時々取り上げるが、ロシアの自然独占問題研究所というところが、定期的にロシアの港湾貨物量を発表しており、このほどこちらのページに2024年第1四半期のデータが出たので、概要を紹介する。
2024年第1四半期の港湾貨物量は2億1,450万tで、前年同期比3.1%減だった。海域別では、以下のような結果となっている。カスピ海は絶対量が少ないので変動が大きくなりがち。
- 北極海:4.3%減
- バルト海:1.6%減
- 黒海・アゾフ海:3.5%減
- カスピ海:40.4%増
- 極東:4.8%減
主な貨物別の増減率は、以下のとおり。なお、毎度申し上げるとおり、以下の品目は基本的にすべて輸出貨物である(コンテナだけは輸入が多い)。
- 原油:0.7%増
- 石油製品:16.2%減
- 液化ガス:4.6%増
- 石炭:15.2%減
- 鉱石:4.4%減
- 鉄鋼:5.2%減
- 肥料:37.9%増
- 穀物:14.5%増
- コンテナ:11.9%増
全体として、ロシアの主要輸出品が振るわない。石油製品は意図的に輸出を抑制したものだろうが、石炭は国際市況が悪化し大幅減となり、結果として石炭の輸出窓口である極東港湾が落ち込むこととなった。そうした中、肥料と穀物の輸出だけは、活況に沸いている。
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