ロシアとウクライナの戦争は、「非対称戦争」だなということを感じるわけである。国家・経済・人口の規模は、ロシアの方がかなり大きい。黒海という海域一つとっても、2014年以降、ウクライナは海軍戦力らしきものは持ち合わせず、栄光のセヴァストーポリ港を拠点とする黒海艦隊を有するロシアに敵うはずはないと思われた。ところが、昨日の穀物輸送の話でも述べたが、ウクライナの手作り水中ドローンがかなり効果を発揮し、これ以上損害を出したくないロシアは、黒海艦隊を東方のノヴォロシースク方面に退避させ、結果ロシアが黒海西部の制海権を握る状況ではなくなっている。
それに関連して、興味深かったのは、こちらの記事である。ロシアは、自爆したウクライナの水中ドローンの断片をかき集め、それを模倣して、自らもウクライナを攻撃するための水中ドローンを生産しようとしているというのである。
しかし、記事によれば、そもそもウクライナ側は人間が乗るような艦船は持ち合わせていないわけだから、仮にロシアがウクライナを模倣して水中ドローンを手に入れても、ターゲットとするウクライナの標的が存在しない。ロシアによる水中ドローン模倣作戦は、少なくとも現状ではまったく的外れであり、資源の無駄遣いであると、記事では指摘している。
ウクライナ側には水中ドローンで攻撃すべきターゲットがあるが、ロシア側にはそれは存在しない。やはり、非対称戦争だなとの思いを、強くするわけである。
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