こちら、こちら、こちらなどが伝えるところによると、EU理事会は11月27日、2024~2026年の魚介類原料の輸入にかかわる自主関税割当(Autonomous Tariff Quotas=ATQs)の方針を決定した。これにより、ロシアからの輸入が同制度の適用外になり、代表的なスケトウダラをはじめ、ロシアからの加工用魚介類の輸入関税率は、これまで0%だったものが、2024年の年初から13.7%に引き上げられる。
これは、一連の対ロシア制裁パッケージとは若干位置付けが異なる。要するに、EUとしても域内の漁業は大事にしたく、外から入ってくる魚介類には普通に関税を課したいが、EUの自給率はしょせん限られているので(現状では39%止まりの由)、EU域内での加工産業に必要な魚介類原料の輸入は、特例的に無税にしようよ、という趣旨である(当然、域内の漁業者はこの措置に不満)。なので、すべての魚介類が対象ではなく、あくまでもEUの加工産業の原料になるものだけが対象で、完成品の魚製品は対象外となる。
つまり、特例と言っても、域内の食品加工業に配慮したものであって、輸出する側の国を優遇するという意味合いではない。実際、これまではロシアもその対象に加えられていたものの、さすがにこのご時世でロシアから同スキームで輸入するのは問題と認識され、今回ロシアを除外することになったというのが真相である。なお、ベラルーシもロシアと同時に除外された。
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