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 このほどロシアが占領を完了したドネツク州のアウジーウカには、有名なコークス化学工場がある。これまではR.アフメトフ氏率いる財閥SCM傘下であった。アウジーウカ・コークス化学工場はしばしば、欧州最大のコークス化学工場であると言われる。

 ただ、私の認識によれば、コークス炉は普通、製鉄所の敷地内に設けられるものではないか。それに対し、ドンバス地方では(旧ソ連全域?)、なぜか製鉄所とは別の場所にコークス化学工場を配置する傾向があるように見受けられ、それでアウジーウカの工場が「欧州最大」になっているのではないかと推察する。

 コークス化学工場はアウジーウカの中核企業であり、マリウポリのアゾフスターリ同様、ウクライナ軍の立てこもりの舞台にもなった。ロシア側が長期にわたってこの街を支配することになるのかどうかは分からないが、経済地理オタクとしては、ロシア側がコークス化学工場をどうするのかが気になるところである。

 前置きが長くなったが、こちらの記事が、コークス化学工場は再建可能だというM.アザロフ元ウクライナ首相(!)の見解を紹介しているので、要点を整理しておく。アザロフ氏いわく、すべては現在需要があるかどうか次第だ。必要性があれば、工場の再建は可能だろう。まずは最初に工場の状態を精査し、再建が理に適っているかを見極める必要がある。第二次大戦後には、ドンバス地方の工場は、大変骨が折れる作業ではあったが、かなり迅速に復興した。たとえばアルチェウシク・コークス化学工場も、実質的に廃墟になったが、1年で再建された。他方、ロシア軍が工場を占領した後も、工場の地下に残っているウクライナ軍の残党が脅威となる可能性がある(「ドネツク人民共和国」のYa.ガギン首長顧問はマリウポリのアゾフスターリと同様に一定数のウクライナ軍人がコークス化学工場の地下壕に潜伏していると指摘している)。アザロフ氏は以上のように述べた。


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