こちらの記事が、ロシア企業の負債が増加しつつあるということを伝えているので、以下骨子をまとめておく。
連邦税務局のK.チェクムィシェフ副局長がこのほど明らかにしたところによると、ロシア企業の負債合計額が、年初来16%拡大し、8月1日に103兆ルーブルに達した。100兆ルーブルを超えるのは史上初である。他方、企業の売掛金総額は年初来14.4%増加し、99.1兆ルーブルとなった。
負債と売掛金の増加は、現在進行中の破産事件の状況を悪化させる可能性があるため、好ましくない。そうしたケースの数は、年初の50,300件から25%増加し、62,600件へと急増している。
エクスペルトRAのI.スミルノフによれば、買掛金の性質は多面的である。一方では、買掛金は通常、前払い金や立替金であり、このことから、現在の環境下でも取引先に対する信頼は高いと判断できる。しかし、買掛金の背後には負債が隠れている可能性があり、その増加はポジティブとは言いがたい、という。
格付会社NRAのS.グリシュニンによれば、買掛金の増加は、企業が請負業者やサプライヤーに対して負債を累積していることを示しており、企業の流動性の悪化に関連している。流動性の欠如は、売掛金の回転速度の大幅な悪化と、銀行に対する制裁が主な原因である支払の通過速度が原因である。100兆ルーブルを超える債務の増加は憂慮すべき兆候であり、経済全体を不払い危機で脅かしている、とのことだ。
インゴストラフ銀行のS.ダヌィシの意見は異なる。買掛金の増加は、経済の様々な部門におけるビジネス発展のダイナミクスが良好であることを示すが、インフレによる物価上昇も反映している。2024年の買掛金の伸び率がどうなるかは、中央銀行の金融政策、企業に対する国の支援プログラムの利用可能性、連邦予算の執行、高金利の長期化に対する企業の適応度によって決まるだろうと、ダヌィシは言う。
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