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 10月20日に行われたモルドバ大統領選第1回投票とEU加盟路線を問う国民投票。改めて投票結果を地区別に整理して、上掲のとおりグラフにしてみた。特に注目されるところだけ赤で示した。以下、簡単に気付きの点を。

  • 投票結果の総計では、EU賛成率が50.38、サンドゥ得票率が42.49。地区ごとのEU賛成率とサンドゥ得票率は完全に相関。相関係数は驚異の0.9942。
  • 全体に占める在外票の割合が15.39%とかなり高いので、在外票が結果を大きく左右する形となっている。そしてひとりその在外票がEUおよびサンドゥ支持を牽引する構図。国内票だけだと、EU賛成率は38.21%に下がる。
  • 首都キシナウ市には意識高い系有権者が集中するが、EU56.00、サンドゥ48.47と、その支持はそれほど突出して高くない。
  • 「北の首都」ことバルツィ市は、キシナウへの対抗意識ゆえ常に野党が強い土地柄だが、今回もEU29.42、サンドゥ21.11ときわめて低調。
  • 意外にも沿ドニエストルは目立って親ロシアというわけではない。そもそも投票者が16,131人止まりなので(私の理解によれば沿ドニに投票所は開設されないのでモルドバ本土に出向いて投票しなければならない)、住民の民意が正確に反映されたものとは考えにくい。
  • やはり、トルコ系でありながらロシア正教を信奉するガガウズ人のガガウズ自治区や、ブルガリア系が多いタラクリア地区で、反EU・サンドゥのムードが圧倒的。むろんロシアのテコ入れがあるにせよ、元々の親ロシアの素地があってこそであろう。

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