ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

カテゴリ: ロシア

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 レヴァダ・センターのこちらのページに、興味深いデータが出ている。まあ、新発見というよりも、むしろ周知の構図を裏付けるものだが。

 これは、ロシア国民がどんな政治機構が信頼に値すると見なしているかという、レヴァダが継続的に実施しているロシア全国調査の、8月の最新の調査結果である。青が完全に信頼に値する、オレンジがあまり値しない、赤がまったく値しない、グレーが分からないとなっている。図に日本語を添えて上掲のとおり転載させていただいた。

 ロシア庶民のステレオタイプとして、大統領や軍は国益に奉仕する尊いものだが、議会、政党、ビジネス、マスコミなどは党利党略や私利私欲ばかりを追求して信用ならん、という図式がある。警察や裁判所は、庶民をいじめたり、賄賂を要求したりするので、やはり信用には値しないと考えられている。

 ただ、この調査が行われた8月時点では、軍事作戦で愛国心がそれなりに高まっていたのか、あらゆる政治機構への信頼度が上昇したということである。

 むろん、大統領や軍が信頼されているからと言って、人々が動員に喜んで応じるかというのは、まったく別問題だ。


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1257

 昨日になり、日系のトヨタがロシア工場を閉鎖することが正式に発表された。日系企業のロシア進出は、トヨタが進出したからこそ親分に付いていったという会社もあったし、「トヨタが出るならうちも」と追随した同業他社もあった。そのトヨタが工場を締めるということは、これから日系企業のロシア撤退も加速すると見るべきだろう。

 さて、韓国系の自動車メーカーに目を転じると、ヒュンダイのサンクトペテルブルグ工場におけるヒュンダイおよびキア車の生産は、侵攻開始後に停止されていた。しかし、カリーニングラード州にアフトトルという委託生産工場があり、そこでのヒュンダイおよびキア車のアセンブリーは続けられていたようだ。一方、BMW車のアセンブリーは春にはストップしていた。

 しかし、こちらの記事によると、アフトトルではついに韓国車の組立部品も在庫が尽き、10月上旬をもってヒュンダイ・キア車の生産を完全に終了するということである。


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1256

 こちらの記事によると、昨日9月22日の閣議において、ロシア政府が2023~2025年の連邦予算の検討を開始したということである。確認までに申し上げれば、ロシア連邦予算は、当該年の予算に加え、翌2年間の財政見通しも合わせて示されるので、2023~2025年という3ヵ年の予算になるわけである。

 それで、上掲の記事には、予算編成の前提となる一連の経済指標見通しを示した便利な図が掲載されているので、それに日本語を添えて上掲のとおり転載させていただく。最重要な指標であるGDPについては、今年の見通しがマイナス2.9%で、その後2023年マイナス0.8%、2024年プラス2.6%、2025年プラス2.6%という軌跡が描かれている。


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 このご時世に、と言うべきか、ロシア社会が部分的動員令に動揺した昨日、経済発展省がロシアの経済見通しを上方修正するという動きがあった。こちらの記事などが伝えている(図もそこから拝借)。

 まず、GDP見通しが、下図のようになっている。2022年の成長率は、8月発表の予測ではマイナス4.2%になっていたが、それが今回9月の発表ではマイナス2.9%に上方修正された。2023年についてもマイナス2.7%からマイナス0.8%へと上方修正された。

VVP (2)

 ちなみに、一般論として言えば、戦争は目先のGDPを押し上げる効果があると言える。政府が大規模な財政出動をしていることになるし、戦死者が出て弔慰金が支払われれば国民の所得も増大する。問題は健全な長期的成長には繋がらないことだ。

 次に、インフレ率の予測は、下図のとおりとなっている。

Infl (2)

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 ちょっとまたロシア・ウクライナ情勢が慌ただしくなってきたようだけど、すぐにブログにまとめるのは難しいので、またエネルギーの小ネタを。

 こちらの記事は、ロシアの石油輸出に対して価格上限を設定する問題につき論じているのだが、その中で上掲のようなグラフが載っていて、有益だと思った。軍事侵攻以降、欧米日がロシアからの石油輸入を停止したり絞ったりする中で、中国・インド・トルコという新興3ヵ国が、旺盛にロシアの石油を買い増している模様を図示している。中国・インドについては頻繁に話題に上るが、トルコもここまで存在感を増しているとは思わなかった。なお、この図はタンカーによる海上輸送分のみであり、中国の場合はこれに加えてESPOパイプラインによる輸入が日量80万バレル程度あるので、海上輸送と合わせれば、日量200万バレル近くに達していると見られる。


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 誤解されることがあるが、ロシアでYouTubeは別に禁止されているわけではない。なので、人々が望みさえすれば、プーチン体制にとって不都合な内容の動画を観ることも可能である。

 そのロシアで、この夏にYouTubeの視聴が増える傾向が見られたという。しかし、これは人々が真実を求めてYouTubeを頼ったというよりも、むしろ報道から逃避するためにYouTubeに娯楽を求めたということだったようである。

 こちらの記事によると、Mediascopeという調査機関による調査結果が明らかになった。7月、8月に、ロシア国民のYouTube視聴時間が伸びる傾向が見られた。その原因は、人々がニュースから距離を置きたかったこと、ロシアの映画サイトで観られなくなった旧作映画をYouTubeで探したこと、インスタやTikTokがロシアで禁止されたことで一部の機能が重複するYouTubeの利用が増えたことなどであった。ロシアの政権当局はYouTubeの一部コンテンツにクレームをつけているが、それに完全に代わるものがないので、ロシアでYouTubeがブロックされることは考えにくいと、専門家らは考えている。


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20

 このニュースを理解するためには、まずソ連時代に建設されたとあるパイプラインのことを知る必要がある。本件に関しては以前、「ロシアとウクライナにまたがる『世界最長の化学品パイプライン』の謎を解く」というコラムを書いた。ロシア沿ヴォルガ地方のサマラ州トリヤッチ市から、ウクライナ・オデーサ州のピウデンヌィ(ユジネ)港に至る、全長2,471kmに及ぶアンモニアパイプラインが存在する(上図参照)。ソ連崩壊後も、途切れることなくアンモニアの輸送が続けられてきた。ところが、2月24日のロシアによる軍事侵攻開始後、パイプラインの起点に当たる窒素肥料大手トリヤッチアゾト社は、パイプラインを通じたアンモニアの輸出を停止した。ついでに言うと、アンモニアは天然ガスをもとに生産され、窒素肥料の前段となる。

 そして、こちらの記事によると、このほどゼレンスキー・ウクライナ大統領はロイターとのインタビューで、ウクライナ領を経由するロシア産アンモニアの輸出は、ウクライナ兵の捕虜が解放される条件においてのみ認めるとの考えを示した。

 この提案に対し、ロシアのD.ペスコフ大統領報道官は、人間とアンモニアを同列に扱うのかと、否定的に反応した。

 これに先立ち国連は、ウラルヒム(注:トリヤッチアゾトではないのか?)の生産したアンモニアをパイプラインのロシア領部分で対ウクライナ国境まで輸送し、その地点でトレーダのTrammo社が買い上げる(注:その後はTrammo社の貨物としてパイプラインのウクライナ部分でピウデンヌィ港まで運ぶということだろう)というスキームを提案していた。

 国連は肥料価格を引き下げるとともに、穀物輸出に関するイスタンブール合意へのロシアのコミットを確かなものとするために、ロシアとウクライナにアンモニア輸送に関する合意を形成するよう提案しており、国連関係者によれば両国とも前向きな姿勢だという。この合意が成立すれば、ロシア産アンモニアがピウデンヌィ港からウクライナ産穀物と同じスキームで輸出でき、輸送量は200万t、現在の相場で24億ドルに上る。

 2月24日の軍事侵攻開始後、トリヤッチアゾトはアンモニア輸出を停止した。ただ、同社によれば、同社のアンモニア生産は、国内需要を満たし、尿素および尿素ホルムアルデヒド濃縮物を生産するのに充分な水準を継続している。同社では鉄道輸送により顧客へのアンモニア供給義務を全面的に履行している、という。


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76

 こちらの記事が、上海協力機構の首脳会議で、プーチン・ロシア大統領が肥料に関し注目すべき提案を行ったことを伝えている。

 記事によると、首脳会合でプーチンは以下のように訴えた(以下プーチン発言ママ)。ロシアは、EUの港で滞留している30万tのロシア産肥料を、途上国に無償で提供する用意がある。本件に関してはすでに国連事務総長に伝えた。

 ロシアとしては、ロシア産肥料が制裁から外されたことは歓迎するが、制限を解除したのはEU諸国だけで、彼らだけがロシア産肥料を購入できる状態にある。途上国、最貧国はどうしたらいいというのだろうか? この席に国連事務次長が同席している機会を利用し、言葉ではなく行動で、明らかに差別的な制限措置を撤廃するよう、欧州委員会の人々に働きかけてくれるようお願いしたい。

 ロシアは穀物の輸出を拡大しつつあり、今年は3,000万tを、来年は5,000万tを輸出する。ロシアの穀物輸出の90%はアジア、アフリカ、中南米諸国向けである。

 以上がプーチンの発言要旨であった。なお、7月にロシア、ウクライナ、トルコ、国連がウクライナ産穀物取引で合意した際に、ロシア産農産物の輸出に関する制限撤廃についても合意し、ロシアは両合意が同時並行的に実施されるべきだとの立場をとっている。


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75

 こちらの記事に見るように、ロシア政府でエネルギー問題を担当するA.ノヴァク副首相が、EUへの天然ガス輸出の見通しに関し語っている。なお、参考までに、従来、ロシアのEU向けガス輸出は、年間1,500億㎥程度だった。

 記事によると、このほどノヴァク副首相は、2022年のロシアのEU向けガス輸出が500億㎥ほど低下するとの見通しを示した。

 その一方で、副首相によると、ロシアは「シベリアの力」を通じた中国向けのガス供給を拡大しており、2022年には200億㎥に達する見通しである。2月に中国と追加で合意した100億㎥の供給計画もある。そして、近日中に中国と合意するはずの「シベリアの力2」により、さらに500億㎥が加わるはずである。中国側はパイプラインガスも、LNGも、購入を増やしている。

 欧州委員会がエネルギー企業に対し超過利潤税を課すよう提案していることに関しては、副首相は本件はガスの価格形成にはかかわりなく、ガス価格は需給にもとづき市場原理で決まるとコメントした。


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 ロシア連邦共産党のリーダーであるG.ジュガノフ氏が今般、動員の必要性を主張する動きがあったということである。それに関し政治評論家A.マカルキン氏がテレグラムのこちらの投稿で論じている要旨を、以下まとめておく。

 ジュガノフ氏が動員の必要性を主張したことが、思わぬ反響を招き、共産党のA.ユーシチェンコ報道官は、「主にロシアの経済、政治システム、資源を動員するという意味だ」と釈明に追われた。

 実は、「動員」というものには、2つの捉え方があるのだ。

 第1に、最も普及している認識で、ロシアの法令にもとづくもので、大衆的な意味合いを持つ。それは、戦時において兵役義務者を動員するものである。

 第2に、歴史家、政治学者、最近では政治家も共有している動員の定義があり、ジュガノフが考えているのもこれである。こうした動員は、戦前見られたもので、経済も社会も将来の戦争に備えておくというスターリン主義国家を想起させる。ただ、この動員は、動員を担い不断の働きをする覚悟のある活発で確信的な活動家の存在を必要とする。

 ソ連初期にはそのような社会層があったわけだが、現在、動員を呼びかけているのは、「ソファーに座った愛国者」である。

 もっとも、一般大衆は、このような拡大的な意味での動員を認識しておらず、もっぱら軍事的な定義で捉えている。そして国民は軍事動員のことなど考えることもできず、それに恐怖を抱いている。そうした動員をすれば、愛国者たちはもはやソファーに座ってはおられず、自分が戦線に投入されかねない。共産党支持者であってもそれは同じであり、それゆえに報道官が釈明に追われたのだ。


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 サハリン2でシェルが撤退の決定をロシア政府に正式に通告し、もしかしたら東方経済フォーラムで後釜の出資企業が発表されたりするかなと思って見ていたのだけど、それはなかった。そうした中、ロシアの新興ガス会社であるノヴァテックが後継の出資会社になるのではないかという情報が浮上している。ここでは、こちらの記事を以下のとおり抄訳しておく。

 ノヴァテックは、シェルが保有するサハリン2の株式を購入する条件を満たしているロシアで唯一の企業だ。ロシア政府が設定した条件は、年間400万t以上の大規模LNG生産の経験、4,000万t以上の累積生産量・取引量、ガス運搬船の有効な定期傭船契約である。

 本件に関しノヴァテックのL.ミヘルソンCEOは、我々はシェルが保有していた株27.5%の購入を検討するが、その決定は徹底した監査の後に行われると述べた。地質学的埋蔵量だけでなく、LNGプラントの状態、契約上の構造など、資産の全面的な監査を行うつもりであるという。

 BCS Global Marketsのアナリストらは、「取引の成否を左右するのは価格である」とコメントしている。唯一の有力候補はノヴァテックと思われるが、同社がガスプロム主導のプロジェクト参加を希望するかは定かでなく、すべては価格次第だ、ということである。

 ノヴァテックは現在、1,750万tのヤマルLNGプロジェクトに50%、66万トンのクリオガス・ヴィソツクのLNGミニプラントに51%出資し、合計910万tの権益を保有していて、政府の基準を満たす。サハリン2の年間320万tが加われば、同社のLNG生産量の持ち分を35%増加させることになる。


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 『週刊エコノミスト』の9月13日号に、「(ロシア経済)制裁で生産活動は停滞 戦車工場は『開店休業』」という論考を寄稿しました。

 表紙には「ロシアと宗教」というミニ特集が掲げられていますが、それに関して寄稿しているのは、井上まどか先生、下斗米伸夫先生です。


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 ロシア経済の動向を図るバロメーターの一つとして、乗用車販売データをトレースしていこうかと思っているわけである。先日、欧州ビジネス協会から8月分のロシア乗用車販売データが出たので、一部他の出所からもデータを補いつつ、上掲のように最新グラフを作成した。

 もう欧・米・日・韓のメーカーは基本的にロシア現地工場も動かしていないし、本国からの出荷も止めているので、同諸国のブランド車はロシアでは今はほぼ在庫品に限られるはずであり、4月頃からずっと低いレベルで横這いとなっている。

 そうした中、ロシア車、中国車主体の市場に変わってきていることが、見て取れるであろう。ちなみに、ロシア乗用車販売市場におけるロシア車・中国車のシェアは、侵攻前の1月、2月にはともに34%だったが、直近の8月には73%に及んだ。

 8月に目立ったのは、ロシア国産ブランドであるLadaの回復である。Ladaの販売は、部品不足による生産の麻痺で、4月8,506台、5月6,012台、6月7,484台とどん底となった。しかし、7月は10,323台、そして8月は18,087台と、ほぼ侵攻前の水準に戻っている。AvtoVAZでは、どうにか部品を調達し、「簡易モデル」ながら、7月頃から量産体制をある程度軌道に乗せた模様であり、それが販売にも反映されたのだろう。


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 今般の戦争が始まってから、プーチン大統領はロシアの「技術主権」の確立を唱え始めたわけだが、考えてみれば何を意味しているのか良く分からない言葉である。輸入代替、国産化を格調高く言い換えただけのような気もするが、実際のところ、どのような意味合いなのだろうか。

 興味深かったのが、フィンランド銀行のエコノミストであるヘリ・シモーラ氏がこちらで発表している論考である(上掲の図もそこから拝借したもので、ロシアにおける電子機器、自動車・部品の輸入相手が、戦争前と後でどう変化したかを示している)。

 この中でシモーラ氏は次のように論じている。すなわち、最近ロシアの政策担当者は、全面的な輸入代替は非合理的であり不可能であると悟った。そこで、現在は政策の重点が技術主権、すなわり輸入相手を多角化すること、輸入に占める友好国の比率を増やすことに置かれている、というのである。つまり、シモーラ氏によると、技術主権とは輸入代替の徹底ではなく、むしろそれに手心を加え、一部の非友好国に依存するような状況でなければいいという考え方だというのである。

 ただ、私がリサーチした範囲内では、プーチン政権が実際に技術主権という概念をそのような意味合いで捉えているという裏付けは、得られなかった。たとえば、プーチン大統領の技術発展問題特使を務めているドミトリー・ペスコフという人物がいるが(報道官のペスコフとは別人)、同氏がこちらで発表している論考を読んでも、やはり技術主権を技術の独自開発の問題と捉えている印象が強い。ただ、ペスコフ特使は、技術主権とは、世界から孤立してすべて自前で賄おうとすることではなく、他国とのアライアンスを構築する際の強力な交渉材料となるような独自技術を特定の分野で達成することが鍵であるということを主張している。


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180

 ロシア軍が敗走を重ねる中、「モスクワとサンクトペテルブルグの議員がプーチンの辞任を要求している」という情報を聞きつけた。ネット検索したところ、こちらなどが確かにその旨を伝えていた。

 ただし、どのレベルの議員かというのが重要である。日本で言えば、「東京、大阪の議員が岸田首相の辞任を要求した」と言っても、たとえば東京都選出の衆議院議員なのか、東京都議会の議員なのか、それとも足立区議会の議員なのかで、全然話が違ってくる。結論から言えば、今回のロシアの動きは、足立区レベルでのことである。

 また、プーチンの軍隊がウクライナで総崩れになっているがゆえのプーチン辞任要求というわけでもなさそうである。上掲記事は9月9日付であり、まだそこまでロシア軍は崩れていなかった。むしろ、9月11日の統一地方選をにらんだパフォーマンスだったのではないか。

 改めて、上掲記事によると、モスクワ市のロモノソフスキー地区の議会で議員らが9月8日に、プーチンの辞任を要求する声明を発表した(注:議会の総意としての決議なのか、それとも一部の有志による意思表明なのかが分かりにくいが)。プーチン大統領は経済・社会的な成果を収めておらず、統治方式やイデオロギーは古臭く、ロシアを冷戦時代に逆戻りさせ、世界を核兵器で脅すような国になってしまった、と批判している。議員らはまた、S.ソビャーニン市長を批判する声明も発表した。

 同じ記事によると、9月7日にはサンクトペテルブルグ市スモリニスコエ地区の議会がプーチン大統領を国家反逆のかどで解任すべしとの決議を採択した。ただし、それを受け議員らは、ロシア軍を侮辱したという容疑で、警察に出頭することを求められた。


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 こちらに見るとおり、ロシア統計局が8月のインフレ率(消費者物価上昇率)を発表したので、早速いつも作成しているグラフを更新してみた。

 物価は3ヵ月連続で下落となった。8月の消費者物価は、前月比で0.52%減、前年末比で10.40%増、前年同月比で14.30%増となった。

 このように、デフレ基調が続いているものの、以前も申したとおり、夏はロシアで物価が下がりやすい季節であり、経済危機やモノ不足が今後顕在化していけば、物価も上昇に転じる可能性が高そうである。


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1243

 ロシア極東のウラジオストクで開催された第7回東方経済フォーラムが昨日閉幕したわけだが、そのまとめに関してはこちらの記事が詳しい。

 それで、この記事によると、今回のフォーラムに際しプーチン大統領により稼働が宣言されたロシア極東の投資プロジェクトが3つあったそうである。

  1. ハバロフスク地方コムソモリスクナアムーレ市における貨客船「アレクサンドル・ジェエフ号」による自動車・鉄道フェリー輸送。
  2. カムチャッカ地方における魚加工工場「コマンドル」。
  3. ザバイカル地方におけるザバイカリスク・満洲里鉄道穀物ターミナル。

 いずれも、どうしようもなく小粒と言わざるをえない。冒頭に掲げた写真は1の貨客船なのだが、思わず「ダサッ」と口に出てしまった。


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 こちらの記事の内容、図解資料は、興味深い。これによると、東方経済フォーラムでプーチンは、イスタンブール合意によってウクライナから積み出された穀物は、大部分がトルコとEU諸国に向かっており、食料を切実に必要としている途上国には80隻の運搬船のうち2隻しか向かわなかったと発言したということである。その上でプーチンは、ロシアとしてウクライナからの穀物その他の食料の積出を制限することも検討するかもしれないと発言している。

 そこで、Meduzaが、ウクライナを出港した穀物船が実際にどこに向かったかを、図にしてみたということである(上掲参照)。

 それによると、88隻のうち、トルコに向かったのが32隻、EUが30隻、その他が25隻、不明が1隻だった。その他の内訳は、エジプト6、中国3、韓国3、イスラエル3、インド3、イラン2、イエメン1、スーダン1、ソマリア1、ジブチ1、レバノン1ということである。


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 先日、「数字で見る東方経済フォーラム」というエントリーをお送りしたが、その暫定的な答え合わせのような話である。こちらの記事が伝えるとおり、ロシアで極東政策を担当するYu.トルトネフ副首相が、フォーラムの9月5~7日の3日間の成果について述べている(フォーラムは8日まで続き全4日間)。

 トルトネフによると、フォーラムの参加者は約7,000人。3日間の成果として、260件の投資契約、メモランダムが調印され、その総額は3兆2,550億ルーブルとなっており、これは新記録である。

 トルトネフは以上のように述べているわけだが、先日のブログでお伝えしたとおり、前回2021年のフォーラムでは380件、3.6兆とされていたので、260件、3.3兆を新記録と呼ぶのはおかしいだろう。もちろん、最終日の本日、駆け込み的に調印が続き、最終的に昨年を上回る可能性はまだあるが。そして、以上は当局が発表する表面的な数字についての談義であり、胸を張れるような投資誘致の効果が実際に挙がったのかという点に関しては、別途検証する必要がある。


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 最近は、ロシア情勢を見る際に、戦争のことがあるので、ヨーロッパ方面に目が向きがちで、ロシア極東の動きとかは満足にウォッチできていなかった。今般、東方経済フォーラムがあるので、ロシア極東経済、ロ中経済関係のことも頭に入れておかなければいけないなと、思っているところだ。

 その関連で、そういえば、ロシア・アムール州のブラゴヴェシチェンスクと、中国黒竜江省の黒河市を結ぶ自動車道路橋はどうなったんだ?ということが気になった。だいぶ前に建設は完了したと伝えられながら、コロナ絡みの出入国制限で、開通できずにいた経緯がある。

 そこで調べてみたところ、こちらの記事などが伝えているとおり、くだんの橋は6月10日に開通式が行われたということである。個人的に、戦争のことに気をとられて、全然気が付かなかった。ロシア連邦政府からはYu.トルトネフ副首相が式典に参加した。

 ただ、こちらの記事によれば、6月10日の開通は暫定的なもので、2ヵ月間は無料での試験運用が行われた。この間、1,178台の車両が通行した。8月10日からは、有料での利用に移行し、ロシア側に設けられている料金支払所で利用料を支払う形となる。料金は、車のサイズに応じて、1,030~9,540ルーブルとなっていて、現金またはクレジットカードで支払う。秋からは、全面的な稼働に移行する。

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 昨日9月5日からロシア極東のウラジオストクで東方経済フォーラムが始まった。8日までの日程となっている。この手の経済フォーラムをやたらと重視するロシアにあっても、東方経済フォーラムは、サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムに次ぐステータスを誇る。

 そして、こうしたフォーラムは、とにかく盛大に開催されることが重要であり、よって会議の規模は年々拡大していく。参加者も、フォーラムの枠内で締結される投資契約も、前年超えが必須となっている。今年も、国際的な対ロ制裁包囲網にもかかわらず、前年を上回る成功を収めたと発表されることは確実である。そこで、あらかじめ数字を押さえておくことにしよう。昨年の実績は、フォーラムのこちらのページに載っている。

 上図に見るとおり、コロナで中止になった2020年は別として、契約件数と成約額は年々右肩上がりで上昇しており(ホントかよ)、2021年は380件、3.6兆ルーブルに上った。

 2021年の参加者は、ビジネスマン、ジャーナリスト合わせて約4,000人。うち企業のトップは400人だった。

 2021年は、世界58ヵ国の代表が参加した。25ヵ国の外交団も参加した。

 ロシア側では、プーチン大統領はもちろん、連邦政府の大臣8名、連邦局・庁の長官が10名、地域首長が12名出席した。


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 先日出演したメディアで、「9月11日のロシアの統一地方選挙というのは、本当にやるんですか?」という質問を受けたが、そりゃあやりますよ。ウクライナ占領地の住民投票のような、やるかやらないか、いまだにはっきりしないような代物と違って、一応ロシアで定着した年中行事なわけだから。米国の中間選挙のような、緊張感のあるガチ選挙ではないけれど、それなりの節目ではある。

 まあ、ただ、どの地域でどのような選挙をやるのか、イマイチ把握はしていなかったので、『エクスペルト』誌の最新9月5~11日号に出ていた選挙マップを上掲のとおり拝見することにする。赤で示したところが地域(州などのレベル)の首長選挙があるところ、青が地域の議会選挙があるところ、黒の四角が地域の中心都市の市長選が行われるところである。

 やはり、政治的重要度が最も高いのは、地域首長(つまり州知事など)の選挙であろう。整理すれば、以下の地域で地域首長選挙が行われる。

  • カリーニングラード州
  • ノヴゴロド州
  • カレリア共和国
  • ヤロスラヴリ州
  • ウラジーミル州
  • リャザン州
  • タンボフ州
  • アディゲ共和国
  • 北オセチア共和国?(青赤どっちだ?)
  • キーロフ州
  • マリ・エル共和国
  • サラトフ州
  • スヴェルドロフスク州
  • トムスク州
  • ブリヤート共和国

 この中で地域としての重要度が圧倒的に高いのはスヴェルドロフスク州だろう。あと、制裁でロシア本土との貨物輸送に問題が生じたカリーニングラード州、Z軍に契約軍人を多く送り出しているブリヤート共和国などで、何かそれを反映した動きがあるのかが注目される。


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 こちらの記事が、ロシアの石油生産動向とG7の包囲網について論じているので、骨子を整理しておく。

 G7はロシアの石油輸出に上限価格を設け、罠にかけようとしているが、専門家らによれば西側がむしろ罠に陥る可能性もある。

 以前はバレル40~60ドルといった価格が取り沙汰されていたが、現時点で具体的にどのような価格を設定しようとしているのかは明らかでない。

 この計画が成功するかどうかは、中印などの西側以外の主要国がそれを守ってくれるかどうかにかかっている。現在、ブレントが96ドルであるのに対し、中印は最大20%の値引き価格でロシア原油を輸入している。

 2021年にはロシアの石油輸出に占める中印の比率は32%だったのに対し、2022年7月には42%に及んだ。

 専門家のA.ポタヴィンによれば、上限価格が設定されると、ロシアはその価格での石油輸出をしばらく取り止める可能性があり、自らの収入を犠牲にすることもいとわないという。

 別の専門家のS.グリシュニンは、価格制限は欧州における不足に繋がり、輸送費も考慮すると、消費者がより高いコストを負担することになる公算が大きいと指摘する。ロシアの側は、最大限に高い価格を得るべく、他の市場にタンカーを差し向けるだけだという。

 前出のポタヴィンによると、世界市場で石油が高騰し、ブレントは12月には120~130ドルに達する可能性がある。ただ、ロシア経済発展省は、ロシア経済は現在が底で、これから2023年にかけて上向いていくという見方を示しているが、もしも石油生産量が低下すれば、それは不可能になる、という。

 なお、8月のロシアの石油生産量は日量144.5万t、1,059万バレルで、7月から1.6%低下した。


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 昨日出演したテレビ番組は、ロシアでプーチン現体制以上に過激な主戦論勢力が台頭し、それにプーチンが手を焼いているのではないかという問題を掘り下げた。

 その一環として、イーゴリ・ガーキン(別名イーゴリ・ストレルコフ)という右派活動家を取り上げた。同氏に関する予習をする中で、特に目に留まったのが、こちらの記事の中でYe.ヴィノクロヴァというジャーナリストが示している考察であった。

 かつてガーキンにインタビューもしたことがあるというヴィノクロヴァによると、会ってみたガーキンは戦争や危機などについて淡々と語り、それだけに恐ろしさを感じさせたという。ヴィノクロヴァがその後接触したクレムリン筋は、社会には「怒れる愛国者」という層が存在し、それを代表しているのがガーキンとその相棒であるV.クヴァチコフであるとして、警戒を示していた。ガーキンとクヴァチコフが配信しているYouTube動画は(上掲参照)、戦闘シーンのような派手な要素はないにもかかわらず、テレビの政治討論番組に劣らないほど多くの視聴者を引き付けている様子だと、そのクレムリン筋は指摘した。なぜエモくもない動画が、にわかに人気を集めているのか? その理由は一つで、ガーキン氏は信念の人であり、都合良く立ち回ったりしない人物だという印象を与える。体制側からもリベラル派からも嫌われる信念を抱いても、何の得にもならず、リスクが増えるだけなわけで、今日の状況では稀有なことである。そして、好むと好まざるにかかわらず、ガーキンはこういう立場の人間だということが分かりやすいのだ。ヴィノクロヴァは以上のように論じている。

strelkov

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 ロシアでも、GDP統計はそんなに早く出るものではなく、また最小単位は四半期ベースであり、月ベースのデータは得られない。そんな時便利なのが、ロシア統計局が毎月発表している「基礎経済活動部門商品・サービス生産高」という指標で、簡易的なGDPの代理指標として用いることができる。

 こちらの刊行物に見るとおり、ロシア統計局は7月分までの基礎経済活動部門商品・サービス生産高の指数を発表しているので、前年同月比の数字をとり、上掲のとおりグラフにしてみた。

 まあ、ロシアの統計もだんだん偽装っぽくなってきたので、どこまで信じていいか、判断に迷うことも事実である。ただ、ひとまずこのデータを信用するなら、軍事侵攻開始後、落ち込んできた経済は、6月を底として、7月には落ち込みの度合いが若干軽減された模様である。季節調整はなされていないが、前年同月比ではなく前月比で見ると、6月はプラス4.7%、7月もプラス4.1%だった。

 詳細は省略するが、鉱工業生産のトレンドを見ても、明らかに7月は持ち直している。


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 ミハイル・ゴルバチョフ氏が亡くなったということで、だいぶ古いものだが、レヴァダ・センターのこちらのページに出ているロシア国民のゴルバチョフ評価のデータを、上掲のとおりグラフにしてみた。

 もっと否定論が圧倒的に多いのかと想像していたのだが、意外とそうでもなかった。もちろん肯定よりは否定の方がずっと多いのだが、一番多いのは中立である。

 要するに、一言で言えば、過去の人だったということか。


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 これは8月27日の動きだと思われるが、こちらの記事などが伝えるところによると、ロシアのS.キリエンコ大統領府第一副長官が、ウクライナのロシア占領地域でロシア編入に関する住民投票が実施された場合の「見通し」を述べたということである。

 キリエンコによると、決定は住民たち自身が決めるものであり、ロシアは住民投票が行われていかなる結果が出たとしても、それを尊重する。もっとも、自分はドンバスおよびヘルソン、ザポリージャ地域における住民の意向を知っており、意識調査結果なども見ており、住民投票における決定は大差となろう。

 すなわち、ドネツク人民共和国とルハンシク人民共和国では、意識調査で、91~92%の回答者がロシアへの編入に賛成すると回答している。ヘルソンおよびザポリージャの地域では、意識調査での賛成率は約75~77%だが、毎週調査をするたびにその比率は増えている。

 以上がキリエンコ第一副長官の発言であった。現実を反映しているとはとても思えないが、一応記録しておくことにした次第。


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dugin

 こちらに見るように、ロシアの政治評論家A.マカルキン氏が、世代論の観点から思想家A.ドゥーギン氏について論じているので、以下要旨をまとめておく。

 ドゥーギンの主な政治的役割は、世代的な性格を帯びている。

 1990年代、社会のかなりの部分は、イデオロギー的な空白に陥った。共産主義は公式に放棄されただけでなく、信用を失った。この社会層は、リベラル思想も断固拒絶した。

 こうした状況下で、ドゥーギンは大衆受けするような形で地政学の受容を提案した。実のところ、ロシアの反欧米思想の多くは、欧米からの概念の拝借を基盤としている。地政学は、ソビエト人たちにとって、西側に権威が存在したこと(それらは1990年代には多くの反西側主義者にとっても尊敬に値した)と、難問(モロトフ・リッベントロップ協定やフィンランド戦争、アフガン戦争など)に回答を示してくれるその倫理相対主義によって、新しいものとして魅力的に映ったのだ。

 同じくらい重要だったのは、ドゥーギンが提示した具体的な地政学構図であった。アトランティスト(アングロサクソン)とユーラシアが、海と陸の対立構図を形成するというものである。こうした図式は、ロシアと米英の不可避的な対立関係を前提としている。ソ連の経験は、完全には否定されず、選択的に肯定された。

 かつてのソ連は、西側におけるイデオロギー的・組織的な味方を、左翼、「進歩的勢力」の中に見出していた。それに対しドゥーギンは、極右コミュニティーの中に仲間を見出そうとした先駆的な人物であった。イデオロギー面では、ドゥーギンはハウスホーファーだけでなく、権威主義的支配を正当化するシュミット、友敵二分論にも訴えた。組織面では、ヨーロッパの極右政治家や理論家と関係を築き始めた。それは、当時のジリノフスキーのようなお遊びや日和見主義的ではなく、かなり真剣に、今後何十年を見据えたものであった。

 国の崩壊や、職を失ったり賃金を何カ月も待たなければならない両親の不幸を自由主義のせいにする若者たち。ドゥーギンは、当時のそうした若者たちに読まれていたのだ。それから25〜30年が経過した。当時の若者は歳をとり、軍事・治安機関からメディアまで、様々な分野に進出している。地政学とアングロサクソン嫌いは、ロシアのテレビやネット空間にしっかりと定着し、マリーヌ・ルペンを身近に感じている。

 これは、ドゥーギンがロシアの政治的な意思決定に直接影響を与えているという意味ではない。それでも、現下ロシアの思想と(重要な点として)政治的な言語は、ドゥーギンの初期の著作から大きな影響を受けているのである。


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 このほどちょっと用事があり、ロシアにおける新車販売動向をグラフにまとめてみた。月別の販売を、ロシア・ブランド、中国ブランド、韓国ブランド、日本ブランド、欧米ブランドに分け、販売台数をまとめたものである。なお、日本ブランドと言っても、必ずしも日本製ではなく、ロシア工場や第三国工場の製品の場合もあることは、言うまでもない。

 基本的に欧州ビジネス協会が毎月発表しているデータにもとづいているが、中国系のチェリーおよびその高級ブランド・エクシードが5月からロシアでの販売台数を提供しなくなったという問題があり、チェリーの販売台数は別のところから補ったり推計したりした。

 ロシアでの新車販売台数は、5月まで大きく落ち込んだ後、6月、7月は回復の兆しが見られる。欧米日韓メーカーがロシアビジネスを見合わせ、今やロシア車と中国車の天下となった。すでに先進国の主要メーカーはロシアへの供給、ロシア工場の稼働を停止しているので、今売れている欧米日韓のクルマは、在庫品か、あるいは並行輸入品だろう。

 比べてみると、日本ブランドの縮小が最も著しく、日本企業の真面目さが際立った形である。ただ、絶対抜け駆けするだろうと思っていた韓国勢も、意外と減らしているか。


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 ロシアは軍事侵攻開始後、貿易データを一切発表しなくなった。相手国、商品別といった中身だけでなく、輸出・輸入総額すらも出なくなった。

 したがって、ロシアの貿易動向に関しては、断片的な情報から推察するしかなくなってしまったわけだが、その最有力な方法が、貿易相手国の統計を参照することだろう。

 そこで私は最近、ロシアの主要相手国の貿易データをひっくり返すことにより、ロシアの貿易動向を探るという作業を試みている。国際貿易センターのデータベースおよび各国発表の貿易統計をミラーデーターとして利用し、ロシアの相手国別の輸出入高を月別に見たのが、下の2つのグラフである。

 ちなみに、この作業をしていて痛感するのは、日中韓という東アジア勢は、貿易統計が出るのが速いし使いやすいし、非常に心地良いという点である。逆に駄目なのが大陸欧州。東アジア勢は通商立国という自覚がある分、貿易統計の使い勝手が良いのではないかなどということを考えさせられた。

 さて、グラフに目を転じて、まずはロシアの輸出。何と言ってもロシアからの石油輸入を急増させているインドの突出振りが目を引く。インドを全部示そうとするとグラフが成立しなくなってしまうので、直近のインドは割愛することにした。中国は、元々ロシアとの貿易が太かった分、それほど急拡大はしていないし、7月には低下する現象も見られた。日本は得意の中庸。いかにも抜け駆けしそうな(おっと失敬)韓国は、意外と律儀にロシアとの取引を低下させている。ロシア批判の急先鋒=米英は、確かにロシアとの貿易を急激に絞っている。

 ロシアの輸入では、カザフ・ベラルーシという同盟国に加え、トルコが重要な相手国に浮上している。それ以外は総じて激減しており、あの中国も実は対ロ輸出に関しては開戦後に縮小させている。ここではインドも下降線をたどる。ただ、全体的に、ロシアの輸入減の底は4月であり、5月以降は若干持ち直す傾向も見て取れる。

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