ALROSA

 G7がロシア産のダイヤモンドの輸入を禁止する制裁を発動し、効果が注目されているところだが、そもそも石油などと比べるとダイヤモンドの輸出額や連邦財政への貢献度は桁違いに低く、それだけでロシア全体の屋台骨を揺るがすような性格のものではない。

 ただし、ロシアのダイヤモンド採掘の独占的企業として知られるアルロサ社のお膝元であるサハ共和国にとっては、事情が異なる。そして、こちらのリリースが、2023年にアルロサ社がサハ共和国財政に記録的な額の歳入をもたらしたということを伝えているので、以下要旨を整理しておく。

 2023年にアルロサは、サハ共和国の統合財政に、956億ルーブルの納入を行った。税金、義務的支払、配当、社会プログラムへの投資などから成る。2022年には528億ルーブルだったから、67%増ということになる。

 アルロサによる納入は、サハ共和国の統合財政の独自歳入の32%を占めた。大企業からの納入分に対しては、58%という比率となる。

 956億ルーブルのうち、税金の納入は790億ルーブルであり、過去最高となった。主なものは、地下資源採掘税の390億ルーブル(前年比75%増)、利潤税200億ルーブル(同36%増)、個人所得税の天引き分が79億ルーブル(同16%増)だった。

 アルロサはサハ共和国のミールヌィ市に登記され、主な子会社と生産企業もサハ共和国内にある。それゆえ、アルロサの納税の4分の3は連邦ではなくサハ共和国と各郡に納入される。

 また、アルロサの株式の3分の1ほどをサハ共和国が、別の3分の1を共和国の8つの郡が保有しているので、サハ共和国の財政には配当ももたらされる。2023年上半期終了時に、90億ルーブルの配当がサハ共和国の統合財政に支払われた。


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