ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

カテゴリ: ロシア

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 こちらの記事が、ロシアのトラック新車販売市場でベラルーシのミンスク自動車工場(MAZ)が苦戦を続けているということを伝えている。

 記事によると、ロシア市場では2020年に74,800台のトラックが販売され、前年比7.3%減だった。ベスト5は以下のとおり。

  1. KamAZ:27,800台(0.6%増)
  2. GAZ:6,800台(23.1%減)
  3. スカニア:4,900台(12.4%減)
  4. ボルボ:4,500台(20.7%減)
  5. ウラル:4,100台(27.3%増)

 こうした中、ベラルーシのMAZは3,729台で前年比3.1%減、順位は7位であった。MAZは以前はロシア市場で常に5位以内に食い込んでいた。


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 こちらのサイトで、毎度お馴染みのロシアの政治学者A.マカルキン氏が、ナヴァリヌィ氏がロシア国民の不満の受け皿になれるかといったことを論じているので、以下のとおり要旨を整理しておく。

 反体制派は現在、分裂し、多分に意気消沈し、無力感を感じている。反体制側に限らないが、現在のロシア社会では熱気というものが皆無であり、あらゆるリーダーに対して懐疑的である。

 ソ連時代には、国内の問題よりも、外国の問題の方を活発に議論し合ったものだったが、現在もそれに近い状況である。ソ連時代には、外国の出来事の方が意外な展開や競争があったので、人々は熱心に国際問題についての記事を読み、自分たちがいかんともしがたい国内問題についてはあまり熱心でなかった。現在も、ロシアの反体制派の間では、ユーリヤ・ガリャミナへの判決よりも、トランプのツイッターが削除されたといったことの方がより活発に議論されている。

 したがって、現時点では、政権側がナヴァリヌィを拘束することは、以前よりも容易である。問題は、拘束することよりも、その後必要な時に解放することの方が困難という点である。一方、ナヴァリヌィにとっては、拘束されている状態の方が、反体制派の中で一切批判を浴びなくて済む。反体制派が、拘束されている人間と明確に距離を置こうとしたら、あまりに不適切と受け取られるからである。

 一般大衆に関して言えば、ナヴァリヌィに関する否定的なイメージはない。オリガルヒであったホドルコフスキーについては、10年の収監を経てもなお許せない国民が多かったが、それとは違う。ナヴァリヌィは1990年代の民営化による蓄財などとは無縁だからである。ナヴァリヌィはむしろ、汚職と戦う闘士と見られている。もっとも、彼への支持率はあまり上がっていない。海外での仕事に関する非難が影響している。年配の世代はその情報を信じ、若い世代はそうでもないが、いずれにしてもナヴァリヌィについての評価に影響していることは事実である。

 それでも、コロナが明けたら、政権側は深刻な問題に直面するだろう。ウイルスの脅威が後退すると、年金、賃金、手当、失業といった社会・経済的不満がさらに増大する可能性がある。今でこそ「外国のエージェント」のレッテルを押されているナヴァリヌィだが、それが急速に「殉教者」に変わる可能性もあり、1980年代後半のような「体制側は悪玉、野党は善玉」という二元論に移行するかもしれない。


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 以前、GLOBE+で、「サマータイムのことならロシアに学べ!」と題して、ロシア国内の時間帯、サマータイムについて論じたことがある。広大なロシア国土は11の時間帯に分かれているのだが、ある州が1つの時間帯から隣の時間帯に移動したりとか、結構頻繁に、変更がある。

 こちらのサイトに見るように、第二次大戦の激戦地として知られるヴォルゴグラード州は、これまではモスクワ時間より1時間早いサマラ時間を採用していたのだが、このほど成立した法律により、2020年12月27日02:00からモスクワ時間を採用することになった。

 こちらの記事で解説されているとおり、実はこれには少々複雑な経緯がある。ヴォルゴグラード州は、2014~2018年にはすでにモスクワ時間を採用していた。しかし、2018年のロシア大統領選と同日にヴォルゴグラード州で住民投票が実施され、慣れ親しんだサマラ時間に戻ることが決まったのだ。しかし、それも2年しか続かず、行政のイニシアティブにより、2020年の改憲国民投票と合わせて再び時間帯に関する住民の「意識調査」が実施され、今度はモスクワ時間の意見が上回り、モスクワ時間への復帰が決まったということらしい。


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0145

 GLOBE+に、「プーチン氏の後継議論も ロシアの論客たちが語る2021年の展望」を寄稿しました。

 今回のコラムでは、ロシアの論壇で有識者たちが年末から年始にかけて、自国についてどんな展望を語っているのかを紹介しながら、2021年のロシアの行方を占ってみました。全体として言えるのは、現時点のロシアの論壇では、非常に悲観的なムードが支配的だということです。


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 ロシアが主導し現在5ヵ国から成るユーラシア経済連合では、こちらのサイトに見るように、2020年12月11日の首脳会合で、「2025年までのユーラシア経済統合発展の戦略的方向性」と題する文書が採択された。

 まあ、そのことは大いに結構なのだが、腑に落ちないのは、まず第1に、文書が採択されたのが2020年12月11日なのに、そのテキストが発表されたのが2021年1月14日までずれ込んだという点である。私は、物好きにもこの経済同盟を研究しているので注視していたのだが、「戦略的方向性を採択した」と発表しながら、肝心のそのテキストがどこにも存在しないという点に、首をかしげざるをえなかった。

 それで、1ヵ月あまり経って、ようやくユーラシア経済委員会のサイトにそれが掲載されたものの、今度はそのPDFファイルに問題があった。ロシアの政府機関ではお馴染みの現象だが、WordからダイレクトにPDFに転換するのではなく、わざわざ紙の文書を画像スキャンしたものを掲載しているのである。「なるほど、こんなことを手作業でやっているから、掲載するのに1ヵ月もかかるのか。納得」などと、皮肉の一つも言ってやりたくなる。結果、PDFは19MBもあり、ダウンロードするのに難儀する。それのみならず、文字検索ができないという致命的な問題が起きる。たとえば、私はユーラシア共同ガス、石油市場のことについて調べたいのだが、газ、нефтьといったキーワードで検索ができないので、挙動の重いPDFを隅から隅まで眺めないといけない。

 皮肉なのは、今回の「戦略的方向性」の中では、「ユーラシア共同デジタル空間」の形成をうたうなど、デジタルが前面に出されていることである。コピー機だかスキャン機だかの性能が悪いのか、ブサイクに傾いた不鮮明な画像でデジタル推進などと言われても、説得力はまるでない。

 ユーラシア経済委員会のウェブサイトは、最近リニューアルされ、表面的な見栄えはとても良くなった。ロシア人お得意の、カーソルをかざすと画像が反応したり、画像が自動的に流れたりといった凝った作りになっている。しかし、ロシアのこういう見栄えだけに凝ったウェブサイトというのは、サイト全体の構造を把握しにくかったりして、閲覧者にとってはものすごく使いづらい。それに対し、EUの欧州委員会のサイトを見ると、奇をてらった要素などは皆無であり、全体がスマートに整理され、ユーザーが目的の情報に辿り着くことを最優先して作られている。今回のお粗末PDFに象徴されるように、ユーラシア経済委員会のサイトはまさに仏作って魂入れずであると言わざるをえない。

 技術的な指摘ばかりになってしまったが、「2025年までのユーラシア経済統合発展の戦略的方向性」の中身は、現在精査中。


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202102

 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2021年2月号の中身を、どこよりも早くご紹介。

  今号では、「特集◆ロシア経済の新たなアジェンダ」と銘打ってお届けしております。ただ、それほど明確なテーマ性はなく、ロシア経済に関連する様々な事象をランダムに取り上げた内容であることは否めません。それでも、結果的にロシア経済が今まさに直面する多様な問題をバランス良く取り扱うことができ、有益な号になったのではないかという手応えを感じております。

 服部個人は、「ロシアの輸出拡大目標はリセット」、「データで見る農産物輸出大国ウクライナ」というレポートを執筆。

 1月20日発行予定。


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 こちらのサイトこちらの記事によれば、ユーラシア経済連合で2019年12月20日に調印された年金保証に関する協定の批准が2020年末までに完了し、協定はこのほど発効した。これにより、たとえばユーラシア経済連合に加盟するA国の国民が別の加盟国Bに定住するようになった場合に、その定住先のB国で年金を受け取れるようになるということである。

 詳しいことを確認しているヒマがないが、国ごとに損得が発生しないように、年金受給者の納税・年金保険料納入実績を踏まえ、加盟国間で相殺を行い、発生した差額は、年金支払いの負担を免れた国からその負担を負うことになる国へと、送金をして処理する模様である。


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 ロシア政府が、2021~2023年の連邦予算を編成するに当たって、前提となる主要経済指標を昨年9月に発表しているので、その中から屋台骨となる石油・ガスに関連する指標を抜き出し、上表を作成してみた。

 当然、コロナによる価格の下落、OPEC+の枠組みでの協調減産などがあるので、2020年の予測は厳しいものとなっているし、それが当面続くという想定になっている。ただ、直近では石油価格は50ドルを上回って推移しているので、今となってはこの表の予測ほど低迷はしないのかなという気もする。LNG輸出は当面ほぼ現状維持だが、2023年に新規稼働を見込んでいるということか。


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 少々紹介が遅れてしまったが、昨年暮れ、ロシア・コメルサント紙のサイトに、写真で見る2020年の主な経済・ビジネスニュースというものが掲載された。写真は省略して、以下では項目だけ整理しておく。どうも同じ時期にニュースが固まっているが、たとえば1~3月には何もなかったのだろうか?

  • 4月9日、OPEC+が史上最大規模の協調減産。
  • 4月20日、ニューヨークの先物市場でWTI原油が市場初のマイナス価格。
  • 4月22日、メチェルがエリンガ炭鉱の権益51%を890億ルーブルで売却。
  • 4月23日、ロシア政府、年利6.5%の優遇住宅ローンのプログラムを採択。
  • 5月7日、ロシア中央銀行が手持ちのズベルバンク株をすべてロシア政府に売却。
  • 5月19日、ロシアで非処方箋医薬品のネット販売が可能に。
  • 5月29日、ノリリスクニッケル保有の発電所で燃料流出事故、ロシアの北極圏では最悪の事故。
  • 6月10日、プーチン大統領がIT産業への優遇税制を指示。
  • 7月23日、ヤンデックスとズベルバンクが子会社に相互に出資。
  • 8月1日、ロシア人に最も人気のある観光地トルコとの間で航空便再開。
  • 10月14日、ロシア・デジタル省が5Gを4.7-4.9ギガヘルツの帯域に設定、実業界には不満。
  • 10月15日、ロシアで石油および金属産業への課税負担を増やす法律が成立。
  • 10月16日、TCS Group Holdingとヤンデックスの合併、破談。
  • 10月28日、財務省が史上最大規模の4,185億ルーブルの国債発行。
  • 11月10日、2009年来アエロフロートの社長を務めてきたV.サヴェリエフが運輸相に。
  • 12月15日、米国の制裁で1年間ストップしていたノルドストリーム2の鋼管敷設作業が再開される。
  • 12月15日、ロシア政府が基礎食品の価格を抑制する一連の決定。
  • 12月17日、モスクワ株価指数が史上最高値を更新(年末にさらに更新)。

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0144

 GLOBE+に、「ロシアとウクライナは穀物輸出の好敵手同士」を寄稿しました。

 近年、旧ソ連のロシアおよびウクライナが、世界の穀物市場におけるプレゼンスを急激に高めています。穀物生産および輸出は、ロシアとウクライナにとって、最重要な成長産業となっています。翻って、両国による供給は、世界の需給にも大きな影響を及ぼします。そこで今回のコラムでは、ロシア・ウクライナの穀物輸出動向につき図解を試みるとともに、現在両国がこの分野で直面している問題を取り上げてみました。


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2020

 こちらに見るとおり、レヴァダ・センターがロシア国民に、2020年の主な出来事、マンオブザイヤーを挙げてもらったということである。

 マンオブザイヤーは、最大4~5人くらいまでを挙げていいということだが、実際にそんなに答える人は少ないだろう。結果は以下のとおりである。

  • プーチン・ロシア大統領:33%
  • ミシュスチン・ロシア首相:13%
  • ルカシェンコ・ベラルーシ自称大統領:8%
  • ショイグ・ロシア国防相:7%
  • ナヴァリヌィ(ロシアの反体制指導者):5%
  • ラヴロフ・ロシア外相:4%
  • トランプ米大統領:3%
  • フルガル前ハバロフスク地方知事:2%
  • ソビャーニン・モスクワ市長:2%
  • マスク(米実業家のイーロン・マスクのことか?):2%
  • ヌルマゴメドフ(ロシアの格闘家):2%
  • プラトシキン(ロシアの評論家):2%
  • ジリノフスキー・ロシア自由民主党党首:2%
  • アリエフ(たぶんアゼルバイジャン大統領のこと):1%
  • バイデン米次期大統領:1%

 一方、2020年の主な出来事は、おそらく単数回答だと思うのだが、コロナ39%、改憲11%、物価高騰・失業などの経済危機8%、ナゴルノ・カラバフ等の軍事紛争3%、ハバロフスクなどをはじめとする地方での事件3%、戦勝75周年3%、ナヴァリヌィ毒殺未遂2%、内閣交代2%などと続いている。


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 2020年のロシアのマーケットを回顧すると、コロナショックと、米大統領選に伴う不透明感が2大要因であり、その2つの時期が大きな谷を形成した。

 上に見るのは、石油価格とルーブル・レートのグラフであり、2020年の5月頃までは油価下落に連動してルーブルも動くというパターンだった。ところが、6月以降は油価が安定してもルーブルの下落が続くという局面が続き、これは米大統領選でバイデン優勢、制裁強化の見通しといったものが否定的に影響したものと考えられる。11月の頭にバイデンが当選を決め、それを受けルーブルは上昇に転じたわけだが、これは必ずしもバイデンを「歓迎」したわけではなく、むしろ「勝ったのはロシアに不都合なバイデンだったが、何にしても不透明感が払拭されたことは良かった」というニュアンスの反応だった。

 一方、同じように2020年に2つの谷はあったにせよ、2020年に全般に好調を維持したのが、下に見る株価だった。ルーブル建てのMOEX Russia Indexは、年末に3,289の史上最高値を記録した。2021年に入って、1月8日現在で3,455と続伸している。

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 昨年6月、「ロシア、今度こそちゃんと石油減産するってよ」というコラムを発表し、その中でロシアの月別石油生産量の推移を示したグラフを掲載した。2020年が終わり、12月までの石油生産量がロシア・エネルギー省のHPに掲載されたので、以前のグラフを12月まで伸ばし、上掲のとおりアップデート版を作成してみた。

 結局ロシアは、以前のような「なんちゃって減産」とは異なり、2020年の第3次OPEC+減産合意では、真面目に減産を続けたことが確認できる。OPEC+の減産合意は、減産幅の縮小を伴いながらも継続されており、2021年にもさらに減産幅を緩和しつつ維持されることになっている。

 なお、こちらの記事によると、2020年通年のロシアの石油・ガスコンデンセートの生産量は5億1,270万tで、前年比11%低下した。これは10年振りの低水準であった。


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 今般、世銀が恒例の『世界経済見通し』の2021年1月版を発表したので、主要国と、私の所属団体の事業対象国に絞り、上の表のように整理してみた。

 コロナ禍に揺れた2020年ゆえ、同年には世界の大半の国がマイナス成長を余儀なくされ、世界全体ではマイナス4.3%となっている。ただ、前回2020年6月の予測と比べると、0.9%ポイントの上方修正となっている。

 ロシアも、2020年のGDPは、前回の予測から2.0%ポイント上方修正され、現時点でマイナス4.0%と推計されている。世界全体よりも少しだけマシな数字だ。ただし、ロシアの場合に問題となるのは、短期的というよりも長期的な成長力であり、プーチンが掲げた目標に反して、2021年以降は再び世界全体よりも低い成長率に甘んじる見通しである。まあ、それよりもさらに低成長の日本人に言われたくはないかもしれないが。


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 上図は、ロシア統計局の発表した失業率の数字を跡付けたものである。まず目立つのは、公式登録された失業者と、失業者全般という、2本の線からなっていることである。実は、ロシアでは職安に登録しても大したメリットがなく、逆に屈辱的な扱いをされたりするので、失業してもそれを正式に登録する人が少ないのである。ただ、それだと統計指標として意味がないので、社会調査などにもとづき統計局が失業者全般の数字を推計して発表しているというわけだ。

 上図を見ると、コロナのパンデミックを受け、2020年春に失業の数字が悪化したらしいということは明らかである。しかし、リアルな失業者全般が大幅に増えたというよりも、失業した人がそれを当局に公式に登録するケースが増えたと言った方がいいだろう。

 そのあたりにつき、『エクスペルト』誌の2020年12月21日~2021年1月17日号で、P.スコロボガティ記者が論じている。それによると、従来労働者は仕事を失っても、自力で仕事を探すか、あるいは非公式な仕事に従事するのが一般的だった。しかし、ロシア政府がコロナ対策として失業手当を拡充したため、それを目当てに職安に失業者として登録する人が増えた。一部の地域では、州知事が市町村に対し、失業者の登録を強制し、それによって連邦から資金を引っ張っろうとする現象も見られる。現実には、ロシアの現場ではしばしば労働力不足が発生しており、コロナにより周辺国から出稼ぎ労働者の流入がストップしていることがそれを深刻化させている、ということである。


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0143

 GLOBE+に、「ロシアは本当に『帝国』から脱皮できるのか?」を寄稿しました。

 2020年は旧ソ連諸国で大きな政治的事件が相次いだ年でした。新年最初のコラムでは、ベラルーシ情勢のその後、政治学者D.トレーニン氏の論考などを題材としながら、ロシアとその他の旧ソ連諸国の関係について考察してみました。


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719

 こちらの記事によると、2020年のロシア・ガスプロム社による「遠い外国」(≒ソ連域外)への天然ガス輸出は、1,793億立米だった。ミレル社長は、この実績は同社の歴史上五指に入る数字だと強調した。しかし、2019年は1,992億立米だったので、前年比10.0%低下したことになる。

 一方、こちらの記事によると、ガスプロムはパイプライン「シベリアの力」を通じて、2020年に41億立米の天然ガスを中国に輸出した。シベリアの力は2019年12月に稼働開始した。


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716

 昨年11月と少々古いが、こちらの記事によると、ロシア環境省が毎年恒例の環境報告書を発表し、その中でロシアで最も汚染された10の河川を示しているということである。そのワースト10は以下のとおりで、汚染が酷い順に並んでいるので、オビ川が最悪ということになる。

  1. オビ川
  2. ヴォルガ川
  3. アムール川
  4. ドニエプル川
  5. エニセイ川
  6. ウラル川
  7. ドン川
  8. テレク川
  9. 北ドヴィナ川
  10. コルィマ川

 うーん、ただ単にロシアの主要河川を列挙しただけのような気もするが。逆に、主要河川でこの不名誉なリストに入っていないのは、レナ川くらいかな。なお、カマ川とか、支流はたぶん対象になっていないのだと思う。


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「60年前のソ連で何が起きていたか」です。よかったらご笑覧ください。


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0142

 GLOBE+に、「プーチン流GoToは不発でも期待されるロシア国内旅行の発展」を寄稿しました。

 注目すべきことに、コロナ禍の中、ロシアでも日本のGoToに良く似た国内旅行促進策が実施されました。しかし、実際に執行されたロシア版GoToの事業規模は、日本のそれよりも2桁ほどスケールが小さいものでした。このように、ロシア版GoTo自体はやや不発だったものの、2020年がロシアの国内旅行産業にとって一つの転機となったことは間違いありません。2020年最後のコラムでは、ロシア国内旅行の問題について語ってみました。


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 有名なソ連映画で、「運命の皮肉、あるいはいい湯を」というのがある。私自身は実際に観たことがないが(ロシア研究者失格か)、ロシアの人達はこの映画を大晦日に必ず観るという話は、耳にタコができるくらい聞かされ、良く知っている。以下は、ウィキペディアからの作品紹介。

 「運命の皮肉、あるいはいい湯を」(うんめいのひにく、あるいはいいゆを , 原題:Ирония судьбы, или С лёгким паром! , 英題: The Irony of Fate)は、ソビエト連邦で1975年に製作されたコメディ映画。監督はエリダール・リャザーノフ。
 大晦日、酔っ払った男がモスクワから誤ってレニングラードに行き、自分のアパートの部屋と勘違いして女性の部屋に入ったことから起こる騒動を描くロマンティック・コメディである。旧ソ連時代、通りの名前やアパートの形状も似たり寄ったり(いわゆるフルシチョフカ様式)で、アパートの鍵も数種類しかなかったという状況が背景にある。ロシアでは、大晦日の深夜に決まってテレビ放送される定番映画作品となっている。

 しかし、こちらで政治評論家のマカルキン氏が語っているところによると、SuperJobが最近実施したアンケート調査により、ロシア国民が大晦日に「運命の皮肉」を観るケースが、減りつつあることが明らかになったということだ。確かに、年末年始に観る映画として、依然として「運命の皮肉」は一番人気ではあるのだが、その支持率は2010年の42%から、2020年には26%に低下した。一方、それを猛追しているのが、ハリウッド映画の「ホーム・アローン」であり、こちらは逆に3%から20%に急増したのだとか。もちろん、SuperJobのアンケートはネットの活発なユーザーが回答するものであり、ネットを使わない高齢者や農村居住者の意見が反映されれば「運命の皮肉」の数字はより高まるであろうが、いずれにしてもロシアでも世代交代が進み、ソ連がますます遠くなりつつことが映画の好みからも裏付けられると、マカルキン氏は指摘している(そもそも「ホーム・アローン」にしても、もう30年前の作品だが)。


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 昨年8月の古い記事だが、こちらに、どういった国がロシアに対する国家債務を抱えているかを示したグラフが掲載されていたので、それを見てみることにする。上の図は旧ソ連諸国とそれ以外の諸外国に分かれているが、合わせて整理すれば以下のとおりとなる。

  1. ベラルーシ:76億ドル
  2. ウクライナ:37億ドル
  3. ベネズエラ:35億ドル
  4. キューバ:32億ドル
  5. バングラデシュ:20億ドル
  6. キプロス:18億ドル
  7. インド:11億ドル
  8. イエメン:10億ドル
  9. イラク:7億ドル
  10. セルビア:7億ドル

 なお、ウクライナの債務とされているのは、その大部分が、ロシアがヤヌコーヴィチ政権の末期に同政権への実質的なテコ入れとして国民福祉基金の資金でウクライナのユーロ債30億ドルを買い上げた分である。しかし、ウクライナ現体制は、これはヤヌコーヴィチへの「賄賂」であったとして、ロシアに対する債務として認めているのを拒否している。


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 来週発表するGLOBE+のコラムで、ロシアの国内旅行について論じる予定である。本日は、それを書くに当たって利用したデータを整理してお目にかけたい。

 ロシア人と旅行というテーマを語るに当たって、大前提となるのは、彼らがビーチリゾート大好き国民であるということだ。それを客観的に裏付けるデータを探ってみたい。まず、「全ロシア世論調査センター」が本年実施したアンケート調査で、「貴方はどんな休暇の過ごし方が好きですか?」ということを複数回答で問うているので、その結果を上の表にまとめた。ただし、この調査はコロナの年に実施されたものなので、別荘や自宅でおとなしく過ごしたいというムードが例年以上に強まっていたことを考慮すべきかと思われる。まあ、それでもビーチリゾートという回答が3位になっている。

 他の調査では、ビーチリゾートという回答がもっと多いものが目立つ。たとえば、下に見るのはNAFIという機関が2018年と2019年にロシアで行った同様の調査で、好きな休暇の過ごし方の回答結果をまとめたものである。

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 興味深い国際比較調査もある。今年初めMomondoという会社がロシアを含む世界24ヵ国で行った調査で、各国民の好きな休暇の過ごし方を尋ねている。その結果、すべての国の回答状況と、ロシアのそれを比較すると、下表のとおりとなる。やはり、ロシアではビーチリゾートが一番人気であり、なおかつ諸外国と比べてもその傾向は強いことが裏付けられている。

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 というわけで、来週29日に出るはずのコラムをお楽しみに。


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 こちらに、RIA Novostiが選ぶ2020年のロシア経済十大ニュースというのが出ているので、以下のとおり項目だけまとめておく。

  1. ロシア経済もコロナ禍に揺れる
  2. コロナ対策でロシア政府も財政上の対応を迫られる
  3. OPEC+の協調減産
  4. 株・為替などマーケットの悲喜こもごも
  5. ズベルバンク、ヤンデックスとの関係を解消へ
  6. ロシア当局、メッセージアプリ「テレグラム」の規制解除
  7. ノリリスクで深刻な環境破壊事故
  8. 脱オフショア化を継続、ルサールも国内のカリーニングラード州に登記
  9. インフレは許容範囲も砂糖・油など基礎食品は値上がり傾向
  10. 本格普及はまだ先だが5G元年、7月にはMTSが初のライセンス取得

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 GLOBE+に、「世銀のビジネス環境レポートに何が起きたのか? ロシアも拍子抜けの事態」を寄稿しました。

 私が属している業界では、毎年秋の風物詩があります。世界銀行(世銀)から、例年10月頃に『Doing Business』というレポートが刊行されるのです。この報告書は、世界の国と地域のビジネス環境を網羅的に比較し、「どの国が規制が少なくビジネスをやりやすいか?」というのをランキング形式で発表するもの。ところが、2020年秋に出るはずだった『Doing Business 2021』は、ついぞ発行されませんでした。一体、何が起きたのでしょうか?

 そして、『Doing Business』は、ロシアおよびその近隣諸国にとっても、大きな関心事です。特にロシアは、このランキングにおける順位の向上を国家目標の柱に据えていたほどで、それが出なくなってしまうのはまったく拍子抜けの事態です。


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 こちらの記事がなかなか興味深かった。旧ソ連各国の国民が、ロシアという国とどう向き合っているかを、国ごとに寸評したものである。旧ソ連の所得水準の低い国から、ロシアに大量の出稼ぎが流れていることなどは良く知られており、人数や送金額といった数字が取り沙汰されることは多いが、このテキストはそこに潜む国別のニュアンスみたいなものを描き出していて、参考になる。

 たとえば、ウズベキスタン国民とロシアの関係については、以下のように述べられている。

 ウズベク人はロシアで主に低賃金労働に従事している。これは単に、ウズベキスタン国内の情勢が芳しくなく、ロシアでのどんな仕事でも我慢しなければならないということではない。ウズベク人がロシアで月に1万~2万ルーブルを稼げば、ウズベキスタン国内ではロシアでよりもずっと多くのものを買えるのである。ウズベキスタンでは、物価、気候、生活費と、何もかもが異なる。こうした低賃金労働者の場合には、家族はウズベキスタンに残り、ロシアから家族に送金をして、稼いだ後はウズベキスタンに戻り、悪くない生活を送ることができる。一方、ロシアで運良く高賃金の仕事を見付けられたウズベク人は、家族とともにロシアに定住する。


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 こちらのサイトに、ウクライナ危機を発端としてロシアが欧米の一部食品に課している輸入禁止措置と、それを受けた輸入代替に関するレポートが掲載されている。

 主要な図表のみ見ておくと、禁輸対象品目の輸入額(青色)、輸入量(グレー)を跡付けたのが、上図になる。金額ベースで見ると、対象品目の輸入は、禁輸導入前の2013年の228億ドルから、2019年の134億ドルへと、41%低下した。対象国以外からの輸入に置き換わった分もあれば、ロシア国内の輸入代替生産により賄われた分もあれば、ロシアで消費が低迷して消費量自体が減ったというケースもあるだろう。

 2013年から2019年にかけて、どういう品目の輸入減少率が大きかったのかを見たのが、下図となる。青が金額、オレンジが数量ベースの減少率。左から、魚、乳製品、野菜、果物、食肉・肉製品と並んでおり、肉の減少が最も大きい。

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 なお、ロシアによる欧米産食品禁輸を活かし、ロシア市場により深く食い込んだのがベラルーシだったわけだが、ベラルーシ側から見たこの問題についてはこちらの記事がある。


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 12月8日、プーチン大統領の署名により、2021年のロシア連邦予算および2022~2023年の見通しが成立した(ロシアでは連邦予算は基本的に当該年に加えてその後2年間の見通しも含めて策定される)。こちらのサイトに、その概要を示した図解資料が掲載されたので、甚だ安直ながら、それを転載させていただく。

 それにしてもロシア財政の姿勢は相変わらず渋いというか慎重で、財政赤字は、2021年がGDPの2.4%、2022年が1.0%、2023年が1.1%とされている。


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 こちらのサイトで、セルゲイ・ヘスタノフという有識者(写真)が、直近で石油価格は持ち直しているものの、ロシアは非常に慎重に受け止めているということを論じている。

 ヘスタノフによると、ポストコロナの経済回復が意外に早いのではないかとの議論が出始めてはいるが、石油価格がコロナ以前の水準にすぐに戻るかという点については一連のリスクがあり、少なくともロシア政府はそれらの要因を非常に重く見ている。

 慎重姿勢の背景にあるのは、価格カルテルの本質的な不安定さである。1985年のOPECの経験も、2020年3月以降のOPEC+の事例も、いずれは造反する国が現れ、価格競争が始まることを物語っている。1980年代の価格競争はソ連経済の痛手となり、ソ連崩壊の一因となった。

 第2のリスクは、より長期的・戦略的なもので、それはエネルギーシフトである。CO2削減、化石燃料からの脱却という方向性は、今すぐではないが、将来的に強まっていくことは不可避である。ロシアの重要な石油・ガス輸出先であるEUでも、化石燃料を抑制する特別課税が2021年にも導入される可能性があり、最初は低い課税率でないにしても、将来的に引き上げられていくことになり、ロシアの輸出の一部が不安定化する恐れがある。

 ロシア政府がこのリスクを重く見ている証左として、リザーブ(注:国民福祉基金や外貨準備のことを総合して言っている模様)の利用にきわめて慎重になっている。そもそも、リザーブ自体、Xデーに備えて蓄えられているものだ。ロシアでは、コロナ禍の渦中の2020年8月に、国際的なリザーブがピークに達するという、特異な現象が起きた。ロシア政府の視点からすれば、本物のXデーはコロナ禍の現在なのではなく、まだ先にあり、そのために蓄えが必要ということである。ヘスタノフは以上のように論じている。


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 ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ氏は、今年1月に首相の座を追われ、安全保障会議副議長という、実権が不確かなポストに異動になった。当時の受け止め方としては、これによって同氏はすっかり影響力を失い、閑職をこなすだけという見方も多かった。

 しかし、最近出たこちらの論評記事では、最近メドヴェージェフ氏の政治的立ち位置が変わったこと、政治制度変更により同氏に新たなキャリアの可能性が生じたことを論じている。

 記事によると、12月4日に下院の国家建設・法制委員会が了承した法改正案により、連邦上院に関する新法が発効した時点で、それ以前に大統領職を務めた人物は、いつでも終身上院議員への就任を申し出ることができるようになる。これにより、メドヴェージェフは来たる下院選で与党「統一ロシア」を率いて戦い、下院に進出してもいいし、それと同時に上院での可能性もキープできることになった。

 他方、メドヴェージェフは大統領在任時には、反欧米的な言動は避け、オバマ米政権とのリセットを推進した。米国との対立は避けつつ、日本との領土問題という些末な問題で強硬姿勢を示しただけだった(注:服部の意見ではなく原文にそう書いてあるので悪しからず)。しかし、最近の宗教・民族問題に関する会合でメドヴェージェフは、外国の組織やロシアのNGOが及ぼしうる脅威について警告、内務省と連邦保安局にこの分野で存在する脅威のリスト作りを命じた。また、先日メドヴェージェフは、欧州委員会がロシアによるフェイクニュースの拡散を警戒する姿勢を示したことを、厳しく非難した。このようにここに来てメドヴェージェフは、反西側的な立ち位置を鮮明化しつつある。


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