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 ロシアのルーブル安に関する現地解説記事をいくつか読む中で、一部の記事に、今年に入りロシアの輸出パフォーマンスが悪化し、その一方で輸入が拡大したため、貿易収支が(依然大幅な黒字とはいえ)悪化したことがその背景にあったということが指摘されていた。

 そこで、ごく単純な作業だが、ロシア中銀が発表している国際収支表に着目し、四半期ごとの商品輸出入額を、上図のとおり跡付けてみた。経済情報の開示が低下しているロシアながら、中銀は今のところ、ごく簡略な国際収支表は発表し続けている。なお、上図の2024年第3四半期のデータは中銀の推計値である。

 こうやって見ると、2022年は変動が激しかったものの、2023年、2024年と、輸出入ともにほぼ横這いの状態が続いている。貿易収支の悪化がルーブル安の一つの背景にあったという解説は、やや眉唾だ。数字上の貿易収支よりも、実際にロシア外為市場に入ってくる外貨の量の問題なのだろう。


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