「黒海穀物イニシアティブ」をめぐる攻防の際に浮き彫りとなった現実として、実はウクライナからの最大の穀物輸入国は中国であった。具体的に言うと、中国はウクライナから飼料用トウモロコシを大量に買い付けていた。
ところが、こちらの記事によると、今般、中国はウクライナからのトウモロコシ輸入のキャンセルに動いているということである。政治的な悪意があるわけではなく(ウクライナ産を狙い撃ちにしているわけでもない模様)、国内経済事情によるもののようだが、気になるので以下記事の中身をざっと紹介しておく。
中国のバイヤーは、国内農家を支援するための政府の新たな措置に従い、トウモロコシの輸入をキャンセルしている。
関係者によると、中国の輸入業者は、4月から6月にかけて予約されていたウクライナ産トウモロコシの4~6カーゴを受け入れない予定だという。これらのキャンセルは過去2週間以内に行われたもので、欧州方面からの今後の輸入がさらに中止される可能性があるとのことだ。
米国とブラジルで豊作が続いた後、世界的な価格下落の圧力が生じている。
中国の税関当局は、作付けシーズン前を前にして、国内の供給過剰を緩和し、生産者価格を下支えすることを目的として、外国産トウモロコシの輸入を制限するよう、業者に要請した。今般生じているキャンセルは、それを受けたものである。
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