こちらの記事が、ウクライナの鉄鉱石輸出の動向につき整理してくれていて、重宝する。上図に見るとおり、鉄鉱石輸出は昨年の終盤頃から拡大に向かい、今年5月くらいまでは順調に推移したが、ここ3~4ヵ月ほどは勢いを失っている。
昨年終わり頃からウクライナの鉄鉱石輸出が拡大したのは、ロシアに握りつぶされた「黒海穀物イニシアティブ」に代わり、ウクライナが独自の黒海輸出回廊を確保し、遠い外国への鉄鉱石輸出が可能になったからだった。ウクライナにとり伝統的に鉄鉱石の2大輸出先は中国と中東欧諸国だが、ロシアによる侵攻後は陸続きの中東欧諸国にしか輸出できず片肺飛行だったものが、独自の輸送回廊開設で、それを打開したのだった。
その輸送回廊はまだ機能しているのだが、それでもここに来てウクライナの鉄鉱石輸出に陰りが見えるのは、今回の記事によると、世界的な需要の減退によるものである。特に、世界の鉄鋼生産の半分あまりを占める中国での需要減が痛く、EU諸国も同様に需要は鈍っているという。
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