ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

カテゴリ: サッカー・スポーツ

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 こちらに、ちょっと興味深い話題が出ている。ロシアなど旧ソ連5ヵ国から成るユーラシア経済連合の枠内で、統一バスケットボールリーグが創設されるというのである。最初は、「お、凄い」と思ったが、良く読んでみると、そこまで本格的な話ではないようだ。

 国境の垣根を越えた国際的なリーグ戦と言えば、たとえば米・加をまたにかけたMLBとか、欧州諸国を網羅したUEFA CLとか、そういう最高峰のコンペティションが想像されるところである。ところが、今回話に出ているユーラシア経済連合の統一バスケットボールリーグというのは、どうもそういうものではないらしい。

 ロシアのバスケットボールについては、以前当ブログで、「バスケットボールの『VTB統一リーグ』」という記事を書いたことがある。このVTB統一リーグは、ロシア国内で最もカテゴリーが上の大会であり、それと同時に、エストニア、ラトビア、カザフスタン、ベラルーシという近隣諸国のチームも加わる国際リーグ戦にもなっていることを紹介した。なお、その後、ラトビアが抜け、ポーランドの1チームが加わったようである。

 今回の記事によれば、ユーラシア経済連合の統一バスケットボールリーグに参戦するのは、アルメニアのアラガツ、ベラルーシのモギリョフ州のチーム、カザフスタンのアティラウ、そしてロシアのアルセナル・トゥーラの4チームということらしい。

 このうち、アルセナル・トゥーラに関して言えば、ロシア・スーパーリーグ2部に所属するクラブであり、上から数えれば3番目のカテゴリーにすぎない。そもそも、4チームで戦うリーグ戦に、コンペティションとしての魅力などはない。してみると、今回浮上したユーラシア経済連合の統一バスケットボールリーグなるものは、常設のリーグ戦というよりは、ユーラシア統合をスポーツ面からも演出するための、国際定期交流戦のようなものになるのではないか。


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 こちらに興味深い図解資料が掲載されていたので、紹介してみたい。ロシアに80以上ある各地域(州などのレベル)において、それぞれどんなサッカークラブが応援されているかを図示したものである。なお、検索サイト「ヤンデックス」において、2018~2019年に各地域で検索された回数が一番多かったクラブを示したものということである。

 全体的な傾向は非常にシンプルであり、ある程度有力なサッカークラブが地元にあれば、その地元クラブが支持されるが、それ以外の地域はほとんどがスパルタク・モスクワ推し(地図では赤色で表示)になっている。ただし、極東地域だけはなぜかゼニト・サンクトペテルブルグ(水色)が人気があるようだ。

 こうやって見ると、スパルタク・モスクワは、日本における読売巨人軍に近い全国区の人気を誇っている、という構図に思える。ただし、そもそもが、ロシアで国内サッカーリーグを熱心に観るような向きは、完全なマイノリティだということを理解しておかなければならないだろう。確かに、モスクワからはるか離れたシベリアにおいてもスパルタクが一番人気かもしれない。しかし、たとえばイルクーツク市民でスパルタク好きなど人口の1%もいないだろうし、仮にスパルタクがイルクーツクで試合をやっても集まる観客はせいぜい3000人くらいではないか。あくまでも、「ものすごく小さなパイの中での一番人気」ということである。日本の地方都市で試合をすれば簡単に2万~3万人くらい集客できる読売巨人軍とは、浸透度がまったく異なる。


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 当方、ロシアW杯終了後、海外サッカーへの関心が従来以上に低下し、海外観るくらいだったら、まだ国内のJ2の方が興味がある。それで、今季序盤戦では、J2初挑戦のFC琉球の戦いに目を見張った。非常に良く組織された好チームであり、特に2列目、3列目からの飛び出しには特筆すべきものがあった。ただ、開幕からしばらくは上位をキープしていたものの、研究・対策されたのか、さすがに最近では順位を落としている。

 残念ながら、個人的にFC琉球の選手たちの顔と名前は一致しないのだが、こちらこちらの記事が伝えるところによると、左サイドバックの徳元悠平(23)選手に、ロシアのアルセナル・トゥーラ移籍の可能性が浮上しているそうである。なんでも、トゥーラは昨シーズン、サイドバックによるアシストがゼロだった(!)とのことであり、「Wyscout」という有名なグローバル選手データベースで検索した結果、昨年のJ3、今年のJ2でアシストしまくっている徳元選手に白羽の矢を立てたらしい。トゥーラは昨シーズン6位になって、7月25日以降に行われる予選を勝ち抜けばUEFAヨーロッパリーグに出場できるので、選択としては悪くないと思う。問題は沖縄育ちの徳元選手がロシアの寒さに順応できるかだろう(笑)。


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 GLOBE+に、「ロシアのサッカー・フーリガンはどこに消えた」を寄稿しました。


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 先日GLOBE+のコラムにも書いたけれど、サッカーのロシア・プレミアリーグではすでに2018/19シーズンが終了しており、ロシア語のままで恐縮ながら、最終結果は上表のようになっている。それで、全16チームで戦われるプレミアでは、15位と16位のチームは下部の「全国サッカーリーグ」に自動降格する。2018/19シーズンの場合は、15位のアンジ・マハチカラ、16位のエニセイ・クラスノヤルスクがそれに該当する。ただし、アンジに関しては財政上の問題の理由で、3部に当たる「プロサッカーリーグ」に一気に降格するということである。代わりに自動昇格してくるタンボフとソチは、ともに来季プレミア初挑戦となる。

 そして、プレミアでは入れ替えのレギュレーションが厳しく、13位と14位のチームも、全国リーグの4位および3位のチームと、入れ替え戦をホーム&アウェーで戦わなければならない。5月30日と6月2日、その入れ替え戦の試合があり、結果的には、2試合合計で、プレミア13位のクルィリヤ・ソヴェトフ・サマラはニジニノヴゴロドに勝ち、14位のウファもトミ・トムスクに勝利して、両チームともプレミア残留を決めた。そのスコアが下に見るとおりである。

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 ちなみに、こちらの記事によると、ロシア・サッカー協会はプレミアを18クラブにまで拡大することを働きかけており、このほど検討委員会の設置が決まったということである。


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 GLOBE+に、「ワールドカップ後のロシア・サッカーに見る希望とひずみ」を寄稿しました。


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 私は事あるごとに、ロシア国民はサッカーにはあまり関心のない国民であるということを強調している。実は、アイスホッケーに関しても、ロシア国民の関心度はあまり高くないということが、こちらの調査によって裏付けられた。この4月の全国世論調査によると、「貴方はアイスホッケーに関心がありますか?」という質問に対し、「はい、常に応援しています」が6%、「時々興味を持ちます」が39%、「関心がありません」が55%という結果になった。コンチネンタルホッケーリーグのガガーリンカップの試合については、大部分の試合を観た:3%、いくつかの試合を観た:7%、試合は観なかったがニュースなどで結果を知った:22%、そうした試合が開催されているのを知らなかった:62%、回答困難:6%というかなり寂しい回答状況となった。


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 ヨーロッパのサッカー界は2020ユーロの予選に突入しており、こちらの記事などが伝えるとおり、ロシア代表は第2戦で敵地「ヌルスルタン」に乗り込み、カザフスタン代表と対戦した。初戦でベルギーに敗れているだけに、勝利が義務付けられていたロシアだったが、4:0でカザフに圧勝した。一方、カザフは初戦ホームでスコットランドに快勝していたが、開閉式ドームスタジアムのアスタナ・アレーナが気温25度で、なおかつ人工芝という環境面にスコットランドが適応できなかったことが大きかったと言われている。今回のロシア戦も同じ条件で行われたが、ロシアはそれを苦にしなかったようだ。ちなみに、首都名が「アスタナ」から「ヌルスルタン」(退任した初代大統領ナザルバエフのファーストネーム)に変わり、「エアアスタナはそのままらしい」といった色んな話が飛び交っているが、個人的にはFCアスタナおよびアスタナ・アレーナの名前が変わるのか変わらないのかというのも気になるところである。

 ところで、上掲記事によれば、今回のカザフVSロシア戦では、ロシア側のサポーター席で、上掲写真のような、20年前のNATOによるユーゴスラビア爆撃を改めて非難するような横断幕が掲出されたということである。3月24日が、爆撃開始からちょうど20周年に当たるということだ。当時、NATOがベオグラード等を爆撃したことが、NATOとロシアの溝を広げる結果となり、ロシアが爆撃を非難していたことは、良く知られていた。しかし、サッカーのサポーターが20年後にそれを蒸し返すような動きを見せるほど(その背後には何らかの機関の暗躍があるのかもしれないが)、そこまでロシアにとっては大きな出来事だったのかと、改めて考えさせられた次第である。


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 GLOBE+に、「ロシアのラグビーは空軍・空挺軍仕込み! W杯開幕戦の日本の対戦相手を知ろう」を投稿しました。


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 こちらのサイトに、2018年のロシアで視聴率の高かったテレビ番組のランキングというのが出ていた。FIFAワールドカップの試合が多くランク入りしており、特にロシア代表の試合は1位、2位、4位、6位、10位といずれもベスト10入りした。そのほか目立つところでは、プーチン大統領の新年挨拶が5位(あんなものを観る人がいるのか?)、冬季五輪男子アイスホッケーの決勝ロシアVSドイツが7位などとなっている。


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 GLOBE+に、「サッカー・アジアカップで再認識させられたロシアとベトナムの繋がり」を寄稿しました。


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 ワールドカップ・ロシア大会が終わってからというもの、ロシアやウクライナのサッカー事情をフォローする意欲が一気に失せて、多忙ということもあり、かの地のサッカー事情からまったく遠ざかってしまった。

 しかし、たまたま目に留まったこちらの記事は、取り上げないわけにはいかないだろうと判断した。シャフタール・ドネツクに所属し、ウクライナ代表でも長く主力のディフェンダーだったヤロスラフ・ラキツキーが、このほどロシアのゼニト・サンクトペテルブルグに移籍したということである。しかし、それがウクライナ国内で大きな物議を醸している。多くのウクライナ人がこれを祖国への裏切りと見なしており、今後ラキツキーは代表でプレーできなくなるという見方が広がっているという。むろん、SNSなどでは、これまでラキツキーがシャフタールおよびウクライナ代表に果たしてきた貢献に感謝するコメントも一部で見られるものの、「侵略国家」のクラブにカネ目当てで移籍したとして、多くの国民はラキツキーの決断を非難している。『ゼールカラ・ニジェーリ』紙ではウクライナ代表の元スタッフによる「ラキツキーはあからさまな分離主義者で反ウクライナ主義者だ。彼を召集すべき場所は代表ではなく、ウクライナ保安局だ。この男はドネツクの話ばかりして、彼にとってはドネツクの方がウクライナより上なのだ。これまで国歌も歌ってこなかった。ドネツクはウクライナではないと考えている男なのだ」とするコメントを掲載した。

 往時には、ロシアとウクライナの間のプレーヤーの移籍は活発であり、最盛期の1997年には117人のサッカープレーヤーがロシアリーグでプレーしていた(うち50人がトップディビジョン)。その後、ウクライナ側のクラブの経営が好転したのと、ロシアで外国人枠が制限されたのとで、2011年にはロシアのトップおよびセカンドディビジョンでプレーするウクライナ人は11人にまで減った。2014年以降のウクライナ危機で、ウクライナ各クラブは人材を放出、ロシアでプレーするウクライナ人も30人程度になったが、今シーズンでは再び7人にまで減っていた。


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 職場の後輩ちゃんが北朝鮮に旅行に行ってきたらしく、こんな絵葉書を買ってきてくれた。中央にあるのがどう見てもFIFAワールドカップのトロフィーで、それでサッカー好きの私向けのお土産ということになったようだが、ただこの絵葉書の趣旨は、サッカーに限らず、北朝鮮のスポーツ全般の躍進で国威発揚を目指そう、といったような意味合いのようだ。

 個人的に、本来なら、北朝鮮を含め、アジアカップで日本以外の試合も観たいのだが、時間がなく、日本で精一杯。

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 GLOBE+に、「活況を呈すコンチネンタルホッケーリーグ 日本は煮え切らないままでいいのか?」を寄稿しました。


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 編集を担当している『調査月報』の締め切りにつき、ブログには大した記事も書けずに、申し訳ない。先のワールドカップに向け、ロシアでは各地方に不相応に大きなスタジアムが完成し、大会後、国内リーグ戦が始まって、それらのスタジアムにちゃんとお客さんが入っているか、気になっていた。そこで、新たに新スタを手に入れたプレミアリーグ所属の各地方クラブのホームゲーム6試合分の観客動員数を、グラフにまとめてみた。クルィリヤ・ソヴェトフ・サマラ、FCウラル、FCロストフの3チームの数字である(厳密に言えばFCウラルは新築ではなく改築だが)。で、こうやって数字をまとめてみると、W杯の余熱や、新スタ効果ゆえか、観客動員は今のところ大健闘と言えそうである。ただ、サマラなどは右肩下がりになりつつあるのが気になる。それに、ロシアはこれから冬を迎え、冬季中断があるとはいえ、12月初旬くらいまでは試合をしなければならないから、これからが本当の真価が問われる。


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 GLOBE+に、「ロシア・ワールドカップで無償ボランティアが成功した2つの理由」を寄稿しました。


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 誰も興味がないような話で恐縮である。ウクライナで、サッカー・プレミアリーグの試合を観に行くと、試合前にウクライナ国歌の伴奏が流され、皆でそれを歌うことになっている(ナショナルチームではなく、あくまでもクラブ・レベルの試合である)。もっと言えば、試合中にも、自然発生的に観客席が国歌を歌い始め、そのたびに当方も起立しなければならないので、面倒である。

 そんなこんなで、ウクライナ・プレミアリーグにおける国歌の演奏は義務付けられたものであり、少なくとも2014年の政変後は義務になっているのだろうと想像していた。しかし、今般調べてみたところ、こちらこちらの記事に見るとおり、試合前の国歌が義務付けられたのは、つい最近のことらしい。具体的に言えば、2017年11月6日のウクライナ・サッカー協会の理事会で国歌義務付けが決定され、2017/18シーズンの途中から施行されたということだ。なお、この決定に先立っては、シャフタールVSマリウポリの一戦の前に国歌が演奏されず物議を醸したことがあったそうで、従来は自然発生的だったものをこの事件を受けて名文化したということのようだ。


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 ロシアW杯では3万人を超えるボランティアが大会の運営を大いに盛り立てたが、こちらの記事によれば、大会終了後、一部でそのユニがネットなどで売りに出されるという現象が見られるということである。ボランティア自体は報酬なしの奉仕活動なので、この記事では、「せめて少しでもマネタイズしようとしたのか」といった調子で伝えている。

 今大会では、一般客と区別するために、市内、ファンゾーン、プレスセンターのボランティアには青系のコスチュームが、スタジアムおよびその周囲のボランティアには赤系のコスチュームが配布された。ボランティアになると、各人のサイズに合うズボン、Tシャツ、パーカー、雨合羽、キャップ、リュック、シューズ入れ、カバンのセットを無料でもらえ、それらは一生の思い出になるとうたわれていた。ところが、大会終了後に、それらのセットが、安いところでは4,000ルーブル、高いところでは4万ルーブルほどで売りに出されている。なお、ボランティアに関する規定には、グッズを販売してはいけないという項目は存在しない。


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 ロシア代表が自国開催W杯で大善戦したことにより、プレーヤーたちの市場価値も上昇したようである。こちらのサイトでは、下に見るように、主なプレーヤーの市場価値が大会前(水色)と大会後(黄色)でどのように変化したかを図示している。目立つのは、Aゴロヴィンの1,800万ユーロ→2,500万ユーロ、D.チェルィシェフの300万ユーロ→800万ユーロ、M.フェルナンデスの1,600万ユーロ→2,000万ユーロなどである。ロシア代表全体の市場価値は、1憶6,060万ユーロから、大会後には1憶8,370万ユーロに上昇したということである。

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 Globe+に、「ロシアに重くのしかかるワールドカップのレガシー」を寄稿しました。


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 ちょっと忙しいので、簡単なネタだけで。ロシアのサッカースタジアムは、食べ物にまったく期待できず、名物と言えるようなものも、ほとんど思い当たらない。唯一、もしかしたら、茹でとうもろこしだけは、ロシアのスタジアム名物と言えるかなと、以前から思っていた。上の写真は、まだ新スタが出来る前の時代のゼニト・サンクトペテルブルグのとうもろこし売りである。ただ、ひょっとしたら、ロシアだけでなく、ヨーロッパの他の国でも見られたりするのかなと、そのあたりが良く分からなかった。

 そうしたところ、W杯開幕前の情報だが、こちらのサイトに、主要国のサポーターのパラメーターを比較した特集記事が出ており、その中で、「スタジアムで何を食べるか?」という項目もあった。これを見ると、茹でとうもろこしというのが書いてあるのはロシアだけなので、茹でとうもろこしはロシアのサッカースタジアムの名物であると言ってよさそうである。


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 W杯決勝戦のプッシー・ライオット乱入事件、最初は良く事情が分からず、「なんか決勝に水を差す残念な出来事が起きちゃったな」くらいに感じただけだったが、事実関係が判明するにつれ、また時間が経過するにつれ、自分の中のモヤモヤがどんどん大きくなってきている。

 試合の翌日、プッシー・ライオットの仕業だということを知った時に、私が思ったのは、「今大会でロシアは、テロリストもフーリガンも封じ込めたのに、最後の最後に、あの連中に足元をすくわれちゃったな」といったことだった。

 しかし、そのあと、やや考えが変わってきた。プッシー・ライオットの今回の行為は、本質的にテロ行為なのではないかと思えてきた。むろん、テロというのは基本的に暴力で他人を殺傷することを指すのは承知している。しかし、たとえば「サイバーテロ」なんて言葉があるとおり、他人の価値を破壊的に毀損しようとする行為は、広い意味でテロと言えるはずである。プッシー・ライオットの連中が笑いながらグランドを走り回っている姿を改めて見て、これはテロに他ならないとの思いを強くした。自らの主義主張を唱えるために、ピッチ上で戦っている選手たちの思いも、全世界で固唾を飲んで見入っているサッカーファンの気持ちも、一切お構いなしと言うのであれば、程度の差こそあれ、その思考様式はテロリストのそれとまったく同じである。暴力に訴えていなくても、笑っていても、テロはテロであり、いわば「ゆるテロ」である。

 ロシアのニュースサイトなどを見ても、今回の事件に関する突っ込んだ分析や論評はまだそれほど見当たらない。そうした中、多少踏み込んだ論評を示していたのが、こちらの記事である。D.コレゼフ(コリョーゼフ? コレジョーフ?)という論者の個人的意見とされているが、今回のプッシー・ライオットの行為は従来と比べてそれほど過激ではなく、ロシアもプーチンも侮辱する内容ではなく、誰も傷付けないで世界に向けて自分たちの主張を伝える絶妙なやり方であった、これによりロシア国家は穏便化・人道化していくだろうなどと論じており、個人的にはきわめてナイーブな見方と感じる。

 ちなみに、こちらの記事では、プッシー・ライオットの連中がいかにして事を成し遂げたかということが書かれている。これによれば、彼らは1週間ほどかけて今回の行為を準備した、他人のファンIDを利用して会場に入った、トイレで持参した警察の制服に着替え、それを着てなるべくピッチの近くまで近付く手はずだった、などと伝えている。

 それにしても、腑に落ちないのは、ガチ中のガチであるロシアの情報機関が、プッシー・ライオットの動きを察知していないなどということがありえるのか?ということだ。これまでもスキャンダラスな行為を続けてきたプッシー・ライオットが、W杯に何かしでかすことは当然考えられ、それこそテロリスト予備軍並みにマークされていたと考えるのが普通だろう。他人のファンIDを使ってスタジアムに忍び込んだくらいで、当局の監視の目を逃れられるものだろうか? もしかしたら、当局はプッシー・ライオットの動きは知った上で、泳がせていたのではないかという疑問を抱きたくなる。連中があの舞台で騒ぎを起こせば、彼らを弾圧することをロシア国内および世界向けに正当化できる。。。むろん、今のところ何の証拠もないが、そんな風に勘繰りたくなるのも、モヤモヤが募る一因である。


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 Globe+に、「ワールドカップ成功の影でプーチン氏の支持率が落ちている」を寄稿しました。


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soukouhi

 今回のW杯ロシア大会で使用された12スタジアムの総工費を比較するグラフを作成してみた。数字は、今大会での無駄遣いに批判的な論陣を張っているこちらの記事からとった。ただ、ロシア・ルーブルのままでは分かりにくいと思うので、直近の為替レートで日本円に換算して示した。カッコ内に「改築費」と書かれているスタジアムに関しては、既存のスタジアムの建設費は除外し、改築費用だけを記している。他はすべて新規建設である(カザンとスパルタクは大会よりもしばらく前に完成していたが)。

 我々に身近な例で言うと、ガンバ大阪の吹田スタジアムの総工費は140億円程度と言われ、ロシアのW杯向け新スタはすべてそれを上回っている。ただし、問題は為替レートの要因だろう。ロシアでは2014年以降ルーブルが暴落し、他方で建設費用は資材・人件費等ルーブル建てのものが多いはずなので、ルーブル安によって外貨換算建設費が低く抑えられたはずである。2013年頃までの為替レートで計算すれば、日本円換算の建設費は、このグラフにあるよりも1.7倍くらい高かったはずである。


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 寂しいことに、ロシアW杯はもう終わってしまうけれど、私がこの大会について一番こだわっていたのは、いわゆる大会のレガシー(遺産)の問題だった。なので、地域研究者としての私のW杯ロシア大会研究は、むしろこれから始まるのである。

 その作業の一環として、上に見るような図を作成してみた。今回のW杯で会場となった12のスタジアムのうち、モスクワ・ルジニキとソチ・フィシトは、特定のクラブによる使用が想定されていない、ナショナルスタジアム的なところである。それ以外の10のスタジアムにつき、収容人数と、地元クラブが2017/18シーズンのリーグ戦の平均で実際にどれだけ集客していたかを対比したものだ。なお、一連の地方スタジアムには、W杯限定の増設分の席があり、W杯終了後にはそれを撤去してよりコンパクトにすることが決まっているので、その増設分をピンクで示してある。

 サッカーをお好きな方ならご存知のとおり、スタジアムの高揚感はどれだけびっしりと観客席が埋まっているかに左右される。5万人のスタジアムで2万人入っているよりも、1万人のスタジアムが満席になった方が、はるかに緊迫感が増す。そうした観点から、上のグラフを見ると、合格点と言えるのは、ゼニトのサンクトペテルブルグと、スパルタク・モスクワくらいであり、後の地方の状況は悲惨である。一番酷いのは我々にとっても思い出の地であるヴォルゴグラードで、45,000のキャパがあるところ、2017/18シーズンの実際の動員はわずかに3,621人だった(新スタは工事中だったので、別の小さい会場でやっていたという事情はあるにせよ)。まあ、2018/19シーズンの初めくらいは、W杯の高揚も残っており、新スタ見物感覚で多少お客さんが増えるかもしれないけど、代表選手もいない2部リーグの試合をリピートしてくれるかというと、だいぶ心許ない。


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 既報のとおり、世論調査結果によれば、ロシア国民のうちワールドカップのロシア代表の試合を観たという人は、サウジアラビア戦55%、エジプト戦59%、ウルグアイ戦59、スペイン戦71%と、大会が進むにつれ高まっていった。

 そして、こちらによれば、準々決勝のクロアチア戦の数字が出たということである。これによると、クロアチア戦を観たという国民は、69%だったということである。スペイン戦よりも若干低下したことになり、これが誤差の範囲内なのか、実際に何らかの事情で低下したのかというのは、ちょっと微妙という気がする。


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 GLOBE+に、「ロシアのスタジアムが禁酒なのには日本が絡んでいる!」を寄稿しました。


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 サッカー・ロシア代表、準々決勝で散った。個人的に言えば、ロシア代表は応援していたものの、実力不相応に勝ち上がり、「もう、お腹いっぱいかな」という感じがしてきたのも事実である。開催国チームとしてのノルマは、十二分に果たした。

 ところで、私は普段、日常的には欧州サッカーを観ないので、スター揃いのクロアチア代表チームの面々を、それほど良く知らない。むしろ、ヴィダというディフェンダーが、昔ディナモ・キエフにいたので、何度か生で観たこともあり、個人的にヴィダが一番馴染みがあるくらいである。今回のロシア戦で、ヴィダは延長で一時勝ち越し点となるゴールを決めたり、PK戦でもキックを成功させたりと、目立っていた。

 それで、ここからが本題なのだが、その元ディナモ・キエフ所属のヴィダと、もう1人、こちらも元ディナモ・キエフ所属のヴコエヴィチが、ロシア戦後に、「ウクライナ万歳! これはディナモのための、そしてウクライナのための勝利だ。進めクロアチア!」とコメントする動画が、A.シャホフというウクライナ・ジャーナリストのフェイスブックページに掲載された。下に見るのがそれである。明らかに余計な一言であり、遺恨を残さなければいいがな、と思う。


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 全ロシア世論調査センターの調査結果によれば、ロシア国民のうちW杯のロシア代表の試合を観たという向きは、上掲のとおり、大会が進むにつれ拡大していっているようだ。サウジ戦55%、エジプト戦59%、ウルグアイ戦59%だったものが、スペイン戦では71%に跳ね上がったということらしい。「ロシア代表は準決勝に進めますか?」という質問に対して、「はい」と答えていたのは、6月26日には12%にすぎなかったけれど、スペイン戦を経た7月2日の調査では33%に高まった。


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 GLOBE+に「盛り上がってるの? いないの? ワールドカップ開催国ロシアの実情」を寄稿しました。


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