ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

カテゴリ: ジョージア

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 こちらの記事が、ジョージアのワイン輸出の動向について伝えている。というか、上掲のように、銘柄別の輸出内訳というデータは個人的に初めて見たので、ぜひ取り上げてみたいと思った次第だ。正直言えば、キンズマラウリとツィナンダリくらいしか知らないわけだが(笑)。

 記事によると、2019年にジョージアは2億2,300万ドルのワインを輸出し、前年の1億9,700万ドルから13.2%拡大した。これはジョージアの輸出総額の5.9%に相当する。2019年の輸出数量は9,300万ボトルと推定される。

 ジョージア産ワインの最大の輸入国はロシアで、2019年には全体の59.8%の1億3,330万ドルを占めた。数量ベースではロシアのシェアはさらに大きく、61.5%に達する。ロシアに続くのがウクライナで、2019年には2,305万ドルを輸入した。

 また、過去10年間で、中国への輸出が急増しており、2019年には1,890万ドルに達し、ジョージア産ワインの第3位の輸入国となった。


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 南コーカサスの観光立国、ジョージア。昨年初夏のロシアとの政治的対立もどうにか乗り越え、昨年は外国からの観光客受入で過去最高の773万人を記録していた。

 しかし、2020年に入って、ロシアとの対立よりももっと厄介な問題に直面することになった。言うまでもなく、新型コロナウイルスのパンデミックだ。上のグラフは、月別の観光客数を跡付けたものである。1月までは好調であり、同月までは実は中国人観光客も増えていた。2月はトータルではほぼ前年並みだったが、当然この月には中国人観光客は激減。そして、3月になると、中国に限らず、あらゆる国からの観光客が激減する事態となった。おそらく、4月の数字はさらに悪化するだろう。これから書き入れ時の夏にかけて、果たしてパンデミックが収束するだろうか。ジョージア経済の行方が、大変気がかりである。


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 こちらおよびこちらに、ジョージア国立ワイン庁の発表した2019年の同国のワイン輸出状況が出ている。これによると、2019年にジョージアは9,400万ボトルのワインを世界53ヵ国に輸出し、これは前年比9%増であった。金額ベースでは2.4億ドルで、前年比17%増であった。

 ただ、ジョージア国立ワイン庁の発表の仕方に、疑問を覚える。「戦略的な市場」としてポーランド、中国、米国、英国の4ヵ国が挙げられており、それ以外に「伝統的な市場およびアジア」として11ヵ国が挙げられているのだが、必ずしも上位の国になっておらず、重要な欠落がある。別の資料を見ると、ジョージアのワインの輸出先として1位はロシア、2位はウクライナ、3位は中国、4位はカザフスタン、5位はポーランド、6位はベラルーシとなっており、要するにロシアが圧倒的で、それ以外のCIS諸国がそれに次ぐわけだが、ワイン庁の発表ではウクライナやカザフスタンが省かれている。ワイン庁の情報の出し方は、わざとロシア・CIS依存の全体像が分からないようにしてあると考えざるをえない。純粋に統計資料として多い順に出せば、それでいいのではないだろうか。


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 ジョージア西部の黒海に面したアナクリアで2018年9月から、ポチ、バトゥミに次ぐ同国第3の港「アナクリア深海港」の建設が進められているという件に関しては、ジェトロのこちらの記事が詳しい。

 それで、くだんのアナクリアの位置を確認してみたところ、上掲地図のフラグの立っている位置だった。点線がジョージアからの分離を掲げる非承認国家アブハジアとの境界線になっており、そのすぐ南にあることが分かった。日常的な緊張関係はそんなに厳しくないと想像するが、安全保障的な観点から大丈夫なのだろうかということをちょっと感じたので、書き留めておく次第。


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 昨年6月にジョージアで反ロシア・デモが発生し、プーチン大統領がロシア・ジョージア間の直行便禁止、旅行会社によるジョージア商品販売自粛を命じたことで、近年観光立国として成長が目覚ましかったジョージアが窮地に陥ったかと思われた。本件については、7月に「反ロシアデモ勃発で観光立国ジョージアが直面する試練」と題するコラムを発表している。このほど、ジョージア観光庁から2019年のインバウンド観光実績のデータが発表されたので、答え合わせをしてみたい。

 ジョージアを訪問した観光客の国別内訳をまとめたのが、下図になる。結論から言えば、2019年にジョージアは773万人の外国人観光客を受け入れ、前年を上回っただけでなく、過去最高記録となった。そして、注目すべきことに、ロシアからの観光客も、2019年通年では、前年を上回っている。

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 しかし、2019年上半期の勢いからすれば、ロシアからの観光客はもっと増え、それにつれてジョージアのインバウンド全体ももっと伸びるはずだったのである。下図に見るとおり、反ロシア・デモが起きて以降、ロシアからの観光客が目に見えて減少し、書き入れ時の夏に思うように稼げなかったことが分かる。上半期の勢いからすれば、2019年の国別の内訳でロシアがトップになるかと思われたが、終わってみればアゼルバイジャンにその座を譲った。

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 しかし、上図を見ると、ロシアからの客足は徐々に戻っており、12月には前年同月を上回っていたことが確認できる。危機的な状況は、ひとまず乗り切ったと見ていいかもしれない。

 それに関連して、重要なポイントは、ロシア・ジョージア間の直行便がどうなったかである。調べてみたのだが、「まだ禁止されたまま」、「すでに飛んでいる」、「2020年前半に復活する」など様々な情報が飛び交っており、正確なところが確認できなかった。ただ、昨日トビリシ空港の運航状況をチェックしてみたところ、下に見るように、モスクワからトビリシにジョージア航空の直行便が飛んでいるようなのである。摩訶不思議だ。

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 訂正:その後、さらに調べてみたところ、下に見るように、モスクワ→エレヴァン、エレヴァン→トビリシと、1回乗り換えることが判明した。ということは、やはりまだ直行便は飛んでいないという理解でいいのか。

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 こちらのサイトに出ていた情報が、なかなか興味深かった。ロシアがどんな国と自由貿易圏(FTA)の関係にあるかを整理したものである。なお、ユーラシア経済連合のパートナであるベラルーシ、カザフスタン、キルギス、アルメニアとは、ロシアはFTAよりももっと進んだ関税同盟の関係にある。

 上記資料によれば、ロシアがFTAの関係にある相手国には、3つのパターンがあるということである。

 第1に、ロシアが加盟するユーラシア経済連合がFTAを結んでいる相手であり、ベトナム、イランがこれに該当する。

 第2に、ユーラシア経済連合には加盟していないが、2011年調印のCIS自由貿易協定に参加した国であり、ウクライナ、モルドバ、タジキスタン、ウズベキスタンがこれに該当する。もっとも、ロシアはウクライナ、モルドバがEUと連合協定を結んだことへの実質的な報復としてウクライナおよびモルドバ産品に対する関税を勝手に復活させているわけだが。

 そして、第3に、かつてロシアが二国間FTAを結んだ相手国であり、ジョージアとセルビアがこれに該当するということである。ただし、セルビアに関しては先日、ユーラシア経済連合とのFTAが調印されたので、それが発効すれば、この第3の枠組みが該当するのはジョージアだけということになる。なお、今年初めに私がGUAMの会議に参加した際に、アゼルバイジャンの代表者が、我が国とロシアの間には二国間FTAが成立していると主張していたが、今回の資料を見る限り、アゼルバイジャンの名前は見当たらない。

 ロシアとジョージアの二国間FTAは、1994年に成立したということである。こちらの協定がそれであろう。ロシアはワインなどジョージアのデリケートな品目を狙い撃ちにして、通商制限措置を採ることが多いので、この二国間FTAがどれだけ実効性があるかは微妙なところだが、いずれにせよ政治的には敵対関係にある両国が一応経済面では形の上ではFTA関係にあるということは、頭に入れておいて損はないだろう。

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 なお、本件をジョージアの側から見たものとして、こちらのサイトが見付かった。これによれば、ジョージアはEU28ヵ国とは連合協定のDCFTAで、CIS10ヵ国とは二国間協定で、EFTA4ヵ国とは2016年の協定でFTAの関係にあり、さらに中国、香港、トルコともFTAが成立しているという。


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 半年ほど前に、大丸東京店で「世界の酒とチーズフェスティバル」が開催された件については、上掲のとおり、私の関心国であるモルドバ、ジョージア、アルメニアに絞って動画でレポートした。

 そしたら、こちらのサイトに見るとおり、10月9~15日という日程で、再び「世界の酒とチーズフェスティバル」が開催されるということである。この酒フェスは、半年に一度くらい定期的に開催しているということなのだろうか?

 私の勤務先から比較的近いので、昨日昼休みに覗いてみたのだが、残念、初日の9日は15:00オープンということであり、昼にはまだ準備中だった。実は私は本日10日から20日までロシア出張なので、今回はもうお邪魔できない。

 上掲のサイトを見る限り、旧ソ連圏に関して言えば、前回と同じ業者たちが、モルドバ、ジョージア、アルメニアのワインを展示するということである。

 ただ、今回興味深いのは、14日に綿引まゆみさんという専門家が、アルメニア・ワインについての講習を行うとされていることだ。自分が東京にいれば、ぜひ聞きたかった。以下のような内容らしい。興味深すぎる。

 ワイン発祥エリア、アルメニアの地場品種ワインに注目 10月14日(月・祝) 午前11時~ 綿引 まゆみ先生

 ワイン発祥の地とされる黒海、カスピ海周辺の国々の中で、近年注目を集めているのがジョージアです。しかし、その他の国々も見逃せません。ジョージアの南に隣接するアルメニアも古いワイン造りの歴史を持ち、地場品種から個性豊かなワインを造っています。そんなアルメニアのワインを、現地取材による最新情報とともに紹介いたします。


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 GLOBE+に、「旧ソ連諸国の国名をめぐるモヤモヤが止まらない」を寄稿しました。先日ブログでも触れた例の「ウクライーナ」の話題を、改めて論じてみました。


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 GLOBE+に、「反ロシアデモ勃発で観光立国ジョージアが直面する試練」を寄稿しました。


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 『週刊ロシア経済』(No.32、2019年7月15日)を配信しました。今回から、特定のトピックスを選び、それに関する情報を集中的にお伝えする方式に転換しました。初回は、「経済的観点から見たロシアとジョージアの反目」です。


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 既報のとおり、ジョージア情勢の緊迫化を受け、ロシアのプーチン大統領は6月21日付の大統領令で、7月8日からロシアのエアラインがジョージアに乗り入れることを禁止し、旅行会社にはジョージア旅行を取り扱わないよう勧告した。

 こちらの記事によれば、このほどジョージア観光庁のM.クヴリヴィシヴィリ長官が、ロシア人観光客減の影響について語った。それによると、ジョージアは本年末までに100万人のロシア人観光客を失い、20億ラリ(7.1億ドル)の損害を受ける見通しである。2018年には140万人のロシア人がジョージアを訪れ、20億ラリをもたらしていた。2019年の見通しは170万人、25億ラリだった。なお、2018年にはジョージアを訪れるロシア人の過半数は陸路だったが、2019年1~5月には80%が空路を利用していた。ジョージアとしては、我が国が安全な旅行先であるという情報の発信に全力を尽くしていきたいと、長官は述べた。


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 商工中金経済研究所から発行されている『商工ジャーナル』という月刊誌がある。このほど、その「観天望気」というコーナーで、年1回の連載を開始することになり、7月1日に発行される7月号にその第1回を寄稿した。

 第1回は、「経済制裁と貿易戦争の横行する世界」と題し、ここ数年の世界経済がすっかり制裁と貿易戦争によって撹乱されていることを憂う内容だった。そして、そんな世界の中で見られる例外的現象を紹介するという意味合いで、末尾をこんな風に結んでしまっていた。

 ジョージアは、2008年8月にロシアとの軍事衝突に直面した。ジョージアは国土の一部を実質的に喪失し、両国の外交関係は今もって断絶したままである。しかし、両国の経済関係は、2013年から正常化している。今や、両国首都間を多くの直行便が飛び、ロシア人観光客が急増して、ジョージアは世界で最も急成長している観光立国となっている。

 言わば、名を捨て実を取ったジョージア。案外その方が、安全保障上の問題の解決にも近道なのではないか。

 旧ソ連地域の情勢に関心をお持ちの方であれば、この記述がここ数日間で完全に陳腐化したことをご存知であろう。6月20日にジョージアの首都トビリシでキリスト教東方正教会の議員連盟会合が開催され、その際にロシアの議員が議長席に座りロシア語で発言してしまった。悪いことに、S.ガヴリロフというその議員は、2008年のジョージア・ロシア戦争で重要な役割を担った人物だった。これにジョージアの野党議員が反発しただけでなく、議会の外では市民の抗議デモが発生し、いつしかそれは反政府デモの意味合いを強めた。トビリシが騒乱状態となったことを理由に、ロシア当局は22日、ロシアからの航空機をジョージアに乗り入れることを7月8日から禁止すると発表。また、ロシア消費者庁は24日、ジョージア産ワインに品質上の問題を発見したとして、輸入規制を強化することを発表した。

 観光とワインは、ジョージアがロシアに経済的に依存している2本柱である。それを制限することは、実質的に経済制裁の発動に他ならない。私がコラムで書いたことは、吹き飛んでしまった。

 文章を書くことは恥をかくことであり、増してや国際情勢を対象としていれば、書いたものがすぐ古くなってしまうということは、よくある。しかし、『商工ジャーナル』の「観天望気」は、大所高所の議論を披露してほしいとの注文だったので、私なりに工夫を凝らし、ジョージアの話も括目すべき新潮流として取り上げたつもりだった。それが裏目に出て、連載1回目に、出た瞬間に古びている文章を書いてしまうとは。ここ何年か続いていたトレンドが、よりによって私のコラムが脱稿した直後に、ひっくり返ってしまうとは。ジョージア情勢の急変自体が個人的にショックだったが、自分自身の間の悪さが重なり、絶望的な気持ちになってしまう。


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 大丸東京店の「世界の酒とチーズフェスティバル」で、モルドバ、ジョージア、アルメニアのワインが展示されていたので、見に行ってきました。動画でレポートします。


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 11月28日にジョージア大統領選の決選投票が行われ、女性候補のズラビシヴィリが59.5%を得票、40.5%に留まったヴァシャーゼに勝利して当選を果たした。投票率は56.2%だった。昨日のアゾフ海をめぐる問題と同様に、本件についても1ヵ月ほど前に講演で取り上げたので、その際にまとめたことをここにリサイクルさせていただく。

 そもそも、理解しておくべき重要な点がある。ジョージアでは2017年に憲法改正があり、新大統領が就任した時点でそれが発効する。大統領は実質的な権限がなくなり、完全な議院内閣制になる(大統領に残される権限で重要なのは恩赦程度)。大統領が国民の直接選挙で選出されるのは今回が最後で、2024年からは間接選挙に移行する。

 10月28日の第1回投票の結果、投票率は46.7%で、①ズラビシヴィリ:38.7%、②ヴァシャーゼ:37.7%、③バクラーゼ:11.0%などとなった。上位2名による決選投票にもつれ込んだ。

 今日のジョージアの政治体制は、2013年11月にサーカシヴィリ大統領が下野し、イヴァニシヴィリ氏率いる「ジョージアの夢」が「民主ジョージア」とともに権力を掌握して成立したもの。急進的すぎるサーカシヴィリ政権の手法への反発が強まった結果だった。イヴァニシヴィリはロシアの銀行業や冶金産業で財を成したジョージア随一の富豪。

 今回の大統領選で、与党の「ジョージアの夢」および「民主ジョージア」は、自前の候補は出さず、「無所属候補のズラビシヴィリを支援する」というスタンス。ただ、ズラビシヴィリは2016年の議会選でも与党の支援を受け小選挙区で勝利した経緯があり、「無所属」とは名ばかり。与党の狙いは、野党「国民運動」の大統領候補を勝たせないという点にある。野党候補(サーカシヴィリ時代の2008~2012年に外相を務めたヴァシャーゼ)が勝ち、2020年の議会選に影響したり、サーカシヴィリ元大統領に恩赦が与えられ同氏がジョージアに帰還したりすることを恐れている。

 新大統領に当選したのは、ズラビシヴィリ女史。1952年生まれの66歳。ジョージアからフランスに移住した移民の2世だったが、駐ジョージア・フランス大使を務めていた2004年、当時のサーカシヴィリ大統領に乞われ、シラク仏大統領の了解を得た上で、ジョージア外相に就任。しかし、サーカシヴィリ大統領と袂を分かち、わずか1年半ほどで解任され、以降は反政府側に回った。2013年の大統領選も出馬の可能性を探ったが、フランスとの二重国籍がネックとなり断念、今回の大統領選にはフランス国籍を放棄して臨んだ。

 ジョージアの主要政治勢力は、いずれも、EUとの連携を軸とした改革を志向している。その意味では、選挙結果によって、国の方向が大きく変わることはない。ただ、ズラビシヴィリが勝利した場合には、「ジョージアの夢」を中心とする権力構造が続いて安定し、ロシアとの一層の関係修復も期待できるのに対し、ヴァシャーゼが勝つと権力闘争が激化し、対ロ関係の改善という期待が遠のく、といった指摘があった。


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 昨日に引き続き、報告会「ウクライナとジョージアの最新情勢」用に準備した資料の中から、一部をお目にかけることにする。これまで個人的にジョージアの貿易データを分析したことなどなかったが、今回初めてそのデータを整理してみて、色々と認識を新たにさせられるところがあった。特に、ジョージアと言えばワインが名産ということで、ワインの輸出先を示した上掲のようなグラフを作成してみた。

 かつては、ロシアをはじめとする旧ソ連が、ジョージア・ワインの輸出先のほとんどを占めていた。ところが、ジョージアがロシアから離れEUへの接近を見せたことを受け、2000年代にロシアはジョージアのワインが衛生・品質基準を満たしていないとして輸入禁止措置を採り、ついには2008年のジョージア・ロシアの戦争が勃発し、ロシアへのワイン輸出は完全に途絶えていた。

 しかし、上掲のグラフに見るとおり、2013年にロシアがジョージア・ワインの輸入を解禁して復活、それ以降は再びロシアがジョージア・ワインの輸出先として圧倒的に大きな存在となっている。特に、2014年にロシアと欧米が制裁合戦を開始し、その一環としてロシアはワインを含む欧米産食品の輸入を禁止した状態にあるので、その要因もジョージア・ワインがロシアに再浸透することに繋がっていることだろう。

 一方、2014年のジョージア・EUの連合協定/FTA成立に伴い、ジョージアはEUに無税でワインを輸出できるようになったが、幾多の生産国がひしめくEU市場への浸透はそう簡単ではない。このグラフだけを見ると、ジョージアはEUよりもロシア・CIS諸国との関係を深めた方が経済的には得ではないかなどと、ついおせっかいなことを言いたくなる。

 上掲のグラフで、白い部分は、CISでもEUでもないその他世界である。ここ数年、ジョージア・ワインの輸出先で、その他世界も伸びつつある。特に中国向けが大きく伸びており、2018年1月にジョージア・中国のFTAが発効したことから、さらに伸びが期待できそうだ。今のところ、日本向けの輸出はそれほど大規模というわけではないが、日本でもジョージア・ワインの販路は広がっている模様。


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 昨日は、所属先のロシアNIS貿易会で、「ウクライナとジョージアの最新情勢」という報告会をやった。私は昨年11月にベルギーのブリュッセルを訪問し、EU側の視点から見たウクライナとジョージアの実情につき調べる機会があった。また、本年9月にはウクライナとジョージアを相次いで訪問し、現地調査を行った。そこで、似ているようで違う、両国の最新の国情を比較しながら論じてみようという、そんな趣旨の報告だった。

 その報告に向け、色んな素材を用意したが、我ながら出来の良いグラフが1つあったので、それをブログでもお目にかけたい。ウクライナとジョージアの経常収支の構造を比較した図である。あまり見かけないタイプの図だが、こういう図にしてみたら分かりやすいのではないかと私自身が考え作ったものだ。

 ウクライナやジョージアのように、エネルギーを輸入に依存している旧ソ連の「持たざる国」は、どうしても商品(モノ)の貿易は赤字になりがちである。それをどうやって埋めるかが課題となる。ジョージアの場合は、サービス輸出の比率が大きい(商品輸出よりも大きくなっている)。そして、39億7,600万ドルのサービス輸出のうち、実に27億400万ドルをインバウンドの観光(旅行サービス輸出)で稼いでいる。一般論として言えば、観光だけで国民経済を賄うというのはそんなに簡単ではないが、ジョージアくらい観光資源が豊かで国の規模が小さければ、ある程度は「観光で食う」ということも可能になるのだろう。一方、ウクライナの場合には、現状で「雇用者報酬」で埋めている部分がかなり大きいが、これは要するに海外出稼ぎ収入である。

 2017年現在、経常赤字の相対的な規模はジョージアの方が大きく、経常赤字の対GDP比はジョージアが8.9%、ウクライナが1.9%である。


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 GLOBE+に、「ロシアとの戦争から10年 今ジョージアが熱い」を寄稿しました。


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 聞き取り調査で訪問した、ジョージアの「NATO・EU情報センター」のロゴマーク。まあこうなるわなというデザイン。なんか強そうだ。


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 ジョージアの夕食のひととき。ミックス・シャシリクの中央に炎の演出を施すという、インスタ症候群の皆さんが狂喜しそうな映える絵柄。観光客にとっては本当に魅力的な国だ。


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 9月3日のジョージア・トビリシでの調査は、主にジョージア外務省にて、アジア局長、対外経済関係副局長、欧州統合局長にそれぞれ1時間ほどお話しを伺うことに費やした。非常に実り多い聞き取り調査となり、実り多すぎて、ちょっとすぐには消化しきれないくらいだった。日本大使館にお邪魔し大使にもお話を伺ったが、4日から日本の河野外相が日本の外務大臣として初めてジョージアを訪問するということで、大変お忙しい中、大使にご対応いただけたのは恐縮でした。


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 というわけで、ロシアでの調査を終え、昨日の飛行機でロシアのモスクワからジョージアのトビリシに移動。本日から本格的な調査に入ります。写真は昨日の夕食。にしてもロシアと違いライブドアブログに接続できるのが有難い。モスクワのホテルにコンセントのアダプターを忘れてきたっぽい。


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 M.サーカシヴィリ氏と言えば、元ジョージア大統領でありながら、ユーロマイダン革命後のウクライナ政界に進出し、オデッサ州知事に就任したという変り種だ。毀誉褒貶は激しいものの、腐敗体質の泥沼のようなウクライナにあって、汚職根絶に孤軍奮闘しており、評価・期待する声もあるようである。

 しかし、こちらのニュースによると、本年秋にジョージアでは議会選が予定されており、サーカシヴィリの「統一国民運動」が勝利したあかつきには、サーカシヴィリは本国の政界に舞い戻る予定だという。「ジョージアに戻っても、ウクライナでの使命を放棄するつもりはない」というのが本人の弁だが、現実的に2つの国で政治家として活動できるはずはない。思ったよりもウクライナ政界でポジティブな役割を果たしつつあるようにも見えるサーカシヴィリだが、結局は一過性のあだ花に終わるのだろうか。


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 先日、知人から、「なぜジョージア(旧グルジア)ではラグビーが盛んなのか?」と訊かれた。個人的に、ラグビーに関する知見はなく、昨年のワールドカップも一秒も観なかったので、正直言えば、ジョージアとラグビーを結び付けて考えたことなど、一切なかった。むしろ、最近でこそパッとしないが、ジョージア=伝統的なサッカー国というのが、私の抱いていたステレオタイプだったくらいだ。確認してみると、確かにジョージアの世界ランキングは現時点で14位とそこそこ高く(上図参照)、昨年のラグビー・ワールドカップにもジョージアは出場していたようである(私の所属団体の事業対象国としては唯一)。というわけで、気になったので、ジョージアにおけるラグビー人気について、ちょっと情報を探ってみた次第である。

 こちらの記事では、ロシア人記者がジョージアのトビリシを訪問し、現地の人々がテレビのサッカー中継など目もくれずに、ラグビーのワールドカップにかじりついている様子のルポルタージュが伝えられている。なるほど、かの地では、近年サッカーよりもラグビー熱の方が高いというのは、本当のようだ。

 で、なぜにジョージアでラグビー人気が高いのかという点に関しては、「Lelo burti」(ジョージア語でField Ballという意味)というジョージア伝統の原始的な球技とラグビーが似ているから、という有力な説があるらしい。下に見るのがその動画であるが、「お互いをリスペクトする」という以外には明確なルールはないらしく、以前NHKのBSで観たサッカーのルーツと言われるイングランドの田舎のお祭りに近いなと感じた。

 もう一つ、ジョージアの人々がラグビーに熱中する理由として、こちらこちらの記事を読んで、次のようなことを感じた。2008年にロシア・ジョージア間で戦争が起きて以降、サッカーではUEFAの配慮により、両国間の対戦が回避されている。ところが、ラグビーでは、中立地の開催ではあるが、最近も両国代表同士が激突している。実は、ジョージアがロシアに勝てるスポーツ種目は、ラグビーくらいである。両国のラグビーの優劣は明確であり、最後にロシア代表がジョージア代表に勝ったのは、もう20年以上前の、ただ一度きりである。というわけで、ジョージア国民がロシアへの敵愾心を発揮し、溜飲を下げることのできる唯一のスポーツ種目となっているのが、まさにラグビーのようなのである。


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 ウクライナでは、元ジョージア大統領のM.サアカシヴィリにウクライナ国籍を付与した上で、5月30日に同氏がオデッサ州知事に任命された。

 こちらのニュースによれば、サアカシヴィリは就任後の記者会見で、以下のように抱負を述べた。すべての公職に公募制で若手を起用して、州行政を刷新する。州の皆さんには、当地を変革するチャンスを私に与えてほしい。第1に新たな人材を公正に選抜すること。地元民を選ぶ。第2に、歳出を厳格に管理する。現状では多くの漏れがあり、それを正す。州行政の幹部の大多数は去ることになるだろう。汚職、特に税関のそれの対策に乗り出し、本件については大統領からの指示も受けている。州都のオデッサ市以外の田舎の問題にも注意を払い、特に道路修繕、インフラ近代化が急務だと考えている。積年の問題なので、1~2ヵ月で解決するものではないが、しばらくすれば州民は変化に気付くだろう。州には分離主義的なムードがあるが、国家が自分たちのことを気遣ってくれていると感じれば、そうした気分も消えていくものである。

 以上が記者会見の発言振りだが。まあ、もって半年だろうな。


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 今まで存じ上げていなかったが、こちらのDanas je lep dan.というブログが、非常に深そうである。このブログの中で、グルジアという国名に関する考察が披露されており、それがとても深く鋭い。

グルジアのことは「ジョージア」ではなく「サカルトヴェロ」と呼ぼう

世界はサカルトヴェロを何と呼んでいるのか?――「グルジア/ジョージア」呼称問題のための資料

 当方にとっても、業務上、関係してくる可能性のある問題なので、ここにクリップしておきたい。

 とか何とか言いながら、このDanas je lep dan.というブログを拝見していたら、私のブログについてのコメントをいただいたりしていて、ビックリ。参考にさせていただきます。

 これだけ鋭く有益な内容なのだから、本名をお出しになったらいいのではないかと思ってしまうのだが、どうだろうか。


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 以前こちらの記事で、本年5月に副首相・官房長官の座を去り、野に下っていたV.スルコフが、近くイノベーション的発展問題担当の大統領補佐官に就任する方向になったという報道を紹介した。ただ、本人はその報道を否定していた。そして、9月20日、V.プーチン大統領はスルコフを大統領補佐官に任命する大統領令に署名した。大統領報道官の説明によると、スルコフはイノベーション政策ではなく、グルジアからの独立を主張している未承認国家であるアブハジア、南オセチアとの関係を担当することになった。スルコフは9月21日が49回目の誕生日であり、その直前での任命となった。なお、これまで大統領府ではT.ゴリコヴァがアブハジアおよび南オセチア問題を担当していたが、同女史は9月20日に下院承認により会計検査院院長に就任することになった。


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 やや取り上げるのが遅くなってしまったが、10月4日、A.ルカシェンコ・ベラルーシ大統領が、グルジアの議会選挙結果を受け、グルジアのCIS復帰を働きかけていきたいと発言する場面があった。こちらのニュースが伝えている。

 これによると、ルカシェンコ大統領は国際テレビラジオ局「ミール」とのインタビューで、概略以下のように述べた。2013年には、おそらくミンスクでCISサミットが開催されることになる。したがって私は、何としてもグルジアのCIS復帰を働きかけていきたく、これは私の役割だ。ベラルーシはその方向で動く。グルジアを失うわけにはいかない。たとえ議会選でサアカシヴィリ派が勝ったとしても、いずれにしても来年にグルジアはサアカシビリの下でCISに復帰していたことだろう。ルカシェンコは以上のように述べた。


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 10月1日に投票が行われたグルジア議会選挙で、野党連合「グルジアの夢」の勝利が確実となり、これがロシアとの関係改善に繋がるという見方が広がっている。

 こちらのニュースによると、「グルジアの夢」のリーダーであるイヴァニシヴィリは、選挙の大勢判明を受け、グルジアは引き続きNATO加盟を希望するが、ロシアと友好的な関係を回復することも望んでおり、グルジアのNATO加盟はロシアにとっての危険とはならないということをロシアに説得したいと述べた。一方、D.メドヴェージェフ・ロシア首相も、「統一ロシア」(ロシアの政権与党で、メドヴェージェフ氏が党首)はロシアの主導的な政治勢力として、ロシア・グルジア関係の未来に関する対話に応じる用意がある、今般の選挙はグルジア国民が変化を望んでいることを裏付けた、とコメントした。ただし、両国関係改善の実際の見通しに関しては、専門家の間でも見方が分かれており、慎重な見方をする向きもある、とのことだ。


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 ロシアの支援の下、グルジアからの分離・独立をめざしている南オセチア共和国で、3月25日大統領選の投票が実施された。こちらのニュースなどによると、開票が行われた結果、南オセチアKGBの元長官レオニード・ティビロフが42.48%を得票し、1位となった。オンブズマンのダヴィド・サナコエフ氏が24.58%を得票して2位に着けた。この結果、この2候補による決選投票が、4月8日に行われることになった。投票率は70.28%だった。

 南オセチアの大統領選は、最初は2011年11月に行われ、その時は元教育相のアラ・ジオエヴァと非常事態相のアナトリー・ビリロフが決選に進出、決選では前者の当選が発表されたものの、選挙違反を理由に最高裁が選挙を無効と判断し、3月25日に再選挙が行われることになった。ジオエヴァとビリロフは再選挙には出馬しなかった。

 ロシアの北オセチア共和国の首長で、ロシア大統領の南オセチア問題の特使を務めているタイムラズ・マムスロフは、南オセチアは政治的危機を克服した、大統領選の候補者たちも市民の大多数もロシアとの関係強化で一致しているとして、第1回投票の結果を高く評価するコメントを出した。

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