1983

 モルドバ国民投票および大統領選挙結果について、こちらの記事でウクライナ人の有識者I.モシーチューク氏がコメントしているので、以下発言要旨を紹介しておく。

 モルドバの憲法に関する国民投票の結果は、実質的に50対50で、きわめて僅差であった。当局は、欧州統合のプロセスを一時停止し、国民に働きかけ、EUに向けて前進する必要性を国民に納得させる必要がある。このようなわずかな差でEU加盟を強行すれば、惨事を招き、国を引き裂き、分裂させることになりかねない。

 国民投票の結果がこのように僅差である場合、いずれかの方向に舵を切れば国を分裂させかねないので、実質的に何もできない。論理的には、モルドバ当局が国民と対話してEU加盟を説得するか、あるいは国民がEUへの移籍を望んでいないことを当局に伝えて納得させるか、そのどちらかが理屈に適っている。

 モルドバでは、EU加盟路線が憲法に盛り込まれ、それがあだになったウクライナの二の舞にならないよう、国民投票を実施した。ウクライナでも、人々がウクライナの欧州統合を支持しなかったという意味ではない。しかし、民意が世界に対して示されなかったということが問題だった。それゆえロシアは、ウクライナが政治家によってNATOとEUに引きずり込まれ、国民には何も相談しなかったと称して、ウクライナへの全面侵攻を開始したのである。

 モルドバでは、国民と協議することを決めた。しかし、私がモルドバにアドバイスしたいのは、一旦立ち止まり、人々と協力し、納得させることだ。

 2週間後に迫ったモルドバ大統領選の決選投票に関しては、サンドゥ現大統領にとって簡単な戦いにはならないだろうし、野党候補たちが対抗馬であるA.ストヤノグロを中心に団結すれば、サンドゥにとっては非常に難しい決選になるだろう。


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