである。これにより、従来はロシアのヤロスラヴリから調達していたディーゼルエンジンを自前で賄うことが可能となった。投資総額2,000万ドルのうち1,400万ドルを中国側が出資した。同工場での国内調達比率は30%だが、ベラルーシ政府はそれを50%に高めることを課題に掲げている。協力の次の段階として、やはり同工業団地内にトランスミッション工場が建設され、その作業はすでに始まっている。

 さらに、こちらの記事によると、グレートストーン工業団地の入居企業は、すでに55社に上っている。工業団地のA.ヤロシェンコ総裁は、入居企業数は、本年中に60に達し、2020年末までには80に増大させたいとの抱負を示した。


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 ユーラシア開発銀行が発行した中欧班列に関するレポートに、目を通してみた(こちらからPDFのダウンロードが可能)。当ブログでも何度か取り上げているように、中欧班列とは、ユーラシア大陸を横断して、中国と欧州を鉄道のコンテナ列車で結ぶ新たな輸送ルートのことである。2011年から始まり、その貨物量は年々拡大している。主なトランジット国は、カザフスタン、ロシア、ベラルーシである。

 それで、今回上掲のレポートを読んで分かったのは、その中欧班列のコンテナ輸送において、ポーランド(ポーランド・ベラルーシ国境を含む)がボトルネックになっているらしということだった。関係者の間では知られた話のようだが、上掲のレポートでは技術的な側面も含めて事実関係が良くまとめられていた。

 レポートによると、現時点で中欧班列を発展させるうえで最大のボトルネックとなっているのが、ポーランド・ベラルーシ国境における処理能力の不足である。ベラルーシのブレストとポーランドのマワシェヴィチェ間の交通量が、きわめてタイトとなっている。中欧班列の実質的にすべての列車が、このルートを通る。ポーランドのインフラ・機関車・貨車の状況を考えると、ブレスト~マワシェヴィチェのルートでのコンテナ輸送量をこれ以上拡大できるかは疑わしい。すでに現時点で、1日14本の列車の通過が合意されていながら、実際にはポーランド側は9~10本しか受け入れていない。ポーランド側は、ポーランド・ベラルーシ国境の既存の5箇所の鉄道通過ポイントをすべて稼働させ、ベラルーシ側での積み替え作業も含め、処理能力を高めることによって、状況が改善されることを期待している。

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 やや古いが、7月のこちらの記事によると、ロシア・ベラルーシ間で高速鉄道を整備する計画があるということである。7月16~18日にサンクトペテルブルグで開催された地域フォーラムで、連合国家国家書記のG.ラポタおよびYu.ヴォロビヨフ・ロシア上院副議長がその構想を明らかにした。

 ラポタ国家書記およびヴォロビヨフロシア副議長によると、本件は両国の運輸当局が加わって検討が始まったばかりである。新たな鉄道は、ロシア・ベラルーシの共通運輸空間形成の一環である。現在ではミンスクからモスクワまで鉄道で9時間、ペテルブルグまでは13時間かかるという前近代的な状況だが、サプサン車両なら4時間で可能になる。ミンスクからの列車はまずベラルーシ北東部のヴィテプスクに至り、そこからプスコフ経由ペテルブルグに向かう路線と、スモレンスク経由モスクワに向かう便に分かれる(上掲地図参照)。

 さらに、両者によれば、現代的な運輸インフラの発展は連合国家の優先的な方向性の一つであり、高速鉄道もその一環である。新路線はロシア諸都市をワルシャワ、ベルリン、ハンブルグといった欧州主要都市と結ぶ新たな窓口となり、さらにペテルブルグとの連絡のお陰でスカンジナビア欧州観光リングにも接続できる。プロジェクトの意義は、経済的にはともかく、社会的には多くの論拠がある。さらに、この高速鉄道はカザフスタン~モスクワ~ミンスクを経て欧州に至る「シルクロード」の一部ともなりうる。現在サプサンは旅客専用だが、新路線は旅客・貨物併用になる。高速鉄道は2030年までに建設されうる。

 以上が、7月に出た情報であった。なお、こちらの新しい記事によれば、ラポタ国家書記は再びミンスク~ペテルブルグの高速鉄道のプロジェクトについて語り、両国政府および専門家たちはこの構想を支持していると強調した。


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 正直言うと、これは終わってから知った話なのだが、こちらのサイトなどが伝えているとおり、9月18日にミンスクでベラルーシ日本経済フォーラムが開催されたということである。2018年5月に東京と大阪で開催された第1回に次ぐ第2回という位置付けになるらしい。参加した日本人の人数は不明だが、官民の代表が訪問したとされている。

 政治家としては、松平浩一衆議院議員(立憲民主党)が参加したということであり、ご本人のフェイスブックページで現地の様子が報告されている。

 こちらの記事によると、日本の代表団はベラルーシの軽工業企業を束ねる国営コンツェルン「ベルレフプロム」および繊維企業を訪問し、両国は革新的なスポーツ衣料生産の分野で協力していくことで合意したという。


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 現在モスクワ滞在中であり、一昨日ちょっと時間があったので、家電店のMヴィデオを覗いてきた。私は以前はロシアの家電市場の調査を熱心にやったりもしたのだが、家電市場が変質してしまったこと、日系メーカーが元気がなくなったことなどからやや熱意が薄れてしまった。それでも、たまには家電売り場を見ておかないと、時代に取り残されてしまう。

 テレビ売り場に関して言えば、相変わらず売り場の半分以上はサムスン、LGという韓国勢によって占められている。そして、両社ともロシアに自社工場があるので、当然のことながら、販売されているテレビはロシア製である。

 その他の外資系では、フィリップス、ハイアールも、ロシア製とされていた。具体的にどこの工場で組み立てているのかは不明であり、そのうち調べてみたい。

 日系メーカーでは、SONYのテレビがかなり多く置いてあり、すべてマレーシア製だった。

 台数はそれほど多くなかったが、パナソニックのテレビは、ベラルーシ製だった。ミンスクのゴリゾント社にアセンブルを委託しているのだろう。もはや日系メーカーと言えるかは微妙だが、わずかな台数置かれていたシャープもベラルーシ製で、やはりゴリゾント委託か。ゴリゾント社自身のテレビも、1台だけ置かれていた。

 昔であれば、冷蔵庫、洗濯機売り場にもベラルーシのアトラント社の製品が大量に陳列されていたわけだが、今回はまったく見かけなかった。


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 こちらの記事によると、ロシアとベラルーシは本年12月8日に二国間の統合に向けた新たなプログラム文書(複数)に調印する予定で、現在その準備作業を進めているということである。

 1999年に連合国家創設条約が成立してから、ロシア・ベラルーシ両国は野心的な統合を目指す姿勢を後退させ、さらに2015年にユーラシア経済連合が発足してからは、二国間から多国間の統合へと軸足を移していた。それが、ここに来て改めてロシア・ベラルーシ連合国家という二国間の枠組みでの統合深化がアジェンダに上ってきたということになる。

 記事によれば、ベラルーシ側のD.クルトイ経済相が、記者団に以下のように語ったということである。いわく、重要な問題が未解決だが、ロシアとベラルーシは12月8日に統合のためのプログラム文書(複数)に調印することになる。同日までに統合プログラム(単数)と、ロードマップのパッケージがワンセットで策定されることになる。12月8日というのは両国大統領がサンクトペテルブルグで合意したものであり、これは動かせない。文書には両大統領が署名することになる。また、両国は一連のデリケートな問題、とりわけ天然ガス問題についての一連の協定を準備している。それらの作業を現在行っているところであり、毎日何らかの修正が加えられ、延々と交渉が続いている。ガス価格については個別の政府間協定となり、年末までに結ばれるだろう。行動ブログラム自体は枠組み的なもので、具体的な諸問題はロードマップの方に明記される。ロードマップが策定されるのを受け、2020年を通して法令に落とし込む作業が開始される。そして、2021年1月1日から主要分野において共同市場が始動する。

 以上がクルトイ経済相の発言内容である。なお、記事の補足情報によれば、2018年12月にプーチン・ルカシェンコ両大統領の合意により、統合発展のための政府間作業グループの設置が決まり、6月末に両国首相の会合で11月までに統合のロードマップの中身につきすべて合意して12月には統合プログラムを提案するということが決まった由である。


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 中国の東莞市(とうかんし)というところについては、個人的に認識していなかった。場所は、上の地図に見るように、香港および深圳の後背地のようなところである。ウィキペディアからの丸写しになるが、「改革開放前は現在の市域の多くは赤土が広がる貧しい農村だったが、1980年代末から広州と深圳、香港の中間に位置することから、香港企業、台湾企業の委託加工先や工場建設の好適地として、衣料品、日用雑貨、玩具、電子製品、パーソナルコンピュータまで、重工業以外の各種工場が林立する工業地帯に変貌した。特に、パソコン部品は世界の供給拠点として重要な地位を占める。また、輸出に必要な包装用段ボールを製造するための製紙工業もさかんで、中国最大の工場群もある」ということである。

 さて、今回お伝えしたいのは、その東莞とベラルーシが、物流で繋がったという話である。こちらの記事が伝えている。

 記事によれば、このほど東莞の国際ロジスティクスセンターにベラルーシから貨物が到来した。ベラルーシ産木材1,500tである。ヨーロッパから鉄道を利用して東莞に外国の貨物が届くのは、これが初めてのことである。46両から成る貨物列車は、ミンスクを出発し、対ロシア国境の満州里を経由して、当地に到着。全長11,884kmの行程を、28日間で走破した。東莞から欧州方面に輸出用の貨物列車が初めて出たのは2016年6月であり、その後の3年間で16,600本の列車が運行され、計24万tの貨物を運んだ。今回、初めて輸入貨物を受け入れたことにより、広東省~欧州の中欧班列路線は、双方向の輸送ルートとなった。これにより、往路と復路のアンバランスという課題が解消に向かうことが期待される。なお、供給されたベラルーシ産木材は、家具生産に用いられるという。


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 やや古く本年4月の記事だが、ロシアのこちらの経済系サイトに、中国の主導する一帯一路の十大プロジェクトという情報が出ていた。記事によれば、中国の習近平国家主席が一帯一路政策を発表したから6年が経ち、それ以来、世界125か国および29国際機関がこの構想に参加し、その枠内で173の協力協定が結ばれた、とされている。

 それで、記事によれば、以下に見るものが、一帯一路の枠内での10大プロジェクトということである。ただし、各プロジェクトの予算規模などが記されているわけではないので、誰がどのような基準で選んだベスト10なのかは、不明である。また、以下に見る順番がプロジェクトの規模の大きさの順に並んでいるのかも、定かでない。

  1. インドネシアのジャカルタ~バンドン高速鉄道
  2. ナイジェリアのアブジャ~カドゥナ鉄道
  3. スリランカのコロンボ港
  4. ギリシャのピレウス港
  5. ブルネイのテンブロン橋
  6. バングラデシュのパドマ橋
  7. チリのプンタ・シエラ風力発電所
  8. ロシアのヤマルLNG
  9. ベラルーシのグレートストーン工業団地
  10. ジブチの国際自由貿易ゾーン

 ご覧のとおり、私の研究対象国のプロジェクトが2つ入っている。


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