ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

カテゴリ: ロシア

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 ウクライナ侵攻を受け、アップル社はロシア市場での公式的な販売を停止したものの、並行輸入という形では、依然としてロシアでiPhoneを購入することは可能である。しかし、現実にはロシア国民のiPhone離れが進んでいるということを、こちらの記事が伝えているので、以下要約しておく。

 Mobile Research Groupの専門家であるE.ムルタジン氏によると、ロシアではiPhone離れが着実に進んでいるという。その販売シェアは、台数ベースで現時点で6%程度だが、年末までには4%にまで縮小すると見られるとのことである。

 iPhoneの新モデルが出ようと、新しいカラーが出ようと、価格がネックとなる。アップルがロシアから撤退し公式には流通していないことに加え、それが安全保障上の脅威であると受け取られていることもある。ロシアに限らず、他の国においても、iPhoneのシェアはすでにピークを過ぎ、それが拡大することはないと、ムルタジン氏は指摘した。


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1800

 こちらのサイトに、プーチン政権がやると言っているモスクワ~サンクトペテルブルグ高速鉄道に関する図解資料が出た。それが下図であり、これを掲載するだけでお茶を濁そうと思っていたのだけど、ふと、このデータを使って日本の新幹線と比べてみたくなった。

 ロシアの高速鉄道整備計画の中で、パイロットプロジェクトとして優先的に建設されることになっているのが、モスクワ~サンクトペテルブルグ路線である。その営業キロ数は、679kmとされている。とすると、東京~岡山の733kmと、だいたい感覚的に近いのではないか。そう考え、東京~岡山間ののぞみを、モスクワ~サンクトペテルブルグ高速鉄道のパラメーターと比較したのが、上表である。東京~岡山の運行間隔や所要時間は「だいたいこんなもんか」というものなので、細かいツッコミはご容赦いただきたい。

 良く分からないのは、ロシアはこの路線に16の駅を作ると言っているのだが、すべての列車が各駅に停まるのか、それとも日本ののぞみ・ひかり・こだまのような区分を設けるのかといういことである。もし仮に、全列車が16駅すべてに停車し、それでいて東京~岡山間よりずっと速い2時間15分での到着を達成するとしたら、かなり驚異的なことである。それというのも、最高時速が400kmと計画されているからであろう。まあ、今のところ、絵に描いた餅に過ぎないが。

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1795

 こちらによると、4月12日に米財務省は、ロシアからのアルミニウム、銅、ニッケルの輸入を禁止する決定を発表した(本年4月13日までに生産された製品は除く)。

 こちらによると、国際的な取引所でロシア産の非鉄金属が取引されるのも、禁止される。また、英国も今回の制裁に足並みを揃える。

 一方、こちらによると、今回の禁輸の実質的な影響はわずかということである。2023年のロシアの米英向けアルミ・ニッケル・銅輸出は7,780万ドルにすぎず、これはロシアのこれらの輸出の0.5%にすぎなかったという。具体的に言うと、米にはアルミ5,080万ドル、ニッケル2,650万ドルが輸出され、銅はゼロだった。英にはアルミ43.2万ドル、銅5.3万ドル、ニッケル2.7万ドルが輸出された。


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 こちらのページに見るとおり、昨日ロシア統計局が3月のインフレ率(消費者物価上昇率)を発表したので、恒例により図表を更新してお目にかける。ただし、変化は大きくないので、それほど面白みはない。

 2024年3月のロシアの消費者物価は、前月比0.39%増、前年末比1.95%増、前年同月比7.72%増だった。3月の消費者物価を項目別に見ると、それぞれ前月比で、食料品は0.17%増、非食料商品は0.27%増、サービスは0.83%増だった。

 ロシアでは夏に向かうと食料品を中心に物価が沈静化することもあり、しばらくはこんな調子だろう。7月に公共料金の値上げをすると思うので、次の山場はそのあたりか。

76b

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 こちらのサイトに、2024年第1四半期(1~3月期)のロシア連邦財政執行状況が掲載されたので、上掲のとおり定番グラフを更新した。財政の動向は、引き続き堅調であり、大きな綻びは見られない。

 2024年1~3月の歳入は8兆7,190億ルーブルで、前年同期を53.5%上回っている。非石油・ガス歳入は、付加価値税などの税収が拡大しており、前年同期比43.2%増。石油・ガス歳入も、石油価格上昇などの影響で、前年同期比79.1%増を記録した。

 1~3月の歳出は9兆3,260億ルーブルで、前年同期比20.1%増だった。1~3月の財政収支は6,070億ルーブルの赤字で、赤字はGDPの0.3%であった。


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 以前、「甚だ不完全ながら発表された2023年のロシア貿易統計」というエントリーをお届けした。要するに、2023年のロシアの貿易動向については、ごく大掴みな概況しか発表されていないわけである。貿易パートナーに関しては、国別のデータはなく、大陸別の数字が発表されたのみであった。

 そうした中、国営ノーヴォスチ通信のこちらの記事が、ロシアの貿易相手国側の統計にもとづき、ロシアと各国との貿易額を列挙するという作業を試みている。国営通信社がそんなことをするくらいなら、税関または統計局が国別の貿易額くらい正式に発表したらどうかという気もするが、ともあれ興味深い試みではあるので、チェックしておくことにしよう。

 2023年のロシアの輸出入総額が7,101億ドルであったことは明らかになっている。これはロシア自身の正式な発表値だ。それに対し、今回の記事によれば、相手国側のミラーデータを整理すると、中国:2,401億ドル、インド:649億ドル、トルコ:565億ドル、ベラルーシ:550億ドル、カザフスタン:260億ドルというのがベスト5だったということである。上位5ヵ国だけで60%を占める。

 そんな具合に、主要国のミラーデーターを、ロシアの輸出入総額で割り、各国の順位とシェアを示したのが、私の作成した上表である。2022年まではロシアの公式統計、2023年はミラーデータという変則的なものだが、全体像はご理解いただけるのではないかと思う。

 従来、ロシアの貿易相手国として上位に来ることはなかったUAEが、一気に8位にランク入りしており、しかも同国のみ1~9月の数字なので、通年ではおそらく6位か7位くらいになるだろう。ロシアの石油迂回輸出ルートになっているものと見られる。


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 こちらの記事によると、このほどロシアのD.マントゥロフ副首相(産業・商業相を兼務)が、ロシアの石油・ガス産業で設備の国産比率が高まっている成果につき語ったということである。

 マントゥロフ副首相によると、ロシアの石油・ガス産業における設備の国産比率は、2014年の時点では43%にすぎなかった。それが、2023年には65%に高まった。さらに、2024年には70%の達成を見込んでいるという。

 2015年以来、石油・ガス設備メーカーへの国家支援策として、600億ルーブルが支出されてきた。機械メーカーはそれに応え、輸入代替のソリューションを160以上提供した。なお、2035年までの製造業発展戦略によれば、石油・ガス産業における設備の国産比率を2035年までに90%に高めることを目標に据えている。


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 こちらのページに見るように、昨日日本政府はロシアに対する追加制裁を発表した。この中に、欧米に同調して、ロシア産の非工業用ダイヤモンドの輸入を禁止するという措置が含まれている。この措置の実質的な効果について、こちらの記事でロシアの専門家が論評しているので、以下で抄訳しておく。

 投資会社ベクトルXのチーフ・ストラテジストであるM.フダロフは、日本への輸出はごくわずかなので、日本がロシアの非工業用ダイヤモンドの輸入を禁止したことに実質的な影響はないと指摘する。

 同氏によると、工業用以外の供給は、ロシアの輸出のわずか10%にすぎない。しかも、日本向けの輸出量はまったく取るに足らない。ロシアのダイヤモンドの主な輸出先はインドと中国である。

 ノーヴォスチの試算によると、ロシアは2023年に少なくとも20億ドル相当のダイヤモンドを世界市場に輸出したが、日本は全輸出量のわずか0.05%にすぎない。日本は昨年、ロシアから91万ドルのダイヤモンドを輸入した。他方、日本へのダイヤモンドの主な供給国は、インド(日本の輸入額の55%)、ベルギー(16%)、イスラエル(9%)である。


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1787

 ロシアの大陸側とサハリン島を橋で結ぶ構想が検討されていることについては、以前「日本が巻き込まれてはいけないロシアの『サハリン橋』を巡る迷走」というコラムで論じた。サハリン島はユーラシア大陸とは、狭い海峡によって隔てられている。その最狭部であるネベリスコイ海峡は、幅がわずか7.3kmしかない。ロシア人ならずとも、「どうにかして橋やトンネルで大陸と繋げられないか?」というのは、誰もが考えることだろう。

 私の認識では、しばらくこの話題は聞かなかったが、こちらの記事によると、4月3日にV.プーチン大統領がV.リマレンコ・サハリン州知事とビデオ会議を行い、その席で橋建設の問題が取り上げられたということである。

 記事によると、今回のビデオ会議で、大陸とサハリンを結ぶ橋を建設したら、費用はどのくらいかかるのかと、大統領が州知事に問い質した。これに対しリマレンコ知事は、「様々な数字が取り沙汰されたが、だいたい、橋自体が3,000億ルーブル、それに向かう連絡道路の建設が3,000億ルーブルと言われていた。橋はコンセッション方式で建設することが可能。連絡道路は利益を生み出さないので、それは地域開発施策ということになる。橋そのものよりも、連絡道路やインターチェンジの方が高くつく」と答えたということである。

 上掲地図はコメルサントが作ったもののようだが、赤の点線部分が連絡道路で、それが高くつくという話なのだろう。


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 遅くなりましたが、北大SRCの講演シリーズ「危機を生きるウクライナと世界」の一環として2月21日に服部が行った「経済から見たロシア・ウクライナの継戦能力」と題する講演を、このほどYouTubeにアップしましたので、ぜひご覧いただければ幸いです。

 なお、同じシリーズの講演動画も、以下のとおりご紹介しておきます。

YouTube用20240221服部

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1772

 こちらの記事によると、ロシアの輸出額(商品+サービス)の対GDP比は、2023年に23.3%に留まり、これは少なくとも対比可能な統計が得られる2011年以降では最低の数字だったということである(上図参照)。言い換えれば、2023年の3.6%という上々の経済成長率は、もっぱら内需の拡大によってもたらされたことが裏付けられたと言えよう。

 2023年の23.3%という比率は、2022年の27.7%から低下しただけでなく、2021~2022年平均の27.5%も下回った。

 輸出から輸入を引いた純輸出も、2022年は対GDP比15%、2011~2021年平均では20%を超えていたのに対し、2023年には4.3%に留まった。


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 モルドバに「再生」という中道左派政党がある。議会の101議席中、4議席を占めるだけの小政党ではあるが、どうもロシアがテコ入れを図っている節がある。こちらの記事によると、このほどモスクワで開催されたCIS諸国国際経済フォーラムに、同党のA.ネステロフスキー議員が出席し、対ロシア制裁参加への反対や、モルドバの食品輸出にとってのロシア市場の重要性などを訴えたということである。以下、記事を抄訳しておく。

 ネステロフスキー議員は、次のように訴える。「モルドバは反ロシア制裁の約80%に参加したが、政府がこの決定で打撃を与えたのは、自国の生産者に他ならなかった。彼らは、商品の主な買い手であったロシア市場を失ったのだ。」

 モルドバの農家が使用する肥料の90%はロシアとベラルーシから輸入されている。「現在、モルドバの農家はEUから肥料を買わざるを得ない。制裁と政府の反ロシア政策のせいで、石油製品、ガス、電力の価格が高騰している。これは生産者やすべての国民を直撃している。親欧米派のモルドバ政府は、ロシアとの接触を避け、これらの問題に対処していない」と同議員は述べる。

 モルドバは主にリンゴをロシアに輸出しているが、プラム、ブドウ、チェリー、缶詰製品もロシアに輸出している。ここ数年、モルドバの農家は年間約20万tのリンゴをロシアに出荷している。他方、EUへのモルドバ産リンゴの供給は5万tの割当によって制限されており、欧州市場での品質要求はロシアよりも厳しい。今年、モルドバを支援するため、欧州議会はモルドバ産果実の割当量を倍増することを承認してはいるが。

 2022年以来、モルドバでは農業生産者による大規模な抗議行動が起きている。昨年、農業関係者は数百台のトラクターで政府庁舎に押しかけ、今年は国境や道路を何度も封鎖した。


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1770

 昨日、『日本経済新聞』の「経済教室」欄に、私の「大統領選後のロシア 『大砲もバターも』路線、綱渡り」という解説が掲載されましたので、よかったら参照してみてください。


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 石油関連施設がウクライナから攻撃を受けたことなどで、ロシア国内の石油製品の供給体制にまた不安が持ち上がっている。そうした中、同盟国のベラルーシには2箇所の製油所があり、ベラルーシがロシアにガソリン等の燃料を供給する動きに注目が集まっている。この問題に関し、ベラルーシ側の専門家であるA.ハリトンチク氏がこちらのインタビュー記事で見解を述べているので、以下その発言要旨を整理しておく。

 最近ベラルーシがロシアに供給したとされる3,000tのガソリンなど、まったく微々たるものだ。ロシアでは毎週75万~80万tのガソリンが生産されているのである。

 ベラルーシの製油所で生産された石油製品は、年間600万tがベラルーシ国内に供給され、900万tが輸出される。それから比べても、3,000tはとるに足らない量である。

 これから増える可能性もあると言うが、第1に、少なくとも現時点では、ロシア側が特に必要としていない。ロシアにおけるガソリンの生産減は、たとえば3月18~24日の1週間で、前週比7%減にすぎなかった。しかも、すべてがウクライナのドローン攻撃による減産ではない。季節的要因や、プラントの計画的な修繕もあるだろう。

 ロシアはガソリンの10%を輸出していたが、3月から輸出を停止しており、国内市場で10%の不足が生じても、輸出していた分を回せば、自ら補える。

 現在の問題はむしろ輸送にある。被害を受けたロシアの製油所は欧州部に位置しており(元々ロシアの製油所が欧州部に偏重)、そこでの生産が縮小したということは、別の地域から原料を運んでこなければならない。ところが、中国との貨物が増えた関係で、鉄道では輸送キャパシティや貨車の不足が生じている。

 それではこうした状況でロシアがベラルーシからガソリンの供給を受けるのが有利かというと、ここでもやはり輸送の問題がある。ベラルーシも(欧州との対立で)たとえばカリ肥料にしても鉄道で中国向けの供給を増やしており、ロシア向けにガソリンを供給するための貨車を調達できるかという問題がある。

 もう一つ、価格の問題がある。現在ベラルーシの石油製品はロシアの港を経由してUAEまで運ばれ、そこから第三国に向かう。このスキームは、ロシアに供給するよりも収益性が高い。

 いずれにしてもベラルーシがロシア市場を埋めるのは物理的に無理である。ロシアは年間4,500万tのガソリンを生産する。一方、ベラルーシの製油所は昨年、1,600万tの石油を精製し、1,500万tの石油製品を生産し、うち850万~900万tを輸出したと見られる。フル操業なら2,400万tを精製でき、国内消費分を除けば、1,500万~1,600万tの石油製品(ガソリンだけではない)の輸出余力がある。

 そのすべてをロシアに向けるためには、当然価格に合意する必要がある。しかし、それは理論上の可能性にすぎない。結局のところ、肝心なのは輸送だからだ。そして、輸送はロシアとベラルーシの双方にとって深刻な問題である。


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 専門外なので、モスクワでのテロ事件については特にフォローも情報発信もしていないが、こちらの記事が現場となったクロックスシティの経済損害額と保険処理の問題について伝えているので、簡単に整理しておく。なお、現場は、かつて自動車展示会が盛大に開催された見本市会場を併設しており、私なども足繁く通った場所なだけに、個人的にも心は穏やかでない。

 記事によると、クロックスで発生したテロ事件による火災の被害額は100億ルーブルを超える可能性があり、その調査や損害の清算には最長で2年かかるという。保険市場関係者がタス通信に語った。

 同氏によると、この種の損失の検証は長期間に及ぶと考えられる。というのも、燃焼生成物が建物の他の部分を損傷し、高温が隣室の金属構造物の強度特性を侵害する可能性があるため、損傷量の評価と構造的特徴の詳細な評価が必要だからである。

 これは決して、保険会社が意図的に手続きを長引かせるということではない。保険会社は、瓦礫の撤去、隣接する建物の構造強度検査、建物再建の見積もり作成、焼失した建物と他の建物の冬期間の断熱費用、その他多くの支出項目などのために、前払金を支払う可能性もある(それらが保険契約に含まれていればの話だが)。


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 ちょっと変なことに気が付いてしまったので、メモがてら記しておく。ロシアの各地域にはГИБДДというコード番号が割り振られており、基本的には自動車のナンバーで使用するためのものだが、他の用途に使われることもある。上掲の地図を参照。

 それで、ロシアが併合を宣言しているウクライナ南部・東部の4地域に、すでにそのコード番号が割り当てられたことが判明した。「ドネツク人民共和国」が80、「ルガンスク人民共和国」が81、ヘルソン州が84、ザポロジエ州が85となっている。

 それで、番号が飛んでいて変だなと思ったのだが、調べてみたところ、ロシアではプーチン体制下で「自治管区」が廃止された経緯があり、それによって生じた空き番号を、ウクライナから奪った4地域に割り振ったことが分かった。

 具体的に言うと、80はザバイカル地方に吸収されて消滅したアガ・ブリヤート自治管区、81はペルミ地方に吸収されて消滅したコミ・ペルミャク自治管区、84はクラスノヤルスク地方に吸収されて消滅したタイムィル自治管区、85はイルクーツク州に吸収されて消滅したウスチオルタ・ブリヤート自治管区の番号だった。自治管区番号のお古とは、雑な扱いという気がしないでもないが。


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 当ブログの2月26日の記事で、私はこんなことを述べた。

 ウクライナへの全面侵攻開始2周年と、ナヴァリヌイ死去が重なり、ここ2~3日でまた欧米日の対ロシア制裁がバタバタと追加発表された。色々ありすぎて、全容を把握できない。昨年後半くらいの時点で、「国際社会による対ロシア制裁措置をすべて合計すると、1万3,000件ほどになる」と、よく言われていた。しかし、ここ2~3日の追加措置で、1万5,000件くらいにまで増えたかもしれない。誰か数えてくれ。

 しかし、実際には、2月22日付でロシアRIAノーヴォスチ通信によるこちらの記事が出ており、そこでノーヴォスチが独自に集計した制裁の件数がバッチリ出ていたのだ。今般、ようやく記事の存在に気付いたので、遅れ馳せながらこれをチェックしてみる次第である。

 この時点で西側が導入していた対ロシア制裁は、1万5,628件であった。ただし、同時点ですでにEUの第13次制裁パッケージが内定しており、それを加えると1万5,821件になるということであった。

 ただ、ノーヴォスチの集計は、2022年2月のロシアによる全面軍事侵攻開始後に導入された制裁措置のみをカウントしたものである。規模は小さかったが、ロシアによるクリミア併合が起きた2014年から2022年2月にかけて導入された制裁もあるわけで、ノーヴォスチはそれは対象外にしていて、少々惜しい。

 その点、Castellum.Alというサイトによるこちらのページの方が、2014-2022.2の制裁措置も集計に加えており、より網羅的と思われる。これによれば、全面侵攻前の対ロ制裁が2,695件、全面侵攻後の対ロ制裁が1万6,587件であり、2月12日現在、計1万9,282件となっている。国別の内訳を示したのが下図だが、なぜかEU加盟国であるフランスが単独の国として名前が挙がっている。

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2400

 こちらの記事が、ロシアの東シベリア/極東において、中国向けのガスパイプライン「シベリアの力」と、極東のサハリン~ハバロフスク~ウラジオストク・ガスパイプラインを接続する工事が始まったということを伝えているので、以下要旨を整理しておく。なお、上掲地図は、こちらの記事に出ていたものが分かりやすかったので、そこから拝借した。要するに、地図で点線になっているアムールGPPとハバロフスクとの間を接続するという話である。

 ガスプロムの発表によると、同社はこのほど、「シベリアの力」と、サハリン~ハバロフスク~ウラジオストクの極東パイプラインを接続すべく、ベロゴルスク~ハバロフスク区間の建設に着手した。その距離は800kmに及ぶ。同社では、「東方ガス供給システム」という基幹パイプライン網の構築を目指しており、今回の工事はその第一歩となる。また、他の区画の設計作業にも着手した。

 東方ガス供給システムは、ロシア東部におけるガス輸送能力を総合的に発展させ、将来的にはロシア西部のガスインフラと接続することを目指している。それにより、国内の需要家への供給が安定・柔軟化し、またシベリア・極東諸地域のガス化に新たな可能性が開ける。

 2022年にプーチン大統領が、ロシア諸地域のガス化プログラムを拡大する必要性を唱え、またヨーロッパ・ロシア部のガスシステムをシベリアの力および極東パイプラインと接続する課題も提起していた。


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6898

 ロシアTASS通信のこちらの記事は、ワシントンポストの報道を引用する形で、欧米企業がロシア産チタンの輸入をなかなか断ち切れていない現実を伝えている。元記事はおそらく有料で読めないので、以下TASS記事の要旨を整理しておく。

 WPが、2022年2月以降、反ロシア制裁にもかかわらず、欧米企業がロシアで数億ドルのチタンを買い付けていることを伝えている。2022年から2023年にかけて、ロシアのVSMPO-AVISMA社はEUと米国の制裁対象とはなっていなかったため、同社は2年連続で年間3億ドル以上のチタンを西側諸国に輸出した。その大半は、英国、ドイツ、フランス、米国などのウクライナ支援国に輸出された。これらの購入は、モスクワとの経済関係を断ち切るという約束にもかかわらず、西側諸国が特定の商品をロシアに依存していることを物語っているとWPは論じている。

 米国の専門家によれば、ロシアからのチタンの供給が途切れると、軍事および民間航空機産業を支える企業が、窮地に陥る可能性があるという。

 ただ、2023年9月25日、米商務省はVSMPO-AVISMAを含むロシア、中国、フィンランド、ドイツ、オマーン、パキスタン、UAEの28社に対して、輸出制限を課すことを決定している。

 VSMPO-AVISMAはロシア・チタン産業の独占企業であり、世界の航空産業用チタンの3分の1を生産している。2023年3月7日、米ボーイング社はロシア産チタンの購入を停止したと発表した。その1週間後、VSMPO-AVISMAとボーイングの合弁会社であるウラル・ボーイング・マニュファクチャリング社は、対ロシア制裁を受け、事業停止を発表した。


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45

 こちらのサイトに興味深い地図が出ていたので、上掲のとおり切り取らせていただいた。地図上の各国に示された数字は、ロシア国営のアエロフロート・グループが就航している都市数を示しているそうである。多い順に上位を整理すると、以下のとおりとなる。

  • ロシア:56都市
  • カザフスタン:7都市
  • 中国:7都市
  • トルコ:6都市
  • ウズベキスタン:6都市
  • エジプト:3都市

 地図上で「12」のように見えるのは、アゼルバイジャンが2、アルメニアが1というのが重なって見えてしまっているものだろう。キューバの2こそあるものの、米大陸は皆無に近い。というわけで、見事に「友好国地図」のようになっている。東西冷戦時代ですら、欧米日への就航はあったわけだが。

 さて、こちらの記事によると、このほど発表された夏季スケジュール(3月31日から10月26日まで)により、アエロフロート・グループの路線数が前年比で7%拡大するということである。アエロフロートによる元のリリースはこちら。これにより、路線は269となり、うち149が国内線、120が国際線である。

 記事によると、夏季スケジュールでは、モスクワからサンクトペテルブルグ、ソチ、アンタリヤ、チェリャビンスク、グロズヌィ、ニジニノヴゴロド、カリーニングラード、クラスノヤルスク、カザンへの便が増便される。ただ、記事を見る限り、新たな国への就航などはないようだ。


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 色々ピンチなので、ブログはあからさまな手抜きとなるが、手抜きの時によく使うのが、ロシアの様々なネットメディア、とりわけ『論拠と事実』紙のサイトに出る図解資料である。今回も、こちらのページに出ていた、ロシアにおけるアルコール消費量のグラフを拝借することにする。正確に言えば、アルコールの中でも度数の強いスピリッツの1人当たり年間消費量(リットル)が示されており、ワインやビールなどの軽いアルコールは含まれていないようだ。グラフの2023年までが実績値であり、2024年以降はロシア政府が制定した2030年までのアルコール消費縮小プログラムの目標値となっている。

 プーチン大統領も、先日の年次教書演説で、「飲酒に関しては、ロシアでは目に見えた、良好な成果がある。極端なことはしていないが、ロシアはアルコール消費を、とりわけスピリットの消費を、大幅に低下させた。これは当然のことながら、国民の健康に影響している」と述べていた経緯があった。

 ただ、上掲グラフを見ると、戦争のストレスゆえか、2023年にはアルコール消費量は増えているが。


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m202404No

 私が以前編集長を務め、今も寄稿を続ける『ロシアNIS調査月報』の2024年4月号のご案内。4月号は、「ロシア・中央アジアのエネルギーをめぐる攻防」と題する特集号となっております。詳しい内容とお問い合わせ・お申し込みはこちらまで(と言いつつ、まだHPに当該号の情報が出ていないが…)。

 服部自身は、今回の役目は軽めで、「ロシアの経済活動分類表における軍需部門の扱い」、「輸出の苦境が目立った2023年のウクライナの貿易」という短い連載記事のみ書いております。なお、前者は、3月号で書いた「ロシアの軍需産業は覚醒したのか ―戦車と無人航空機を中心に」の補足。3月20日発行予定。


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1757

 今回のロシア大統領選挙は、いつにも増して、市民がリーダーを自由に選択するノーマルな選挙からは程遠いものになった。それを象徴する一つの現象が、プーチン候補の選挙キャンペーン用の公式ウェブサイト「https://putin2024.ru」が一応あったのだが、それがあまりに無内容であったことだった。選挙期間中の動静、経歴、推薦人一覧、イメージクリップが掲載されているだけで、選挙公約に相当するものが一切見当たらない。なお、外国からのDOS攻撃を避けるためか、昨日3月17日には日本から閲覧できなかった(私はVPNで接続)。

 2012年の時も、「http://putin2012.ru」というサイトが開設され、もうちょっとマシだったような印象があるが、もうページは閉鎖されてしまったので、確かめる術はない。2018年の時はどうたったか、ちょっと記憶にない。


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 先日、ロシア統計局から2022年の地域総生産の統計が発表された。地域総生産とは、国内総生産(GDP)を地域別にブレイクダウンしたものに他ならないが、ロシアの各統計指標の中でも最も発表が遅いのが地域総生産であり、今頃になってようやく2022年の数字が発表されたというわけである。ともあれ、ロシアが戦争に突入した2022年の地域経済情勢を知る上で興味深いので、同年に経済成長率が高かった上位20地域を選んで、上掲のとおりグラフにしてみた。

 2022年に成長率の高かったところは、辺境系の地域が多い。中でも、シベリア・極東の少数民族地域、具体的にはブリヤート共和国、トゥヴァ共和国、サハ共和国などは、ウクライナに多数の兵士を送り込んでおり、その給金や戦没者の弔慰金などで家計が潤っているはずであり、焼け太り現象が生じたものと見られる。他方、北カフカスのカバルダ・バルカル共和国、チェチェン共和国、カラチャイ・チェルケス共和国、アディゲ共和国、イングーシ共和国などの成長率も高かったが、その理由は個人的に良く分からない。

 ネネツ自治管区がトップなのは、2022年に石油が15.1%増産しており、その効果によるものだろう。サハ共和国の成長には、中国向け輸出が好調なチャヤンダ・ガス田の開発も寄与しているはずである。

 軍需生産が寄与していると思われるのが、クルガン州、オムスク州、タタルスタン共和国、サラトフ州、イルクーツク州、トゥーラ州などである。

 クラスノダル地方、ヴォルゴグラード州などは、穀物の豊作によるところが大きいか。

 ちなみに、2022年に成長率が低かった地域としては、カルーガ州のマイナス11.5%、リペツク州のマイナス8.0%など、従来工業団地や経済特区で成功していたが、侵攻後に外資系工場の撤退に揺れたところが目立った。


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 先日来、当ブログではロシアの高速鉄道計画について何度か取り上げてきたけれど、こちらが車両生産の方針につき伝えている。D.マントゥロフ副首相(産業・商業相を兼務)が延べたところによると、シナラ・グループがメインの製造業者になるということである。より具体的には、上掲の写真に見るウラル機関車工場が生産現場になるらしい。同工場はエカテリンブルグ市の北の郊外に当たるヴェルフニャヤプィシマ市に所在し、シナラと独シーメンスが対等出資で設立した合弁だった。

 記事によると、マントゥロフ副首相は、高速鉄道車両のメインの製造企業となるのは、シナラ・グループが最もふさわしいと述べた。また、やはりこの業界の大手であるトランスマシホールディング社も、コンポーネントやシステムを供給する形で事業に参加する。プロジェクトへの投資額は350億ルーブルになり、シナラは資金の80%をクラスター投資プラットフォームの優遇メカニズムを利用して調達したい意向である。高速鉄道車両生産のため、ウラル機関車工場に2棟の建屋(総面積6万平米)が建設される。100以上のロシアのサプライヤーが納入を行う。

 記事は以上のように伝えているが、ロシアに高速鉄道の技術をもたらしていた独シーメンスは、2022年5月にロシアからの撤退を決めており、今後のロシアの高速鉄道車両の生産に暗雲が垂れ込めていることは、こちらの記事なども伝えていた。ロシアがシーメンス抜きで独力でできるのかというのが焦点となろう。


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 こちらに見るとおり、ロシア統計局が2月のインフレ率(消費者物価上昇率)を発表したので、恒例によりグラフを更新してお目にかける。グラフはクリック・タップで拡大。

 2月のロシア消費者物価は、前月比0.68%増、前年末比1.55%増、前年同月比7.69%増だった。1~2月の平均では前年同期比7.56%増だった。上図は月別の推移を示したもの。

 下図は、物価を食料品、非食料商品、サービスに分けて、その水準の月別推移を跡付けたものである。引き続き、直近では青果物を中心に食品の値上がりが目立つ。

 ただ、高金利で物価を抑制しており、また為替も足元では比較的安定しているため、インフレの動向にも全体的に大きな変化は見られない。

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 先日、「新幹線5路線の建設をぶち上げたプーチン」という話題をお届けしたが、その続報的な情報である。こちらの記事によると、このほどロシア鉄道のO.ベロジョーロフ社長が連邦議会の下院で発言し、高速鉄道の建設期間について述べた。

 以前伝えられた情報によれば、5路線に順番を付けて、1路線ずつ建設していくというようなニュアンスであった。それに対し今回ベロジョーロフ社長は、一気に複数の路線建設に着手し、10~15年内にほぼすべてのプロジェクトを実現すると述べ、より前のめりの姿勢を示した。ただ、S.コブゼフ副社長は先日、5路線のうちモスクワ~サンクトペテルブルグは2028年暮れか2029年の開通を見込んでいると述べており、いずれにしてもペテルブルグ線が先行してパイロットプロジェクトにはなりそうだ。


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 ロシアの主力の輸出石油ブランドであるウラル原油の価格推移を示したような便利なグラフがどこかにないかと思って探したのだが、決定版と言えるものは見当たらなかったので、自分で作ることにした。それが上図である。

 こちらの記事によれば、2023年のウラルの年平均価格は、1バレル当たり62.99ドルだったということである。前年の76.09ドルからは下がったが、G7の設定した上限価格の60ドルは上回った。しかも、これはあくまでもウラル原油だけの数字であり、極東のESPO原油、ソコル原油などはそれよりも高いはずなので、それらも含めれば、ロシアの石油輸出全体の平均価格はさらに高いだろう。

 それで、以前「石油税収の立て直しを急ぐロシア」というエントリーでお伝えしたとおり、ロシアのウラル原油の指標が実態から乖離するようになったため、ロシアは石油に対する地下資源採掘税の基準としてウラル原油相場を利用するのを見直し、ブレント価格マイナス一定のディスカウント幅という制度に移行した。当該の措置は2023年4月に発効し、4月にはブレントからマイナス34ドル、5月にはマイナス31ドル、6月にはマイナス28ドル、7月以降はマイナス25ドルと、ディスカウント幅は段階的に縮小していった。

 個人的に、その後の動きをフォローできていなかったのだが、こちらの記事によると、ディスカウント幅はさらに縮小していくということである。整理すると、以下のとおりとなっている。

  • 2023年9月1日から:マイナス20ドル
  • 2024年:マイナス15ドル
  • 2025年:マイナス10ドル
  • 2026年:マイナス6ドル

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 ブルームバーグのこちらの記事は、有料購読者でないと全文は読めないが、プーチンが大統領選での再選というみそぎを終えたあと、ロシアで大規模な増税が実施されるとの見通しを伝えている。

 ブルームバーグがロシア政府関係者から伝えられたところによると、ロシアはウクライナでの戦費がかさんでいることをにらみ、4兆ルーブル(440億ドル)規模の大型増税に踏み切ることを検討しているという。

 まず、個人所得税について。現状では、年収500万ルーブル未満が13%、500万ルーブル以上が15%の税率になっている。これが、現在検討されている案によれば、年収100万ルーブル未満が13%、100万~500万ルーブルが15%、500万ルーブル以上が20%になる。

 また、法人税を20%から25%に引き上げることも検討されている。

 プーチン政権は、前回も、再選直後の2018年6月に付加価値税を18%から20%に引き上げることを決めた。今回も、大統領が6年の新たな任期を取り付ければ、不人気な政策を実行に移すのに都合の良いタイミングだと、政府では考えているという。


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 こちらのサイトに見るとおり、このほどM.ミシュスチン・ロシア首相が署名した一連の政府決定により、3つの新たな経済特区が設立されるとともに、2つの既存の経済特区の拡大が決まったということである。連邦政府の経済発展省が取り仕切るロシアの経済特区にはいくつかの種類があるが、今回はいずれも工業生産型特区となっている。

 中国などでは経済特区は外資導入の切り札になったが、ロシアの場合は必ずしも外資に主眼があるわけではなく、国内・国外問わず投資家を呼び込もうという措置ではある。ただ、それにしても、今のロシアのように国際的に孤立して外資の進出は期待しにくく、国内の民間投資もそれほど活性化する様子はないにもかかわらず、こうした情勢下で特区を拡充するというのは、ややピンと来ない政策ではある。

 ともあれ、今回特区の新設が決まったのは、まず沿ヴォルガ地域のモルドヴィア共和国のサランスク市リャンビルスキー地区に設置される経済特区「システマ」がある。建材、電気設備、電子・光学機器、化学品、機械製造などの企業入居が見込まれている。333億ルーブルが投資され、775名分の雇用が創出される。

 もう一つ、南部ロストフ州のノヴォチェルカッスク市に、経済特区「ロストフスカヤ」が設置される。トレーラー、業務用冷蔵設備、ガス液化などを中心に、86億ルーブルの投資と790名以上の雇用創出を見込んでいる。

 さらに、モスクワの北西に位置するトヴェリ州のカリーニン地区とコナコフスキー地区に、経済特区「エマウス」が創設される。ポリエチレン管、板金、索道、建材などの投資が予定されている。170億ルーブルの投資と8,400人の新規雇用を見込む。

 以上が3つの新たな特区であったが、このほかにも、カルーガ州バブィニノ地区の特区、リペツク州のリペツク経済特区の敷地拡張もあわせて決定された。


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