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 ウクライナアグロビジネスクラブのこちらのサイトが、2023年のウクライナの農産物輸出の結果について伝えているので、以下要旨を整理しておく。

 上図に見るとおり、ウクライナの農産物の輸出量は、2022年の5,850万tから、2023年の6,750万t(見通し)へと、15.4%拡大した。しかし、記録的な高値だった2022年に比べると価格が低下したため、金額ベースでは237億ドルから219億ドルへと、7.6%低下することになる。

 2023年の作業がきわめて困難なものになった要因としては、黒海穀物イニシアティブによる輸送回廊がロシアにより閉ざされたこと、ロシア軍がドナウ川港湾のインフラを破壊したこと、欧州の近隣諸国がウクライナ産農産物の輸入・トランジットを禁止したこと、近隣諸国との国境通過ポイントが遮断されたことなどがあった。

 現時点の輸出レベルは、2023年の収穫をさばくのには不充分であり、特に穀物など、2024年の収穫が生じる頃に、まだ前年度の農産物が残っている恐れがある。ウクライナ国内でも穀物および搾油作物の価格が低く、輸出の輸送コストが高く、運転資金が不足することから、農業生産者はさらに追い詰められる恐れがある。それゆえに、あらゆるルートを駆使して、輸出を拡大しなければならない。


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